小学校5年 家庭(生野菜の調理) 指導案 仁王小学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 49行に設定してください。 第5学年家庭科学習指導案                                        指 導 者   斎  藤  ヨ シ エ  .題材名 生野菜の調理  .題材について  〇本題材は、食物領域の最初の題材である。ここでは、生野菜の調理を取り上げ、調理用具の扱い  方や、衛生的な食品の取り扱いなど調理の基本を習得させることをねらっている。   また、食品に含まれる栄養素とそのはたらきについて理解させ、栄養的な食事をすることの大切  さに気付かせていく。さらに、作ったサラダを友達や家族と一緒に食べることによって、食生活に  対する関心を深めさせていくことをねらっている。     野菜は他の食品に比べてビタミンや無機質を多く含む食品である。ビタミンでは、ビタミンCが  多く、緑黄色野菜にはカロチンも多く含まれている。無機質としては、カルシュウムやカリウムな  どを多く含んでいる。また、野菜に多く含まれている繊維は、腸を刺激して便通を整えるはたらき  をしている。   野菜に含まれるビタミンCは、水に溶けやすく酸化されやすい性質をもっているため、切ったも  のを水につけたり空気中に長く放置しないよう注意する必要がある。また、野菜を生食すると、加  熱して食べるよりビタミンCの損失が少ないことや生野菜の歯ざわりのよさ、さっぱりした味は、  食欲を増進させるなどのよさをもっている。   このような生野菜の特質を生かした「野菜サラダ作り」は、調理法は簡単であるが、洗う、切る、  味つけする、盛り付ける、などの作業を通して、調理用具の扱い方や衛生的な食品の取り扱いなど  を習得させることができ、初歩的な調理教材として適切であると考える。また、この時期は、きゅ  うりやキャベツなどの生で食べる野菜が出回ってくるとともに、気温も高くなってくることから、  生野菜のさっぱりした味が好まれる時期である。この時期に、生野菜の特質を生かした「野菜サラ  ダ作り」を学習させることは、実践化を図る上でも適切である。  〇子どもたちの家庭生活をみると、生活が便利になった反面、家庭内における仕事の経験が乏しく  なってきている。調理に関してみると、たまごを割れない子、りんごの皮をむけない子に見られる  ように、手先の細やかな作業ができない子が増えてきている。   学級の子どもたちを見ても、「包丁をうまく使えない」「計量スプーンを使ったことがない。」  と答えている子どもが多く、調理用具の扱い方がうまくできない子どもが多い。   最近は、便利な調理用具や加工食品が多く出回ってきているが、調理をする上で、分量を量った  り、切ったり、皮をむいたり等、手を使った技能が要求される。自分たちの食生活を豊かなものに  していくためにも、調理用具の扱いが正しくできることが大切であると考える。   また、子どもたちの食生活に目を向けると、偏食傾向が見られる。特に、野菜の食べ方をみると、  ピーマン、にんじん、なすなどの野菜の嫌いな子どもが学級の四分の三もいる。野菜の食品的価値  を理解させ、栄養的な食事をすることの大切さをしっかりとらえさせる必要がある。  〇指導に当たっては、調理経験が少なく、調理用具の扱いに慣れていない子どもたちに、野菜を切  る(包丁の使い方)練習をさせたり計量スプーンを実際に使ってドレッシング作りをさせたり、基  礎的技能を習得するための場を設定してやりたい。そうすることにより、安全な包丁の使い方や、  科学的な目で定量的にものをとらえていこうとする態度を身に付けさせたい。   また、偏食傾向の見られる子どもたちに、食品の栄養的価値に気付かせ、偏りなく食品を摂取す  ることが必要であることを理解させたい。そして、自分たちの作った野菜サラダを食べることによ  り、手作りのよさや働くことの喜びを味わわせ、さらに、材料の組み合わせをかえたりして、家庭  生活に生かしていこうとする実践的な態度を育てて行きたい。  .指導目標 (1)生食できる野菜の種類と野菜の成分を理解させる。 (2)野菜サラダ作りに必要な用具や計量器の取り扱いができるようにする。 (3)調理の手順と方法を理解させ、協力して野菜サラダを作り、後始末もできるようにさせる。 (4)日常食品に含まれる栄養素の種類とその働きを理解させ、食物を好き嫌いなく食べる必要を理   解させる。  .指導計画      8時間  第1次 食物と栄養(3時間)     (1)生野菜とビタミンC(1)     (2)栄養素の種類とその働き(2)                          第2次 野菜サラダ(5時間)     (1)野菜サラダ作りに必要な調理用具の種類と使い方(2)        ・調理用具の種類・計量スプーンの使い方(フレンチソース作り)        ・包丁の使い方と野菜の切り方      本時      (2)野菜サラダの作り方と実習計画(1)     (3)野菜サラダ作りの実習と反省・家庭実践計画(2)         .本時の指導  1.題材と子ども  (1)野菜サラダ作りにかかわる子どもの実態(5月2日調査、39名対象)    〇野菜サラダを作ったことがあるか。   〇包丁を使ったことがあるか。    何回もある 何回かある    ない     何回もある      何回かある ない   〇包丁がうまく使えるか。         〇計量スプーンを使ったことがあるか。    使える  あまりうまく  使えない    ある       ない  〇フレンチソース(ドレッシング)は、どんなものを使っているか。    手作り 手作りや     市販のもの   ・半数以上の子どもが経験の度合いに差はあるが、野菜サラダ作りの経験をしている。   ・ほとんどの子どもが包丁の使用経験をもっているが、半数以上の子どもは包丁をうまく使えな    いと答えている。   ・計量スプーンを使ったことのない子どもが、三分の二もいる。       ・フレンチソース(ドレッシング)を家庭で作ったものを使用している家庭は少なく、市販のも    のを使っている家庭が大部分である   このような実態から、本時は、おいしい野菜サラダを作るために包丁の使い方に重点をおいて指 導していきたい。   (2)技能習得のための習得過程と個人差に応じる手だて    本時は、きゅうりを教材として、包丁の使い方の技能を身に付けるため、下記のような指導過程  で指導しようと考えた。                                         1きゅうり4 分の1本を切って見る。      自分の技能の程度に気付く。        2きゅうりの切り方のビデオを見る。      正しい方法に気付く。        3学習課題を設定する。             包丁を正しくつかって、安全にきゅう                                りを切れるようになろう。    4包丁のもち方・左手の動かし方を模倣する。  正しい包丁の使い方を知る。                           包丁の模型を使って模倣する。    5きゅうりを切る練習をする。          きゅうりの選択                              ・縦半分にしたものの輪切り                             ・丸ごとのものの輪切り                              ・縦半分にしたもののななめ切り                            教具の準備等                             ・ビデオを見て                              ・資料「包丁の使い方」を見て                              ・個別の指導を受けて    6学習を振り返る               学習の成果と今後の課題を自己確認する  2.本時のねらい    正しい包丁の持ち方・指のおき方を理解させ、包丁を正しく使ってきゅうりを安全に切ること   ができるようにさせる。                                 3.本時の展開    +-----------+-------------------------------+--------------------------------+------------+ | 指導過程 | 学 習 活 動 -学 習 内 容   | 指 導 上 の 留 意 点  | 資  料  | +-----------+-------------------------------+--------------------------------+------------+ | 共通体験 | 1 .きゅうり4分の1本を薄く輪切| ・輪切りの共通体験をさせ、自分の | きゅうり | | をする。 | りにする          | 技能の程度や問題点に気付かせる。 | まな板・包丁| | 正しいやり| 2. 「きゅうりの切り方」のビデオ| ・自分のやり方と比較させがら包丁 | ビデオ | | 方を見る。| を見て、きゅうりの切り方につい| の持ち方・指の置き方に気をつけて | きゅうりの | |      | て話し合う。         | 見させ、安全な包丁の使い方に気付 | 切り方」  | |      |                 | かせたい。    | | | 学習課題 | 3.本時の学習の目あてを考える。 | ・2の活動で出された問題点や正し | 学習プリント| | を作る。 | 包丁を正しく使って、安全にき | い方法をもとに本時課題へと導く-  |       | |    | ゅうりを切れるようになろう。 | ・自分の技能の程度に合わせた練習 | | |      |                | 方法を選択させ、課題にせまって  |       | |      |              | いかせたい。          | | |      |                | ・Cグループの子どもたちには、最 |       | |      |               | 初縦半分したものが操作しやすいこ |       | |      |             | とを知らせる。 | | | 基本的な操| 4.包丁の正しい持ち方・指の置き | ・安全面から、また、包丁に対する | 包丁の持ち方| | 作を模倣す| 方を覚え、包丁の模型を使って | 不安を取り除くために、厚紙で作っ | 指の置き方 | | る。   | 切る操作をする。       | た包丁の模型を使い、左手の指に包 | の絵    | |      |               | 丁を当てながら動かしていく操作を | | |      |                 | 模倣させる。 | | | 練習をする| 5.自分の技能に合った方法で、切 | ・3の活動で選択した方法で練習に | きゅうり  | |    |  る練習をする。        | 取り組ませるが、資料やビデオを見 | 皿  | |       | ・縦半分にしたもの     | たり、グループ内で相互に教えあっ | | |      |   (半月切り、斜め切り)  | たりしながら作業させる。  | | |      | ・丸ごと(輪切り)       | ・包丁のもち方・指のおき方が正確 | | |      |   | にできているか見て回り、必要に応 | | |      |                | じて手をとって指導してやる。  | | |      |                 | ・切る作業が早く終えた子どもには |       | |      |                | 遅れている子どもに教えてあげるよ |       | |      |               | うにさせたい。          |       | |      |               | ・切ったきゅうりは、授業終了後-ド |       | |      |                | レッシングをかけて試食させる。  | | | 学習を振り| 6.学習の成果を自己評価し、本時 | ・学習プリントに従って、学習の成 | 学習プリン | | 返る。  | の学習のまとめをする。     | 果を自己評価させ、今後の課題や | | |      |                | 生活に生かしていきたいことにつ | | |      |                | いてまとめさせる。 | | |      |                | ・A、B、Cグループからそれぞれ | | |      |               | 発表させ、意欲づけを図りたい。 | | |      | 7.次時の学習内容を確認する。 | ・次時は、野菜サラダの作り方につ |       | |      |               | いて学習することを確認する。 | | |      |    | | | +----------+-------------------------------+---------------------------------+-------------+