印刷用紙：Ｂ５縦
１ページの行数：40
１行の文字数（半角で）：80

　　－－以下　指導案本文－－　　
　　　　　　　　第４学年　道徳学習指導案

　　　　　　　　　　　　　　　　　　日　時　　平成８年１０月１６日鵰　２校時
　　　　　　　　　　　　　　　　　　児　童　　４年生　男子10名　女子18名　計28名
　　　　　　　　　　　　　　　　　　指導者　　阿　部　　薫

１　主題名　　　目標を決めて努力する心　〈１－③　勤勉・努力、忍耐〉
２　資料名　　　グレンよ、走れ　　（　「みんなのどうとく　４年」学研　）
３　主題設定の理由

　１　価値について
　　　学習指導要領第３章　道徳の第３学年および第４学年の内容の鉸「主として自分自
　　身に関すること」の（３）に「自分でやろうと決めたことは、粘り強くやり遂げるよ
　　うにする。」とある。これは、低学年の「自分でやらなければならない勉強や仕事は
　　しっかりと行う。」を受けたもので、この段階においては「自分でやらなければなら
　　ない」ことだけではなくさらに自主性を発揮し、自分でやろうと決めたことに対して
　　も積極的に取り組み、粘り強くやり遂げる精神を育てることが大切である。さらに高
　　学年では「より高い目標を立て、希望と勇気をもってくじけないで努力する。」にま
　　で発展する。
　　　人が何かを成し遂げようとするとき、行動の発端は、何かをしようとする決心から
　　はじまる。しかし決心だけでは目標は達成されず、人間的成長はありえない。実際に
　　行動に移し、一つ一つの課題が達成される成就感や満足感を感じながら、粘り強く続
　　けることにより、初めて目標を達成したというさらに大きな喜びを味わうことができ
　　人間的にも大きく成長すると考える。
　　　中学年になると、子供たちはかなり自分自身について考えられるようになる。そし
　　て集団の一員としての関わりも徐々に理解でき、自らの果たさなければならない責任
　　や役割等についても自覚できるようになってくる。そこで、一人一人の子供たちが自
　　ら目標を立てたり、自らやらなければならない事柄に対してどう取り組むかを考えた
　　り、さらに、自分でやろうと決めたことを粘り強くやり遂げようとしたりする態度を
　　養うことが大切であると考える。

　２　児童について
　　　４年生の子供たち一人一人は、学習面においても運動面においても、興味や関心の
　　あることには夢中で取り組むようになってきた。また、夏休みの計画を見ても分かる
　　ように、目標を立てることに具体性があり、実現に向かって計画も立てられるように
　　なっている。「できるようになりたい」「チャレンジしてみたい」というような希望
　　や願いあるいは向上心といったものは備わっている。しかし、その方法や手順が見い
　　だせなかったり、あまりにも高すぎる目標を立ててしまうために、結果的に途中で投
　　げ出すことが多々見られる。
　　　そこで本資料を通して、自分にあった目標を立て、段階的に達成感を感じながら粘
　　り強く努力すること、そして、自分で決めたことを自分で実行することは、より充実
　　した満足感が得られることを感得させたい。

　３　資料について
　　　８才の時に不慮の事故で大やけどを負い、歩くことすら危ぶまれていた状態から、
　　自らの意志で積極的に立ち直る努力をしていく。最初は立つことすらできなかった主
　　人公のグレンは、自分で考えた目標に向かい、毎日毎日根気強く努力を重ねるうちに
　　歩くことができ、次の目標である走ることにと自分自身を高めていく。そしてついに
　　は、アメリカで一番速い長距離選手として活躍し、オリンピックで入賞する。
　　　自分自身の目標を少しずつ高め、目標を達成していった行動に感動させながら、目
　　標を達成するには粘り強く努力していかなければならないことを共感させるのに適切
　　な資料である。
　　　そこで本時は、前段で、大怪我をして不安を感じている主人公の気もちに触れなが
　　ら、「歩こうか」、「あきらめようか」と葛藤している様子を書く活動を通して類型
　　化し、努力するすばらしさに深く共感させたい。また後段では、一般化で目標をもっ
　　て取り組めた経験を出させ、自分もがんばっていることに気づけるようにさせ、終末
　　で夏休み中子供たちが計画的に暮らせたかどうか、父母の手紙等、身近な題材を使っ
　　て説話とし、本時をまとめたい。

　４　本時の展開

　１ねらい
　　自分で目標を決めて、それに向かって努力しようとする態度を育てる。

　２展開
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〓段階〓　学習活動　○主な発問　〓　　期待する児童の反応　　〓　指導上の留意点
〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〓　〓鉸資料への導入をする。　〓　　　　　　　　　　　　　〓・資料への導入とし〓
〓導〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓てここではあまり深〓
〓　〓○もし大怪我をして、一生〓・悲しい。泣いてしまう。　〓くは考えさせない。〓
〓入〓歩けなくなったとしたらど〓・怪我をしないように気をつ〓　　　　　　　　　〓
〓　〓う思いますか。　　　　　〓ければ良かった。　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓・歩けるようになんとかした〓　　　　　　　　　〓
〓 3〓　　　　　　　　　　　　〓い。　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〓　〓鋧資料「グレンよ、走れ」〓　　　　　　　　　　　　　〓・事前に資料は読ま〓
〓　〓を読んで、グレンの心の内〓　　　　　　　　　　　　　〓せておく。　　　　〓
〓　〓を話し合う。　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓展〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓　〓○両足をやけどしたグレン〓・痛いよう。　　　　　　　〓・グレンがベットで〓
〓　〓は、ベットに寝ながらどん〓・悲しいよう。　　　　　　〓寝ている場面を提示〓
〓　〓なことを考えたか。　　　〓・どうなるんだろう。　　　〓し、グレンの辛い気〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓持ちに共感させる。〓
〓　〓◎歩こうとしても足がいう〓Ａもう歩くことはできないの〓・児童の価値観を４〓
〓開〓ことをきかなかったグレン〓か。だめだ。　　　　　　　〓つ（悲観的、楽観的〓
〓　〓はどんなことを考えたか。〓Ｂそのうち歩けるだろう。　〓消極的、能動的）に〓
〓　〓　　　　　　〈書く活動〉〓Ｃ歩きたい。でも痛いのはだ〓類型化する。　　　〓
〓（〓　　　　　　　　　　　　〓な。　　　　　　　　　　　〓・児童の多様な反応〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓Ｄ歩けるようにがんばろう。〓を分類、整理し友達〓
〓前〓　　　　　　　　　　　　〓練習するぞ。　　　　　　　〓の感じ方・考え方を〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓学ばせる。　　　　〓
〓　〓○最後までがんばれたのは〓・寝たきりはいやだ。歩きた〓・途中で投げ出さな〓
〓　〓どんな気もちがグレンにあ〓い。　　　　　　　　　　　〓いで最後まで努力す〓
〓段〓ったからなのか。　　　　〓・やるからには途中であきら〓るためには、どんな〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓めたくない。　　　　　　　〓ことが大切か気づか〓
〓）〓　　　　　　　　　　　　〓・一生懸命がんばろう。　　〓せたい。　　　　　〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓  〓○だれよりも早く走れるよ〓・苦しさに負けずに努力して〓・より高い目標を達〓
〓  〓うになったグレンは、自分〓よかった。　　　　　　　　〓成したグレンの成就〓
〓  〓のやってきたことをどう思〓・がんばってけいこしてよか〓感、充実感を味わう〓
〓27〓っただろうか。　　　　　〓った。　　　　　　　　　　〓ことができる。　　〓
〓  〓　　　　　　　　　　　　〓・ここまでやってきた自分が〓　　　　　　　　　〓
〓  〓　　　　　　　　　　　　〓すごい。　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〓（〓鋗努力してできるようにな〓　　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓後〓った経験を話し合う。　　〓　　　　　　　　　　　　　〓・書けない子供には〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓教師が支援し、でき〓
〓段〓○今までできなかったこと〓・水泳　　　　　　　　　　〓るだけいろいろな発〓
〓）〓ができるようになったこと〓・とび箱　　　　　　　　　〓表ができるように配〓
〓10〓があるか。　　　　　　　〓・陸上競技　　　　　　　　〓慮する。　　　　　〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〓　〓鋙勤勉・努力についての教〓　　　　　　　　　　　　　〓・身近な所にも精一〓
〓終〓師の説話をする。　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓杯努力している人が〓
〓　〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓いることが分かり、〓
〓末〓○教師の説話をし、本時の〓・夏休みの暮らし方。　　　〓児童の意欲をづけを〓
〓　〓まとめをする。　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓図る。　　　　　　〓
〓 5〓　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　　　　　〓　　　　　　　　　〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

　○資料名　　グレンよ、走れ　　（出典　学研）
　　資料分析　　　　　　　　　　自分で目標を立てて、
　○ねらい　粘り強く努力しようとする気持ちを育てる。
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓　爆発事故で両〓〓　歩こうとして〓〓　一人で歩くた〓〓　最後には、グ〓
　場　〓足ともひどい火〓〓も足がいうこと〓〓めに一生懸命歩〓〓レンが大人より〓
　　　　〓傷になり、主人〓〓をきかず、主人〓〓くけいこをして〓〓も早く走れるよ〓
　　　　〓公がベットで寝〓〓公が葛藤する場〓〓いる場面　　　〓〓うになった場面〓
　面　〓ている場面　　〓〓面　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓○　希望　　　〓〓○　希望　　　〓〓　　　　　　　〓
主　　〓●　後悔　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓○　成就感　　〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓　　　　　　〓〓○　願望　　　〓〓　　　　　　　〓
人　　〓●　不安　　　〓〓●　不安　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓○あきらめない〓〓○　感動　　　〓
公　　〓●　絶望　　　〓〓●　絶望　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　意〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
の　　〓　　　　　　　〓〓●　あきらめ　〓〓●　不安　　　〓〓　　　　　　　〓
　　識〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓・痛いよう　　〓〓・歩けるように〓〓・寝たきりはい〓〓・がんばってよ〓
　児　〓　　　　　　　〓〓がんばろう　　〓〓やだ。　　　　〓〓かった　　　　〓
　　　　〓・悲しい　　　〓〓・歩きたいな　〓〓歩きたい。　　〓〓・努力は報われ〓
　童　〓　　　　　　　〓〓　でもいやだな〓〓・やるからには〓〓る　　　　　　〓
　　　　〓・どうなるんだ〓〓　　　　　　　〓〓途中であきらめ〓〓・ここまでやっ〓
　の　〓ろう　　　　　〓〓・そのうち歩け〓〓ないぞ。　　　〓〓てきた自分がす〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓るようになるだ〓〓・一生懸命がん〓〓ごい　　　　　〓
　意　〓・歩けるように〓〓ろう　　　　　〓〓ばるぞ。　　　〓〓・他の障害者の〓
　　　　〓なるのかな　　〓〓・もう歩くこと〓〓　　　　　　　〓〓励みになりたい〓
　識　〓　　　　　　　〓〓はできないのか〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓な、だめだ。　〓〓　　　　　　　〓〓　　　　　　　〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
　　　　〓○ベットに寝な〓〓◎歩こうとして〓〓○最後までがん〓〓○だれよりも早〓
　発　〓がら、グレンは〓〓も足がいうこと〓〓ばれたのはどん〓〓く走れるように〓
　　　　〓どんなことを考〓〓をきかなかった〓〓な気もちがグレ〓〓なったグレンは〓
　問　〓えたか。　　　〓〓時、グレンはど〓〓ンにあったから〓〓自分のやってき〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓んなことを考え〓〓なのか。　　　〓〓たことをどう思〓
　　　　〓　　　　　　　〓〓たか。　　　　〓〓　　　　　　　〓〓ったか。　　　〓
　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


板書計画

　　　　　グレンよ、走れ
〓〓〓〓〓〓〓
〓　　　　　〓　　　・痛いなぁ。
〓主人公が　〓　　　・悲しいよう。
〓　寝ている〓　　　・ぼくはどうなるんだろう。
〓　　　場面〓　　　・早く治って歩けるといいな。
〓　　　　　〓
〓〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓　　　　・もう歩くことはできないのか。
〓歩こうとし〓　　　　・歩くのはあきらめよう。
〓ても、足が〓　　　・そのうち歩けるようになるだろう。
〓言うことを〓　　　・歩きたいなぁ。
〓きかない場〓　　　　　　　でも、練習つらいだろうな。
〓面　　　　〓　　・歩けるようにがんばろう。
〓〓〓〓〓〓〓　　　　　　どんな練習にもたえてやる。
　きっと歩けるようになってみせる。
　　　　　　　　〓〓〓〓〓〓〓　　　　　　　　　
〓〓〓〓〓〓〓　〓立つけいこ〓　・ねたきりはいやだ。
〓　　　　　〓　〓〓〓〓〓〓〓　・歩きたい。
〓訓練してい〓　〓〓〓〓〓〓〓　・やるからにはと中であきらめ
〓る場面　　〓　〓歩くけいこ〓　たくない。
〓　　　　　〓　〓〓〓〓〓〓〓　・一生懸命がんばろう。
〓　　　　　〓　〓〓〓〓〓〓〓　　そうすれば必ずできるように
〓〓〓〓〓〓〓　〓走るけいこ〓　なるさ。
　　　　　　　　〓〓〓〓〓〓〓　　　　　　　　　　　

〓〓〓〓〓〓〓
〓大人よりも〓
〓早く走れる〓　・苦しさに負けずに努力してよかった。
〓ようになっ〓　・がんばってけいこしてよかった。
〓た場面　　〓　・ここまでやってきた自分がすごい。
〓　　　　　〓
〓〓〓〓〓〓〓


道徳学習プリント
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　グレンよ、走れ　　　名前

＠歩こうとしても足が言うことをきかずに、歩くことができなかっ

たグレンはどんなことを考えたのでしょう。


　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


＠今までできなかったことが、グレンのようにいっしょうけんめい

努力して、できるようになったことはありませんか。できるだけく

わしく書きましょう。
　　　　　　　　　　　〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓