印刷用紙:A4縦 1ページの行数:42 1行の文字数(半角文字で):80 −− 以下 指導案 本文 −− 第 4 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案  日時 ’95年9月8日(木)5校時 児童数 男子20名女子19名 計39名 指導者  濱口智  1 単元名 作品のおもしろさを(光村図書4年上) 2 教材名 アナトール、工場へ行く 3 教材について (1)学年発達段階における指導事項 4年生における指導事項の理解力を育てる面では、段落相互の関係を考えて文章 の中心的事がらを読み取ること、文章の叙述に即して内容を正しく読み取ること、 人物の気持ちの変化や場面の移り変りを想像しながら読むこと、などが物語文では 重要である。 (2)教材観 2学期最初の単元なので、年度当初の「ガオーッ」と同じように、筋がとらえや すく楽しい内容の作品で、家族に恵まれフランス一の幸せ者で世界一かしこいネズ ミである主人公のアナトールが人間の一言から自分の天職を見つけ更に幸せ者にな るというストーリーである。 この作品は、小さくは、8つの場面で構成すると考えられるが、大きく分けると 3ないし4つの場面に分けることができる。ここでは、次の4つの場面に分けて学 習を進めることとする。すなわち 1.人間から嫌われるネズミの悲しみ(初め〜P86L12) 2.思いつきを進めるアナトール(P87L1〜P93L1) 3.チーズ工場の繁盛とアナトールの満足(P93L2〜P99L3) 4.あと話(P99L3〜最後まで) である。 最初と最後に同じ『ネズミのアナトールは、フランス一、幸せ者』という文があ り、幸せ者という言葉を考えさせる表現となっている。対比的な表現も数多く使わ れている。 (3)児童観 子どもたちは、3年生の上巻最後の教材(三年とうげ)や4年生最初の教材(ガ オーッ)で、物語を最後まで興味を持って読む単元を学習してきている。 話し合いの実態は、自分の考えを持つことができるようになり、友だちの意見を 聞くことができるようになりはじめてきた。例えば、友だちの意見が理解できない 時には、少しずつ質問ができるようになってきた。しかし、まだ、少数の児童しか 友だちの意見と自分の意見を比べて聞くことができない。 (4)指導観 この単元では、アナトールに対する自分の感じ方と友だちの感じ方の違いをとら えながら感想を深めていくこととなるだろう。 自己活動としては、線引きや書き出しを活用したい。 4 指導目標 (1)関心・意欲・態度 物語の楽しさを感じようと読む。 (2)理解 文章の叙述に即して、登場人物の気持ちや行動の変化を読み取る。 (3)言語 学級で話す時、グループで話しとき、自分の考えが伝わるように適切な音量や早さ で話す。 (4)表現 話し合いの中身に応じて内容の軽重を考えて話す。 5 指導計画 (12時間扱い) +--+-------------------------------------------+------------------------------ | | 学習内容と時間 | 話し合いの内容 +--+-------------------------------------------+------------------------------ |一|・新出漢字や難解語などを学習し、音読がすら | |次|すらできるように練習する。(2) | | |・第1次感想を発表し合い、読みのめあてを持 |・第1次感想を出し合い、自分の |3|つ。 |感想を吟味する。 +--+-------------------------------------------+------------------------------ | |・第1場面を読み、アナトールのがっかりした |・アナトールの気持ちについて話 |二|気持ちを読み取る。 |し合う。 |次|・第2場面を読み、ドセットの一言から発した |・アナトールはどんな仕事をした | |アナトールの思いつきを想像し、その中身を読 |か話し合う。 | |み取る(2) | | |・第3場面の前半を読み、デュバルさんを筆頭 |・工場の様子を話し合う。 | |に工場の様子を読み取る。 | | |・第3場面の後半を読み、人間に認められた家 |・アナトールの認められた部分を | |族の喜びを読み取る。 |話し合う。 |6|・第4場面を読み、幸せ者の意味について話し |・『幸せ者』の意味を第一段落と | |合う。 (本時) |対比させながら話し合う。 +--+-------------------------------------------+------------------------------ | |・読みの方法をおさえる。 | |三|・感想を書き発表し合い自他の違いを感じる。 | |次| | |3|・第2次の話し合いで自分の考えが深まったり |・第1次感想と今の考えの深まり | |広がったりしたことに気づく。 |や広がりについて話し合う。 +--+-------------------------------------------+------------------------------ 6 本時 (1)ねらい 関心意欲態度 『幸せ者』の意味について自分なりに考えを持ちそれを友だちの意見を聞いて深め たり広げたりしようとする。 理解 段落相互の関係を考えて、『幸せ者』の意味を考えることができる。 (2)展開 ---+----------------------------------+--------------------------------------+ 階| 学習活動 | 留意点 | ---+----------------------------------+--------------------------------------+ つ |1 前時の想起をする。 | ・人間に認められ家族に喜ばれたことを | か | | 想起する。 | む |2 学習課題の確認をする。 | | 3 | 『なぜアナトールは、フランス一 | 幸せ者なんでしょう。』 | ---+----------------------------------+--------------------------------------+ 見 |3 学習場面確定のための音読をする | ・P99L4〜P100L12 | 通 | | 指名読み | す |4 ガストンと一緒に働くまでの様子 | ・秘密が続きデュバルさんがまだわかっ | | を読み取る。 | ていないことをおさえる。 | |5 読み取りのための手段の選択をす | ・サイドライン、書き出し | 5 | る。 | | ---+----------------------------------+--------------------------------------+ 広 |6 自分なりに読み取る。 | | げ | *なぜアナトールは、フランス | ・机間巡視して援助する。 | ・ | 一、幸せ者なんでしょうわかる | ・見つけられない子どもには、ヒントを | 深 | ところにサイドラインを引きま | 与えたりする。 | め | しょう。 | | る |7 フランス一、幸せ者のわけを話し | ・第2次の第1時との比較を入れながら | | 合う。 | 話し合う。 | | ・・・・・・・・・・・・・・・ | | | | ・魔ネぜフランス一幸せなのかを・ | ・板 をまとめる時に工夫する。 | |3 | ・ 話し合いましょう。 ・ | ・ガストンの会話の変化を対比としてと | | | ・・・・・・・・・・・・・・・ | らえる視点を与えたい。 | +----+----------------------------------+--------------------------------------+ | |8 話し合いが終わっての幸せの意味 | ・机間巡視して援助する。 | | と | について気づいたことをノートにま | | | め | とめる。 | | | る |9 板書を元に本時のまとめをし、方 | ・サイドライン、書き出し。 | | 7 | 法についてのおさえをする。 | ・登場人物の性格の変化も読みの視点と | | | | しておさえる。 | +----+----------------------------------+--------------------------------------+ 7 評価 関心意欲態度 『幸せ者』について自分の考えを持ち話し合いに臨めたか。 理解 段落の関係に注意しながら幸せ者について考えることができたか。 8 板書計画 9 座席表