印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−    第2学年道徳学習指導案                          日 時 平成8年9月30日(月)2校時                          学 級 2 年男18名 女12名 計30名                          授業者 松 田 貴美子 1 主題名  勇気をもって(1−3 勇気) 2 資料名  「モチモチの木」(「みんなのどうとく2ねん」学研) 3 主題設定の理由  1 価値について     低学年の内容項目1−3は「よいと思うことは進んで行う」となっており、よいことあるいは正    しいことに、勇気をもって主体的に取り組める児童を育てようとする内容項目である。中学年では    1−4に発展し、高学年では1−2に統合している。     実生活のさまざまな場面で、勇気をもって行動することは大人でも難しいことである。ましてや    児童はどうしたらよいのか迷ってしまうことが多い。この時期の児童は、正しいことをすることの    大切さがわかり、善悪の判断もできるようになってきている。しかし、実行が伴わなかったり、他    人任せになったりすることがよくある。それは実行に移す意思力が弱く、誰かに依存する気持ちが    強いためである。周りの条件や誘惑に負けず、また自分自身の弱さにも負けずに、勇気をもって正    しく生きようとする気持ちを育てることはとても大切であると考える。     「勇気」とはさまざまな困難や課題に遭遇したときに、それに立ち向かい、乗り越えようとする    気持ちである。そこにはいろいろな思いに支えられた勇気がある。決断に支えられた勇気、正義に    支えられた勇気、正直に支えられた勇気、思いやりに支えられた勇気等が挙げられる。     本主題では、相手のことを考えたやさしさや思いやりの心に支えられた勇気を通して、よいと思    ったことを貫こうとする気持ちを育てることをねらいとする。  2 児童の実態について     本学級の児童は善悪の判断がだんだんできるようになってきている。殊に友達に関してはその判    断もきびしいものとなる。そのため相手が友達であれば実行に移しやすいのであるが、相手が自分    より年上であったり自分の中の自分自身であったりすると、なかなか行動に移せないでいることが    ある。例えば教室を走り回る友達には注意できても、その相手が高学年のお兄さんだと注意するの    を躊躇したり、教師に頼みに来たりしている。     事前アンケ−ト(平成8年9月25日実施)によると、「自分を勇気のある子ども」であるかど    うかの自己意識としては、あると答えた児童は19名、ないと答えた児童は11名であった。その    理由の記述は、「泣かないから」「チャレンジするから」「夜、トイレに行けたから」「岩からと    びおりられないから」「はずかしいから」など様々であった。また、どんな人が勇気のある人だと    思うかという問いでは、元気で強い人が勇気あると傾向があったが「やさしい人」と答える児童も    6名いた。     このような児童に、やさしさや思いやりに支えられた勇気を通して、今まで自分が持っていた勇    気とはちがった勇気もあることを感じ、勇気は誰でも持っているということに気づかせたい。  3 資料について     本資料は、夜中にひとりでしょうべんにもいけない豆太が、夜中にじさまが病気になったときに    大好きなじさまを助けるためにふもとの医者様を呼びに行き、その帰りに勇気のある子どもしか見    られないといわれるモチモチの木に灯がともるのを見るという内容である。     豆太が自分でも気づかない勇気を出し、じさまを助けるために医者様を呼びに行ったという行動    を通して、豆太の内面にあるやさしさやそのやさしさに支えられた勇気をを見つめさせるのに適し    た資料であると考える。     指導に当たっては、資料を分断して提示し、前段では豆太の夜に対する恐怖心に共感させたい。    また、苦しんでいるじさまを前にした豆太を役割演技させることで、「こわい、でも助けたい」と    いう迷いや決断した豆太の気持ちを考えさせたい。後段では、モチモチの木の灯を見たあともじさ    まをしょうべんに起こす豆太は勇気があるかを考えることで、勇気はみんな持っていることや、い    ざというときに、自分の強い思いを持てば、その勇気を出せるということに気づかせたい。 4 本時の指導  1 ねらい   よいと思ったことは、進んで行おうとする心情を育てる。  2 展 開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |過 程|学習活動(教師の働きかけ)| 期待する児童の反応 | 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |問|1.アンケ−トの結果を知り| |・アンケ−トの結果を基に| | |題| 今日の学習の方向性をつか| | 今日の学習は「勇気」に| |導|の| む。 | | ついてであるという価値| |入|意| ○ 「自分は勇気のある子| | の方向付けを図る。 | | |識| ども」だと思いますか。| | | |3|化| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |2.資料をもとに、豆太の気| |・資料を分断し、情景画や| | | | 持ちについて話し合う | | テ−プを使い視聴させる| | | | 1 資料(ア)の部分を視| | | | | | 聴し、話し合う。 | | | | | | | | | |展|問| @ 山の神様の話を聞いた|・見たいな。 |・豆太が自分が憶病だと思| |開|題| とき、豆太はどんなこと|・夜だなんてこわいよ。 | っていることをおさえさ| |前|の| を思ったでしょう。 |・ひとりでしょうべんにも| せたい。 | |段|具| | 行けないのに無理だ。 |・無理だと思う裏には、夜| | |現| | | に対する恐怖感があるこ| | |化| | | とをしっかりとおさえさ| | |・| | | せたい。 | | |価| | | | | |値| A じさまの苦しむ様子を|・どうしよう。 |・役割演技で、じさまを助| | |の| 見て、豆太はどんなこと|・なんとかしなくちゃ。 | けたい、でもこわいとい| | |追| を思ったでしょう。 |・じさまを助けなくちゃ。| う豆太気持ちをつかませ| | |究| |・医者様を呼んでこよう。| たい。 | | | | |・でも、こわいよう。 | | | | | |・こわいけどじさまに死な| | | | | | れたくない。行こう。 | | | | | | | | | | | B 夜道を泣き泣き走りな|・真っ暗でこわいよう。 |・こわいけれど、どうして| | | | がら、豆太はどんなこと|・寒いよう。足が痛いよう| もじさまを助けたいとい| | | | 考えていたのでしょう。|・なんて遠いんだ。 | う豆太のじさまを思う気| | | | |・早くしないとたいへんだ| 持ちをつかませたい。 | | | | |・じさまを助けたい。 | | | | | |・おらが行かなければ | | | | | 2 資料(イ)の部分を視| | | | | | 聴し、話し合う。 | | | | | | ・ どうして豆太はモチモ|・勇気があるから。 |・豆太のどんな行為が勇気| | | | チの木の灯を見ることが|・じさまを助けるために医| があるといえるのかを考| | | | できたのでしょうか。 | 者様を呼びに行ったから| えさせ、勇気の基になっ| | | | | | ているやさしさにも気づ| | | | | | かせたい。その際にじさ| | | | | | まの言葉で豆太の勇気を| | | | | | おさえさせたい。。 | | | | | | | | | | C その後、じさまをしょ|・勇気はない。 |・一人でしょんべんに行け| | | | うべんに起こす豆太には|・前の豆太に戻ってしまっ| ないからといって、勇気| | | | 本当に勇気があるのだろ| た。 | がないわけではない。豆| | | | うか。 |・勇気がある。 | 太の中にも勇気があると| | | | |・夜中に医者様を一人で呼| いうこと、いざというと| | | | | びに行ったから勇気があ| きにはその勇気を発揮で| | | | | る。 | きるのだということをつ| | | | |・豆太にはやさしさがある| かませたい。 | | | | | から勇気がある。 | | | | | |・いざというときには勇気| | |32| | | が出せる。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |価|3.今日の学習を振り返る。| | | | |値| | | | |展|の| ○ 今日の勉強で心の中で| |・道徳シ−トに書かせる。| |開|主| 感じたことを教えてくだ| | 思いつかない児童には豆| |後|体| さい。 | | 太への手紙を書かせる。| |段|的| | | | | |自| | | | |7|覚| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |学|4.本時のまとめをする。 | | | | |習| ○ 友達の感じたことを聞| |・自分のことを勇気がない| |終|の| いてみましょう。 | | と思っている子でも、心| | |整| | | の中には勇気をもってい| | |理| | | て、いざというときには| |末|・| | | その勇気をだせるのだと| | |ま| | | いうことを伝えたい。 | | |と| | | | |3|め| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+  3板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | モチモチの木 | | まめた | |+−−−−−−−+ +−−−−−−+| ||山のかみさまの|・見たいなあ。 | || || おまつり|・よるだなんてこわい| || ||ゆう気のある |・おらはゆうきがない| じさまに || || 子どもだけ| からだめだ。 | 抱かれている豆太 |+−−−−−−−+ | || | | || | どうしよう +−−−−−−+| | +−−−−−−+ | |・たいへんだ。 | |・こわいよう。 | |・じさまをたすけたい| |・ひとりで外に | |・いしゃさまを | 苦しんでいる 行けないよう。 | よばなくちゃ。| じさまと豆太 | | | | | | | | | | +−−−−−−+ | |+−−−−−−+ | || |・こわいよ。 | || |・じさまをたすけたい。 | || 夜道を泣き泣き ・じさま、まっていてくれ。 | || 走る豆太 |・しんじゃいやだよう。 | || |・今、いしゃさまをよんでくるからな。 | || | | |+−−−−−−+ | | モチモチの木に灯がともる |  | ゆう気 |  | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|  | |にんげん、やさしさえあれば、 ||  | |やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ ||  | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (資料分析図) 主題名  勇気をもって  (価値 1−3 勇気)           資料名  モチモチの木  (出典 「みんなのどうとく2ねん」学研)+−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ | | | じさまについていってもら| | 夜中、豆太はじさまの熊の| | 豆太はねまきのまんま、ふ| | 小屋に入るとき、豆太はモ| |場 | |わないとしょうべんもできな| |ようなうなり声をきいて、目| |もとの村まで医者様を呼びに| |チモチの木に灯がついている| | | |い豆太。山の神様のお祭りは| |を覚ました。じさまは体をま| |泣き泣き走った。 | |のを見た。じさまに「勇気の| | | |勇気のある子しか見られない+−−+るめてうずくまっている。 +−−+ +−−+ある子」と言われたが、その| |面 | |と知り、「とてもだめだ。」| | | | | |後もしょうべんにはじさまを| | | |と言って寝た。 | | | | | |起こした。 | +−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | +−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | 登| |・見たいなあ。 | |・熊だっ。こわい。 | |・じさまがたいへんだ。 | |・ふしぎだなあ。きれいだな| | 場| |・おらは憶病だから、とって| |・じさまっ、どうしたんだ。| |・医者様を呼ばなくちゃ。 | |・おらには本当に勇気があっ| |心人| | もだめだ。 | |・どうしたらいいんだろう。| |・大好きなじさまを助けたい| | たのかなあ。 | |の物| | +−−+・じさまを助けなくっちゃ。+−−+ +−−+・じさまを助けたいだけだっ| |動の| | | | | | | | た。 | |き | | | | | | | | | +−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | +−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | |@ 山の神様の話を聞いたと| |A じさまの苦しむ様子を見| |B 夜道を泣き泣き走りなが| |C その後もじさまをしょう| |基 | | き豆太はどんなことを思っ| | て豆太はどんなことを思っ| | ら豆太はどんなことを考え| | べんに起こす豆太には本当| |本 | | たでしょう。 | | たでしょう。 | | ていたでしょう。 | | に勇気があるのだろうか。| |発 | | +−−+ +−−+ +−−+ | |問 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | | +−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | 期| |・見たいなあ。 | |・どうしよう。 | |・真っ暗でこわいよう。 | |・前の豆太に戻ったから勇気| |児待| |・夜だなんてこわいよう。 | |・なんとかしなくっちゃ。 | |・寒いよう。足が痛いよう。| | はない。 | |童す| |・ひとりでしょうべんにも行| |・じさまを助けなくちゃ。 | |・なんて遠いんだ。 | |・夜中に医者様を呼びに行っ| |のる| | けないのに無理だ。 +−−+ +−−+・早くしないとたいへんだ。+−−+ たのだから勇気はある。 | |反 | | | | | |・じさまを助けたい。 | |・豆太にはやさしさがあるか| |応 | | | | | |・おらが行かなければ。 | | ら勇気がある。 | +−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |主価値| 勇 気 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+