印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):94   −−以下 指導案本文−−   第5学年  道徳学習指導案 日 時 平成8年6月20日(木)3校時                            学 級 5 年 1 組                                男12名 女10名 計22名                            授業者 佐 藤 久 子 1、主題名  だれに対しても (2−(2) 思いやり・親切) 2、資料名  くずれ落ちたダンボール箱(文渓) 3、主題設定の理由 (1)価値について     高学年の指導項目では、「だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする」    と示されている。     「思いやりの心」と言うのは、相手の人格に対して尊敬や感謝、いとおしみの気持ちで、相手の心    の中を推しはかって、相手が不幸や困難や苦しみに出会っている時は、それをいたわり、心を察し、    適切な心くばりをしようとする心のことである。自己中心的な考えや打算、恥ずかしさなどを乗り越    え、思いやりの心で人に親切にすることは、より良い人間関係を築くだけでなく、明るく住みよい社    会を築くことにもつながる。     高学年においては、身近な相手だけでなくだれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立っ    て親切にする態度が必要であると考える。 (2)児童の実態について     学級の児童は全体的に明るく活発である。子どもたちは、困っている人には親切にしなければなら    ないという意識はもっており、家族や親しい友達を助けようとする姿は見られる。しかし、見知らぬ    人に対しては傍観的態度を取ることが多く、親切にしなければならないと思いながらも恥ずかしさな    どからなかなか実践できないことが多い。また、つらい思いを伴ったり、自分の利益にならなかった    りする場合には、親切な行いに消極的になりがちである。     これまでに、日常生活などを通して、友達をはじめ周囲の人々に温かい心で接し、親切にするよう    指導してきた。しかし、だれに対しても親切にできる児童は極少数である。また、自分の感情を抑え    られない状況にあると、時として思いやりに欠ける言動が見られることさえもある。     そこで、だれに対しても思いやりの心をもつことがすばらしい事であることを自覚させ、困ってい    る人がいたら、その人の立場に立って親切にしようとする態度を育てていきたい。 (3)資料について     本資料は、孫がダンボール箱を崩して困っているおばあさんの代わりに、よし子と明子が整理して    いると、事情を知らない店員にしかられてしまう。納得のいかない二人であったが、数週間後の朝会    で、店員からのおわびの手紙が来たことを知り、二人の心は明るくなるという内容である。     主人公の心の動きを追いながら、心の葛藤やすがすがしさに十分共感させたい。たとえ人に認めら    れなくとも、相手の立場を考え、温かく接することの大切さに気づかせるようにしていきたい。それ    をもとに、これまでの自分を見つめ直させ、これからの「思いやり・親切」への意欲付けを図りたい 4、本時の指導 (1)ねらい    だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にしようとする態度を養う。 (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− |過 程| 学習活動(教師の働きかけ) | 期待する児童の反応 | 指導上の留意点 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | |1、価値への方向づけを図る | | |導|問| | | | |題| 〇 困っている人を見ても、助|・道で迷っている人を見ても|・事前アンケートの結果を |入|の| けてあげられなかったことは| 声をかけれなかった。 | もとに、親切にできなか | |意| ありませんか。それは、どう| | った児童の経験を紹介す |3|識| してできなかったのですか。| | ることで、本時の主題の |分|化| | | ねらいに関心を持たせる | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | |2、資料をもとに、話し合う。 | |・資料は、分断法によって | | | (1)資料アの部分の内容を知り、| | 教師が読み聞かせる。 | | | 話し合う。 | | | | | @ だれも手伝おうとしないの|・おばあさんが困っているか|・困っているおばあさんの | |問| に「よし子」が手伝い始めた| ら。 | 立場になって考える「よ | | | のはどうしてでしょうか。 |・男の子が迷子になったら大| し子」の気持ちに気づか | |題| | 変だ。 | せる。 | | | |・だれも手伝おうとはしない| | |の| | から。 | |展| | | | | |具| (2)資料イの部分の内容を知り、| | | | | 話し合う。 | | | |現| A 店員にしかられたとき、 | | |開| | 「よし子」はどんな気持ちで|・いったい何のことか分から|・「なぜ、わたしたちがし | |化| したか。 | ない。 | かられるの。」と言う主 | | | |・親切なことをしたのに、ど| 人公の気持ちに共感させ | | | | うしておこられるのだろう。  主人公のどうにもやるせ |前| | |・こんなことなら、片付けな| ない気持ちを素直に出さ | | | | ければよかった。 | せる。 | | | | | | | | | | |段| |(3)資料ウの部分の内容を知り、 | | | | | 話し合う。 | | | | | ・ おばあさんからお礼を言わ | | | | | れたときの「よし子」はどん |・おばあさんに親切になどす|・役割演技でなんとなく救 | | | な気持ちでしたか。 | るんじゃなかった。 | われた気持ちと、まだす | | | |・しかられたけど、お礼をい| っきりしない複雑な気持 | | | | われたからよかった。 | ちを考えさせたい。 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | |・おばあさんを助けることが| | | | | できたので、親切にしてよ| | | | | かった。 | | |価|(4)資料エの部分の内容を知り、 | | | |値| 話し合う。 | | | |の| C 校長先生の話を聞いて、 |・おばあさんに親切にしてや|・晴れ晴れとしたよし子の | |追| 「よし子」はどんな気持ちに| っぱりよかった。 | 気持ちを考えさせ、だれ | |究| なったでしょうか。 |・店員さんに分かってもらえ| に対しても思いやりの心 |30| | | てすっきりした。 | をもち、相手の立場に立 |分| | |・困っている人に親切にして| った親切にすることの心 | | | | 本当によかった。 | 地よさをつかませたい。 | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | | | |展|価| 3、自分の生活を振り返る。 | | |開|値| | | |の|の| 〇 困っている人に親切にして|・自転車のカギを落として、|・学習シート使用 |後|内| あげたことはありませんか。| 困っている人がいたのでい| |段|面| 反対に自分が困っている時| っしょに探してやった。カ|・だれに対しても思いやり | |的| 親切にされてよかったことは| ギが見つかったのでうれし| の心をもって親切にでき | |自| ありませんか。その時の気持| かった。 | た自分、親切にされた自 |8|覚| ちも書いてください。 | | 分について振り返らせ見 |分| | |・学校でけがをしたとき、手| つめさせる。 | | | | 当をしてあげたとき。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | | | | |学|4、本時のまとめをする。 | | |終|習| | | | |の| 〇 友達の書いた作文を聞いて | |・それぞれの発表の中の体 | |整| みましょう。 | | 験や価値に対する思いを | |理| | | 全体で共感し、認めてや |末|・| | | りたい。 | |ま| | | | |と| | | | |め| | | |5| | | | |分| | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− 〔資料分析図〕   主題名   だれに対しても   (価値 2−(2)思いやり・親切)   資料名   くずれ落ちたダンボール箱    (文   渓)       +−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ | || | | | | | +−−+| || | | | | | | || 孫がダンボール箱をくずし || 店員さんに誤解されしから | | おばあさんにお礼を言われ | | 校長先生の話を聞き終え、 | |場 ||てしまい困っているおばあさ ||れた後、店員さんと一緒にダ | る場面 | |晴れ晴れとした気持ちになる | | || ++ +−+ +−+ | |面 ||んを、よし子と明子が助ける ||ンボール箱を片付ける場面 | | | |場面 | | ||場面 || | | | | | +−−+| || | | | | | | || | | | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ | || | | | | | +−−+| || | | | | | | 登||・男の子が迷子になったら大 ||・なぜ、しかられるのだろう。| ・お礼を言われても、すっき | |・店員さんに分かってもらえ | | 場|| 変だ。 ||・ほかのお客さんの前でおこ | | りしない。 | | てよかった。 | |心人||・おばあさんがかわいそう。 || られるなんて恥ずかしい。 | ・お礼を言われたからよかっ | |・困ってるひとに親切にして | | || ++ +−+ +−+ | |の物||・おばあさんの役に立ちたい。||・むしゃくしゃする。 | | た。 | | 本当によかった。 | |動の|| ||・手伝わなければよかった。 | ・おばあさんを助けることが | | | |き || || | | できたので親切にしてよか | | | +−−+| || | | | | | | || | | った。 | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ | || | | | | | +−−+| || | | | | | | 基||@ だれも手伝おうとしない ||A 店員にしかられたとき、 | ・ おばあさんからお礼を | |C 校長先生の話を聞いて、 | |発本|| のに、「よし子」が手伝い ++ 「よし子」はどんな気持ち +−+ 言われたときの「よし子」 +−+ 「よし子」はどんな気持 | |問 || 始めたのはどんな気持ちか || でしたか。 | | はどんな気持ちでしたか。 | | ちになったのでしょうか。 | +−−+| || | | | | | | らでしょうか。 || | | | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ | || | | | | | +−−+| || | | | | | | ||・おばあさんが困っているか ||・いったい何のことか分から | ・おばあさんに親切になど | |・おばあさんに親切にしてや | | 期|| ら。 || ない。 | | するんじゃなかった。 | | っぱりよかった。 | |児待||・男の子が迷子になったら大 ||・親切なことをしたのに、ど | ・しかられたけど、お礼を | |・店員さんに分かってもらえ | |童さ|| 変だ。 || うしておこられるのだろう。| | 言われたからよかった。 | | てすっきりした。 | | || ++ +−+ +−+ | |のれ||・だれも手伝おうとはしない ||・こんなことなら、片付けな | ・おばあさんを助けること | |・困ってる人に親切にして本 | |反る|| から。 || ければよかった。 | | ができたので親切にして | | 当によかった。 | |応 || || | | よかった。 | | | | || || | | | | | +−−+| || | | | | | | || | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+ | 主価値 | 思いやり・親切 | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+