印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):92 第5学年 国語科(国際理解教育)学習指導案 日 時 平成6年11月7日(月)5校時 児 童 第5学年(男18名,女18名,計36名) 指導者 松 川 邦 夫 1 単元名 心と言葉 2 教材名 言葉は心をつなぐ 樺島 忠夫 著 (光村5下) 3 単元について 5年生の言語事項の内容には、「敬体と常体とを使い分けて文章を書くこと」、「日常よく使わ れる敬語を正しく使うこと」ある。そのために、本単元では「相手の気持ちを考えて話す大切さに 気づかせる」「場や相手に応じた言葉が使えるようにする」ことが必要である。 (1) 教材観 本教材は、二つのまとまりによって構成されている。最初のまとまりは、相手の気持ちを考えて 話すことの大切さを、次のまとまりでは、敬語を相手や場に応じて使うことの大切さについて述べ ている。どちらも例文が掲げてあり、それらを手がかりに自分たちが日常使っている言葉について 振り返り、考えさせていきたい。 (2) 児童観 言葉は心をつなぐといっても、実感としてそこまで考えたことは少ないと思われる。可能なかぎ り、児童の生活体験の中から「心がつながった」「心がつながらなかった」事例を出させ、考える 活動を仕組みながら、自らの言語活動を見直す契機としたい。 (3) 指導観 二つ目のまとまりでは、敬語を中心に展開されており、ていねいな言い方である敬語が、どのよ うな場で、どのような相手に対して使われているかを中心に進めていきたい。具体的には、教材の 中から敬語の使われている会話文を見つけ、それが、どんな場で、どんな相手に対して使われてい るかを発見させたい。 4 指導目標 (1) 国語への関心・意欲・態度 相手の気持ちを考えて話すことの大切さに気づくことができる。 (2) 表現の能力 相手や場に応じて適した言葉を使い、それらの状況を考えて話すことができる。 (3) 理解の能力 相手や場に応じて適した言葉を使うことを知り、敬語についての理解を深めることができる。 (4) 言語についての知識・理解・技能 場や相手に応じて言葉遣いを違える必要を理解するとともに、敬語を正しく使うことができる。 5 指導計画 第一次 相手の気持ちを考えて言葉を選んで話すことの大切さを知る。 (4) ・相手の気持ちを考えて話すことの大切さに気づき、言葉を選んで話すことができる(1) ・さまざまな場面を想定し、その場に適した言葉を考えることを通して自分の気持ち を正しく伝えるためには、相手の気持ちを考え、言葉を選んで話す必要のあること に気づくことができる (2) ・心をつなぐことができなかった体験から自分の言語生活を振り返り、心をつなぐこ とのできる適切な言葉を考えることができる (1) 第二次 一つことを言うにもいろいろな言い方のあることを知り、敬語を使うようにする。 (2) ・同じ内容を伝える際でも、さまざまな言い方があることに気づくとともに、その場 や相手に応じて敬語を正しく使うことができる (1) ・さまざまな場や相手に応じた言葉を使うことができる (1) 第三次 学習を振り返り、自分の考えをまとめる。 (1) ・言葉の使い方について振り返り、言葉は心をつなぐという意味を筆者あてに手紙を 書くことでまとめることができる (1)本時 6 国際理解教育とのかかわり +−−−−−−国語科−−−−−−−+ +−−−−−国際理解教育−−−−−+ |・ 場や相手に応じて、言葉を違え | |・自国文化理解−−日本の言語文化| | る必要 ++−+ である敬語について理解を深める| |・ 場や相手に応じた敬語の使用 | | |・異文化理解−−−アメリカの相手| +−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 話すときの表現の状況 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | 日本の言語文化とアメリカの言語文化の比較 | |・ 敬語をとおして国際理解に対する興味・関心 | |・ 知識習得の結果としての日本語の特徴と国際的認識| |・ 状況や文化の異なる相手の立場へ共感 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 7 本時の指導 (1)ねらい ・ 言葉の使い方について振り返り、言葉は心をつなぐという意味を筆者あてに手紙を書くことが できる(国語科) ・ アメリカの言語文化の理解をとおして、日本の敬語の特徴について理解を深め、大切にしよう とする態度を育てる。(国際理解教育) (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |  学 習 活 動 |   指導上の留意点 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |導|1 敬語について、前時の復習をする。 |・敬語について簡単にふれながら復習する。| |入| ていねい語、尊敬語、謙譲語 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |2 常体文を敬体を使った文に直す。 |・プリントの問題を使い、敬体文に正しく直| | | 常体文を敬体を使った文に直してくださ | おさせる。 | | | い。 | | |展| | | | |3 自分の言葉が今まで心をつないでいたか |・題名にもどり、自分の言葉と心のつながり| | | どうかを振り返り、筆者あてにの手紙を | についての考えを、筆者への手紙という形| | | を書く。 | で書きまとめさせる。 | | | ・今まで心をつなぐことを考えて言葉を使 | | | | ってきたと思いますか。 |・頭括法で結論を先に書き、自らの言語生活| | | | を振り返らせる。 | | | ・これからは、どんなことに気を付けなが | | | | ら言葉を使っていったらよいでしょうか。| | | | | | | |4 アメリカにおける相手に話すときの表現 |・アメリカにおける敬語事情に興味・関心を | | | ついて理解をとおしながら日本の敬語に | もたせる | | | ついて理解を深める。 | | |開| ・アメリカでは、敬語があるだろうか。 | | | | | | | | ・日本の敬語とアメリカの表現を比較して |・ALTセーラ・コッポクさんから、アメリ| | | どんなことを感じましたか。 | カの敬語事情について話してもらう。 | | | | | | | |・比較をとおして日本の敬語について認識を| | | | 深める。 | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |終|5 今日の学習のまとめをする | | | | ・心をつなぐ言葉として敬語を学習してど | | |末| んなことを思い出しましたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 8 評価 (1) 言葉は心をつなぐという意味を文にまとめることができたか。 (2) アメリカの敬語事情と日本の敬語を比較して、さらに日本語の特徴を理解できたか。