印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−                      第4学年道徳学習指導案 日 時 平成8年11月26日(火)2校時 学 級 4 年 男 21名 女13名 計34名 授業者 斎 藤 三 郎 1 主題名 心からのいのり(3−3敬虔) 2 資料名 つるのとぶ日(出典「みんなのどうとく4年」学研) 3 主題設定の理由 (1)価値について      本時のねらいとする価値については、中学年の内容項目3−3に「うつくしいも清らかなも     のに感動し、清らかな心をもって生活しようとする心情を育てる」とあり、「人間の命の尊さ     は何事にも代えがたいものであり、その命を守るために肉親、友人、他の人々の努力」するこ     とを通して「その美しく清らかなものを尊重する心情を育てることが大切である」とする内容  項目である。      豊かな人間性が求められている今日、単に物質的な豊かさを求めるのではなく、崇高なもの     偉大なもの、美しいものを、素朴に気高く美しいものと認めてあこがれていくということは、  より高い次元において人間性を豊かなものにしていくと考える。      最近の子どもは、心の豊かさが失われてきたとか感性が鈍化したとか指摘されている。また     物の豊かで便利な生活の結果、自然との触れ合いや体験、経験が減少し、人と人との交流も稀     薄になり、同時に自然や美しいものに触れて感動したり、心の触れ合いを体験する機会が少な     くなってきている。しかし、子どもの一人ひとりの心の奥底には、美しいもの、気高いものへ  の憧れが息づいていると考える。      そこで、美しいもの、気高いものに触れ、感動を覚えることによって、人間の心が洗われ人  間が人間らしくなっていくことに気付かせていく機会としたい。 (2)児童の実態について      学級の児童は、明るく元気で行動的である。係活動や班活動にも意欲的に取り組んでいる。     そして、音楽、物語や生き物、草花の美しさに次第に感動する子も多くなってきている。しか     し、自分の素直な感動を発表したり書いたりすることが苦手な子どももいる。つまり、まだ表  面上とらえ方をしているのが現状である。      この時期の子どもたちは、崇高な感動を経験する機会があまりないまま生活している。植物     の栽培や動物の飼育などを通してその神秘的な力など、折りに触れ経験してはいるものの、落     ち着いてその美しさを見つめたり、神秘さについて考えたりすることが少ないというのが現実  である。      以上のようなことから、意図的に資料の世界にひたらせ埋もれている美しい心を呼び起こし  高め、自覚させ美しいものを大切にしようとする心を育てていきたい。 (3)資料について      本資料は原爆で白血病になったサダコは、千羽づるを折り始める。夏でもしびれるほどの冷     たい指で、一羽折っては休み、また折っては休みながら、精一杯の力を出して「千羽づるに願     を託して」つるを折った。このサダコの願いが日本中の子どものものとなり、サダコの銅像「     原爆の子の像」ができたのである。白血病に苦しみながらも、一羽ずつつるを折っていったサ     ダコの気持ちに十分共感させながら、サダコの願いをしっかりつかませ考えさせたい。     また、「原爆の子の像」には、サダコやみんなの平和を願う心が込められているということ   をしっかり感じ取らせたい。      美しい心、気高い心に触れて、自らの心の中にあるものを掘り出させ、美しい心、気高い心  を感じ取らせたい。 4 本時の指導 (1)ね ら い      美しいものや清らかなものに感動し、清らかな心をもって生活しようとする心情を育てる。 (2)展 開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |過 程|学習活動(教師の働きかけ)|期待する児童の反応 | 指導上の留意点 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |導|問|1 千羽づるについて発表し| |・折ったつるを準備して | | |題| 合う。 |・病気が早く治るように。| おく。 | |入|の| ○今まで千羽づるに願い | |・経験を想起させ、その | | |意| を込めたことがあります|・元気になるように。 | 時の心情を出し合うこ | |5|識| か。 | | とで資料へ浸らせる。 | | |化| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |2 資料のあらすじを確認す| | | | | | る。 | |・話の状況を把握するため| | | | | | に、録音テープに合わせ| |展|問| | | ながら情景図を提示し押| | | | | | さえさせる。 | | |題| | |・特に事前に「原子爆弾」| | | | | | 「白血病」などについて| | |の| | | 国語科で理解を深めてお| |開| |3 資料について話し合う。| | く。 | | |具| @ サダコは、どんなこと|・思い切り走りたい。 |・困難を克服し、希望を失| | | | を考えながら千羽づるを|・みんなと遊びたい。 | わなかったサダコの行為| | |現| 折っていたのか。 |・つるがねがいをかなえて| に共感させながら、サダ| | | | | くれるはずだ。 | コの願いを明らかにさせ| |前|化| |・元気になりたい。 | る。 | | | | | |・特に「しびれる指」「死| | |/| | | ぬ10日前」の行為に共| | | | | | 感させるためにも、薬紙| |段|価| | | で鶴をおらせる。 | | | | | | | | |値| A サダコがなくなったあ|・鶴を折って千羽にしよう|・サダコの死に至る様子を| | | | と、サダコの同級生はど|・サダコの願いをかなえて| 補説しつつ同級生の気持| | |の| んなことを考えながら鶴| やろう。 | ちを考えさせることによ| | | | を折ったのか。 |・もう二度とサダコさんの| りサダコにたいする同級| | |追| | ようなかわいそうなひと| 生のやさしさや願いに気| | | | | は出ないで欲しい。 | 付かせる。 | | |究| | | | | | | | | | | |・| B サダコの銅像には、み|・もう戦争は起こさない。|・「つるの会」の人々の、| | | | んなのどんな気持ちが込|・サダコさんのようなかわ| サダコの願いを日本中に| | | | められているのか。 | いそうな人はだせない。| 広めたい気持ちを理解す| | |把| |・世界中の人々が平和な暮| ことにより、平和を愛 | | | | | らしができますように。| し人命を大切にしようと| |25|握| | | する美しい心、優しい心| | | | | | に気付かせる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | | 4 人間の行為についての| | | |展|価| 美しい、気高い感動を感| | | |開|値| じ取る。 | | | |後|の| | | | |段|内| ○ サダコの銅像を作っ|・願いをかなえられるとい|・サダコや同級生の生き方| | |面| た「つるの会」の人たち| いですね。 | を通して、自分の生き方| | |的| に手紙を書いてみよう。|・もっとたくさんの人々に| 考えさせる。 | | |自| | 広がるといいですね。 |・今後の生活の中で感動的| | |覚| |・きっとサダコさんも喜ん| な体験、間接経験を通し| | | | | でいるでしょうね。 | て価値の内面的自覚を図| | | | | | らせる。 | |10| | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |学| 5 本時のまとめをする。| | | |終|習| | | | | |の| ○ 教師の説話を聞く。| |・サダコや「つるの会」の| | |整| | | 願いが世界中に広がって| |末|理| | | いることを紹介する。 | | |・| | | | |5|ま| | | | | |と| | | | | |め| | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ 5 板書の大要 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | +−−−−−−−+ つるの飛ぶ日を +−+ +−+ サ サ | | | サ |←−−−−−−−−−− |サ|←−−−−−−+サ| ダ ダ | | | ダ | |ダ| ・ ・|ダ| コ コ | | | コ | |コ||○| つ 元|コ| の ↓つ | | | の | |の||し| る 気|の| 病 運る | | | 銅 | 「つるの会」 |死||び| が に|気| 気 動の | | | 像 |←−−−−−−−−−−− +−+|れ| 願 走|持| がと | | | の |・ ・ ・ |る| い リ|ち| ↓ 好ぶ | | | 絵 |み も 平 |指| を た| | き日 | | | |ん う 和 +−+| | か い+−+ 白 | | +−−−−−−−+な 戦 な ・ ・|同||一| な 血 走 | | | ・| で 争 世 サ 願|級||日| え 病 る | | |ち 日| 心 は の な ダ い|生||に| て ‖ の | | |の 本| と 起 中 り コ を|の||70| く 血 が | | |平 中| 力 こ に た の あ か|気||羽| れ 液 速 | | |和 の| を さ な く よ げ な|持|| | る の い | | |の 子| 合 な る な う た え|ち|| | が | | |ね ど| わ い よ い に い て+−+ ん | | |が も| せ う | | |い た| よ に | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (資料分析図) 主題名 心からのいのり(価値 3−3 敬虔) 資料名 つるのとぶ日 (出典 学研) +−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ |場 | |白血病をなおそうとして、せいい| |サダコの願いをかなえようとし| |「つるの会」が中心になって全| | | |っぱいの力を出してつるをおりつ| |て千羽にするために残りの35| |国に呼びかけて、平和への願い| | | |づけるサダコ。 +−+7羽の鶴を折り続ける同級生た+−+を込めて建造された「サダコの| |面 | | | |ち。 | |銅像」 | +−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | +−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ |心登| |・千羽鶴を折ると、きっと願いを| |・サダコさんの願いを叶えたい| |・戦争が二度と起きないように| |の場| | かなえてくねる。 | |・サダコさんのねがいと私達の| |・もうサダコさんのようなかわ| |動人| |・元気になってみんなで遊びたい+−+ 願いは鶴を折ることで一つに+−+ いそうな人をだしてほしくない |き物| |・力一杯走りたい。 | | なれる。 | |・サダコさん、鶴に乗って願い| | の| |・もっと生きたい。 | |・平和な世の中になるように。| | をかなえれるといいね。 | +−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | | | +−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ |基 | |◯ サダコはどんなことを考えな| |◯ サダコがなくなったあと、| |◯ サダコの銅像にはみんなの| |本 | | がら千羽鶴を折っていたのか。+−+ 同級生はどんなことを考えな+−+ どんな気持ちが込められてい| |発 | | | | がら鶴を折ったのか。 | | るか。 | |問 | +−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ +−−+ | | | +−−+ | | | |児期| +−−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−+ |童待| |・思い切り走りたい。 | |・鶴を千羽にしよう。 | |・もう、戦争は起こさない。 | |のさ| |・みんなと遊びたい。 | |・サダコの願いを叶えてやろう| |・平和な世の中になるように。| |反れ| |・元気になりたい。 | |・サダコのようになりたくない| |・サダコさんのようなかわいそ| |応る| |・鶴が願いをかなえてほしい。 | |・可愛そうなサダコさん。 | | うな人はだせない。 | +−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−+−−−−−−−−+ |主価値| 敬虔 | +−−−+−−−−−−−−+