印刷用紙:B4縦 1ページの行数:55 1行の文字数(半角で):100 第 2 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案   盛岡市立城北小学校   教諭  高 橋 世 津 1 単元名 「気もちを考えて読もう」   教材名 「お手紙」 2 教材について  この教材は、文章全体を通して、かえるくんとがまくんのお互いを思いやる友情が温かく描かれている。  物語は、主として二人の会話文で構成されている。話の展開が、やさしい話言葉で進められているため、   お手紙をもらえず悲しい気持ちなっているがまくんとかえるくんから、お手紙をもらえるまでの、二人の相   手を思いやる様子が繰り返される構成を、子供達は抵抗なく理解することができる。また、子供達は二人の   ユーモア溢れるほのぼのとした会話から、少しおおげさで感激しやすいがまくんと行動的でやさしいかえる   くんに、自分を重ねて、気持ちを読み取ることができると思われる。また、場面毎のさし絵もかえるくんと   がまくんの気持ちを鮮やかに描き出しており、場面の移り変わりに気をつけ文章を読むうえで子供達の読み   取りの手助けとなる。このように、2年生の子供達が興味をもって二人の気持ちを考えながら読み進めてい   くのにふさわしい作品である。    第2学年の理解領域の指導の目標は、「事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の順序や場面の様子   の移り変わりなどに注意しながら文章を読んだりすることができるようになるとともに、易しい読み物を進   んで読もうとする意欲を高める。」である。子供達は、2年になって「スイミー」の学習で中心人物の気持   ちが、その人物の会話や行動,様子を観点として読み取れることを学び、視写することを一人読みに取り入   れ、心情や様子の読み取りに取り組んできた。また、「王さまでかけましょう」では、中心人物の行動、会   話、様子の他に、対象となる人物も心情を読み取るときに観点として重要だということを体験的に学び、人   物の心情を想像しながら文章を読み取る学習をしてきている。これらの学習を通して、子供達は、場面の移   り変わりに気をつけ楽しみながら、様子や心情を読み取ろうとするようになってきているが、文章の読み取   りには個人差があり、一人読みの段階で、気持ちの分かるところにサイドラインを引くなどの活動の多様化   を図って、自分なりの読み取りを持たせることが必要だと思われる。そして、友達の考えをよく聞き、自分   の考えを自信をもって話せるようにさせていくことも必要である。  指導にあたっては、かえるくんとがまくんの会話を読み取りの観点とすることに気づかせ、どの会話文に   着目すれば、より心情をとらえることができるかを、学習課題と結び付けながらとらえさせていきたい。一   人読みについては、視写・サイドラインを取り入れて、どの子にも自分なりの読み取りを持たせていきたい。   このとき、会話文には、主語や文末部分の省略が多いため、主述の関係をしっかりととらえさせ、文章に即   した心情の理解をさせていきたい。さらに、話し合う中で自分と似ている考えや自分にない考えはないかな   どを意識させ、自分の考えと比べながら友達の発表を聞かせ、自分や友達のよさに気づかせていきたい。 3 指導目標 (1) 場面の様子をとらえながら読み、人物の気持ちの移り変わり、心の触れ合いをとらえることができる (2) 登場人物に教えてあげたいことを書いたり、好きなところを視写したりすることができる (3) かぎの使い方を理解し、主述、修飾・被修飾の関係に注意して読み書きできる 4 指導計画(12時限)  第1次 全文を読み感想をもたせ学習計画を立てる−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時限 ・ 題名やさし絵について話し合い、心に残ったことを書く (1) ・ 登場人物の行動を場面毎にとらえ、読みのめあてをつかみ学習計画を立てる (1) ・ 難語句・新出漢字について学習する                (1) 第2次 かえるくんのがまくんに対する思いやりと、それにやっと気づくがまくんの、     ほのぼのとした心の交流を読み取る−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−6時限 ・ がまくんとかえるくんの会話を手がかりに、二人とも悲しい気分になってしまっ    たことを読み取る (1) ・ かえるくんの行動を手がかりに、がまくんに大急ぎで手紙を届けてあげようとす    るかえるくんの気持ちを読み取る (1) ・ 悲観的になっているがまくんを励まし、手紙を待つかえるくんの気持ちをふたり    の会話を手がかりに読み取る (2) ・ かえるくんの手紙の内容からそれを聞いたがまくんのうれしさを読み取り、ふた    りともしあわせになった気持ちを想像する (1) 本時 ・ がまくんの気持ちを手がかりに、二人のよろこびを想像する (1) 第3次 感想をまとめる−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時限 ・ かえるくんとがまくんにお手紙を書く (1) ・ 音読大会をする (1) ・ 同じ作者の本を読み,読書に親しむ (1) 5 本時の指導 (1) ねらい かえるくんの出した手紙文を手がかりに,二人ともしあわせな気もちになったことを読み取りふ       きだしにまとめることができる (2) 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | |時| | | |  学習活動・・・・・・・・・・ |   教師の働きかけ・・・・・・・・ | | 指導上の留意点・・・・・・ | |階|      |   |間| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 学習課題を把握する  |               |3| | | | ・ 一の場面との比較をし|・ 一の場面との比較をし、本時| |・ 一の場面と本時の場面の挿| |導|  本時の学習課題を確認す| の学習場面で、ふたりが肩を組| | 絵に着目させ、違いを見つけ| | |  る          | み明るい表情で、いることに気| | させる    | | |             | づかせる          | | | | |        +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−+    | | |        | ふたりともしあわせな気もちになったのはなぜでしょう。|      | | |        +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−+ | | |2 観点を把握する    |               |3|    | | | ・ かえるくんの会話とが|・ ふたりの会話の中でも、かえ| |・ 挿絵を手がかりに、明るい| | |  まくんの会話を観点とす| るくんの書いた手紙文とがまく| | 表情になっているのは、かえ| |入|  る         | んの「ああ。」「とてもいいお| | るくんの書いた手紙がもとに| | |             | 手紙だ。」を中心として考えて| | なっていることに、気づかせ| | |             | いくことを確かめる。    | | る。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 本時の学習場面の音読を|・ 指名読みをさせる     |3|・ 役割読みをさせ、会話文が| | | する          |・ 他の子供達は、だれの会話文| | かえるくんのものか、がまく| | |            | なのかに気をつけてきかせる | | んのものか分かりやすくさせ| | |             | | | るようにする | |展|             |☆ 指名読みした子のよさについ| | | | |             | て認める          | |     | | |4 かえるくんがお手紙をだ|・「きみが。」に着目させ,がま|6|・「きみが。」に続く言葉を補| | | したということを聞いたが| くんのおどろきを読み取らせる| | わせる         | | | まくんのおどろきを読み取|               | |・ 音読によりおどろきを表現| | | る           |               | | できるようにさせる | | |5 一人読み       |               |6|   | | | ・ かえるくんの書いた手|・「お手紙になんて書いたの。」| |・『』の書き方の指導をする | | |  紙文の視写をし、かえる| というがまくんの会話文を扱い| |   | | |  くんがうれしくなったと| ながら、読み取りの観点を再び| |・ サイドラインを引けない子| | |  思うところにサイドライ| 確認させ、課題を解決させるた| | に対しては、机間巡視をしな| | |  ンを引く       | めに、手紙文を視写しサイドラ| | がら、自分がもらった時、う| |開|             | インを引く活動に入らせる | | れしいと思うところは、どん| | |             |               | | な言葉かさがさせるようにす| | |             |・ かえるくんの手紙文の中から| | る        | | |             | 親愛なる・親友であること・き| |・ 手紙文全文にサイドライン| | |             | みの親友のどれかにサイドライ| | を引いている子には、その手| | |             | ンを引かせる        | | 紙そのものでうれしくなった| +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | |時| | | |  学習活動・・・・・・・・・・ |   教師の働きかけ・・・・・・・・ | | 指導上の留意点・・・・・・ | |階|      |   |間| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |             |☆ 精一杯努力している子を認め| | とも考えられるので理由を確| | |             | 励まし、自分のよさに気づかせ| | かめる | | |             | るようにする        | | | | |6 学び合う       |               |15|     | |展| ・ がまくんがしあわせな|・ 「親愛なる」からは、大事に| |・ 難しい言葉が出てくるので| | |  気もちになったわけを読| 思われているうれしさを読み取| | 意味は,一次読みの段階でふ| | |  み取る        | らせる           | | れておくが、さらにこのとき| | |          |・ 「親友であること」からは、| | 文脈にそって「親愛なる」や| | |             | かえるくんの暖かい気もちを感| | 「親友」の言葉について理解| | |             | じるがまくんをとらえさせる | | させる | | |             |・ 「きみの親友」からは、いい| |            | | |             | 友達が近くにいたことに気づく| |・ サイドラインを引いた箇所| | |             | がまくんの気もちをとらえさせ| | について自信をもたせて発表| | |             | る             | | できるよう支援する   | | | ・ かえるくんもしあわせ|・ がまくんの「ああ。」「とて| |・「ああ。」が、感嘆の言葉で| | |  な気もちなったわけを読| もいいお手紙だ。」という言葉| | あることをとらえさせ手紙の| | |  み取る        | を聞いた、かえるくんの気持ち| | よさをわかってもらえたうれ| | |             | を想像させる        | | しさを想像させる | | |             |☆ 自分の考えを発表しようとし| | | | |             | ている子を認め励ます    | | | | |             |☆ 自分の考えと友達の考えを比| | | | |             | べながら聞き友達のよさに気づ| | | | |             | くようにさせる       | |         | | |7 自分の読みを深める  |・ がまくんのよろこびを中心に|5|・ がまくんやかえるくんの話| | | ・ ふたりがげんかんにす| それをみてうれしくなるかえる| | していることを想像するかた| |開|  わっていた時の気もちを| くんの気もちを書かせる   | | ちで書かせるようにする | | |  ふきだしに書く    |☆ 似ている考えや、自分にない| |・ 似ている考え、異なる考え| | |           | 考えに気づかせていく    | | を分けて板書し視覚的にも読| | |             |               | | み取りの違いに気づかせ、読| | |             |               | | み取りを深めることができる| | |            |               | | ようにする | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |8 まとめの音読をする  |・ 指名読みをさせる     |2|・ 本時で学習したことが表れ| |終|             |☆ 気持ちを込めて読めたところ| | るように会話に気をつけて読| | |             | をほめる          | | ませる | | |9 学習をふりかえる   |・ 自分のがんばった所と、友達|2|・ 観点をとらえること、一人| | |             | のがんばった所を書かせ発表さ| | 読み、話し合いの場での自分| | |             | せる            | | をふりかえるようにさせる | | |             |☆ 自分なりにがんばった点と友| |・ 前時までの学習と比較し賞| |末|             | 達のよさを見つけられ点を認め| | 賛をあたえる | | |   | る          | | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+