印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角文字で):82 −− 以下 指導案 本文 −− 第 1 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案  日 時 平成7年9月8日(金) 5校時 児 童 男子18名 女子18名 計36名 指導者 八 重 樫 玉 美 1、単元名 こえにだしてよもう 2、教材名 くじらぐも (光村1年下) 3、教材について (1)学年発達段階から見た指導事項 第1学年における理解の目標は、「粗筋をつかみながら話を聞いたり、書かれてい る事柄の大体を理解しながら文章を読んだりすることができるようにする」ことであ る。この目標に迫るため、本教材では、場面毎の様子を思い浮かべながら、はっきり 音読させたり、子供の気持ちを吹きだしに書かせたりすることが指導の重点となる。 (2)教材観 本教材は、校庭で体操をしている子どもたちのところに大きなくじらぐもが現れ、 子どもたちと仲良しになり雲に乗って大空を旅するという空想的なできごとを描いた 作品である。子供たちが自然に抱く、雲に乗ってみたいという夢、素敵なところへ飛 んでいってみたいという願いがそのままストーリー化されているので、子供たちは抵 抗なく物語の世界に入り込むことができるであろう。そして、想像の世界で登場人物 と重なり合ったり、対話したりしながら、物語の楽しさを十分に味わうことができる であろう。作中人物と一体になって読み進め、喜びや楽しさを感じ取らせるのに適し た作品である。 物語は、5つの場面で構成されている。 1)子どもたちのまねをするくじらぐも 2)子どもたちと呼びかけあうくじらぐも 3)雲に飛び乗ろうとする子どもたちと応援するくじらぐも 4)くじらぐもと子どもたちの空の旅 5)くじらぐもと子どもたちの別れ 話の展開が明解で分かり易く、場面が校庭と大空というように大きな移り変わりが あり、動きのあるおもしろい構成になっている。表情豊かで楽しく幻想的なさし絵、 呼応の会話、「みんなが〜すると、くじらも〜しました。」の文型の繰り返し、軽快 な筋はこびなど話の楽しさがとらえやすく、イメージ豊かに想像することができるよ うに工夫されている。 (3)児童観 児童はこれまでに、「ぶらんこ」「はなのみち」で文章とさし絵を結び付け、登場 人物の行動を読み取ることにより話の筋をとらえる学習をしてきている。また、「お むすびころりん」では、散文詩の形式でリズミカルな調子のおもしろさを、「おおき なかぶ」では、繰り返しのおもしろさを学習してきており、ここでは、対比のおもし しろさを学習することにより、表現を押さえてイメージ化できるようにさせたい。 話し合い活動の基礎として、4月から「話し手を見ながら聞くこと・文末まではっ きり話すこと」の指導に取り組んでいるが、特に話の聞き方がまだ身についていない 内向的な子も発表できるようにしようと「〜は〜です.」のような簡単な話型で話す 練習をしている。指名すると声は小さくても発表するようにはなってきているがすす んで話そうとする姿にはいたっていないが、「おおきなかぶ」の登場人物の気持ちを 吹き出しに書く学習で、自分の考えを持つことができるようにはなってきている。 (4)指導観 指導にあたっては、「〜が」「〜は」「〜も」の3つの助詞に注意しながら、くじ らぐもや子どもたちの行動・会話をしっかり押さえ、互いの結び合いや心の交流をと らえさせたい。また、ことばのイメージを鮮明にさせたり、人物に同化させたりする ために、動作化や音声化、吹き出しの活用などを取り入れていきたい。 話し合い活動では、まず、自分の考えを最後まではっきり話すことができるように させたい。一人一人の読みが違うのであるから、そのよさを認め合っていけるよう、 励ましたり、意図的に取り上げたりしながら、自分の読みを持てる子に育てていきた い。また、聞く観点を整理してあげながら、「聞くこと」の意識化も図っていきたい 4、指導目標 (1)関心・意欲・態度 進んで自分の考えを話そうとしたり、友だちの考えを聞こうとしたりする。 (2)理解 くじらぐもと仲良しになり、雲に乗って大空を飛び回る子どもたちの楽しい気持ち を想像し吹き出しに書いたり、場面の様子を思い浮かべながら、はっきりした声で音 読したりできる。 (3)表現 「・・も」の使い方に注意して視写・聴写し、対比する表現の仕方が理解できる。 (4)言語 片仮名を正しく読んだり書いたりできるようにするとともに、語句の意味を正しく とらえ、その使い方を理解できる。 5、指導計画 (14時間扱い) +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階| 学 習 内 容 | 話 し 合 い の 内 容 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |○ 題名やさし絵から、どんなお話か想|・ 題名やさし絵から思い浮かんだこ| |一| 像し、全文を読んで話の内容を大体つ| とを発表し合う。 | | | かむ。 (1) | | | |○ 新出漢字、新出片仮名の読みや語句| | | | の意味を知る。 (1) | | |次|○ もっとも印象に残った場面を絵にか|・ 心に残ったところを発表し合う。| | | く。 (1) | | | |○ 場面分けをし、それぞれに題を付け|・ 自分が付けた題を発表し合う。 | |4| る。 (1) | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |○ 物語の発端とくじらぐもの様子を想|・ どんなくじらが現れたのか「大き| | | 像する。 (1) | な」「まっしろい」「くもの」を手| | | | がかりにして話し合う。 | |二|○ みんなの真似をするくじらぐもの様|・「くじらも〜」の文から、くじらぐ| | | 子を読み取る。 (1) | もの様子を話し合ったり、動作化し| | | | たりする。 | | |○ くじらぐもと子どもたちがお互いに|・ 会話文を中心に文章と具体的な動| | | 誘い合う様子を読み取る。 (本時1) | きを突き合わせながら、両者が誘い |次| | 合っている様子を話し合う。 | | |○ くじらぐもに乗ろうとする子どもた|・ くじらぐもに飛び乗ろうとする子| | | ちとそれを応援するくじらぐもの様子| どもたちの様子や気持ちを話し合っ| | | を読み取る。 (1) | たり、動作化したりする。 | | |○ くじらぐもに乗って空を旅する子ど|・ 子どもたちの見たもの、つぶやき| | | もたちの様子を想像する。 (1) | 会話などを想像し、発表し合う。 | | |○ くじらぐもと別れる子どもたちの様|・ くじらぐもと別れるときの子ども| |6| 子を読み取る。 (1) | たちのことばを話し合う。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |三|○ 動作化を取り入れたり、呼びかけの|・ 感想を発表し合う。 | | | 声や会話文を工夫したりしながら、全| | |次| 文を音読する。 (2) | | | |○ くじらぐもに手紙を書いて感想をま| | |3| とめる。 (1) | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |四|○ 漢字・片仮名・「も」の使い方を練| | |次|習する。 (1)| | |1| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6、本時の指導 (1)目標 ○関心・意欲・態度 「ここへおいでよう。」と誘い合うくじらぐもと子どもたちの会話を想像して、進ん で話そうとする。 ○理解 くじらぐもと子どもたちが仲良しになっていく様子を読み取ることができる。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階| 学 習 内 容 | 指 導 上 の 留 意 点  | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |つ|1、前時の学習を想起する。 |・ 子どもたちの真似をするくじらぐ| |か| | もの様子を想起する。 | |む|2、本時の学習課題をつかむ。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | ||こどもたちとくじらぐもは、どんなふうにさそいあったでしょう。 || |8|+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3、本時の学習場面を読む。 |・ 口の開きに注意しながら、ゆっく| |み| (P6L9〜P8L2)| り正しく読ませる。 | | | | 一斉読 → 指名読| |と|4、「おうい」の読み方を工夫し、場面| | | |の様子を読み取る。 | | |お| * 子どもたちは、どんなふうにくじ|・声の大きさ、格好などから、空を見| | | らぐもを呼んだでしょう。 | 上げて大きな声で呼びかけている子| |す| ・ 大きな声で | どもたちの姿を読み取らせる。 | | | ・ みんなで一緒に声を揃えて |・「おうい」と伸ばす言い方になって| | | ・ 手を振りながら | いることにも注目させ、くじらぐも| | | | との距離感を感じ取らせる。 | | | | | | | * くじらぐもはどんなふうに答えた|・言葉による交流であることや「こた| | | でしょう。 |えました」から、ただの真似でない事| | | ・みんなに手を振りながら |に気付かせる。 | |10| ・嬉しそうに にこにこして | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |5、子どもたちとくじらぐもがどんな会| | |広| 話をしたのかを想像しながら読む。 | | | | * 「ここへおいでよう。」のあとに|・本文に自分の言葉を付け加えること| |げ| 続く言葉を考えて吹きだしに書きま| によって、作中人物と一体化させた| | | しょう。 | い。 | |・| | | | |子ドモ |・子どもたちもくじらぐもも友達にな| |深| ・一緒に体育をしよう |りたがっている気持ちをつかませる。| | | ・みんなでやると楽しいよ | | |め| ・おともだちになろう |・書くのが遅い子は、どちらか一方の| | |クジラグモ | 吹き出しが書ければよしとする。 | |る| ・空は気持ちがいいよ | | | | ・いい景色だよ | | | | ・乗せてあげるからおいで | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||* 子どもたちとくじらぐもは、ど|| | | ||んなふうに誘い合ったでしょう。 ||・「ここへおいでよう」に言葉を付け| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| 加えながら、お互いに誘い合うよう| | | −役割読み− | に役割読みをする。 | | | | | | |* 誘われた子どもたちは、何と言いま|・空へ誘われて喜ぶ子どもたちも気も| |20| したか。 | ちを読み取らせる。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |ま|6、学習のまとめをする。 | | |と|* 子どもたちとくじらぐもがお話して|・空にいるくじらぐもに呼びかけるよ| |め| いる様子が分かるように音読しましょ| うに音読させたい。 | |る| う。 | | | |・自己評価 |・マークを記入させる。 | | | | | |7|7、次時の学習予定を確認する。 |・くじらぐもに乗ろうとする子どもた| | | | ちの様子や気持ちの読み取りである| | | | ことを確認する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 7、評価  ○ 「ここへおいでよう。」と誘い合うくじらぐもと子どもたちの会話を想像して、進   んではなそうとしていたか。 ○ くじらぐもと子どもたちが良しなっていく様子を読み取ることができたか。 8、板書計画