印刷用紙   :B5 縦 1ページの行数:46 1行の文字数 :82    単元『情景を思いうかべて』教材「大造じいさんとガン」の学習指導案                                               [資料−1]国語科学習指導案                                                                             第5学年国語科学習指導案                                 日 時   平成4年8月31日〜9月17日                    児 童 上田小学校5年2組36名(男16女20)                 指導者  橋爪洋子                    1 単元名  『情景を思いうかべて』                                                                2 教材名  「大造じいさんとガン」                                                                3 教材について                                   この作品は,ガンの頭領である「残雪」との命をかけた厳しい戦いを通して      憎しみから感動そして愛情に変わっていく「大造じいさん」の姿が描かれた物      語である。                                     物語は語り手が大造じいさんを紹介する前書きで始まり,次の四つの場面で      なっている。                                   (一の場面) 一年目 残雪の知恵に感嘆する大造じいさん              (二の場面) 二年目 再び残雪にしてやられる大造じいさん             (三の場面) 三年目 残雪の威厳ある姿に感動する大造じいさん           (四の場面) 四年目 晴れ晴れとした顔つきで残雪を見守る大造じいさん        大造じいさんの残雪に対する気持ちは場面の展開とともに変化し,三の場面      においては残雪への見方・考え方が大きく変わっている。それは,いまいまし      く思いながらも「たかが鳥のこと。」と考えていた大造じいさんが,残雪の知      恵や頭領らしい勇気ある態度に感動していく心の動きに表れている。           そして,この大造じいさんの感動の底にあるものが大造じいさんの人間味あ      ふれる人がらであり,美しいもの・すばらしいものに感動する心である。はっ      きりした場面構成で描かれているこの物語は,5年生の児童にとって,場面ご      との人物の心情をもとに,全体を通しての推移をまとめることによって人物像      を把握する力を育てるために好教材であると考える。                  そこで,指導にあたっては,大造じいさんの言動や情景に着目した場面読み      をさせ,それをもとに,まとめの段階で,中心となる言動・情景・心情を整理      する働きをもつ「構造図を取り入れた学習シ−ト」を位置づけたいと考える。      そして物語全体の展開の中での大造じいさんの心情の推移をとらえさせ,変容      を考えさせ,人物像としてまとめさせていくという段階的な指導を行うことに      より,場面読みを全体読みにまとめる力を育てたいと考える。                                                     4 指導目標                                     大造じいさんの残雪に対する気持ちを中心とした場面読みをもとに,「構造      図を取り入れた学習シ−ト」を用いて場面の移り変わりをとらえさせることに      よって,全体としての大造じいさんの人物像をまとめ,それを主題把握に生か      す過程を通して,場面読みを全体読みにまとめる力を育てる。            5 指導計画<12時間>                              第一次 全体を概観する読みの段階(読み取りノ−ト1)<2時間>             ・第1時 全文を通読し,初発の感想をもつ。                       <通読,感想発表,難語句,新出漢字,粗筋と中心人物の把握>         ・第2時 大造じいさんに視点をあてた学習課題を決める。                 <通読,自己課題,学習課題>                     第二次 部分を読む場面読みの段階(読み取りノ−ト2)<5時間>             ・第1時 残雪の知恵に感嘆する大造じいさんの心情を読み取る。           ・第2時 再び残雪にしてやられる大造じいさんの心情を読み取る。          ・第3時 おとりのガンを使おうと闘志に燃える大造じいさんの心情を              読み取る。                               ・第4時 残雪の勇気ある行動と威厳ある態度に感動する大造じいさん              の心情を読み取る。                           ・第5時 晴れ晴れとした顔つきで残雪を見守る大造じいさんの心情を              読み取る。                                                                     第三次 場面読みをまとめる全体読みの段階                                  (構造図を取り入れた学習シ−ト)<3時間>          ・第1時 場面ごとの中心的要素(行動,会話,情景)を整理する。          ・第2時 場面ごとの中心人物の心情をまとめる。                  ・第3時 中心人物の心情の推移と変容をとらえ人物像をまとめる。                                                第四次 感想を持つまとめ読みの段階(まとめノ−ト)<2時間>              ・第1時 構造図をもとに物語の主題をふまえた感想文を書く。            ・第2時 音読練習・語句の練習をする。                                                           ++本時の指導 (第三次1/3時間目)+++++++++++++++++++   +(1)目標                               +   +   場面ごとに読み取ったことをもとに,一の場面から四の場面の大造じい +   +  んの中心となる行動文・会話文・情景文をまとめさせる。        +   ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++    (2)展開                                   +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+   |段階|  指導内容(主発問)     |  学習活動(期待する反応)  |   +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+   |導入|1 前時までの場面読みの学習を想|1 場面読みでの読み取りノ−トを|   |  | 起させる。          | もとに,一の場面から四の場面ま|   |  |                | での学習内容を発表する。   |   |  | ・一の場面から四の場面までのま| ・発表する。         |   |  |  とめを発表しましょう。   |                |   |展開|2 場面読みにおける心情を支える|2 場面読みにおける心情を支える|   |  | 要素を理解させる。      | 要素を整理する。       |   |  | ・一の場面から四の場面までの大| ・学習シ−トに書く。(読み取り|   |  |  造じいさんの中心になる行動文|  ノ−トをもとにする。)   |   |  |  と会話文を学習シ−トに書きま|                |   |  |  しょう。          |                |   |  | ・発表しましょう。      | ・発表する。         |   |  | ・修正しましょう。      | ・補充・修正する。      |   |  | ・一の場面から四の場面までの大| ・学習シ−トに書く。     |   |  |  造じいさんの気持ちが表れてい|                |   |  |  ると思う情景文を学習シ−トに|                |   |  |  書きましょう。       |                |   |  | ・発表しましょう。      | ・発表する。         |   |  | ・修正しましょう。      | ・修正する。         |   |終末|3 それぞれの場面における重要な|3 それぞれの場面における重要な|   |  | 行動文・会話文・情景文を確認さ| 行動文・会話文・情景文を発表し|   |  | せる。            | て,確かめ合う。       |   |  | ・学習シ−トに書いた文を発表し| ・発表する。         |   |  |  ましょう。         |                |   |  |4 次時の学習の内容について理解|4 次時の学習は,場面ごとの大造|   |  | させる。           | じいさんの心情を整理することで|   |  |                | あることを確かめ合う。    |   +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+