印刷用紙:B4横 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):128   −−以下 指導案本文−−               みどり学級  道徳学習指導案                              日 時 平成8年10月18日(金) 4校時                              児 童 みどり学級 男2名 女0名 計2名                              指導者 畠 山  浩 1.主題名  ともだちをおもう こころ (2−B 友情・信頼、助け合い) 2.資料名  二わの ことり (出典「みんなのどうとく1ねん」 学研) 3.主題設定の理由  (1)価値について      本主題の内容項目「友情・信頼、助け合い」は、視点2「主として他の人とのかかわりに関すること」     の(3)に位置づけられており、第1学年及び第2学年においては、「友達と仲良くし、助け合う。」と     ある。      私たちは、一人で生きているのではなく、周りの人の中で生きている。つまり、人間は何らかの形での     集団生活の中で生きている。そして、集団生活をする場合に大切なのは、自分の都合だけでなく、周囲や     相手のことを考えることであり、人間相互の信頼と友情である。これなしには望ましい集団生活は期待で     きない。しかし、現代においては、社会構造が複雑になり管理社会的な傾向が見られるようになって、人     々の連帯感が失われつつあり、人間疎外の現象があらわれている。こんな時代に、真の友人を見つけ、真     の友情をもつことはきわめて重要なことである。そこで、人に助けられたり、人を助けたりすることを自     覚させる中で、信頼関係をつくり、物事を客観的にとらえさせながら、相手の立場に立って考える態度を     身につけさせることで、真の友情を育てたい。  (2)児童の実態      本学級の児童は、同学年同性ということもあり、表面上は仲よく生活しているように見える。しかし、     まだ考え方が自分中心で、相手のことを考えてあげる気持ちが足りないため、遊びにおいても学習におい     ても、ささいなことですぐにけんかや口論になることが多い。そして、この自分で自己本位だと気づかず     にそのような行動をとってしまうことが、集団の中にはいるときに、その妨げともなっている。さらに、     友情・信頼とはどういうものであるか、にすら気づいていないこの児童等が相手のことを考えることがで     きるようになるためには、継続した働きかけや励ましが必要であろう。      そこで、本主題を通して、自分の行為がどのように相手を傷つけたり、または励ましになったりしてい     るかを考えさせることで、お互いに相手のことを思いやり仲よくすることの大切さに気づかせたい。  (3)資料について      本資料は、やまがらの誕生日に招待されながらも、みんなとうぐいすの家に行ってしまったみそさざい     が、迷いながらも自分の心の弱さを乗り越えて、やまがらの家へ行くという内容である。期待を裏切られ     たやまがらの悲しみや、みそさざいの友情に喜ぶやまがらの心情に十分に共感させながら、他人の気持ち     をくみとることの大切さを気づかせるのに適した資料である。 4.本時の指導  (1)ねらい      友だちのことを考える大切さに気づかせ、お互い仲よく助け合っていこうとする心情を育てる。 (2)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 主 な 発 問 | 予想される児童の反応 |指導上の留意点 ◇個への配慮 評価 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.資料「二わのことり」をぺー| |・やまがら、みそさざいなどは、| | | プサートで演じてみせ、感想を| | 児童にあまりなじみのない名前| | | 話し合う中で、本時の課題をつ| | なので、ペープサートを提示し| |導| かませる。 | | ながら資料への導入を行う。 | | | ・みそさざえのしたことに気を| | | | | つけて見てみましょう。 | | | | | ・みそさざえについて思ったこ|・うぐいすのうちへいったから|・結末に対しての感想だけになら| | | とを話してみましょう。 | わるい。 | ないように、主人公の意識の変| |入| |・やまがらのうちへいったから| 容部分の前後ともに目を向けさ| | | | やさしい。 | せる。 | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+| | | | |みそさざいが、やまがらのうちへ行ったのは、どんなことを|| | |10| |考えたからでしょう。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+| | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |2.みそさざいの気持ちになって| | | | | 考え話し合う。 | | | | | | | | | | ・みそさざいも、うぐいすのう| | | | | ちへ飛んでいったのは、どん| | | | | な気持ちからでしょう。 | | | |展| | | | | | ◎みそさざいが、うぐいすのう| | | | | ちを抜け出して、やまがらの| | | | | うちへ行ったのは、どんなこ| | | | | とを考えたからでしょう。 | | | | | | | | | | ・目に涙を浮かべて喜ぶやまが| | | | | らを見て、みそさざいはどん| | | | | な気持ちになったでしょう。| | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3.自分の生活を見つめ、友だち| | | | | と仲よくできてよかったという| | | | | 経験を話し合う。 | | | |開| | | | | | ・友だちにしてもらってうれし| | | | | かったことはどんなことでし| | | | | ょう。 | | | | | | | | | | ・友だちにしてあげてよかった| | | | | ということはどんなことでし| | | |25| ょう。 | | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4.友だちのことを考え、仲よく| | | |終| 助け合おうとする気持ちの大切| | | | | さについてまとめる。 | | | |末| | | | | | ・やまがらに手紙を書きましょ| | | |10| う。 | | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ 5.本時の指導  (1)ねらい      友だちのことを考える大切さに気づかせ、お互い仲よく助け合っていこうとする心情を育てる。  (2)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−+| | | 主   な   発   問 | 予 想 さ れ る 児 童 の 反 応 | 指導上の留意点  ◇個への配慮 評価 | | | | | +−+| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.資料「二わのことり」をペープサートで| |・やまがら、みそさざいなどは児童にあまり| | | 演じてみせ、感想を話し合う中で、本時の| | なじみのない名前なので、ペープサートを| |導| 課題を設定する。 | | 提示しながら資料への導入をおこなう。 | | | | | | | | ・みそさざえのしたことを、どう思います|・うぐいすのうちへいったからだめだ|◇結末に対しての感想だけにならないように| | | か。 |・やまがらのうちへいったからやさし| 主人公の意識の変容部分の前後ともに目を| | | | い。 | 向けさせながら、二人それぞれに発表させ| |入| | | 意欲づけとしたい。 | | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ ||みそさざいがやまがらのことを思い、う|| |10| |みそさざいが、やまがらのうちへいったのは、どんなきもちからでしょう。| ||ぐいすのうちをそっと抜け出す場面を課|| |分| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ ||題としてとらえることができたか。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |2.みそさざいの気持ちになって話し合う。| | | | | | | | | | ・みそさざいも、うぐいすのうちへ飛んで|・やまがらのうちは、山奥のさびしい|・対照的なうぐいすとやまがらの間に立って| | | いったのはどんな気持ちからでしょう。| ところにあるからやめようかな。 | どちらに行こうか迷うみそさざいの気持ち| | | |・うぐいすのうちは、明るくてきれい| に共感させ、自分たちも、明るくて豊かな| | | | だから行こうかな。 | うぐいすのいえ、きれいなところ、目前の| | | |・うぐいすのうちのほうが楽しそうだ| 楽しさにひかれがちな心の弱さがあること| | | | から行こうかな。 | に気づかせる。 | | | |・みんなが行くから行こうかな。 | | | | |・歌の稽古があるから行こうかな。 | | | | |・二人とも友だちだから、困ったな。| | |展| | | | | | ◎みそさざいが、やまがらのうちへいった|・せっかくよんでくれたのに、行かな|・うぐいすのうちにいるみそさざいがやまが| | | のは、どんな気持ちからでしょう。 | いのは悪いことだ。 | らを思い、いたたまれなくなった優しい友| | | |・だれも誕生日に行かないのはかわい| 情にふれさせる。 | | | | そうだ。 | | | | |・きっと、やまがらが待っているだろ|・みそさざいが、やまがらのことを思う気持| | | | うな。 | ちは、単なる同情心や親切心だけでないこ| | | |・早く行かなければ気がすまない。 | とをおさえる。 | | | |・友だちなのに裏切ってしまった。 | | | | | | | | | ・目になみだをうかべてよろこぶやまがら|・よろこんでくれてよかった。 |◇みそさざいとやまがらの吹き出しのついた| | | を見て、みそさざえはどんな気持ちにな|・やっぱり来てよかった。 | ワークシートを用意する。書かせる時には| | | ったでしょう。 |・迷ってないですぐ来ればよかった。| 共に喜んでいる理由がわかる内容を記述で| | | |・ごめんね。寂しかっただろう。 | きるよう助言する。 | | | |・ありがとう。待っていてくれたんだ| | |開| | ね。 |・涙を浮かべて喜ぶやまがらに注目させ、友| | | | | だちに対する思いやりの気持ちの大切さに| | | | | 気づかせる。 | | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ||話し合い活動を通して、相手の気持ちを|| | | | ||考え、困った時にはお互いに助け合うこ|| | | | ||との大切さに気づくことができたか。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3.自分の生活を見つめる。 | | | | | | |◇具体的な場面(学校へ来るとき、教室で、| | | ・友だちにしてもらってうれしかったこと|・仲間に入れてもらって遊んだとき | 休み時間など)を想起させ発表させたい。| | | がありますか。 |・掃除を手伝ってくれたとき | | |30| ・友だちにしてあげてよかったということ|・仲間に入れて遊んでやったとき | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |分| がありますか。 |・掃除を手伝ってあげたとき ||自分の生活を見つめ、発表できたか。| | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4.友だちに対する、思いやりや助け合いの| |・思いやりや助け合いは、簡単にできるもの| |終| 大切さについてまとめる。 | | ではないこと、ただし、したりされたりす| | | | | ると、自分だけでなく周囲の人たちにも好| |末| ・今でも心に残っている、友だちとのでき| | 印象を与えることを理解させたい。 | | | ごとについてお話します。 | |・相手の気持ちを考え、困ったときはお互い| |5| | | に助け合うことが大切であるという気持ち| |分| | | を高め、実践への意欲につなげたい。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+