印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):82   −−以下 指導案本文−−            第1学年道徳学習指導案                   日 時 平成8年7月4日(木)2校時                   学 級 1 年 男14名 女12名 計26名                   授業者 菅原 三枝子 1.主題名   がんばるこころ  (1−2 勤勉・努力) 2.資料名   わきだしたみず(出典「みんなのどうとく1ねん」学研) 3.主題設定の理由 (1)価値について     低学年の内容項目1−2は、「自分でやらなければならない勉強や仕事は、しっか    と行う。」とあり、勤勉に、くじけず努力し、自分を向上させる児童を育てようとす    るものである。これは、中学年では、1−3「自分で決めたことは、粘り強くやり遂    げるようにする。」に発展し、さらに高学年では、1−2「より高い目標を立て、希    望と勇気をもってくじけないで努力する。」に統合している。児童が自立していくた    めには、自分がやらなければならないことはしっかりできることが大切である。そし    て、何事にも粘り強く取り組み努力し続けることと向上心が結び付いて、自己のあり    方や生き方が自覚されてくると言えよう。この段階においては、特に親や教師の励ま    しや賞賛のもとに、この期の基本的な課題である勉強や自分のなすべき仕事を自分で    やらなければならないものとしてしっかり指導する必要がある。とりわけ、自分でや    らなければならない事柄に一心に取り組むには、努力の継続や苦しみの伴うことが多    いが、自分がやらなければならないという責任感ややり遂げたという成就感を感得さ    せることで、粘り強くやろうとすることの大切さに気付かせたい。 (2)児童の実態について     学級の児童は、家での手伝いやいろいろな係や当番の仕事に興味を示し、進んでや    ろうとする。特に、給食当番や日直当番、プリント配りなどは大好きな仕事である。    しかし、同じ仕事が一定期間続くと、途中で飽きてしまったり、遊びに夢中になって    仕事を忘れてしまうことも多い。また、学習でも、時間のかかることや苦手なことに    対しては、「分からない。」「できない。」とすぐに助けを求めたり、あきらめてし    まう傾向が見られる。そこで、このような児童に、自分の課題は自分の力で粘り強く    やろうとすることの大切さを気付かせていきたい。 (3)資料について     本資料は、主人公のかにが、日照りで水が少なくなって池に住む魚たちが困ってい    るのを見て、魚たちを助けるために泉に向かって穴を掘り進めようとする。途中に大    きな穴があり、くじけそうになったり、疲れて思うように力が出なくなったりするが    最後まで穴を掘り進める。困難な仕事を粘り強く為し遂げたかには、わきだし水に大    喜びする魚たちを見て、すがすがしい満足感を感じるという内容である。主人公の姿    を通して、だれにでも途中で投げ出したくなる気持ちがあることに気付かせ、最後ま    で希望を持って頑張ることの大切さを考えさせるのに適切な資料である。指導にあた    っては、主人公であるかにの置かれている状況を視覚的に捉えさせ(動作的な表現方    法・映像的な表現方法)できるだけ、かにと同一化させながら、掘り進んでいくこと    の困難さに共感させたい。そして、その困難さを乗り越えたのは、魚たちを助けたい    という強い気持ちと、自分で決めたことは何としても達成したいという心であったあ    ったことに気付かせたい。事後指導では、頑張って最後までやり遂げた児童や、努力    し続けている児童を紹介し、賞賛して励ましていきたい。 4.本時の指導 (1)ねらい     自分がやらなければならないことは、最後までしっかりやろうとする心情を育てる。 (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |過 程| 学習活動(教師の働きかけ) 期待される児童の反応 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |問|1.価値への方向づけを| | | | |題| 図る。 | | | |導|の| ○今まで途中で嫌にな|・お茶碗洗いのお手伝い|・途中でやめてしまっ| |入|意| ってやめてしまった| を水が冷たいので、途| た経験を想起させ、| | |識| ことはありませんか| 中でやめてしまった。| ねらいとする価値へ| |3|化| |・疲れたから途中で掃除| の方向付けをする。| |分| | | をやめてしまった。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |2.資料「わきだしたみ| |・情景画を使って語り| | | | ず」を絵話で視聴し、| | 聞かせをする。 | | | | かにの気持ちについて| | | | |問| 話し合う。 | | | |展|題| @こまっている魚たち|・魚たちがかわいそうだ|・池の水が少なくなっ| |開|の| を見てかにはどんな|・水がなくなってたら魚| ている状況と、魚た| |前|具| ことを思ったでしょ| たちは死んでしまう。| ちにとっての水の重| |段|現| う。 |・助けてあげたい。 | 要性を押さえる。 | | |化| |・どうしよう。 |・魚たちが困っている| | |・| | | 状況から、自分で考| | |価| | | えて助けようと決心| | |値| | | したかにの気持ちに| | |の| | | 気付かせたい。 | | |追| | | | | |求| A大きな岩に出会った|・困ったなぁ。 |・かにの困惑した心情| | | | とき、かにはどんな|・やめたいな。 | を捉えさせる。 | | | | ことを考えたでしょ|・回り道をしよう。 | 困惑しながらもやめ| | | | う。 |・早くしないと魚たちが| たいという気持ちよ| | | | | 大変だ。 | り、魚たちを助けた| | | | |・頑張って掘ろう。 | いという気持ちが強| | | | | | いことに気付かせた| | | | | | い。 | | | | B疲れて思うように力|・疲れたなぁ。休みたい|・掘り進んでいくこと| | | | が出ないとき、かに| な。 | のきつさ、大変さに| | | | はどんな気持ちにな| 手伝ってほしい。 | 共感させたい。 | | | | ったでしょう。 | やめてしまいたい。 |・水不足で苦しんでい| | | | | ここでやめたら、魚た| る魚の心の顔を表情| | | | | ちが死んでしまう。 | 図に表現させ、魚の| | | | | やめるわけにはいかな| 役割演技をさせる。| | | | | い。頑張ろう。 |・魚たちを助けたいと| | | | | | いう気持ちと、自分| | | | | | きめたことの達成を| | | | | |・目指す心が支えにな| | | | | | っていることに気付| | | | | | かせたい。 | | | | | | | | | | C水がどんどん流れて|・疲れたけれど途中でや|・魚たちが喜んでいる| | | | いくのを見て、かに| めないでよかった。 | 様子を捉えさせる。| | | | はどんな気持ちにな|・最後まで頑張ってよか|・物事をやり遂げたと| | | | ったでしょう。 | った。 | きの成就感や満足感| | | | |・魚が助かってよかった| ですがすがしい気持| | | | |・喜んでもらえて嬉しい| ちになっていること| |25| | | | に気付かせたい。 | |分| | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |価|3.自分の生活を振り返| | | | |値| る。 | | | |展|の| ○大変だったけれど途|・運動会の踊りの練習で|・学校、家庭と場面を| |開|主| 中でやめないで、最| 疲れたけれど、最後ま| 設定しながら頑張っ| |後|体| 後まで頑張ったこと| で頑張った。 | てよかった経験を発| |段|的| は何でしょう。 |・掃除は大変だったけど| 表させ、自己を振り| | |自| | 頑張った。 | 返らせる。 | |10|覚| |・マラソンを頑張った。| | |分| | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |学|4.本時のまとめをする| | | | |習| ○家の人からの手紙を| |・今まで努力したこと| | |の| 読む。 | | を認め励まし、これ| |終|整| | | からも頑張ろうとす| |末|理| | | る意欲を高めさせた| | |・| | | い。 | | |ま| | | | |7|と| | | | |分|め| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ (4)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | わ| | き| | だ| | し| | た| | み| | ず| | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 (資料分析図) 主題名 がんばるこころ (価値 1−2 勤勉・努力) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 資料名 わきだしたみず (「みんなのどうとく1ねん」学研) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− +−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−− |場 | | 日照りが続き、池の水が| | 途中大きな岩に出会いな| | 疲れてきて思うように力| | 水がどんどん流れてい | | |少なくなるのを心配してい+−−−+がらも、休みなしに掘り続+−−−+が出なくなるが、我慢して+−−−+のを見て、嬉しい気持ち | | |る魚たちを見て、助けよう| |けるかに。 | |掘り続けているかに。 | |なっているかに。 |面 | |と決心するかに。 | | | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | 登| |・水がなくなったら魚たち| |・大きくて動かせない。 | |・疲れたなぁ。休みたいな| |・つらかったけれど途中 | 場| | が死んでしまう。 | |・困ったなぁ。どうしよう| | ぁ。 | | やめないでよかった。 | 人| |・魚たちがかわいそうだ。| |・何かいい方法はないかな| |・つらいなぁ。掘るのをや| |・最後まで頑張って良か | 物| |・何とかして助けてあげた| |・仕方がない回り道をしよ| | めてしまおうか。 | | た。 | の| | い。 +−−−+ う。 +−−−+・早く泉に出ないかなぁ。+−−−+・魚たちが助かって良か | 心| |・泉から水を引くことはで| |・早くしないと魚たちが大| |・ここでやめたら、魚たち| | たなぁ。 | の| | きないかな。 | | 変だ。 | | が死んでしまう。 | |・魚たちに喜んでもらえ | 動| | | |・頑張って掘ろう。 | |・もう少しだ。頑張って掘| | 嬉しい。 | き| | | | | | り続けよう。 | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− |基 | |@困っている魚たちを見て| |A大きな岩にぶつかった時| |B疲れて思うように力が出| |C水がどんどん流れてく |本 | | かにはどう思ったでしょ| | かにはどんなことを考え+−−−+ ない時、かにはどんな気+−−−+ のを見て、かにはどん |発 | | う。 | | たでしょう。 | | 持ちになったでしょう。| | 気持ちになったでしょ |問 | | | | | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | 期| |・やさしいかにだなぁ。 | |・大きな岩にぶつかって困| |・とても疲れてやめたいと| |・魚たちが助かって良か |児待| |・魚たちを助けようとして| | っただろうな。 | | 思っただろうな。 | | たな。 |童さ| | いいかにだ。 | |・回り道をしなければなら| |・途中でやめないで偉いな| |・かにはとても立派だな |のれ| |・泉から水を引くとは、い+−−−+ ないから、大変だろうな+−−−+・かには頑張り屋だな。 +−−−+・最後まで頑張って掘っ |反る| | いことを考えたなぁ。 | | ぁ。 | | | | のが偉いな。 |応 | | | |・早く魚たちを助けてあげ| | | |・水が出て良かった。 +−−+ +−−−−−−−−−−−−+ | てほしい。 | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−− +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−−−−− |主価値 | 勤勉・努力 +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−