印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−   第5学年道徳学習指導案 日 時 平成8年11月26日(火)2校時                          学 級 5 年 1 組 男12名 女10名 計22名 授業者 佐 藤 久 子 1 主題名  男女の協力(2−B 友情・信頼、助け合い) 2 資料名  「言葉のおくりもの」(「みんなのどうとく」学研) 3 主題設定の理由  (1) 価値について     高学年の内容項目2−Bは「互いに信頼し、学び合って友情を深め、男女仲よく協力し助け合う。と    なっている。これは、真の友情について考えることであり、また、異性への理解と協力といったより幅    の広い友人関係を確立していこうとするものである。     人々の社会生活は、相互信頼のもとに成り立ち、それを支えているのは、互いに相手を認め,助け合    い,学び合いながら共に高め合おうとする関係である。それは人間尊重につながるものでもある。学校    生活においての男女の関わりについても同様で、互いを信頼し仲よく協力することで、社会に適応でき    る習慣や態度を身につける基礎ができ、豊かな人間性が培われるのである。     この時期の児童は、異性に対する意識も微妙に変化する時期である。身体の差異が目立つに従って、    外見上互いに避ける傾向が強くなる。内心では互いに興味をもちながらも、いっしょに話し合ったり、    行動を共にしたりすることができにくい学年でもある。     そこで、この時期の児童に男女間の正しい友情の芽を育て、友情は性別を越えたものであることに気    づかせたい。そのために、友だちと仲よく助け合っていくには、相手の人格を尊重する心が必要である    ことや、相手の立場や気持ちになって物事を見ようとする態度が必要であることを、十分に考えさせた    い。  (2) 児童の実態について    子どもたちは、男女仲よく助け合って成長していくことの大切さは分かっている。しかし、学級内で    の様々な活動をするときでも指導の手を加えないと自然と男女に別れてしまうという現状である。また、    第二次性徴期を迎え、異性に関心をもちながらも本資料のように仲のよい男女を冷やかしたり、異性で    あるというだけで手を貸すことができなかったりすることが多々見られる。また、男女の興味や関心の    違いから、男女の対立が生じたこともあった。     日常の生活の中では、教師から「ここがよかったよ。」と全体の前でほめると素直に受け止めるが、    子ども同士でよさを認め合い、協力しようとする姿勢はまだ見られない。また、お互いの欠点を指摘す    ることはあっても、よさを見つけるとか、よさをほめる言葉はあまり聞かれない。よいところがあって    も気づかなかったり、認めることが気恥ずかしいためと思われる。     そういう意味からも子どもたちに、男女の望ましい関係は、男女にとらわれずひとりひとりがもつ個    性や良さを素直に認めることによって築くことができることに気づかせ、男女仲よく助け合うという気    持ちを育てていきたい。  (3) 資料について     家が近く一年生のときから同じ組で、自然に仲よくして来たすみ子と一郎。その一郎が消しゴムを拾    ってくれたすみ子に軽く手を上げて感謝の気持ちを表したことが、洋平の目に留まり、はやし立てられ、    わさされてしまう。冷やかしにゆううつになっていた一郎は、すみ子に八つ当たりをするが、すみ子は    快活にふるまい、むしろ悪いのは洋平だと考えている。その洋平が運動会のリレーでバトンを落とした    が、すみ子は明るく慰める。さらにすみ子は、一郎の誕生日に優しかった一郎をほめ、信頼することの    大切さを訴えた、という内容である。     すみ子のさわやかな言動によって変容していく一郎の心情を追うことによって、ねらいに迫ることの    できる資料である。     指導にあたっては、事前アンケートで主人公と似たような経験の有無を聞いておき、授業の構想にい    かす。また、資料は事前に配付してあらすじをおさえておく。     展開前段においては、一郎とすみ子の役割演技を通して、ひやかしにこだわる一郎の心情を考えさせ    たい。そして、すみ子に感謝する気持ちよりも、ひやかされたくないために反発してしまう気持ちの方    が強い一郎の心情に共感させていきたい。そして、常に毅然とした態度で行動するすみ子によってゆり    動かされる一郎の心情を感じ取らせ、ねらいとする価値に迫りたい。     展開後段では、これまでに男女に区別なく友だち同士協力してよかったと思える経験をふり返らせ、    今後の生活への意欲づけを図りたい。 4 本時の指導 (1)ねらい    男女が互いに理解し、協力し助け合おうとする心情を養う。 (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− |過 程| 学習活動(教師の働きかけ) | 期待する児童の反応 | 指導上の留意点 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | |1、事前のアンケートの結果にふ| |・資料は、事前に配付し |導|問| れながら、今日の学習について| | おく。 | |題| 考える。 | | | |の| | | | |意|〇 事前アンケートの結果をお知| |・男子と女子の接し方に |入|識| らせします。 | | いて自分を見つめる学 | |化| | | であることに気づかせ |3| | | | 価値への方向づけを図 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | |2、資料について話し合う。 | | | | | | | | |問| @ 洋平に冷やかされたときの|・いやだなあ。 |・洋平に冷やかされ、い | | | 一郎は、どんな気持ちだった| | になっていく一郎の気 | |題| でしょう。 |・どうしてそんなことを言う| ちに共感させる。 | | | | んだろう。 | | |の| | | |展| | |・消しゴムを拾ってもらった| | |具| | ぐらいで。 | | | | | | | |現| |・男女が仲よくすると変なこ| | | | | とを言われる。もう知らん| | |化| | ふりをしよう。 | |開| | | | | |/| A すみ子は、どんな気持ちで|・なんで、こんなことを気に|・すみ子に感謝する気持 | | | ほうきやちりとりを持って来| するんだろう。 | よりも、冷やかされた | |価| てくれたのでしょう。それに| | ないために反発してし | | | 対して、一郎はなぜ「よけい|・私にあたるなんて‥‥‥。| う気持ちの方が強い一 | |値| なことをするな。」と言った| | の心情を、役割演技で | | | のでしょう。 |・からかわれるのはいやなん| えさせたい。 |前|の| | だ。 | | | | | | | |追| |・よけいなことをしないでく| | | | | れ。 | | |究| | | | | | | | | |・| B 洋平を慰めるすみ子を見て|・なぐさめなくてもいいのに。 ・いやな目にあっても友 |段| | 一郎はどんなことを考えたで| | ちを思い、優しく接す | |把| しょう。 |・どうしてやさしくできるん| すがすがしい態度のす | | | | だ。 | 子に気づかせたい。 | |握| | | | | | |・すみ子は男とか女とかこだ| | | | | わらず、だれに対しても友| | | | | だちとして接しているんだ。 | | | | | | | | | | | | | ・ すみ子の「言葉のおくりも|・おこって悪かった。 |・道徳シートに書かせる | | | の」を聞きながら、一郎は、| | | | | どんなことを考えたでしょう|・男とか女とかにこだわって|・すみ子の男女を超えて | | | か。 | いた自分が恥ずかしい。 | だちを思う態度から、 | | | | | しい信頼や友情に気づ | | | |・男女関係なくだれとでも仲| ていく一郎の気持ちの |31| | | よくしていかなくては。 | 化を感じ取らせる。 | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | | | | |展|価|3、本時の価値に照らして、これ| |・道徳シートに書かせる | |値| までの自分の生活をふり返る。| | |開|の| | | | |内|○ 男女が協力できてよかったな|・花山合宿の時、男女が力を|・異性の人と協力できた |後|面| あと思うことに、どんなことが| 合わせて仕事をした。 | 分についてふり返らせ | |的| ありますか。 | | |段|自| | | | |覚| | | |8| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | | | | | |学|4、本時のまとめをする。 | |・異性を意識せずに協力 | |習| ・教師の話を聞く。 | | 合ったことを思い出さ |終|の| | | 今後、男女協力して助 | |整| | | 合っていこうとする気 | |理| | | を持たせる。 | |・| | | |末|ま| | | | |と| | | |3|め| | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− 〔資料分析図〕   主題名   男女の協力  (価値 2−(3)友情)   資料名   言葉のおくりもの   (学 研)      +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | || 一郎の落とした消しゴムをすみ子が拾っ| | 一郎が落として割ってしまった植木鉢の| | 運動会のリレーで、ころんだ洋平をすみ| | 一郎の誕生日にすみ子から一郎へ「言葉| |場 ||てくれたのを見て、洋平が冷やかした場面| |片付けを手伝おうとするすみ子を一郎がお| |子が慰める場面 | |のおくりもの」をした場面 | | || | |こった場面 | | | | | | || | | | | | | | | || +−+ +−+ +−+ | | || | | | | | | | | || | | | | | | | |面 || | | | | | | | | || | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | || ・こんなことぐらいで冷やかされるなん | | ・よけいなことをするな。またからかわ | | ・バトンを落とすなんて‥‥‥。 | | ・からかわれるのを気にして、すみ子に | | 登|| ていやだなあ。 | | れてしまう。 | | | | 悪いことをしたなあ。これからは男女 | | 場|| | | | | | | 仲よくしていかなければ。 | |心人|| | | | | | | | | || +−+ +−+ +−+ | |の物|| | | ・片付けを手伝わなければ‥‥‥。 | | | | | |動の|| | | | | | | | |き || | | | | | | | | || | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | || @ 洋平に冷やかされたときの一郎は、| | A すみ子は、どんな気持ちでほうきや| | B 洋平を慰めるすみ子を見て、一郎は| | C すみ子の「言葉のおくりもの」を聞| |基 || どんな気持ちだったでしょう。 | | ちりとりを持って来てくれたのでしょ| | どんなことを考えたでしょう。 | | きながら、一郎はどんなことを考えた| | || | | う。それに対して、一郎はなぜ「よけ| | | | でしょうか。 | |本 || | | いなことをするな。」と言ったのでし| | | | | | || +−+ +−+ +−+ | | || | | ょう。 | | | | | |発 || | | | | | | | | || | | | | | | | |問 || | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | || ・いやだなあ。 | | ・からかわれるのはいやなんだ。 | | ・洋平なんかによくやさしい言葉をかけ | | ・悪かったな。 | | 期|| ・どうしてそんなことを言うんだろう。 | | ・よけいなことをしないでくれ。 | | れるな。 | | ・男とか女とかにこだわっていた自分が | |児待|| | | | | ・どうして洋平を慰められるんだろう。 | | 恥ずかしい。 | |童す|| | | | | | | ・男女関係なくだれとでも仲よくしてい | | || +−+ +−+ +−+ | |のる|| | | ・なんで、こんなことを気にするんだろ | | | | かなければ。 | |反 || | | う。 | | | | | |応 || | | | | | | | | || | | | | | | | +−−+| | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | 主価値 | 友 情 | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+