印刷用紙:A4縦 1ページの行数:38 1行の文字数:88 第3学年 国語科学習指導案 1 指 導 期 日 平成6年9月16日 (金) 3校時 2 指 導 学 級 北上市立黒岩小学校3年 (男子8名,女子5名,計13名) 3 指 導 者 昆 野 ひ ろ 子 4 教 科 書 光村図書 3上 5 単 元 名 『たしかめながら』 〔説明的文章〕 6 教 材 名 「シャボン玉の色がわり」 (佐藤 早苗) 7 単元設定の理由 (1)教材観 本出版社における本教材は既習教材の「ヤドカリの引っこし」「ありの行列」を受け て,10月に指導することとなっている。児童は,「ヤドカリの引っこし」「ありの行列」 において,はじめて段落の中心文を読み取る学習を経験しており,本教材は,その学習 成果を応用させるためのものと位置づけることができる。 教材「シャボン玉の色がわり」は,身近な遊びとして親しまれているシャボン玉を取 り上げ,シャボン玉の美しい色がわりの様子とそのわけを分かりやすく述べた説明的文 章の文章構成は大きく4つに分けることができる。「問題提示」「シャボン玉の色がわ りの様子とまとめ」「色の出方とその理由」「行動への誘いかけ」の意味段落から成り 立っている。これは,問題提示−実験−問題提示−結論という尾括型の研究過程の基本 的な論述の仕方である。文章の叙述に即した読み取りをもとに,自分でも実際にシャボ ン玉を作り自分の観察結果と文章を対比して読むことができる学習内容であり,児童の 読みに対する意欲を高めている。また,文章表現の中で順序を表す言葉や接続語が効果 的に使われ,文と文とのつながりをとらえるうえでも理解が深まるものと考えられる。 (2)児童観 児童は,段落の中心文を読み取る学習を行い,中心文を読み取るために文中の指示語 や接続語,文末表現を手がかりにすることも学んできている。しかし,実態調査より指 示語の理解が不十分で言語事項については継続した指導が必要である。また,段落内の 中心と細部を読み分ける力には個人差がみられる。中心文と説明している文や理由を述 べている文との区別がつかなかったり,自分が読んでよくわかるように詳しく書いてい る文を中心文と考えるなど,中心文をしっかりとらえるまでには至っていない児童の実 態である。このようにいくつかの課題がみられるが,児童の学習への取り組みは意欲的 であり,説明的文章の学習に対する関心も高いものがある。 (3)指導観 小学校第3学年における説明的文章教材の指導にあたっての目標は,学習指導要領に よると,エ「文章の要点を正しく理解しながら内容を読み取ること」オ「文章の叙述に 即して内容を正しく読み取ること」となっている。エは,児童の思考の発達と密接に結 びついた目標ととらえることができる。一般に,中学年は説明的,分析的に文章を読み 取ることができるようになる時期と考えられる。 それゆえ,指導にあたっては,オに対応させ叙述に即した正しい読み取りをふまえ, 文相互の関係を意味的なつながりからいくつかに類型化した観点でとらえ,図式化させ ることにより文と文との連接関係から中心文をとらえる力を育てていきたい。 8 指導目標 (1) 関心・意欲・態度 シャボン玉に興味をもち,シャボン玉の色の変化,性質について関心をもつとともに, 自分から調べようとする。 (2) 価値目標 文章の叙述に即してシャボン玉の変化を正しく読み取ることができるようにする。 (3) 技能目標 文と文との連接関係に気をつけて,段落内の中心文をとらえることができるようにす る。 (4) 言語事項 指示語のはたらきや文末表現などに注意することができるようにする。 9 指導計画 (7時間) 第1次 全文を通読し,学習計画を立てる。−−−−−(2時間) (1) 全文を通読し,初発の感想をまとめる。 (2) 提示された問題より学習課題を確認する。 第2次 段落ごとに読み深める。−−−−−−−−−−(3時間) (1) シャボン玉の実験方法を理解する。 (2) シャボン玉の色の変わり方を読み取る。 (3) シャボン玉の色がわりのわけを読み取る。 (本時) 第3次 学習のまとめをする。−−−−−−−−−−(2時間) (1) 学習したことを確かめ,まとめる。 (2) 新出漢字や語句の使い方を練習する。 10 本時の指導 (1) 本時の目標 ・ 文と文との連接関係を手がかりに中心文を正しく理解しながら,シャボン玉の色が わりがまくのあつさによって決まることを読み取ることができる。 ・ 文と文との連接関係を理解し,その関係を図式化することができる。 (2) 指導の展開案 (第5時) +−+―−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 | 留 意 点 | 支援と評価 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |1 前時の学習内容を想起 |・前時の児童の学習シートを紹|支 よくがんばった児| |導| する。 |介しながら想起させる。 | 童の学習シートを紹| |入| | | 介し意欲を高める。| | |2 本時の学習課題を把握 | | | | | する。 |・本時の学習段落を把握し,読|評 学習課題に向かっ| |5|+−−−−−−−−−−−+|みの見通しを持たせる。 | て意欲的に取り組| |分||シャボン玉が色がわりす|| | うとしているか。| | ||わけをしらべよう。 || | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |3 本時の学習段落を確認 |・説明内容を考えながら,正し| 支 音読で努力した| | | し,音読する。 |くはっきり読ませる。 | を個別に取り上げ,| | | |・形式段落ごとに音読させ,学| ほめる。 | | | |習段落のまとまりを意識させる|評 正しくはっきり音| | | | | 読できたか。 | | |4 中心文をとらえ,シャ | | | | | ボン玉の色がわりのわけ | | | |展| を読み取る。 | | | | | (1) それぞれの文の意味 |・各文の主語をはっきりさせ,|支 自分の考えが持て| | | 関係を考える。 |意味関係をとらえさせる。 | なかった児童は指導| | | |・例,説明・言い換え,理由 | の中で留意して見守| | | |などの観点から考えさせる。 | る。 | | | | |評 それぞれの文の意| | | | | 味関係が理解できた| | | | | か。 | | | | | | | | (2) 接続語の役割を考え |・文間に接続語を想起させ,接|評 接続語の役割を理| | | させる。 |続語の役割に気づかせる。 | 解できたか。 | | | | | | |開| (3) 文と文との論理的関 |・提示したいくつかの観点から|評 文と文との論理的| | | 係を考える。 |論理的関係をとらえさせる。 | 関係が理解できたか| | | | | | | | (4) 文と文との関係を図 |・それぞれの関係の図式の仕方|支 なかなか書き出せ| |35| 式化する。 |を話し合いによって確かめてか| ない児童には論理的| |分| |ら図式化させる。 | 関係と図式の仕方を| | | |・図式化したものを発表させる| 対応させて考えるよ| | | | | う個別指導を行う。| | | |・できるだけ多くの児童に発表|評 文と文との関係を| | | |させる。 | 図式化できたか。 | | | | | | | | (5) 中心文を理解する。 |・図式したものをもとに中心と|評 中心文が理解でき| |展| |細部を読み分け,中心文を理解| たか。 | | | |させる | | | | | | | |開|5 シャボン玉の色とまく |・それぞれの色のとき,まくの|支 文の主述を個別に| |35| のあつさを読み取る。 |あつさはどうなのかをとらえさ| 確かめる。 | | | |せる。 |評 シャボン玉のまく| |分| |・学習シートにまとめさせる。| とあつさの関係が理| | | | | 解できたか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |終|6 本時の学習のまとめを |・本時の学習を振り返り,学習|評 自分なりの感想が| |末| する。 |ふりかえりカードにまとめさせ| 書けたか。 | | | |る。 | | |5|7 次時の学習内容を確か | | | |分| める。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+