印刷用紙:B4縦 1ページの行数:46 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−                   第3学年道徳学習指導案                               日時 平成8年10月25日(金)5校時                               児童 3学年 男子19名女子20名計39名                               指導者  橋本弘美 1、主題名 友達への忠告(2−B 友情、信頼、助け合い) 2、資料名 絵はがきと切手 (『みんなのどうとく 3年』学研) 3、主題設定の理由  (1)価値について    本主題の2−(3)は、「主として他の人とのかかわりに関すること」の「友達と互いに理解し、助け合う   事」を内容としている。友達同士が、互いに信頼しあうことが友情を深める前提として必要な事である。また、   互いに高めあう存在になるためには、相手の欠点や過ちを指摘したり、それを受け入れたりする広い心が必要   になってくる。本主題の価値をもとに、友達の欠点を指摘し、受け入れる事で、真の友情が生まれるというこ   に気付かせ、よりよく生きようとする心情を育てたい。  (2)児童の実態    本学級の子供たちは、誰とでも仲良くしようという気持ちの強い子供が多く、学級全体として見ても仲がよ   い。また、男女関係なく昼休みに遊んでいたりと、男子も女子も仲が良い。    しかし、よく見ていると、友達のよいところを見て仲良くするが、欠点や過ちは見えていても指摘したり、   忠告することができない子供が多い。忠告できていても、いざ自分が忠告されると嫌な顔をして素直にそれを   認める事ができない子供もいる。    自分の過ちを忠告されたときは、それを素直に認めその事を直す事で自分を高めていけるようにし、自分も   友達に過ちを忠告してあげる事で、相手も自分を高めていけるのだという事を知り、よりよい友達関係を築い   ていけるようにさせたい。  (3)資料について    不足料金の絵はがきが主人公に届く。差出人は、1年のときから仲良しだった転校していった正子だった。   そのはがきの返事を書くのに、料金不足の事を伝えるべきか伝えないべきか迷う。母に聞くと、お礼だけにし   ておけばいいと言い、兄は伝えるのが当たり前だと言う。2人の考えがどちらも正しく思えてくる。そこで、   正子との楽しい思い出を思い出し、いろいろと考えてみる。考えたすえに、正子なら伝えても分かってくれる   はずであると決心し、返事を書き始める。    友達に対して欠点や過ちを指摘するのは、とても勇気のある事であると思う。しかし、教えてあげる事は友   達のためにもなることで、言うことにより本当の友情が育つ事になる。その事を、返事を書く場面で「料金不   足」のことを伝えるかどうかを迷う主人公の気持ちに共感させながら価値にせまっていきたい。 4、本時について  (1)ねらい    友達と互いに理解し合い、信頼して助け合おうとする心情を育てる。  (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |過 程| 教師の働きかけ | 予想される児童の反応 | 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |価|1、価値への方向付け | | | |導|値| 友達がいてよかったと思った| | | | |へ| ことについて話し合う。 |・喧嘩をしても、謝ったら許し|・友達がいてよかった時の事につ| | |の| ○今まで友達がいてよかっ| てくれた。 | いて思い出すことで、友達のい| | |方| たと思ったときがありま|・怪我をしたときに、心配して| いところについて考え、友達の| |入|向| すか。それはどうしてで| くれた。 | 大切さに気付かせる。 | | |づ| すか。 |・泣いている時に、声を掛けて| | | |け| | くれた。 | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |2、資料を読み、主人公の気持| | | | | | ちについて話し合う。 | |・料金不足ではがきがきたことで、 |展| | (1)状況把握 | | 不足料金を払わなければならな| | |価| ○どうしてひろこはびっく|・郵便が不足料金で届いたから。い事をとらえさせる。 | | | | りしたのだろう。 |・はがきを受け取る人がお金を・はがき・切手の実物を提示する | | |値| | 払うから。 | ことで、状況をとらえさせる。| | | | | | (定形外の大きさ、重さと切手| | |の| | | について) | | | | | |・はがきが、親友からのものであ| | |追| | | ることを押さえる。 | | | | ○不足料金のゴム印が押し|・嫌だなあ、わたしがどうして|・不足料金のはがきをもらったと| | |求| てあった絵はがきを見て、払わなければならないの。 | きの納得できない気持ちに気付| | | | ひろこはどんな気持ちだ|・80円も不足なんてきちんと| かせる。 | | |把| っただろう。 | 調べたのかなあ。 | | | | | |・料金不足を知らなかったのか| | | |握| | なあ。 | | | | |(2)価値把握 | | | | | | +−−−−−−−−−−−+|・料金不足の事は伝えないで、|・間違っている事を伝えようか、| | | | |○返事を書こうとするが|| お礼だけ書こう。 | それとも言わないでおこうか迷| | | | |どんなことを思って迷 ||・お礼だけのほうが正子も悪い| うひろこの気持ちをとらえさせ| |開| | |っているのでしょう。 || 気がしないだろう。 | る。 | | | | +−−−−−−−−−−−+|・どちらも正しい気がする、ど| | | | | | うしよう。 | | | | | |・正子のためだ、80円不足だ| | | | | | ったことを伝えよう。 | | | | | |・友達なら80円不足を伝えて| | | | | | もわかってもらえるだろう。| | | | | | | | | | | ○きゅうに気持ちがすっ |・正子と楽しく遊んだ時の事を|・本当の友達であれば、忠告を素| | | | きりして返事を書きは | 思い出して、正子なら正子の| 直に聞いてくれるだろうという| | | | じめることができたの | ためだという事を分かってく| 気持ちに気付かせる。 | | | | はなぜだろう。 | れる気がしたから。 | | | | | |・正子と私は本当の友達だから| | | | | | きっと分かってくれるはずと| | | | | | 思ったから。 | | | | | | | | | |内|(3)主体的自覚 | | | | | | ○最初は、ひどい事を言 |・口の聞き方を注意されていや|・自分の生活を振り返らせる。 | | |省| う人だと思ったけど、 | だったけど、やっぱり自分が| | | | | やっぱりそのとおりだ | 悪かった。 | | | |化| と思ったことはありま | | | | | | すか。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |ま|3、終末 | | | |終| | 友達の過ちを忠告して、それ| | | | |と| により本当の友情につながっ| | | |末| | た話をする。 | | | | |め| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ 資料分析  <主な場面>                  <主人公の意識>                <基本発問>            <価値> +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−+ |・郵便が届き、料金不足である事を知る。ひ| |・郵便が不足料金で届いたから。 | |・どうしてひろこはびっくりしたの| +−−+ | ろこはびっくりしてしまう。 +−+・はがきを受け取る人がお金を払うから。 +−+ だろう。 +−+驚き| | | | | | | +−++ +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |・そのはがきは転校していった仲良しだった| |・嫌だなあ、私がどうして払わなければならない| |・ゴム印が押してあった絵はがきを| +−+−+ | 正子からのものだった。普通のはがきより+−+ の。 +−+ 見て、ひろこはどんな気持ちだっ+−+不信感| | も大きな絵はがきに「未納不足80円松本| |・80円も不足なんて、きちんと調べたのかなあ| | ただろう。 | +−+−+ | 局」と書いたゴム印が押してあった。 | |・料金不足を知らなかったのかなあ。 | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |・ひろこは、きれいな絵はがきを見ながら返| |・料金不足の事は伝えないで、お礼だけ書こう。| +−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−+−+ | 事を書こうと思って机に向かうが、ゴム印| |・お礼だけのほうが正子も悪い気がしないだろう| |・返事を書こうとするが、どんな事| |戸惑い| | が気になり、正子にこのことを伝えようか+−+・どちらも正しい気がする。 +−+ を思って迷っているのでしょう。+−+不安 | | 迷ってしまう。 | |・正子のためだ80円不足だった事を伝えよう。| | | |信頼 | | | |・友達なら80円不足を伝えても分かってもら | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |えるだろう。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−+ |・考えたあげく、正子との思い出を思い出し| |・正子と楽しく遊んだときのことを思い出して、| |・きゅうに、気持ちがすっきりして| | 正子なら本当のことを言っても、自分の気| | 正子なら正子のためだということを分かって | | 返事を書き始める事ができたのは| | 持ちをわかってもらえるだろうという自信| | くれる気がしたから。 | | なぜだろう。 | 信頼 | がわき、正子への返事を書き始める。 | |・正子と私は、本当の友達だからきっと分かっ | | | 友情 | | |てくれるはずと思ったから。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+