印刷用紙:B4縦 1ページの行数:60 1行の文字数(半角で):108 第2学年  国語科学習指導案    日 時  平成6年9月14日(火) 2校時      児 童 2年1組35名(男子18名、女子17名)     指導者  照 井 郁 子 1.単元名  ちがいをくらべて       教材名  あつまれ、楽器 (光村 2年上) 2.教材について  ア.2年生の「理解」に関する目標は、「事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の順序や場面の様子の移り変わ りなどに注意しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、易しい読み物を進んで読もうとする 意欲を高める」ことである。本単元では、「事柄の順序を考えながら、文章の叙述に即して内容を正しく読み取る こと」を主目標とする。 この教材は、人間が昔から工夫して作り出してきた楽器に視点を当てて、基本的な音の出し方から大きく分ければ、 たたく、弾いたりこすったりする、吹くという3種類に分類されることを説明した文章である。音楽は聞いている だけでも楽しいし、自分たちで音を作り演奏すれば、なお楽しいものであろう。そして、使われる楽器は、民族や 文化風俗の違いはあるが、人間が長い時間をかけて作り出したものである。多種多様の楽器も、音の出し方によっ て分類すると、 1.たたいて音を出す楽器(打楽器)  2.糸を弾いたりこすったりして、音を出す楽器(弦楽器)  3.息を吹き込んで音を出す楽器(管楽器)の3つに大きく分けることができる。 子どもたちは音楽はもちろん、音を出すことが大好きである。楽器にも大変興味をもっている。しかし、自然の音 に耳を傾けたり体を使って音を作り出したりする感性はまだ十分に育っていないようだ。そこで、教材文を読みな がら自分たちの知っている楽器を3つの仲間に分けてみたり、自作の楽器で楽しい演奏会をしようとする学習へ発展 することは大切なことと考える。  イ.この教材は、前書き、本文、まとめの大きな3つのまとまりから構成されている。前書きでは、フライパン・ゴム・ ストローが、普段は全く違う使われ方をしているのにもかかわらず、音を出す楽器としても使うことができることを 述べている。本文では、音を出して楽しむことから起こった楽器の起源にもふれながら、人間がたくさんの楽器を発 明してきたことを述べている。さらに、その楽器は音の出し方によって大きく3つの仲間に分けられることを、「一 つは、」「もう一つは」「さいごは、」と頭括型の展開方法で詳しく述べている。そしてまとめでは、身近にあるも のを使って楽器を作り、その楽器を生かして、楽しく音楽会を開いてみましょうと読み手に誘いかける形となってい る。  楽器の3つの仲間については、「〜は、〜して音を出す楽器です」の文型で仲間の分類を、「〜は、このなかまで す」の文型で楽器の仲間を、「このなかまは、〜によって音がちがいます」の文型で音の出し方の違いを説明してい る。3つとも同じパターンで書かれているので、それぞれの楽器の仲間の特徴を比べやすい。  また、「このなかま」「このように」などの指示語や接続語が多く使用されているので、指示語の指し示す内容を言 葉に置き換えながら、文章の内容を正しく読み取らせていきたい。  カタカナ表記の言葉もたくさん使われている教材である。教師とともに書いたり声に出して読んだりしながら、学習 内容と一体化した形で取り上げ、定着を図っていきたいと考える。  ウ.教材構造図         別  紙 3.児童について    2年生になって2つ目の説明文の学習である。1つ目の「たんぽぽのちえ」では、時間や事柄の順序に注意して、叙 述に即した読み取りをすることを目標とした。また、文と文のつながり、指示語や接続語についても学習した。時間 を表す言葉に沿ってたんぽぽの事象の変化を読み取ることはできたが、指示語の指し示す内容をつかんだり、接続語 の学習については理解が不十分だったと思われる。  男女ともよく話を聞いて発言しようとする姿勢はみられるが、持続力がなく、途中で飽きてしまったり考えるのを途 中で諦めてしまう子がいるようである。また、授業のやり方がよく分からなく困っている子も数名みられる。読み取 りに関しては、叙述に即して正しく読み取って行く力が不足している。また、指示語や接続語の働きを十分に理解し ていない子も多数みられた。  そこで指導に当たっては、文章中の語句や文末表現に注意しながら、叙述から離れずに読み取ろうとする習慣を育て ていきたい。また、主語や述語、指示語や接続語などに注意して、順序を押さえながら文章の流れを正しくつかませ たい。子どもが意味をつかまえにくい語については、興味・関心をひきながら動作化をさせたり実物を見せながらと らえさせていく。 4.単元の目標  《価値目標》  音の出し方の違う3種類の楽器について、文章の叙述に即して読み取ることを通して、身の回りのものも楽器の仲間 だということに気づき、関心を持つことができる。 《技能目標》   ◎音の出し方の違いによる3種類の楽器について、文章の叙述に即して正しく読み取ることができる。                                              (理解エオ) ○正しく視写したり聴写したりできる。(表現キ) ○片仮名を読み、書くとともに、文や文章の中での使い方が理解できる。(言語イ(ア))   ○文や文章の中における指示語や接続語の役割と使い方に気づくことができる。(言語オ(イ)) 5.学習指導計画(14時間) ○事前テスト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1  ○意識をもつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 ・題名から内容を予想し、全文を読んで、初発の感想を書くことができる。  ○見通しを立てる‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2   ・全体の構成について大まかにとらえ、学習課題を作ることができる。  ○深め広げる‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6   学習課題に沿って、読み取る。 ・フライパン、わゴム、ストローは、普段違った使われ方をしているが、同じことにもつかえることを読み取ることができる。 (1) ・フライパン、わゴム、ストローが、楽器としても使えることを読み取ることができる。(1) ・人間と楽器とのつながりを知り、楽器は音の出し方で三つの仲間に分けられることを読み取ることができる。 (1) ・たたいて音を出す楽器について読み取ることができる。 (1)   ・弾いたりこすったりして音を出す楽器について読み取ることができる。 (1)   ・息を吹き込んで音を出す楽器について読み取ることができる。  (1)本時  ○まとめ確かめる‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2   ・三つの楽器の仲間を比べ、違いをまとめることができる。   ・作ってみたい楽器を考え、作り方をまとめて発表することができる。  ○練習と評価をする‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1   ・新出漢字や片仮名の練習をし、テストをする。  ○発展‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1   ・身近にあるもので楽器を作り、楽しい演奏会を開く。 6.本時の指導  ア.本時の到達目標   ◎ さいごの仲間は、いきをふきこんで音を出す楽器と説明し、次のレベルでまとめることができる。    (1) この仲間に入る楽器−ラッパ、ふえ (2) 音が違うわけ−(楽器の)太さや長さが違う、息の吹き込み方が違う     (3)(身近なもので)楽器になるものーストロー   [下位行動目標]    1. 「このなかまと同じようにして」に着目して、ストローも息をふきこむとピーッと音がするから、息を吹き込む 楽器の仲間に入ることを説明することができる。 2. 「また〜によっても、音がちがいます。」の文型に着目して、この仲間は太さや長さによって、また、息の吹き 込み方によっても音が変わることを説明することができる。 3. 息をふきこんで音を出す楽器の例として、ふえ、ラッパを説明することができる。    4. 「さいごは」という順序を表す語に着目して、3つ目の仲間は「いきをふきこんで音を出す楽器」と指摘できる。 5. 指示語「このなかま」とは「いきをふきこんで音を出す楽器」と指摘できる。    6. 「ふきこむ」の語句を次のレベルで指摘できる。 ふきこむーいきをフーッと何かにはき入れる    7. 楽器は音の出し方で大きく3つの仲間に分けられ、前時までの2つの仲間を想起し、学習課題が「三つ目の楽器 はどんな楽器だろう」であることを指摘できる。 8. 本時学習段落をはっきりと音読できる。 イ.展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 学習活動(○主発問) | 指導事項(・反応) | |     指導上の留意点 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.前時の学習を想起する。 ○前時の学習を想起させること。| ・前時までの学習内容を表にまとめてお、 | |○今まで学習してきた楽器の仲|・たたいて音を出す楽器 | | き、想起しやすいようにする。 | | | 間は、どんな楽器でしたか。|・糸を弾いたり、こすったりし| | | | | | て音を出す楽器 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 2.本時の学習課題を確かめる。| |7.| | | |○めあては何ですか。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | | | | | 三つ目の楽器はどんな楽器だろう。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | | | |3.読みの視点を確かめる。 ○読みの視点を確認させること。|4. ・読みの視点は今まで学習してきた点と | |○今までどんなことを調べなが|・どんな楽器があるか | | 同じであることを確認する。 | | | ら読んできましたか。 |・音が違うわけ | | | | | |・身近なもので楽器になるもの| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4.本時の学習段落を読む。 ○調べる視点について分かるよう|8.|・指名読2名 | | |○調べることに気をつけて読も|に、はっきりゆっくりと読ませ| | | | | う。 |ること。 | | | | | | | | | | 5.「息を吹き込んで音を出す楽○ワークシートにひとり読みさせ|6. ・息を吹き込むとはどのようなことか押 | |器」についてひとり読みをし、|て話し合い、息を吹き込んで音| | さえる。 | | |話し合う。 |を出す楽器について読み取らせ| | | | | |ること。 | | | | |○息を吹き込んで音を出す楽器|・ふえ、ラッパ |3.| | | | には、どんな楽器がありまし|・鍵盤ハーモニカ、クラリネッ|5.|・指示語の示す内容を押さえる。 | | | たか。 | ト、フルート | |+−意識調査9−−−−−−−−−−+ | |○どうして音が違ってくるので|・長さや太さによって音が変わ|2.||授業に興味をもたせながら参加させ| | | すか。 | る。また、息の吹き込み方に| ||るためソプラノリコーダーとアルト| | | | よっても音が変わる。 | ||リコーダーで音の違いを実演し、事| | |○身近にあるもので、息を吹き|・ストロー |1.||実と体験を結び付けさせたい。 | | | 込んで楽器になるものに何が|・草、笹だけ、ビン | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ありますか。 | | ・実際に音に出して体験させ、実感をも | | | | | たせる。 | | | | | | | | 6.息を吹き込んで音を出す楽器○本時の学習のまとめとして、い| ・3つの読みの視点を押さえながら書か | |について紹介する文を書き、ま|きをふきこむ楽器についての紹| | くこと。 | | |とめる。 |介文を書かせること。 | | | | |○息を吹き込む楽器をお知らせ| | | | | | するお便りを書こう。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |7.本時の学習をまとめる。 ○音読をし、学習を振り返り、自| ・学習の成果を自覚させ、次時への意欲 | |○まとめ読みをしよう。 |己評価をさせること。 | | を高める。 | | |○今日の学習を振り返ろう。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 8.次時の学習課題を確かめる。・3つの楽器の仲間を比べ、違い| | | | |○めあては何か。 |を見つけること。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+  ウ.評価   息を吹き込んで音を出す楽器について読み取ることができたか。