印刷用紙:B5縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):84         第四学年国語科学習指導案         日 時 平成3年9月9日 (月) 児 童 4年5組 男15 女19 計34名 指導者 高   橋   世   津 1 単元名 人物の気持ちの動きを 2 教材名 「ごんぎつね」 3 教材について   「ごんぎつね」は,ひとりぼっちのいたずら好きの小ぎつね「ごん」が,ひたむきに兵十   との心のつながりを求め,自らの死で,兵十との心の通い合を得る,悲しい愛を描いた   物語である。 森の洞穴に,一人ぼっちですむごんは,さびしさから辺りの村に現れては,いたずら   を繰り返す。ある日,兵十の取ったうなぎを,ごんはちょっとしたいたずら心から,逃   がしてしまう。十日ほどたって,兵十のおっかあの葬式での様子を見たごんは,自分の   せいで,兵十はおっかあに,うなぎを食べさせることができなかったに違いないと思い   込む。そして,「ちょっあんなことしなければよかった」と後悔し,自分と同じにひと   りぼっちになってしまった兵十に,特別な思いをいだき「つぐない」をする。兵十との   心の通い合いを求める,ごんのひたむきな気持ちが兵十に伝わるのは,兵十に火なわじ   ゅうで打たれ死を迎える時である。   物語は,村の茂兵というおじいさんから聞いた話として, 1 ごんの紹介・2 兵  十へのいたずら・ 3 4 ごんの後悔とつぐない・ 5 わかってほしいと願うごん 6  ごんの死,の5つの場面から構成されている。 ごんの心情は,兵十との心の交流を求め,いたずら・後悔・つぐない・自分の存在に  気づいてほしい,という形で場面を追うごとに変化していく。4年生にとっては,主人  公の心情の変化がはっきりしている点,心情の変化の対象が明確な点の2点から心情の  変化を読み取る力を育てるために好教材である。また,すぐれた情景描写が随所にあり,  情景を味わいながら場面の様子を想像し,心情の変化を読み取っていける教材でもある。 4 指導目標 ごんにとって兵十がどのように見えているかをとらえ,その見え方を比較することに   より,ごんの兵十に対する心情の変化を読み取ることができる。 5 本時の指導 (1) 本時の目標 ごんの視点の推移を手がかりに,兵十の取ったうなぎを逃がしたことを後悔するご    んの気もちを読み取る。 (2) 本時の展開 +-----+-----------------+-----------------------------------+---------------------+ | 段階| 指導内容 |      学習活動 |    留意点 | +-----+-----------------+-----------------------------------+---------------------+ | | 1 前時学習内容 | 1 前時の学習内容を話し合う | | | 導入|  想起 | ごんが,兵十をいたずらするのにち | ・前時の児童の学習シ | | | | ょうどいい相手に見えていたことを | ートを紹介しながら | | | | 想起させる。 | 想起させる。 | +-----+-----------------+-----------------------------------+---------------------+ | | 2 学習課題把握 | 2 前時のめあてをつかむ | | | | | そう列の兵十を見たごんはどんなこ | ・ごんの兵十に対する | | | | とを考えただろう。 | 気もちを考えること | | | | | を確かめる。 | | | | | | | | 3 前時の学習場面 | 3 二場面を読む | ・指名読み1名 | | | の読み | | | |   | 4 ごんの視点の推 | 4 ごんの視点の推移をもとにごんが兵 | ・ごんの視点が兵十に | | |  移をもとにごん | 十の表情に関心を持っていることを | 当てられて行くよう | | | が何に関心を持 | 読み取る。 | すをとらえさせ読み | | | っているかとら | | とらせていく。 | | | える。 | | | | | 1)ごんの視点の推 | 1)村へ来たごんが兵住の家のようすを | ・本時の学習場面が3 | |   |  移をとらえさせ | 見て,次ぎに墓地へ行き葬列の中の | つに分けられること | | | る | 兵十を見て,最後に穴の中に戻り兵 | に気づかせる。 | | | | 十のことを考えていることをとらえ | | | | る。 | | | | 2)兵十の家に来た | 2)兵十の家の葬式が気になるごんの気 | ・ごんの見ているもの | | 展開| ごんの心情の読 | もちを読み取る | 見てしたことにから | | | 取り | | 読み取らせる。 | |   |  ・P61の9行目 | ・ごんの見た兵十の家のようすやご | ・学習シートB(一)に | | | までのごんの |   んのつぶやきに着目し,ごんの気 | ごんの気もちを書き | | | 気もちを考え | 気もちを書く。 | こませる。 | | | させる。 | | | | | ・ごんの気もち | ・ごんの,兵十の家でだれが死んだ | ・墓地へ行く動機をと | | | を考えさせる | のかを確かめようと考えた気もち | らえさせる。 | | | | を話し合う。 | | |   |          |                   | ・学習シートに補充・ | | | | | 修正させる。 | | | | | | | | 3)兵十を見たごん | 3)ごんが兵十の表情に関心を持ってい | ・ごんが兵十を見てい | | | の関心の読み取 | ることの把握 | る時・所・ようすに | | | り | | 着目させる。 | | | | | | | | ・ごんが何に関 | ・ごんの関心の表れている文に着目| ・学習シート3の(三)  | | |  心をもってい |  して書く。 | ごんの関心を書き | | | るか考えさせ | | 込む。 | | | る。 | | | | | ・ごんが何に関 | ・ごんが兵十の表情がしおれたよう | ・兵十の表情に関心を | |   |   心をもってい | に見えて,心にかかるようすを話 | もつごんの心情もと | |   |   るかとらえさ | し合う。 | らえさせる。 | |   |   せる。 | | ・学習シートに補充修 | | | | | 正させる。 | | | 5 ごんの兵十に対 | 5 兵十の表情がしおれたように見え | | |   |  する心情を読み | たごんが自分のいたずらを後悔す | | | |  取らせる。  | る心情を話し合いまとめる。 | ・ごんには兵十がどう | | |  合う。 | | 見えていたか学習シ | | | | | ートにまとめさせる | | |    |   | | |   |          | | | +-----+-----------------+-----------------------------------+---------------------+ | 終末| ・まとめの読み | | ・指名読み | | | | | | |   | 次時の予告 |  ごんが兵十につぐないをする心情を | | | | | 読み取ることを確認する。 | | +-----+-----------------+-----------------------------------+---------------------+ 兵十の取ったうなぎを逃がしたことを後悔するごんの気もちを,ごんの視点の推移 をとらえて読み取る。