印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):82   −−以下 指導案本文−−   第1学年道徳学習指導案                   日 時 平成8年11月26日(火) 校時                   学 級 1 年 男14名 女12名 計26名                   授業者 菅原 三枝子 1.主題名   なかよくたすけあうこころ  (2−3友情・信頼、助け合い) 2.資料名   くりのみ(出典「みんなのどうとく1ねん」学研) 3.主題設定の理由 (1)価値について     低学年の内容項目2−3は、「友達と仲良くし、助け合う。」と示されている。こ    れは、友達関係において基本となるものであり、友達との間に信頼と友情及び助け合    いの精神を育てようとする内容項目である。これを受けて中学年では「友達と互いに    理解し、信頼し、助け合う。」に発展していく。よい友達関係を築くためには、互い    に認め合い、さまざまな場面での学習活動や生活を通して助け合い、理解し合い、信    頼や友情を育てる努力が必要である。友情を深めていくには、友達の悪い面ばかり見    ないで、友達の良さを認めることが大切である。     そこで、相手の立場を思いやり、仲良く助け合っていこうとする態度を養いたい。    この期の児童は、幼児期の自己中心性がまだかなり残っているため、他人の立場を認    めたり、理解したり、他人の人格を尊重することは困難である。しかし、学校の規則    的な生活や友達との遊びを通して、自己中心性が減少し、他人の立場を尊重する傾向    が芽生えてくる時期でもある。そこで、楽しいときだけでなく苦しいときも、辛いと    きでも利害損得にとらわれず相手の気持ちを考えながら友達と仲良くし、助け合って    いこうとする態度を育てることが大切であると考える。 (2)児童の実態について     学級の児童は2学期に入り、学校生活にもだいぶ慣れ、明るく伸び伸びと生活でき    るようになってきている。しかし、自分が遊びたいから友達の遊んでいる遊具を無理    やり取り返したり、相手の話をよく聞かないためにけんかになったりと、自分の思い    だけを最優先して、トラブルを起こしてしまうことがたびたびある。また、自分だけ    少しでも有利な立場に立とうとしたがる傾向も見られる。そこで、このような児童に、    利害損得にとらわれず、相手の立場を思いやり、互いに助け合っていけば、友達関係    をより楽しく深いものにしていくことに気付かせたい。 (3)資料について     本資料は、寒い北風の吹く日、お腹を空かせたきつねとうさぎが食べ物を探しに行    く。きつねはどんぐりをたくさん見つけお腹一杯食べた後、見つからないように隠し    ておく。そして、帰り道に出会ったうさぎには、見つからなかったと嘘をつく。する    と、うさぎは、たった二つの栗の実の一つをきつねに渡すという内容である。     日常生活の中では、誰でも自分が苦しいとき、大変なとき、友達の立場や気持ちを    考えずに、自分だけいい目をみたいと思うことはよくあることなので、児童も容易に    主人公に共感し、自己を見つめることができるであろうと考えた。きつねとうさぎの    とった行動を対比させて考えさせることで、苦しいときでも仲良く助け合っていくこ    との大切さを考えさせるのに適切な資料であると考える。指導にあたっては、主人公    であるきつねの置かれている状況を視覚的に捉えさせ(動作的な表現方法・映像的な    表現方法)できるだけきつねと同一化させながら、寒い季節にどんぐりを探す困難さ    に共感させたい。そして、自分のことしか考えられないきつねの心の弱さに対し、厳    しい状況の中でも友達を思う、うさぎの優しさに触れながら、本時のねらいに迫って    いきたい。事後指導では、「よいことみつけたコーナー」で、友達のすばらしい行動    を折にふれ紹介していきたい。 4.本時の指導 (1)ねらい 友達の立場を思いやり、互いに助け合っていこうとする態度を養う。 (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |過 程| 学習活動(教師の働きかけ) 期待される児童の反応 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |問|1 日常生活で、「友達| | | | |題| がいてよかった」と思| | | |導|の| った経験を発表する。|・一緒に遊んでもらった|・友達についての発表| |入|意| ○ 友達がいて良かっ| とき、嬉しかった。 | を通して、ねらいと| | |識| たと思ったことはあ|・悲しくて泣いていると| する価値への方向づ| |3|化| りませんか。 | き、励ましてもらった| けを図る。 | |分| | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |2 資料「くりのみ」を| |・場面絵を使って語り| | | | 視聴し、話し合う。 | | 聞かせをする。 | | |問| | | | |展| | @ きつねは、どんな|・誰にも見つからないよ|・寒い季節にお腹を空| | | | 気持ちで、どんぐり| うに隠しておこう。 | かせたきつねがどん| | |題| の残りをそっと落ち|・誰にもあげたくないな| ぐりを探す行為を動| | | | 葉で隠しておいたの|・お腹が空いたら、また| 作化させることによ| |開| | でしょう。 | 食べられるようにとっ| って、どんぐりを探| | |の| | ておこう。 | す大変さを体感させ| | | | | | たい。それをもとに| | | | | | きつねがどんぐりを| |前|具| | | 独り占めしようとし| | | | | | た気持ちに共感させ| | | | | | たい。 | | |現| | | | |段| | A きつねは、どんな|・全部私のものだ。あげ|・自分のことしか考え| | | | 気持ちでうさぎに「| たくない。 | られないきつねの心| | |化| 何もなくてはらぺこ|・うさぎさんにあげると| の弱さに共感させた| | | | です。」と嘘をつい| 自分の食べる分が少な| い。 | | | | たのでしょう。 | くなる。 | | | |・| |・うさぎさんは友達だけ| | | | | | ど、また見つけるのは| | | | | | 大変だから、分けたく| | | |価| | ない。 | | | | | | | | | | | B うさぎは、どんな|・お腹が空いているから|・きつねのことを思っ| | |値| 気持ちで二つしかな| 二つ食べたい。 | て、お腹が空いてい| | | | い栗の実の一つをき|・二つしかないのだから| るにもかかわらず一| | | | つねにあげたのでし| あげたくないな。 | つ分けてあげる、う| | |の| ょう。 |・きつねさんも、お腹を| さぎの友達を思う優| | | | | 空かせてかわいそうだ| しさに気付かせたい| | | | | から、分けてあげよう| | | |追| |・友達だから、やっぱり| | | | | | 一つ分けてあげよう。| | | | | | | | | |求| C うさぎがくれた栗|・うさぎさんは優しいな|・友達思いの優しいう| | | | の実を見て、きつね|・どんぐりを独り占めし| さぎの心温まる行為| | | | は涙を流しながら、| て、ごめんなさい。 | に、感動したきつね| |25| | どんなことを考えた|・嘘をついて恥ずかしい| の心のうちに気付か| |分| | でしょう。 |・友達っていいな。 | せたい。 | | | | | |・道徳シート使用。 | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |価|3 自分の生活を振り返| | | | |値| る。 | | | |展|の| ○ うさぎと同じよう|・勉強がわからなくて困|・友達が困っていると| |開|主| に友達が困っている| っている友達に教えて| き助けてあげた経験| |後|体| とき、助けてあげた| あげた。 | や助けられた経験を| |段|的| ことはありませんか|・鉛筆を貸してあげた。| 発表させ、自己を振| | |自| 反対に、困っている|・けがをして泣いていた| り返らせる。 | |10|覚| とき助けてもらった| とき、保健室に連れて| | |分| | ことはありませんか| いってもらった。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |学|4 本時のまとめをする| | | | |習| ○ 友達の作文を聞い| |・友達に助け合てもら| | |の| てみましょう。 | | って嬉しかった児童| |終|整| | | の話を紹介し、今後| |末|理| | | の実践への意欲づけ| | |・| | | を図る。 | | |ま| | | | |7|と| | | | |分|め| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ (3)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−+ +−−−−−−++−+−−−−−+−+ +−−−−−−+ | | |な| | をく ||こ| ・・・ |な| | 絵をど | | | |み| | 渡り ||れ| わまあ |に| | かん | | | |だ| | すの ||を| けたげ |も| | くぐ | く| | |を| | 絵実 || | た る |み| | すり | り| | |ぽ| +−−−−−−+|ど| くさと |つ| +−−−−−−+ の| | ・・・|ろ| |う| ながた |か| ・ ・・ み| | とうな|っ| ・・ ・ |ぞ| いすべ |ら| あかだこ | | もそん|と| よ二とてき +−+ のも |な| しくれれ | | だをて|こ| うつもいつ はの |か| たしには | | ちつや|ぼ| ただるね たが |っ| ても | | っいさ|し| べち さ いな |た| まおみぼ | | ててし|ま| ただ ん へく |よ| たこつく | | いごい|し| いか も んな +−+ たうかの | | いめん|た| けら お だっ べ らも | | なんだ| | ど一 な て よ なの | | ね +−+ つ か し う いだ | | があ を ま よ | | まげ す う う | | んよ か に | | しう せ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 資料分析図 主題名 なかよくたすけあうこころ (価値 2−3友情・信頼、助け合い) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 資料名 くりのみ (出典 「みんなのどうとく1ねん」学研) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− +−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−− | | | 寒い北風の吹く日、きつ| | 残りのどんぐりを隠した| | きつねが何も見つからな| | きつねは、うさぎがく |場 | |ねと友達のうさぎはおなか+−−−+後、うさぎと出会った。う+−−−+かったと知ったうさぎは、+−−−+た栗の実を握りしめ、涙 | | |を空かせて食べ物を探しに| |さぎに食べ物が見つかった| |二つしかない栗の実を一つ| |ぽろっとこぼした。 | | |出かけた。きつねはどんぐ| |か聞かれたとき、「何もな| |きつねに分けてくれた。 | | |面 | |りをたくさん見つけ、お腹| |くて腹ぺこです。」と嘘を| | | | | | |いっぱい食べる。 | |つく。 | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | 登| |・寒い中、苦労して見つけ| |・全部私のものだ。あげた| |・お腹が空いているので二| |・うさぎさんだってお腹 | 場| | たのだから誰にもあげな| | くない。 | | つ食べたいな。 | | 空かせているのに、二 | 人| | いぞ。 | |・あげると自分の食べる分| |・一つきつねさんにあげた| | しかない栗の実をぼく | 物| |・一人で食べてしまおう。| | が少なくなる。 | | ら明日は食べ物がない。| | 分けてくれるなんて、 |心の| |・残った分は、誰にも見つ+−−−+・うさぎさんは友達だけど+−−−+・きつねさんもお腹を空か+−−−+ んて優しいんだろう。 |の | | からないように隠してお| | また見つけるのは大変だ| | せてかわいそうだな。 | |・どんぐりを独り占めし |動 | | こう。 | | から、分けたくない。 | |・友達だからやっぱり一つ| | ごめんなさい。 |き | |・明日また食べよう。 | | | | 分けてあげよう。 | |・友達っていいなぁ。 +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− |基 | |@きつねは、どんな気持ち| |Aきつねは、どんな気持ち| |Bうさぎは、どんな気持ち| |Cうさぎがくれた栗の実 |本 | | で、どんぐりの残りをそ| | でうさぎに「なんにもな+−−−+ で二つしかない栗の実の+−−−+ 見て、きつねは涙をこ |発 | | っと落ち葉に隠しておい| | くてはらぺこです。」と| | 一つをきつねにあげたの| | しながら、どんなこと |問 | | たのでしょう。 | | 嘘をついたのでしょう。| | でしょう。 | | 考えたでしょう。 +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | | | | +−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−+−−−−− | 期| |・誰にもあげたくない。 | |・絶対に誰にもあげたくな| |・二つしかないのだからあ| |・うさぎさんは優しいな |児待| |・誰にも見つからないよう| | い。 | | げたくないな。 | |・嘘をついて恥ずかしい |童す| | に隠しておこう。 | |・あげるとどんぐりが少な| |・きつねさんもお腹を空か| |・自分だけどんぐりを食 |のる| |・お腹が空いたら食べられ+−−−+ くなる。 +−−−+ せているから分けてあげ+−−−+ てごめんなさい。 |反 | | るようにとっておこう。| |・友達だから少し分けてあ| | ようかな。 | |・ありがとう。友達って |応 | |・うさぎさんにも分けてあ| | げようかな。 | |・一つ分けてあげよう。 | | いな。 +−−+ | げようかな。 | |・どうしようかな。 | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−− +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | 主価値 |友情・信頼、助け合い +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−