印刷用紙:B4縦 1ページの行数:56 1行の文字数(半角で):100 第 1 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案   盛岡市立城北小学校   教諭  高 橋 幸 子 1 単元名 「こえにだしてよもう」    教材名 「くじらぐも」 2 教材について  この教材は、くじらぐもと子供たちとの楽しい交流を通して、大空を泳ぎ回りたいという願いがかなえら   れていく面白さが描かれている。  この物語は、くじらぐもと出会う子供たち、くじらと呼びかけ合う子供たち、くじらに飛び乗ろうとする   子供たち、くじらと空の旅をする子供たち、くじらと別れる子供たちの5つの場面から成り立っている。冒   頭の2文「四じかんめのことです。」「一ねん二くみのこどもたちが・・」により場面が明確に設定され、   子供たちは自分たちを物語と重ね合わせて読む進めることができるようになっている。四時間目の短い間に   経験した長い旅と、その間におけるさまざまな楽しいできごとが、地上から空、そしてまた空から地上に戻   るというダイナミックな構成のなかで鮮やかに描かれている。文章は全体的に簡潔で会話文が多く、会話文   の前後には誰が言ったかを説明する文の省略も多い。そのため会話が生き生きと弾んで聞こえ、全体として   歯切れのよい文章となっているので、楽しく音読することができる。また、「みんなが・・すると、くじら   も・・しました。」というような対比表現の繰り返しは登場人物の動きを豊かに想像させる効果がある。さ   らに生き生きとした子供たちの表情が描かれている挿絵も想像を広げる手掛かりになると思われる。このよ   うに、音読することに よって読み深め、場面の様子を想像していくのにふさわしい教材であると考える。  第1学年の理解領域の目標は「粗筋をつかみながら話を聞いたり、書かれている事柄の大体を理解しなが   ら文章を読んだりすることができるようにするとともに、易しい読み物を楽しんで読もうとする態度を育て   る。」である。子供たちはこれまでに物語文では「おおきなかぶ」と「ちいさなねこ」を学習してきた。「お   おきなかぶ」では、挿絵と文を結び付けながら、中心人物の行動や会話を観点として、人物の心情を想像   する学習してきた。常体で書かれた「ちいさなねこ」では中心人物の行動を観点としてとらえたあと、吹き   出しを使ってその場面におけるの中心人物の気持ちを想像する学習をしてきた。これらの学習を通して、子   供たちは話の大体をとらえることや、筋に沿ってその場の登場人物の気持ちを想像できるようになってきて   いる。しかし自分の考えを持てる段階にとどまっており、友達の考えに関心を持って聞こうとする態度にま   ではいたっていない。また、それぞれの読み取りも文から離れがちである。そのため、発問によって文に即   した状況把握が必要となってきている。視写においても、読み書きに抵抗のある子もおり、個人差が大きい。  指導にあたっては、子供たちの行動や会話を観点にして、場面の様子や子供たちの気持ちを読み取らせて   いきたい。そのため行動の文をとらえさせる場合には、「くじらは」「みんなは」という主語を手掛かりに   見つけさせたい。会話文のときは、誰が話した文なのか確認しながら読ませていきたい。また書く力を育て   ていくためにも、視写を取り入れていきたい。一人読みしたあとは発表し合うことで、自分の考えと似てい   る考えなのか、自分とは違うのか気づかせていきたい。またどの場面においても、はっきりした声で音読さ   せる活動を通して理解を深めたり、読み取った内容にふさわしい音読を工夫させていきたい。 3 指導目標 (1) 場面ごとの様子を思い浮かべながら、はっきりした声で音読したり、子供の気持ちを吹き出しに書いたり   することができる (2) 「・・・も」の使い方に注意して視写・聴写し、対比する表現の仕方が理解できる (3) 片仮名を正しく読んだり書いたりできるようにするとともに、語句の意味を正しくとらえ、その使い方を   理解できる 4 指導計画(12時限) 第1次 全文を読み、感想を持つ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時限 ・ 題名から話の内容を予想したあと全文を読み面白かった所を書く  (1) ・ 場面分けをして大まかな読みのめあてを持つ   (1) ・ 新出漢字、難語句、片仮名を確かめる (1) 第2次 場面ごとにくじらぐもと子供たちの様子や気持ちを読み取る−−−−−−−−−−−−−−−5時限 ・ 対比の表現から出会ったときの様子やくじらぐもに親しみを持つ子供たちの気持    ちを読み取る  (1) ・ 会話文から仲よくなっていくくじらぐもと子供たちの様子や気持ちを読み取る  (1) ・ 会話文から飛び乗ろうとする子供たちと応援するくじらぐもの様子や気持ちを読    み取る  (1) ・ 行動を表す文や挿絵から、空の旅を喜ぶ子供たちの様子や気持ちを読み取る (1)本時 ・ 行動を表す文や挿絵から、別れるくじらぐもと子供たちの様子や気持ちを読み取る (1) 第3次 単元のまとめと言葉の学習をする−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−4時限 ・ 場面の様子を思い浮かべながら、はっきりした声で音読する (1) ・ 「くじらぐも」に手紙を書き、発表する (1) ・ 新出漢字や片仮名の練習をする (1) ・ 同じ作者の作品を読み、読書に親しもうとする意欲を持つ (1) 5 本時の指導 (1) ねらい 子供とくじらぐもの行動を手がかりとして、空の旅を喜ぶ子供たちの気持ちを読み取り、吹き出       しに書くことができる (2) 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | |時| | | |  学習活動・・・・・・・・・・ |   教師の働きかけ・・・・・・・・ | | 指導上の留意点・・・・・・ | |階|      |   |間| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 学習課題を把握する  |・ 子供たちがくじらぐもに乗り|3|・ 子供たちがくじらぐもに乗| | | ・ くじらぐもに乗るため| たいという気持ちと、くじらぐ| | ろうとジャンプしている様子| | |  に子供たちのがんばった| もも乗せたいという気持ちが一| | を前時の学習シートを発表さ| |導|  様子を想起し、本時の課| 体となって実現できたことをと| | せながら想起させる | | |  題をとらえる     | らえさせ、本時の学習課題を意| | | | |             | 識させる          | | | | |        +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−+ | | | | くじらぐもにのって、そらのたびをしたこどもたちは |   | | |         |どんなきもちだったのでしょう。            |   | | |        +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−+ | |入|2 読み取りの観点の把握を|・ 本時では、子供たちの気持ち|2|・ 読み取りの観点としては行| | | する         | を考えるためには、子供たちの| | 動が適切であることを、前時| | |             | 行動を手がかりに読み取ってい| | の学習場面と照らし合わせな| | |             | くことを確認する      | | がら提示する | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 本時の学習場面を音読す|・ 指名読みをさせ、どのような|3|・ だれが何をしたという主述| | | る          | できごとがどのような順序で起| | の関係やできごとの順序に気| | |             | こったのか気をつけながら読ま| | をつけさせる | | |             | せる | | | | |             |☆ 指名読みした子の読み方につ| |  | |展|             | いて賞賛を与える      | | | | |4 子供たちを乗せることが|・ くじらぐもの会話文や行動か|7|・ 挿絵も手掛りにして楽しそ| | | できたくじらぐもの様子の| ら子供たちを乗せて旅をするこ| | うな様子をとらえさせる | | | 読み取りをする   | とがうれしくてたまらないこと| |・ 「さあ」や「ぞ」という語| | |             | を「さあ、およぐぞ。」「げん| | 句にもくじらの気持ちがこめ| | |             | きいっぱい」に着目させてとら| | られていることを知らせる | | |             | えさせる          | |・ くじらぐもが子供たちを乗| | |             |☆ 自分なりに、くじらぐもの気| | せて大空を気持ち良さそうに| | |             | 持ちを考えて発表している子を| | すいすい泳いでいることを、| | |             | 賞賛する          | | 児童の発表をもとにまとめる| | |             |☆ くじらの会話文や様子をもと| | | | |             | に発表している子に賞賛を与え| | | | |             | る             | | | |開|5 一人読みをする    |・ くじらぐもの乗っている子供|5|・ 課題を振り返って、子供た| | | ・ 課題を解決するために| たちの行動を表す文「みんなは| | ちの行動をあらわす文を探さ| | |  視写をする      | うたをうたいました。」に着目| | せる | | |             | させ、視写をさせる     | |・「みんなは」は主語であるこ| +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | |時| | | |  学習活動・・・・・・・・・・ |   教師の働きかけ・・・・・・・・ | | 指導上の留意点・・・・・・ | |階|      |   |間| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |   | | | とを知らせて、行動をみつけ| | | | | | やすいようにする | | |             |☆ ていねいに視写をしている子| |・ 「は」や「を」の使い方や| | |             | を認め励ます        | | 「、」や「。」の書き方が正| | |             |               | | しいか机間巡視によって確か| |展|             |               | | める | | |6 学び合う       |・ 視写文「みんなは、うたをう|15|・挿絵なども手がかりとして | | | ・ 一人一人の考えを出し| たいました。」をもとに子供た| | 「うた」を歌ったり、跳びは| | |  合い、空から見えた風景| ちが歌を歌いたくなった様子を| | ねている様子やくじらぐもの| | |  を想像させる     | 考えさせ、楽しい気持ちをとら| | 上で子供たちがしたことをと| | |             | えさせる          | | らえさせる | | |             |・ くじらぐもに乗っている子供| |・ くじらぐもの上からどんな| | |             | たちになりきって、くじらぐも| | ものが見えたのか多様な考え| | |             | の上から見えた風景を想像させ| | が引き出せるように「うみ」| | |             | る | | 「むら」「まち」という語句| | |             |☆ 自分なりの考えを発表しよう| | をもとにしてとらえさせ、発| | |             | としている子を認め励ます  | | 表させる | | |7 自分の読み取りを深める|・ 空から見えた景色と子供たち|5|・「空は、どこまでもどこまで| | | ・ 空の旅をした子供たち| の様子から、くじらぐもに乗っ| | もつづきます。」から、果て| | |  の気持ちを想像させ吹き| て空の旅を楽しんだ子供の気持| | しない空を泳ぐくじらぐもと| | |  出しに書く      | ちを想像させ、吹き出しに書か| | 空の旅をずっと楽しんでいた| | |             | せる            | | い子供たちの気持ちを書かせ| | |             |☆ 友達の発表のよさを取り入れ| | る | |開|             | ることができるよう配慮する | |・ 書けない子には板書や挿絵| | |             |☆ 発表させたあと分類をして、| | を手掛りに書くことができる| | |             | 自分の考えを位置付け、自信を| | ように援助する | | |             | もたせるようにする     | |・ 個の読み取りの状況を把握| | |             |               | | し指名計画をたてる | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |8 まとめの音読をする  |・ 本時で学習したことがあらわ|3| | | |             | れるように音読させる    | | | |終|             |☆ はじめの音読と比較し、気持| | | | |             | ちを思い浮かべて音読し、変容| | | | |             | していることを評価する   | | | | |9 学習を振り返る    |・ 一人読みができたか、自分な|2|・ 課題を解決するために、行| | |             | りの考えをもてたか振り返る | | 動を表す文を手掛かりにした| | |    |・ 自分の考えや友達の考えでよ| | ことを振り返る | | |             | かったことを気づかせ、がんば| |・ 意欲的に取り組んだ子や考| |末|             | ったことなどを書かせる   | | えを発表した子に賞賛を与え| | |             |☆ それぞれの子供のがんばりを| | 次時の意欲付けを図る | | |             | 認め励ます        | | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+