印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−   第5学年道徳学習指導案 日 時 平成8年9月30日(月)3校時                          学 級 5 年 1 組 男12名 女10名 計22名 授業者 佐 藤 久 子 1 主題名  たとえ友達でも(4−B 公正・公平) 2 資料名  「わたしの一票」(「みんなのどうとく」学研) 3 主題設定の理由  (1) 価値について     高学年の内容項目4−Bは「だれに対しても差別することや偏見をもつことなく公正・公平にし、正    義の実現に努める。」とあり、民主主義の基本的な価値である社会正義の実現に努める児童を育てよう    とする内容項目である。    公正・公平な態度とは、だれの目から見ても正しく、しかも妥当な判断のもとに偏りなくふるまうこ    とであり、自分の利害や感情を越えて、理にかなった考えのもとに、良心に従って誠実に行動すること    である。しかし、人はとかく利害や感情にとらわれ、公正・公平に判断できず、差別や偏見を助長し、    不公平を見逃すこともある。    人は集団による社会生活を営み、他人とともに生きている。社会生活を円滑に営むには、だれとも分    け隔てなく、偏見を持たないで対応し、行動していくことが大切である。そのためには私的な好き嫌い    の感情にとらわれたり、偏見をもったり、差別をしたりしないように自覚し、努力していくことが大切    である。     本主題では、自分の利害や感情に流されず、だれに対しても公正・公平に接しようとする態度を育て    て行きたい。  (2) 児童の実態について    本学級の子どもたちは、差別や偏見がいけないこと、だれに対しても公正で公平な態度をとることの    大切さは一般的には理解している。しかし、実生活を見ると、とかく、自己や友人関係を優先させ不公    正・不公平な言動を取ることもある。また自分が不公正・不公平に扱われると批判をするものの、どの    相手に対しても公正・公平な態度で接しようとする配慮に欠け、相手を傷つけることもある。     そこで、自分の利害や感情に流されず、だれに対しても分けへだてなく公正・公平に接しようとする    態度を育てていきたい。  (3) 資料について     本資料は、「主人公が、友だちの正夫が不利になると知りながらも、クラスのみんなのことを考えて、    学級会の議題に、『ボールの使い方』を選んだ。学級会の後、その主人公の気持ちを正夫も分かってく    れた。」という内容である。     親友への私情を捨てねばならないというところが、児童にとっては身近に感じることができ、だれに    対しても公正、公平な態度をとることが大切なことを捉えさせるのに適した資料であると考える。     指導に当たっては、まず、導入で仲良しの友だちに対し、不公平な態度をとった経験を想起させ、本    時の価値への方向づけをする。     展開前段では、主人公のつらい気持ちに共感させ、公正・公平な態度をとった主人公と正夫の様子を    通して、たとえ友達であっても、公正・公平に接することが大切なことをつかませたい。 4 本時の指導 (1)ねらい    だれに対しても、分けへだてなく公正・公平にしようとする態度を育てる。 (2)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− |過 程| 学習活動(教師の働きかけ) | 期待する児童の反応 | 指導上の留意点 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | |1、不公平についての、アンケー| | |導|問| トに答える。 | | | |題| | |・自らの経験を想起させ | |の|〇 不公平にすることは、良いこ| | その時の事情や心情を | |意| とか。また、今まで不公平にさ| | し合うことで、価値へ |入|識| れたこと、したことがあります| | 方向づけを図る。 | |化| か。 | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | |2、資料を読んで話し合う。 | |・資料は、録音テープと | | | | | Pを使って提示する。 | |問| | | | | | @ ボールに投票しようと思い|・正夫はぼくの友だちだか |・三郎が、正夫に対する | |題| ながらも、三郎はどうして迷| ら。 | いと、不公平を正そう | | | っているのでしょうか。 |・仲が悪くなってしまう。 | する正義感から苦悩し | |の| |・正夫がみんなから責められ| いることをとらえさせ |展| | | たらかわいそうだ。 | | |具| |・ボールに投票した方がクラ| | | | | スのためになるとはわかっ| | |現| | ているが、友だちの正夫を| |開| | | 責めることになる。 | | |化| | | | | | ・ それでも、三郎がボールの|・クラスのみんなが困ってい|・三郎がボールの問題に | |・| 方に一票いれたのは、どうし| る。 | 票したわけを考えさせ |前| | てでしょうか。 |・ぼくは代表委員だ。 | ことで、利害や感情な | |価| |・たとえ仲良しの正夫でも悪。  にとらわれずに、公正 | | | | いことは悪い。 | 公平にする大切さを理 | |値| | | させる。 |段| | | | | |の| B 帰り道、正夫君の言葉を聞|・やっぱり友だちだ。 |・正夫に自分の行動が認 | | | いたときの三郎は、どんな気|・正夫君がぼくの気持ちをわ| られた三郎の気持ちを | |追| 持ちだったでしょう。 | かってくれてうれしい。 | えさせることで、公正 | | | |・みんなのことを考えてボー| 行いをしたことの満足 | |究| | ルの問題に投票してよかっ| を役割演技を通して、 | | | | た。 | 感的にとらえさせる。 | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | |3、自分たちの生活の中で公正・| | | | | 公平について考える。 | | |展|価| | | |開|値| 〇 今日の勉強から、あなたは、 |・道徳シートに書かせる |の|の| これからの生活でどうしてい| | |後|内| こうと思いましたか。 | |・これからの自分につい |段|面| | | 考えさせることにより | |的| | | 公正・公平に対する意 | |自| | | 化・態度化を図る。 | |覚| | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | | | | | | |学|4、友だちの発表を聞く。 | | |終|習| | | | |の| 〇 これからの自分について発| |・発表を聞く中で実践へ | |整| 表をしてください。 | | 意欲を高めさせたい。 | |理| | | |末|・| | | | |ま| | | | |と| | | | |め| | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− 〔資料分析図〕   主題名   たとえ友だちでも  (価値 4−(3)公正・公平)   資料名   わたしの一票    (「みんなのどうとく」学 研)   +−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ | || | | | +−−+| || | | | | || 学級会の議題を決めるとき || どちらの提案を取り上げる | | 帰り道、明るい顔で話しか | |場 ||「学級新聞の係への注文」と ||かを投票する場面 | けられ、ほっとする場面 | | || ++ +−+ | |面 ||「学級のボールの使い方」の || | | | | ||どちらを選ぶか、三郎が迷っ || | | | +−−+| || | | | |た場面 || | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | || | | | +−−+| || | | | | 登||・友だちだから、この問題を ||・正夫とは友だちだけれど、 | ・ぼくは、正しかったんだ。 | | 場|| 取り上げたくない。しかし、 || ボールの問題に投票しなけ | ・また、正夫と仲良くできる | |心人|| クラスのみんなが不満をも || ればならない。 | | ぞ。 | | || ++ +−+ | |の物|| っている。どちらに投票し || | | | |動の|| たらいいんだ。 || | | | |き || || | | | +−−+| || | | | | || | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | || | | | +−−+| || | | | | 基||@ ボールに投票しようと思 ||・ それでも、三郎がボール | B 帰り道、正夫君の言葉を | |発本|| いながらも、三郎はどうし ++ の方に一票入れたのは、ど +−+ 聞いたときの三郎は、どん | |問 || て迷っているのでしょうか。 || うしてでしょうか。 | | な気持ちだったでしょう。 | +−−+| || | | | | || | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | | | +−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−−+−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−−+ | || | | | +−−+| || | | | | ||・正夫はぼくの友だちだから。||・クラスのみんなが困ってい | ・やっぱり友だちだ。 | | 期||・正夫におこられそう。 || る。 | ・ぼくの気持ちをわかってく | |児待||・仲が悪くなってしまう。 ||・ぼくは、代表委員だ。 | | れてうれしい。 | |童さ||・みんなから責められたら正 ||・たとえ仲良しの正夫でも、 | ・みんなのことを考えてボー  | || ++ +−+ | |のれ|| 夫がかわいそう。 || 悪いことは悪い。 | | ルの問題に投票してよかっ | |反る|| || | | た。 | |応 || || | | | | || || | | | +−−+| || | | | | || | | | +−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |主価値 | 公 正・公 平 | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+