印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−    第1学年道徳学習指導案                       日 時 平成8年9月25日(水)2校時                       学 級 1 年 男14名 女12名 計26名           授業者 菅 原 三枝子 1 主題名  あたたかいこころ 2 資料名  ぐみの木と小とり(出典文部省「道徳の指導資料とその利用」5) 3 主題設定の理由  1 価値について     低学年の内容項目2−2は、「身近にいる幼い人や高齢者に温かい心で接し、親切にする。」と    と示されている。これは、他の人に接するときの基本的姿勢に関するものであり、相手に対する思    いやりや親切な心を持ち実践できる児童を育てようとする内容項目である。これを受けて中学年で    は、「相手のことを思いやり、親切にする。」に発展し、さらに高学年では、「誰に対しても思い    やりの心を持ち、相手の立場に立って親切にする。」に発展していく。よりよい人間関係を築くた    めには、互いを思いやる気持ちが大切である。本人は思いやりのある行為と思ってやったことが、    相手から見ておせっかいだったり、ありがた迷惑だったりする場合もある。本当の意味での思いや    りとは、他人の喜び・悲しみ・痛み・苦しみなどを考え、その気持ちが理解できるということであ    り、単に気の毒とか、可哀相とかいうような哀れみや、優しく接することだけを指すのではない。    この思いやりに根ざした行為が親切である。「あたたかいこころ」で接するとは、互いにいたわり    合う心と心の交流を持つことであり、相手の状況を、もしそれが自分だったらと自分に置き換え、    どのようにしたら相手が元気になるか心から喜ぶのかを考え、働きかけることである。またその行    為に対して、代償や称賛を求めるものであってはならないし、自分の損得が動機になってはならな    い。そして、相手を思いやった温かい行為をすることにより、相手も自分もすがすがしい気持ちに    なることができる。この期の児童は、まだ自己中心的な考えから脱し切れないでいる。しかし、社    会体験が少しずつ積まれてきた段階で、家族や仲の良い友達には思いやりの気持ちを素直に表すこ    とができるようになってきている。そこで、特に身近にいる幼い人や高齢者に目を向け、自分の周    りの困っている人に対して、素直に手を差し伸べることができるような、思いやりの心を育てるこ    とが大切であると考える。  2 児童の実態について     学級の子ども達の様子を見ると、友達が怪我をしたりすると保健室に連れていったり、忘れ物を    してて困っていると、自分のものを貸してあげたりする。しかし、おせっかいなど自己中心的な考    えで相手に接することも多い。また、仲の良い友達は助けても、親しくない友達や見ず知らずの人    に対しては、心のブレ−キがかかってしまうこともある。     そこで、身近な人間関係に目を向け始めたこの時期に、自分の周りの困っている人に対して温か    い心で接し、親切にしようとする心情を育てたい。  3 資料について     小鳥はぐみの木が友達のりすのことを心配しているのを知り、ぐみ木のかわりにりすの様子を見    に行く。りすは病気で寝ていたがぐみの実を食べて少し元気になる。小鳥は翌日もぐみの実を持っ    てりすの見舞いをし、明日も来ることを約束する。しかし、次の日は嵐になってしまい、小鳥は迷    ったあげく嵐の中をぐみの実を持ってりすの所へ向かうという内容である。献身的にぐみの実を届    け続ける小鳥の気持ちや、りすが元気になったときの小鳥のすがすがしい気持ちを捉えさせること    により、困っている人を見かけたら、自分のできることはしてあげよようとする思いやりの気持ち    を育てるのに、適切な資料であると考える。     指導にあたっては、小鳥、ぐみの木、りすの置かれている立場や気持ちなどを、子供たちに分か    りやすくするために、大きなぐみの木を中心とした場面設定やペープサート、効果音等を組み合わ    せていくことによって、臨場感をだしていきたい。また、本資料では、嵐を前にして迷い悩む小鳥    の気持ちを考える場面が山場になってくるので、そこで役割演技を取り入れることにより、多様な    考えを引き出し、本時のねらいに迫っていきたい。ここで、お面やペープサートを用いて小鳥にな    りきらせることによって、頭の中ではどうしたらいいのかを考えられても、なかなか行為に結びつ    けないつけられないという現実に気付いていけるものと考える。 4 本時の指導  1 ねらい   友達や周りの人が困っているときに、親切にしようとする心情を育てる。  2 展 開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |過 程|学習活動(教師の働きかけ)| 期待する児童の反 | 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |導|問|1 困っている人を見た経験|・忘れ物をして困ってい|・見かけた経験を列挙させる| | |題| について話し合う。 | る友達がいた。 | にとどめ、展開後段の話合| | |の| ○ 今までに近所や学校な|・怪我をして、泣いてい| いで活用する。 | |入|意| どで、困っている人を見| る人を見た。 | | | |識| たことがありますか。 | | | |5|化| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |展| |2 資料「ぐみの木と小とり| |・場面絵やペープサート、録| | |問| のアの部分を視聴し、小鳥| | 音テープ等を使って、資料| | | | の気持ちを中心に話し合う| | を分断で提示する。 | | | | | | | | |題| @ 病気で寝ているりすを|・一人ぼっちでかわいそ|・小鳥、ぐみ木、りすの三者| | | | 見たとき、小鳥はどんな| う。 | の関係を押さえ、気軽に頼| | | | ことを思ったでしょう。|・早く良くなってほしい| みを受入れ、実を届ける小| | |の| |・ぐみの木さんに教えな| 鳥の優しさに気づかせたい| | | | | くちゃ。 | | |開| | |・また実を届けてあげよ| | | |具| | うかな。 | | | | | A ぐみの実を食べて少し|・ぐみの実を届けてよか|・りすが少し元気になって、| | | | 元気になったりすを見て| った。 | 安心する小鳥の気持ちに共| | |現| 小鳥はどんな気持ちにな|・元気になって安心した| 感させる。 | | | | ったでしょう。 |・明日も来よう。 |・小鳥とりすの役割演技をさ| | | | |・もっとたくさん持って| せることで、親切にする小| | |化| | きてあげよう。 | 鳥だけでなく、親切にされ| | | | | | たりすの気持ちも考えさせ| |前| |3 資料「ぐみの木と小とり| | る。 | | | | のイの部分を視聴し、話し| | | | |・| 合う。 | | | | | | B 止みそうもない嵐の音|・嵐がこわいな。 |・嵐の音を聞かせたり、嵐の| | | | を聞きながら、小鳥はど|・こんな嵐の中、とても| 中を小鳥が飛ぶ様子を動作| | |価| んなことを考えていたで| 行けそうもない。 | 化させることにより、小鳥| | | | しょう。 |・どうしようかな。りす| にとってつらい状況である| | | | | さん待っているだろう| ことに気づかせる。 | |段|値| | な。 |・行こうか、止めようかとい| | | | |・すごい嵐だけどやっぱ| う迷いの気持ちが、小鳥の| | | | | り行こうかな。 | 心の中にあることをおさえ| | |の|4 資料「ぐみの木と小とり|・りすさんのために頑張| る。 | | | | のウの部分を視聴し、話し| って行こう。 | | | | | 合う。 | | | | |追| C ぐみに木に「ごしんせ|・お礼を言われて嬉しい|・嵐というつらい状況にあっ| | | | つはいつまでもわすれま|・ぐみの実を届けて良か| てもぐみの実を届け続けた| | | | せん。」と言われたとき| った。 | 小鳥の成就感と、親切にし| | |求| 小鳥はどんな気持ちにな|・りすさんが元気になっ| た後のすがすがしい気持ち| | | | ったでしょう。 | て良かった。 | に気づかせる。 | | | | |・親切にすると気持ちが| | |25| | | いいな。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |展| |5 日ごろの親切にかかわる| | | | |価| 経験を発表する。 | | | |開|値| | | | | |の| ○ 今までに、周りの人た|・泣いている子供に優し|・親切にした経験を発表させ| |後|内| ちが困っているときに親| く声をかけてあげた。| 自己を振り返らせる。 | | |面| 切にしてあげたことがあ|・勉強がわからなくて困|・相手を思いやる心が、自分| |段|的| りますか。 | っている友達に教えて| の喜びとなって返ってくる| | |自| | あげた。 | ことに気づかせる。 | | |覚| |・おじいちゃんの肩もみ| | |10| | | をしてあげた。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |学|6 教師の説話を聞く。 | |・親切にししようと思ってい| |終|習| | | ても行動に表すことは難し| | |の| | | いが、親切にしてあげて良| | |整| | | かったという話をして、今| | |理| | | 後の実践への意欲づけを図| | |・| | | る。 | |末|ま| | | | | |と| | | | |5|め| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+  3 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+ | | | | あらし | | | | | | +−−−−−−−−−−+ | | | | | 絵 | | | | 絵 | | | | | | | | | ぐ| | | | | 絵 | | | み| | +−−−−−−−−−+ | | +−−−−−−−−−+ の| | | | ・・・ 木| | ・ ・・ +−−−−−−−−−−+ ああよ ・・・ と| | し うげ +−+ +−+ しんか はりひ こ| | ん れん ・・|い| ・・|い| たしっ やすと と| | せ しき ばりり|こ| けと|く| もんた くさり り| | つ いに ろすす|う| がば|の| こし よんぼ | | に なな うささ+−+ をさ|は| よた くだっ | | し っ んん しれ|や| う ないち | | て て のが てて|め| っじで | | よ よ たま しし|よ| てょか | | か か めっ まま|う| うわ | | っ っ にて うう+−+ ぶい | | た た がい かそ | | んる なう | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5.(資料分析図) 主題名 あたたかいこころ (価値 2−2思いやり・親切) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 資料名 ぐみの木と小とり (文部省「道徳の指導資料とその利用」5) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− +−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−− | | | 小鳥がたまたま立ち寄っ| | 小鳥はぐみの木からこと| | 次の日は嵐だったので、| | 小鳥はやっとの思いで |場 | |たぐみの木が友達のりすの+−−−+づかったぐみの実を、病気+−−−+小鳥はしばらく待つことに+−−−+すの所に着いた。次の朝 | | |ことを心配しているのを知| |のりすに食べさせる。りす| |した。じっと考え込んでい| |ぐみの木に別れを告げて | | |り、りすの様子を見に行く| |は少し元気になる。 | |たが、やがて小鳥はぐみの| |び立つ。 |面 | | | | 小鳥は次の日も、ぐみの| |実をくわえ飛び立った。嵐| | | | | | |実を運んであげた。 | |の中を飛び続けた。 | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | 登| |・一人ぼっちでかわいそう| |・りすさんが少し元気にな| |・こんな嵐の中とても行け| |・りすさんが元気になっ | 場| |・りすさん大丈夫かな。 | | ってよかった。 | | そうにない。りすさんに| | 良かった。 | 人| |・ぐみの木さんに教えてあ| |・ぐみの実を持ってきて良| | は悪いけど仕方がない。| |・つらかったけどぐみの | 物| | げなくちゃ。 | | かった。 | |・どうしようかな。りすさ| | を運んで良かった。 |心の| |・早く良くなってほしい。+−−−+・ひとりぼっちでかわいそ+−−−+ ん待っているだろうな。+−−−+・お礼を言われて嬉しい |の | |・毎日、実を届けてあげよ| | うだ。明日も持ってきて| |・りすさんのために頑張っ| |・ああいい気持ちだ。 |動 | | うかな。 | | あげよう。 | | て行こう。 | | |き | | | | | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− |基 | |@病気で寝ているりすを見| |Aぐみの実を食べて少し元| |B止みそうもない嵐の音を| |Cぐみの木に「ごしんせ |本 | | たとき、小鳥はどんなこ| | 気になったりすを見て、+−−−+ 聞きながら、小鳥はどん+−−−+ はいつまでもわすれま |発 | | とを思ったでしょう。 | | 小鳥はどんな気持ちにな| | なことを考えていたでし| | ん。」と言われたとき |問 | | | | ったでしょう。 | | ょう。 | | 小鳥はどんな気持ちに +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ | ったでしょう。 | | | +−−−−−+−−−−− +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | 期| |・一人ぼっちでかわいそう| |・ぐみの実を届けて良かっ| |・嵐がこわいな。 | |・お礼を言われて嬉しい |児待| |・早く良くなってね。 | | た。 | |・こんな嵐の中、とても行| |・ぐみの実を届けて良か |童さ| |・ぐみの木さんに教えなく| |・元気になって良かった。| | けそうもない。 | | た。 |のれ| | ちゃ。 +−−−+・明日も来よう。 +−−−+・どうしようかな。 +−−−+・元気になって良かった |反る| |・また、実を持ってきてあ| |・もっとたくさんぐみの実| |・りすさんのために頑張っ| |・親切にすると気持ちが |応 | | げるね。 | | を持って来よう。 | | て行こう。 | | いなあ。 +−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−− +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−− | 主価値 | 思いやり・親切 +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−