印刷用紙:B4縦 1ページの行数:55 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−                    第1学年道徳学習指導案                                  日時  平成8年10月25日(金)5校時                                  児童  1年1組男16名女21名計37名                                  指導者 新沼 洋子 1 主題名 じぶんのことはじぶんで(1ー@ 節度・節制、自立) 2 資料名  しまのさるたち(学研) 3 主題設定の理由  (1)価値について    本主題の指導内容は(1−@)は、主として自分に関することで、低学年においては、「健康や安全に気をつけ、物や金銭   を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで規則正しい生活をする。」と記されている。これは、基本的な生活習慣を   身につけ、節度ある生活ができる児童を育てようとする内容である。    「じぶんのことはじぶんでする」は、集団生活を営む児童にとってもっとも基本的な生活態度のひとつである。この態度の   育成は、学校はもとより、家庭生活においても小さいうちから心がけたいものである。甘えの多い昨今、自分のすべきこと、   自分でできることを他に依存する傾向が見受けられる。学校生活でもそうした様子がうかがわれる。    自分がなすべきことをしないと自分自身が困ることに気づかせ、自分でしようという意欲を起こさせることが大切である。   自立心を養い、自主的な人間を育てることは、低学年にとっては、特に大切なことと考える。  (2)児童の実態    この時期の児童は自己中心性が強く、とにかく自分の思いどおりに物事を行おうとする傾向が強い。本学級の子供達は、学   校生活にも慣れ、活動範囲も広くなってきている。学習用具の準備や、身支度、係活動などしっかりできるようになってきて   いる。しかし、家庭生活においては、宿題や学習準備を手伝ってもらっていたり、起床、洗面について言われてから行うなど、   家族に頼りきっている子供も見られる。学校生活においても、身の回りの整頓、服を脱いでそのままにしておいたり、学習用   具の使いっぱなし、つくえの中の乱れが見られる。係の仕事は、めんどうくさがって他に依存したがる児童も見られる。    自分でできることは、自分で行おうとする態度を身につけ、節度ある生活をさせたいものである。  (3)資料について    島の猿たちは、大吉猿が、何でもやってくれるので、木登りもかけっこもうまくできなくても、何も困ったことがなかった。   しかし、大吉猿が用事で、向こうの島へ旅立ったとき、嵐になって帰れなくなった。島では、大吉猿が取ってくれた食べ物が   なくなり、猿たちはどうしたらよいか困ってしまったという内容である。    大吉猿がいなくなったとたんに、ヤシの実もバナナももぎ採ったこことがなく、どうしたらよいか困ってしまった猿たちに   焦点を当てたい。そして、猿たちが、なぜ困ったかを考えさせ、このような事態になったのは、大吉猿に頼っていたことに問   題があったことに気づかせたい。 4 本時の展開  (1)本時のねらい    自分のできることは、人に頼らないで自分でしようとする態度を養う。  (2)展開 +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | | | |過 程 | 教 師 の 働 き か け |予想される児童の反応 |指導上の留意点 +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | | | | |導 |価 |1日常生活で自分でしていること、して| | | |値 |いないことについて話し合う。 | | | |へ |○自分でできることなのにだれかにし | |・身の周りのことで、自分 | |の | てもらっていることありませんか。 |・時間割をそろえてもらった。 |でできるのにだれかにし |入 |方 | ・家庭生活にかかわること |・宿題をやってもらった。 |てもらっていることを思 | |向 | ・学校生活にかかわること |・机の中の整頓をしてもらった。 |い出させ価値への方向づ | |づ | | |けとする。 | |け | | | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | | | | | | |2資料「しまのおさるたち」を読んで | | | | | 話し合う。 | | | |価 |(1)状況把握 |・大吉さるがいるからなにもしなくても| | | |○島のさるたしは、何もしなくても少 |いい。 |・大吉さるに頼りきってい | |値 | しも困らなかったのは、どうしてで |・助かるな。 |るさるたちの気持ちに共 | | | しょう。 |・ありがたいな。 |感させていく。 | |へ | | | |展 | |○さるたちは、用事でいなくなった大 |・大吉さんが、いっぱい採っておいてく|・大吉さるを頼りきってい | |の | 吉さるをどんな気持ちで見送ったで |れたから安心。 |て、少しも不安感をもた | | | しょう。 |・すぐ戻ってくるから、心配ないや。 |ないでいることを押さえ | |追 | |・早く帰って来て、またえさを採ってね|させる。 | | |(2)価値把握 | | | |求 | |・おなかがすいた。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | || ||・このままでは、死にそうだ。 |・おなかのすいたさるたち | |把 |○さるたちは、食べ物がなくなって ||・早く帰って来ればいいな。 |は、さまざまな考えをも | | || しまったとき、どんなことを考え||・どうしよう、こまったな。 |つだろう。 | |握 || たでしょう。 ||・教えてもらっておけばよかった。 |動作化させながら考えさ | | || ||・みんなでがんばってとろう。 |せる。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | |・自分でえさを採ろう。 | | | | | | | | | | | | | |○さるたちは、大吉さるがぶじ帰って |・自分たちが採り方を覚えておけばよか|・自分のことは、自分でし |開 | | 来たとき、前と同じようなくらしを |った。 |なければならないことの | | | するでしょうか。 |・やっぱり、普段から、自分のことは自|大切さに気づかせたい。 | | | |分でしなくてはいけないんだ。 |・さるたちになって役割演 | | | | |技をさせたい。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | | | | | |内 |(3)主体的自覚 | |・今までの自分たちの生活 | | | 今までのことを、振り返って書いて | |を振り返らせる。 | |省 | みる。 |・勉強道具を自分でそろえた。 |・思い出せない子が多い場 | | |○人に頼らないで、自分のことは自分 |・係の仕事をがんばってやった。 |合には、具体例を与えて | |化 | でしてきたことはどんなことですか |・遊んだ後の片付けをしている。 |考えさせる。 | | | | | | | | | | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− | | | | | |終 |ま |(4)終末 | |・1〜2の家の人からの | |と |○家の人からの手紙を読む。 | |手紙を読み聞かせる。 |末 |め | | |・学校内で自立心がみえた | | | | |事例をあげたい。 +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− 資料分析 しまのおさるたち    主 な 場 面              主 人 公 の 意 識         基 本 発 問            価 値 −−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−− +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−+ |・しまのさるたちは、親切なだ| |・大吉さるがいてくれるから| |・島のさるたちは、何もしな| | | |いきちさるが何でもやってく | |何も困らない。 | |くても、少しも困らなかっ | |節度・節制 | | +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−+ | |れるるので、少しも困ること | |・助かるなあ。 | |たのはどうしてでしょう。 | | | | | | | | | +−−+−−−−+ |はなかった。 | |・ありがたいなあ。 | | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | | |・大吉さんが、いっぱいとっ| | | | | | | | | | +−−+−−−−+ |・だいきちさるが、別の島へ用| |ておいてくれたから安心。 | |・大吉猿は、出かけました。| | | |事があってでかけた。 | |・すぐ、帰ってくるから心配| |さるたちは、どんな気持ち | |節度・節制 | | +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−+ | | | |ないや。 | |で見送ったでしょう。 | | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | +−−+−−−−+ | |・たくさん食べて遊ぼう。 | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | |・すぐ帰って来て、またえさ| | | | |を採ってね。 | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | +−−+−−−+ |・だいきちさるが、嵐のために| | | |・大吉猿は、島へ帰れなくな| | | |帰って来ないので、採ってお | |・おなかがすいた。 | |り、採っておいた食べ物が | | 自立 | | | | | | +−−−−+ | |いた食べ物がなくなってしま | |・このままでは死んでしまう| |なくなったとき、さるたち | | | | +−−−−−+ +−−−−−+ | +−−+−−−+ |い、島のさるたちはこまって | |・どうしよう。 | |は、どんなことを考えたで | | |しまった。 | |・みんなでさがそう。 | |しょう。 | | | | |・自分でさがそう。 | | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | |・自分たちが、採り方を覚え| | | | | | | | | | +−−+−−−+ |・食べ物がなく、みんなどうし| |ておけばよかった。 | |・大吉猿が、ぶじに帰って来| | | |たらよいか分からず、ただう | |・やっぱり、普段から、自分| |ました。さるたちは、前と | | 自立 | | +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−+ | |ろうろ歩き回っていた。 | |のことは自分でしなくては | |同じような暮らしをするで | | | | | | | | | +−−−−−−+ | | |いけないんだ。 | |しょうか。 | +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+