印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−    第2学年道徳学習指導案                          日 時 平成8年5月16日(木)2校時                          学 級 2 年男18名 女12名 計30名                          授業者 松 田 貴美子 1 主題名  物を大切にする心(1−1節度・節制、自立) 2 資料名  ノ−トのひこうき(「みんなのどうとく2ねん」学研) 3 主題設定の理由  1 価値について     低学年の内容項目1−1は、「健康や安全に気をつけ、物や金銭を大切にし、身の回りを整えわ    がままをしないで規則正しい生活をする。」とあり、基本的な生活習慣を身に付け、節度のある生    活ができる児童を育てようとするものである。生涯にわたってあらゆる行為の基盤となる基本的生    活習慣をこの時期にしっかり身に付けることは極めて重要なことである。しかし、単なるしつけで    はなく、児童自身が心の内からそうすることが望ましいことだと自覚し、節度ある生活態度や自制    心が培われるような指導をしていくことが大切だと考える。物が豊富に、また容易に手に入りやす    い現代社会では、物を粗末に扱ってしまうことが多い。古くなったり、少々壊れたりでもすれば、    惜しげもなく新しいものに買い替えるなど、金銭や物の価値が軽視されている傾向が見られる。こ    の考え方は児童の生活にも反映している。そこで、金銭や物の価値を正しく認識し、それを生かし    て使うことの大切さを考えることが必要である。  2 児童の実態について     学級の児童は物に関して不自由することはあまりなく、物を無駄にしたり、乱雑に扱ったりする    ことも少なくない。鉛筆や消しゴム、ク−ピ−ペンシルなどの拾い物が、持ち主のわからないまま    に落とし物箱に毎日のようにたまっていく。また、まだまだ十分使えるのに新しい物を欲しがり、    親も児童の欲求を簡単に満たしてしまうことも多い。しかも、大切に扱うのは、新しい物を手に入    れた始めのうちだけという傾向も見られる。     そこで、このような児童に、物の扱い方がどうであったかを振り返らせ、物を大切に使うことの    意義をじっくり考えさせたい。  3 資料について     本資料は、物を擬人化して、無駄にされた物のいたみを読み手に伝えようとするものである。2    年生のゆきおに買われたノ−トははじめのうちは丁寧に使われていた。しかし、自分も丁寧に使わ    れたいというノ−トの紙の期待もむなしく破りとられ、飛行機に折られて空に飛ばされてしまう。    強い風に吹かれて地面にたたきつけられたノ−トの紙達は、子どもに踏みつぶされ、泣き出しそう    になる。という内容である。ノ−トの紙の心情から、物の身になって物の正しい使い方を考えさせ    るのに適切な資料であると考える。期待に胸をふくらませたり、がっかりしたりするノ−トの紙の    姿から、無駄にしたゆきおの行為を考えさせ、ねらいに迫りたいと考える。 4 本時の指導  1 ねらい   むだづかいをせずに、物を大切に使おうとする態度を育てる。  2 展 開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |過 程|学習活動(教師の働きかけ)| 期待する児童の反応 | 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |問|1 自分たちの身の回りには| | | | |題| 粗末に扱われている学用品| |・落とし物箱の中の物を見| |導|の| がいろいろあることに気づ| | せて、物の扱い方につい| |入|意| く。 | | て学習することを方向づ| | |識| ○ 学級の落とし物箱の中| | ける。 | | |化| にはどんなものがあると| | | |3| | 思いますか。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |2 資料を読んで話し合う。| |・場面絵を使って語り聞か| | | | @ ゆきおが1,2ペ−ジ|・もうすぐ僕の番だ。 | せをする。 | | |問| めの紙に字を書き始めた|・楽しみだな。 |・登場者を明確にしノ−ト| |展|題| とき、3ペ−ジめの紙は|・どんな字を書いてくれる| の紙の立場で考えさせる| |開|の| どんなことを考えていた| のかな。 |・ゆきおのノ−トの使い始| |前|具| でしょう。 |・丁寧に書いてくれるとう| めをおさえておく。 | |段|現| | れしいな。 |・ノ−トの紙がゆきおに対| | |化| | | して持つ期待感について| | |・| | | 考えさせたい。 | | |価| | | | | |値| A 破り取られ、飛行機に|・痛いよ。破かないでよ。|・期待がうらぎられがっか| | |の| 折られて窓から飛ばされ|・悲しいよ。 | りしている紙の気持ちを| | |追| たとき、ノ−トの紙はど|・字を書いてくれるのを楽| 考えさせ、紙の悲しさに| | |究| んな気持ちになったでし| しみにしていたのに、ひ| 共感させたい。 | | | | ょう。 | どいよ。 | | | | | |・僕たちは飛行機に折られ| | | | | | るために作られたんじゃ| | | | | | ないんだ。 | | | | | | | | | | | B 踏みつぶされすみっこ|・痛いよ。助けて。 |・つらく悲しいノ−トの紙| | | | に飛ばされたノ−トの紙|・どうしてこんなひどいこ| の気持ちやノ−ト本来の| | | | は、ゆきお君にどんなこ| とするの。 | 使い方をしてほしかった| | | | とを言いたかったのでし|・こんな姿になって悲しい| と願う気持ちに共感させ| | | | ょう。 | よ。 | たい。 | | | | |・勉強で使ってほしかった|・踏みつぶされすみっこに| | | | | んだよ。 | 飛ばされたノ−トの紙に| | | | |・もうこれ以上破らないで| なって動作化し、より紙| | | | | これからは大切に使って| に共感させたい。 | | | | | ね。 | | | | | | | | | | | ・ ゆきおがノ−トの紙の|・破かなければよかった。| | | | | 気持ちを知ったら、どん|・ノ−トさん、ごめんなさ| | | | | なことを考えたでしょう| い。 | | | | | |・これからは大切に使うか| | |25| | | らね。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |価|3 自分の生活を振り返る。| | | | |値| ○ 身の回りの物で大切に|・鉛筆を小さくなるまで使|・自分の物の使い方につい| |展|の| 使ってきたものはありま| ったよ。 | ての経験をゆきおに教え| |開|内| せんか。ゆきおくんに教|・ノ−トには字を丁寧に書| てあげるという形で手紙| |後|面| えてあげましょう。 | いているよ。 | を書かせる。 | |段|的| |・おうちの人からもらった| | | |自| | 人形を大切にしているよ| | |10|覚| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |学|4 本時のまとめをする。 | | | | |習| ○ ゆきおへの手紙を発表| |・それぞれの発表の中の体| | |の| する。 | | 験や価値に対する思いを| |終|整| | | 全体で共感し、認めてや| |末|理| | | りたい。 | | |・| | | | | |ま| | | | | |と| | | | |7|め| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+  3 板書計画 (資料分析図) 主題名  物を大切にする心  (価値 1−1 節度・節制、自立)     資料名  ノ−トのひこうき  (出典 「みんなのどうとく2ねん」学研)           +−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | どんな子が使ってくれるのかと話をし| | 次の日、友達が紙飛行機を飛ばすのを| | ノ−トの紙は地面にたたきつけられ、| |場 | |ていたノ−トをゆきおが買った。 | |見て、ゆきおはノ−トの紙を破り取り、| |子ども達に踏みつけられてどろんこにさ| | | | 初めのうち、丁寧に字を書いてくれる+−−−+飛行機に折ると窓から飛ばした。 +−−−+れてしまう。校庭のすみに飛ばされたノ| | | |のでノ−トの紙はとても喜んでいる。 | | | |−トの紙は悲しくなって泣いている。 | |面 | | | | | | | | | | | | | | | +−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | +−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | 登| |・きれいに使ってほしいな。 | |・破れたところがひりひりして痛いよ | |・痛いよ。助けて。 | | 場| |・大切に使ってくれるといいな。 | |・丁寧に使ってくれたのは初めだけ。 | |・苦しいよ。死にそうだ。 | |心人| |・丁寧に字を書いてくれてうれしいな +−−−+・破るなんてひどいよ。 +−−−+・こんな姿になって悲しいよ。 | |の物| |・ゆきおくんに買ってもらってよかった| |・ぼくは勉強に使うノ−トなのに、なん| |・ゆきおくんが破かなければ… | |動の| | なあ。 | | てことをするんだ。 | |・最後まで大切に使ってほしかったのに| |き | | | | | | | +−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | +−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | |@ ゆきおが1,2ペ−ジめの紙に字を| |A 破り取られ、飛行機に折られて窓か| |B 踏みつぶされすみっこに飛ばされた| |基 | | 書き始めたとき、3ペ−ジめの紙はど| | ら飛ばされたとき、ノ−トの紙はどん| | ノ−トの紙は、ゆきお君にどんなこと| |本 | | んなことを考えていたでしょう。 +−−−+ な気持ちになったでしょう。 +−−−+ を言いたかったのでしょう。 | |発 | | | | | | | |問 | | | | | | | | | | | | | | | +−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | +−−+ +−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | 期| |・もうすぐ僕の番だ。 | |・痛いよ。破かないでよ。 | |・痛いよ。助けて。 | |児待| |・楽しみだな。 | |・字を書いてくれるのを楽しみにしてい| |・どうしてこんなにひどいめにあうの・| |童す| |・どんな字を書いてくれるのかな。 +−−−+ たのに、ひどいよ。 +−−−+ 悲しいよう。 | |のる| |・丁寧に書いてくれるとうれしいな。 | |・僕たちは飛行機に折られるために作ら| |・勉強で使ってほしかったんだよ。 | |反 | | | | れたんじゃないんだ。 | |・これ以上破らないで、これからは大切| |応 | | | | | | に使ってね。 | +−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |主価値| 節度・節制、自立 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+