印刷用紙:B4縦 1ページの行数:70 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−            第1学年 道徳学習指導案                       日 時  平成8年10月18日(金) 4校時                      児 童  1年2組 男13名 女15名  計28名                      指導者  根木地 なおみ 1 主題名   なかよくたすけあうこころ (2−B友情・信頼、助け合い) 2 資料名   くりのみ (出典「みんなのどうとく1ねん」学研) 3 主題設定の理由 (1) 価値について      本主題の内容項目「友情・信頼、助け合い」は、視点2「主として他の人とのかかわりに     関すること。」の(3)に位置づけられており、第1学年および第2学年においては、「友     達と仲よくし、助け合う。」とある。私たちは、一人で生きているのではなく、周りの人の     中で生きている。そこで、自分の都合だけでなく、周囲や相手のことを考えることが大切に     なってくる。また、学校生活を楽しくするためには、友達関係を友情に満ちた望ましいもの     にする必要がある。よい友達関係を築くためには、互いに認め合い、学習活動や生活の様々     な場面の中で、助け合い、理解し合い、信頼や友情を育てる努力が必要である。そして、友     情を深めていくには、友達の悪い面ばかり見ないで、友達の良さを認めることが大切である。     この時期の子供達は友達関係をどんどん増やしていかなければならない時期である。しかし、     人にはそれぞれ、自己中心的な考え方や、打算的な面があり、相互の信頼を欠いてしまうよ     うな行為も見受けられるのである。特に、低学年における友達関係には、物理的な環境要因     が大きく作用しており、じっくりと真の信頼関係を実現しようとする状況にあるとはいいが     たい。また、自己中心的な考え方が強く、相手のことを考えてあげる気持ちが足りず、争い     ごとも絶えない。反面、友達が困っているのを見て助けてあげようとする気持ちや、自分の     大切なものを分けて喜ばせてあげたいとする心も働く。そこで、友達の立場を思いやり、互     いに助け合っていけば、今よりも、よりよい友達になることを気付かせていきたい。 (2) 児童の実態      子供達は2学期に入り、学校生活にもだいぶ慣れ、友達の輪が広がりつつある。また、遊     びも活発になってきた。しかし、まだ考え方が自己中心的で、相手のことを思いやる気持ち     が足りないため、自分の思いだけを最優先して周りの人に不快な思いをさせていることが多     く見られる。それに対して、給食をこぼした友達がいると助けてあげたり作業の遅い子に手     伝ってあげたりする子の姿が、わずかではあるが見られるようにもなってきている。      そこで、本資料に関わる価値に対する事前調査を行ったところ、次のような結果が得られ     た。      『友達がいてよかったと思ったのは、どんなときですか。』という問いに対して、「一緒     に遊ぶとき」や「学校から一緒に帰るとき」のように、一緒に何かをしたときと答えた児童     が、最も多かった。また、「消しゴムを忘れたときに貸してくれた」や「けがをしたとき助     けてくれた」「いじめられているとき助けてくれた」のように何かをしてもらったときと答     えた児童がそれぞれ一人という結果になった。 (3) 資料について                        寒い北風の吹くある日、おなかをすかせたきつねと友達のうさぎが食べ物を探しに行き、     きつねはどんぐりをたくさん見つけ、お腹いっぱい食べた後、残りに落ち葉をかぶせて隠し     た。しかし、帰り道うさぎに会ったきつねは何にも見つからなかったと嘘を言う。それに対     してうさぎは友達のきつねのことを思い、二つしか見つからなかったくりの実の一つをきつ     ねに渡すという内容である。友達の立場を思いやり、互いに助け合っていこうとするうさぎ     の気持ちを、きつねの立場から触れることにより、友達と仲良く助け合っていくことの大切     さを気付かせるのに適した資料である。 (4) 指導にあたって      前半、きつねが、やっと見つけたどんぐりなので、どんぐりを隠すことは当然の行為であ     ることをおさえる。そして、「なんにもなくて、はらぺこです。」と、うさぎに嘘をつく、     きつねのずるい気持ちに共感させつつ、うさぎも同じ立場なのに、きつねは自分のことしか     考えられない心の弱さにも共感させ、きつねの気持ちを深めさせたい。      後半、うさぎがくれたくりの実を握りしめ、涙をぽろっとこぼすきつねの場面で、書く活     動を取り入れ、友達のことなど考えず自分のことしか考えていなかったきつねが、涙をこぼ     し、友達思いのうさぎに感動する気持ちを十分考えさせたい。また、それをもとに話し合わ     せたい。そして、仲良く遊ぶことだけが友達なのではなく、友達を思いやり、互いに助け合     っていくことが、友達関係をよりよいものにしていくということに気づかせ、その心情を養     うようにしたい。 5 本時の指導 (1) ねらい    友達の立場を思いやり、互いに助け合っていこうとする心情を養う。 (2) 展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−+ | | 教 師 の 働 き か け | 予想される児童の反応 |指導上の留意点 ◇個への配慮評価 | | | | +−+ +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 資料「くりのみ」を読み感想| | | | | を発表し、課題を設定する。 | | | |導| | |・きつねの行為に着目させ、意| | | | | 識して紙芝居を聞かせる。 | | |・きつねのことを、どう思いまし|・たくさんどんぐりを見つけ|・児童の感想をもとに、課題を| | | たか。 | たのに嘘をついてずるい。| 設定する。 | |入| |・どうして涙をこぼしたのか|◇できるだけ多くの児童に発表| | | | な。 | させ、意欲付けにしたい。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+|きつねがうさぎのくれたくりの| |10|| きつねは、うさぎがくれたくりのみをにぎりしめ、なみだ||実を握りしめた場面を課題とし| |分||をこぼしながらどんなことをかんがえたのでしょう。 ||てとらえることができたか。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−+ +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |2 きつねの気持ちになって考え| | | | | る。 | | | | | | | | | |・きつねはどんな気持ちでどんぐ|・お腹が空いたらまた食べら|・寒い北風の中、やっと見つけ| | | りの残りを隠したのでしょう。| れるように、明日の分もと| たどんぐりなので隠しておく| | | | っておこう。 | ことは、当然の行為であるこ| | | |・誰にも見つからないように| とをおさえる。 | |展| | 隠しておこう。 | | | | |・やっと見つけたのだから、| | | | | 隠しておこう。 | | | | | | | | |・きつねは、どんな気持ちでうさ|・全部自分のものだ。あげた|・うさぎも同じ立場なのに、自| | | ぎに「なんにもなくてはらぺこ| くない。 | 分のことしか考えられないき| | | です。」と嘘をついたのでしょ|・うさぎさんにあげると自分| つねの心の弱さに共感させる| | | う。 | の食べる分が少なくなるか| | | | | らあげるのはやめよう。 | | | | |・うさぎさんは友達だけどま| | | | | た見つけるのはたいへんだ| | |開| | からあげたくない。 | | | | | | | | |◎きつねは、うさぎがくれたくり|・うさぎさん、やさしいな。|・友達思いのうさぎに感動する| | | の実を握りしめ、涙をこぼしな|・うさぎさんだってお腹がす| きつねの気持ちを深く考えさ| | | がらどんなことを考えたのでし| いているのに、分けてくれ| せたい。 | | | ょう。 | るなんてやさしいな。 |◇書く活動を通して、きつねの| | | |・ぼくのことを考えてくれた| 気持ちを一人一人にもたせた| | | | んだ。 | い。 | | | |・やっぱりぼくが見つけたど|+−−−−−−−−−−−−−+ |32| | んぐりをあげよう。 |書く活動とそれを発表する活動| |分| |・友達っていいな。 |を通して、涙をこぼしながら友| | | | |達のよさに気付くきつねの気持| | | | |ちをとらえることができたか。| | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 自分の生活を見つめる。 | |・給食をこぼしたとき手伝って| | | | | くれたなど、困っているとき| | |・友達に助けてもらって、うれし| | 助けられた経験に目を向けさ| | | いなと思ったことはありません| | せ、実践の意欲付けを図りた| | | か。 | | い。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |自分の生活を見つめ、ふりかえ| | | | |ることができたか。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |終|4 教師の説話を聞く。 | |・学級であった出来事など友達| |末| | | の大切さについて話し、実践| |3| | | の意欲につなげたい。 | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ 4 資料分析図      資料名   くりのみ      ねらい   友達の立場を思いやり、互いに助け合っていこうとする態度を育てる。 +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−+ |1 どんぐりをたくさん見つけ| |2 食べ物が見つかったのに | |3 うさぎがくれたくりのみを| |場| | お腹いっぱい食べて、残りを| | 「何にもなくて腹ぺこです。」 | にぎりしめ涙をぽろっとこぼ| | +−+ +−+ +−+ | |面| | 落ち葉で隠したきつね。 | | とうさぎに嘘をついたきつね。 | したきつね。 | +−+ | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−+ |(1) きつねはどんな気持ちで| |(2) きつねはどんな気持ちで| |(3) きつねは、うさぎがくれ| |主| | どんぐりの残りを隠したの| | 「なんにもなくてはらぺこ| | たくりのみをにぎりしめ涙| |発+−+ でしょう。 +−+ です。」と嘘をついたので+−+ をこぼしながらどんなこと| |問| | | | しょう。 | | を考えたのでしょう。 | +−+ | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−+ |・お腹が空いたらまた食べられ| |・全部自分のものだ。あげたく| |・うさぎさん、やさしいな。 | |心| | るように、明日の分もとって| | ない。 | |・うさぎさんだってお腹がすい| | | | おこう。 | |・うさぎさんにあげると自分の| | ているのに、分けてくれるな| |の| |・誰にも見つからないように隠| | 食べる分が少なくなるからあ| | んてやさしいな。 | | +−+ しておこう。 +−+ げるのはやめよう。 +−+・ぼくのことを考えてくれたん| |動| |・やっと見つけたのだから、隠| |・うさぎさんは友達だけどまた| | だ。 | | | | しておこう。 | | 見つけるのはたいへんだから| |・やっぱりぼくが見つけたどん| |き| | | | あげたくない。 | | ぐりをあげよう。 | +−+ | | | | |・友達っていいな。 | +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | | | +−+ | | | |変| 助け合い | | −−−−−− |容| 必然性 迷い 友情 |の+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−− |様| 独占欲 独占欲 |子| +−+