印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−               第4学年道徳学習指導案                             日 時  平成8 年10月25日(金)5校時                             児 童  4年1組 男16名 女14名 計30名                             指導者 伊藤由美子 1 主題名 ルールを考える (4ー@ 公徳心・規則の尊重) 2 資料名 雨のバス停留所で(みんなのどうとく4年 学研) 3 主題設定の理由  (1)価値について      本主題の4ー@は、「主として集団に関わること」の「約束や社会の決まりを守り、公徳を大     切にする心を持つ」事を内容としている。      公徳とは社会生活を営んでいく上で守らなければいけない道徳であり、それを重んじるのが公     徳心である。その根底に流れるものは、不特定多数の他者に対する思いやりである。社会の一員     としての自覚に立ち、他人に迷惑をかけないことだけではなく、広く社会の人々への思いやりの     心としての公徳心を育てたい。  (2)児童の実態      4年生は、みんなで使うものを大事にすることや、迷惑をかけないと言うことについてはよく     理解できる。しかし、日常生活の中では、ノートを出すときも列を作らずに我先に並ぼうとした     り、学校の一輪車も校庭に乗り捨てて知らんぷりというようなことも見られる。      我先に出されたノートがきちんと重ならないことや、次に一輪車に乗ろうとする人のことまで     考えられていればこのような意識と行動のずれは生じないのであろうが、そこにまだ幼さの残る     4年生の姿が見えてくる。      高学年に向け、周囲の状況や、他の人の立場も考えていけるようになっていくこの時期に、他     の考えを知ったり、自分をふり返らせるのは、よいチャンスだと考える。  (3)資料について      雨の中、雨宿りをしながら列を作ってバスを待つ人たちに加わった主人公は、バスがみえたと     たんひとり走り出し停留所の前に立ち、一番先にバスに乗ろうとする。それを母にとがめられ、     後ろに並び直させられるが、結局席は取れず母に文句を言おうとする。しかし、いつもと様子の     違う母を見て、自分のしたことを振り返り始める。      雨宿りをしている列に自分も加わっていたということを押さえることで、自分も順番というも     のをどこかで意識していたのではないかという点をとらえたいし、バスが見みえたとたん、暗黙     の了解であった列を作って待つというルールが消えてしまい、雨に濡れたくないと言う気持ちが     全面にでてしまった主人公ではあるが、それはこじつけにしかすぎず、主人公よりずっと前から     待っていた人たちのことを無視することはできないはずである。      ここでは、その暗黙の了解がキーポイントになる。効果音を使うなどして主人公の気持ちに同     化させながら、そのことについて練り合いながら価値に迫っていきたい。 4 本時について  (1)ねらい      約束や社会の決まりを守り、進んで公徳を守ろうとする気持ちを養う。  (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |過程 | 教師の働きかけ | 予想される児童の反応 | 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | | | | | | |方価 1価値への方向づけ |・きたない。 | 普段の経験をもとに| |導|向値 みんなで使う場所のことについ ・自分さえよければどうでもい|価値へ方向付ける。 | |入|づへ て話し合う。 |いというような感じがする。 |(ごみばこからごみがあふれているような絵 | |けの ・絵を見て話し合う。 | |を見せる) | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |2資料を読み、主人公の気持ちに| | | | | |ついて話し合う。 | | | | | |(1)状況把握 | | バス停前には並んで| | | | | |いないものの暗黙の了| | | |○ よし子さんたちがたばこ屋さ|・バス停の前だとぬれてしまう|解で軒下にきちんと並| | | | んののき下の列に加わったのは|から。 |んでいる。 | | |価| なぜですか。 |・みんなが並んでいたから。 |(効果音・・・雨の降る音や、車にビシャ | | | | |ッと水をはねられる音) | | | | | | | | |○ バスが見えたとき、よし子さ|・早く乗らないと待っている間| バス停には誰も立っ| | | | んはどんな気持ちでかけ出し、|にずぶぬれになってしまう。 |ていないからそこに並| | |値| 停留所の一番前に並んだのでし|・お母さんより私の方が素早い|ぶこと自体に文句はで| | | | ょうか。 |から席がとれる。 |ないと思うが、それは| | | | |・乗り場には誰も立っていない|、よし子さんがくる前| |展| | |んだから、先に停留所に並んだ|から並んでいた人たち| | | | |人が一番に乗れるんだ。 |に対する配慮に欠ける| | |の| | |行為であることにつな| | | | | |げるためのものである| | | | | |(絵を移動させながら)| | | | | | | | | |(2)価値把握 | | | | |追|+−−−−−−−−−−−−−+| | 誰もいない所に並ん| | | || お母さんに強く肩を引かれ||・せっかく一番前にきたのに何|だから悪くないという| | | ||た時、よし子さんはどんな気||するの。ぐずぐずしてるとずぶ|考え。 | | | ||持ちになったでしょうか。 ||ぬれになるじゃない。 | 自分でもちょっと気| | | |+−−−−−−−−−−−−−+|・乗り場には誰も並んでいない|になったけどやっぱり| | |求| |じゃない。乗り場に先にきた人|だめなのかという考え| | | | |が一番でしょう。 | 自分の気持ちに負け| |開| | |・やっぱりだめなの? |てルールを破ったとい| | | | |・ぐずぐずしてるとずぶぬれに|う考えを出したい。 | | | | |なりそうだと思ったの。ごめん|(ー価値の考えが多い時軒下の列に加わりま | |把| |なさい。 |りました。はっとしました。と言う言葉をも | | | | |って+の方へ引っ張る.) | | | | | | | | |○ 声もかけずまどの外をじっと|・みんなも私と同じ気持ちで待| 状況把握の所の大事| | | | 見ているお母さんを見たとき |っていたのにずるいことをして|な言葉に戻って気づか| | |握| よし子さんはどんなことに気が|しまったからお母さんはおこっ|せる。(軒下の列に加わった。) | | | つきましたか。 |ているんだ。 | | | | | |・私のしようとしたことは、前| | | | | |から雨の中で待ち続けていた人| | | | | |たちがいたことを無視しようと| | | | | |したことだったんだ。 | | | | | |・何も言わないけれどちゃんと| | | | | |ほかの人たちはルールを守って| | | | | |いたんだ。 | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |(3)主体的自覚 | | 今までの自分の経験| | |内| 社会のきまりを守った経験| |をふり返らせる。 | | | | をふり返って書く。 | | | | |省| | | | | | |○ 自分のことをふり返って、社|・改善センターに行った時、静| | | |化| 会のきまりを守ったことがあっ|かに探した。 | | | | | たら書いてみましょう。 |・遠足の時ゴミの持ち帰りをし| | | | | |た。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |3終末 | | 自分たちは、すでに| |終|ま| 子供の生活の中から見つけた| |やっていることなのか| | |と| 話をする。 | |と気づかせ自信を持た| | |め| | |せるとともに、これか| |末| | | |らの意欲付けとする。| | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+   資料分析「雨のバス停留所で」     主な場面          主人公の意識          基本発問      価値 +−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−+ | 出かける日なのにどしゃ降りの雨だった。バ ・ こんな雨いやだな。 ・ よし子さん達がたばこ|規 |ス停では、バスを待つ人が、たばこ屋の軒下で ・ 服が濡れてしまうじゃ やさんの軒下の列に加わ|則 |列を作って雨宿りをしていた。よし子達もその列 ない。 | ったのはなぜですか。 | |の| |に加わった。 +−+・ 軒下で待とう。 +−+ +−+尊| | | |・ 早くバスがこないかな| | | |重| | | +−−−−−−+−−−−−+ | | | | +−−−−−+−−−−−+ | +−−−−−−+−−−−−+ +++ | +−−−−−−+−−−−−+ | | +−−−−−+−−−−−+ |・早く乗らないと待っている間にずぶぬれになって−−−−+ +++ | バスが見えたとき、よ| | しまう。 | |・ バスが見えたとき、よ| |節| |し子は、停留所の一番先| |・お母さんより私の方が素早いから席が取れる。 し子さんはどんな気持ち 度 |頭に並んだ。そのとき、| |・乗り場には誰も立っていないんだから、先に停留 で雨の中をかけ出し、 ・ |母の声が聞こえたような+−+ 所に並んだ人が一番に乗れるんだ。 停留所の一番前に並んだ +節| |気がしたが気にとめなか| +−−−−−−+−−−−−+ | のでしょう。 | |制| |った。 | | | | | | +−−−−−+−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−+ +++ | |・せっかく一番前に来たのに何するのぐずぐずして | +−−−−−+−−−−−+ | るとずぶぬれになるじゃない。+−−−−−−+−−−−−+ +++ | バスが来て乗ろうとし| |・乗り場には誰も並んでいないじゃない。乗り場に ・ お母さんに強く肩を引 公お |たときよし子は母に強く| | 先に来た人が一番でしょう。 | かれたとき、よし子さん| |徳も |肩を引かれはっとした。| |・やっぱりだめなの?・ | | はどんな気持ちになった| |心い | 母は、今まで並んでい+−+・ぐずぐずしてるとずぶぬれになりそうだと思っ でしょうか。 や |た後ろまでつれていき並| | たの。ごめんなさい。 | | | | り |び直させた。 | +−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−+−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−+ +++ | +−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−−−+−−−−−+ |・みんなもわたしと同じ気持ちで待っていたのにず−−−−+ +++ | よし子は、文句を言お| | るいことをしてしまったからお母さんがおこってい ・ 声もかけず、窓の外を |うとしたが、いつもと違| | るんだ。 | | 見ているお母さんを見た| |公| |う母の態度に何も言えず| |・わたしのしようとしたことは、前から雨の中で待 とき、よし子さんはどん 徳 |自分のしたことを考え始+−+ ち続けていた人たちがいたことを無視しようとした なことに気がつきました 心 |めた。 | | ことだったんだ。 | | か。 | | | | | |・何も言わないけれどちゃんとほかの人たちはルー | | | +−−−−−−−−−−−+ | るを守っていたんだ。 | +−−−−−−−−−−−−+ +−+ +−−−−−−−−−−−−+