印刷用紙:A4縦 1ページの行数:52 1行の文字数(半角文字で):74 −− 以下 指導案 本文 −− 第 5 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案  日 時 平成7年9月8日(金)5校時 児 童 5年2組 男子11名女子10名 計21名 指導者 新 井 山 浩 之 1、単元名 自然のすばらしさを(光村5年上) 2、教材名 麦畑 3、教材について  (1)学年発達段階から見た指導事項     第5学年における理解の目標は、「話し手の意図をつかみながら聞いた   り、主題や要旨を理解しながら文章を読む」ことである。この目標に迫る   ため本単元では、「人物の気持ちや、それと響き合う情景の描写を読み味  わいながら作品の主題を読み取り、感想を持つことができる」ようにする   ことが指導の重点となる。  (2)教材観   本教材は、人間の目にとまりにくい存在の小さな動物たちの目を通して   自然のすばらしさを描いている。主人公のハリネズミが、麦畑を見に行く   途中で動物をさそう。たどりついて広々とした麦畑を見入るなかで、麦の   穂のそよぎは美しい音楽となって息づき、ついには、いく千いく万の合唱   として聞こえてくる。その歌に聞き入りながら、「麦って、生きてるんだ   ね、ぼくたちみたいに。」と感動する心情を、情景描写とハリネズミたち   の会話の反復を通して描いている。つまり、麦の穂の合唱、麦畑のすばら   しさ、月夜の情景を通して、これらに感銘している生き物をも含めて、そ   れぞれの存在を互いに認め合いながら生きていることを実感できるすばら   しさを、この作品の主題として訴えている。    物語は、七つの場面で構成されている。                   1.夏の夕べに、月夜の冒険に繰り出すハリネズミの様子        2.ハリネズミの大きな道に対する考え    3.ノウサギのジャックじいさんとの出会いと道中の様子   4.カワネズミとの出会いと麦畑見物への道中の様子   5.ノウサギの若者との出会い   6.麦畑の様子と三匹の感動  7.帰り道につく三匹    本作品は、民話によく見られるような繰り返しの構造がとられている。   リズミカルな言葉づかいとともに繰り返しの表現を楽しんでいくうちに、  作者の展開の工夫を読み取れるようになっている。  (3)児童観     児童はこれまで、4年「ガオーッ」で、気持ちの変化を想像しながら、   聞き手にも伝わるように工夫して音読する学習、「アナトール、工場へ行    く」で、ストーリーの展開に沿って登場人物の行動や気持ちを想像しなが   ら読み物語の楽しさを体験する学習、5年「子ねこをだいて」で、場面ご   とに出会った人物の言動とその理由、それに対する僕の気持ちを読み取る   学習をしてきている。    叙述から気持ちを読み取ることはある程度できるようであるが、主題を   考えながら内容を読み取ることは、まだ余りできない。     話し合い活動については、活発な男子が数名いるが、意見を持っていて   も言えない子が多いようである。自由に話し合える雰囲気になっていない  のが現状である。発言の仕方については、友達の意見に関連づけて言える  子も多いので、自由に活発に発言できるような学級の雰囲気を作っていく  ことが大きな課題となっている。    (3)指導観   指導にあたっては、繰り返しの表現、リズミカルな言葉づかい、情景描   写の美しさ、巧みさに注意して読み取らせたい。     話し合い活動では、一人一人の読みを授業の核として組み立てるために    児童の一人読みを話し合いの中で高めていきたい。各自の読みの力の差、    性格、授業への構の違いを生かし、高まりのある授業にしたい。     自己活動の手だてとしては、たくみにちりばめられている情景描写をみ    んなで確認し、焦点化してから考えさせ、自分なりの意見がもてるように   していきたい。 4、指導目標 (1)関心意欲態度目標 積極的に話し合いに参加し、自分の考えを深めようとする。 (2)理解目標 人物の気持ちや、それと響き合う情景描写を読み味わいながら作品の主 の題について考えることができる。。 (3)表現目標 優れた情景描写や好きな表現を自分の作文に役立てることができる。 気持ちが伝わるように、音量、速さ、抑揚などを工夫して朗読すること ができる。 (4)言語目標 比喩表現、語句の役割などについて理解し、言語感覚について関心をも つことができる。 5、指導計画 (8時間扱い) +----+--------------------------------+--------------------------------| | | 学 習 内 容 | 話 し 合 い の 内 容 | +----+--------------------------------+--------------------------------| | 一 |・題名の意味を考え、自然のすばら |・単元名と題名「麦畑」のつながり | | 次 | しさを追求する視点を設定する。 | について考える。 | | |・全文を読んで感想を書く。 | | | |・感想を出し合い、学習計画を立て |・感想について話し合い、その中か | |(3)| る。 | ら疑問を見つける。 | +----+--------------------------------+--------------------------------| | |・一人で小道を歩いている場面で、 |・大きな道に対するハリネズミの考 | | 二 | ハリネズミの言動や情景から人間 | えについて話し合う。 | | | に対する見方・感じ方を読み取る | | | 次 |・他の動物たちと出会う場面で麦畑 |・「空のランプ」や人間のすること | | | への期待と彼らの考え、感じ方を | に対する二匹の気持ちについて話 | | | 読み取る。(2) | し合う。 | | | |・三匹の麦畑見物に対しての期待感 | | | | について話し合う。 | | |・三匹の会話と麦の穂の描写から麦 |・麦の穂が生きていることに感動し | |(4)| 畑のすばらしさを読み取る。 |た三匹の心情について話し合う。 | +----+--------------------------------+--------------------------------| | 三 |・題名にもどって「麦畑」の意味を |・題名「麦畑」の意味について話し | | 次 | 振り返り、作品の主題を読みまと | 合う。 | | | める。 | | | |・自然のすばらしさについて、自分 |・自然のすばらしさについて話し合 | |(2)| の生活や身の回りを見つめ直し、 | う。 | | | 自然に対する見方・考え方を話し | | | | 合いまとめる。 | | +----+--------------------------------+--------------------------------| 6、本時 (1)目標 関心意欲態度 ・ ノウサギのジャックじいさんがハリネズミと一緒に行こうと思ったわけを 考え、話し合いに参加することができる。 理解 ・ ハリネズミとノウサギのジャックじいさんの会話から、麦畑見物に対して の思いや人間のすることに対する考え方を読み取ることができる。 (2)展開 +----+----------------------------------+----------------------------+ |段階| 学習内容 | 指導上の留意点 | +----+----------------------------------+----------------------------+ | つ |1、前時の学習場面を想起する。 |・ハリネズミの人間に対する見 | | | | 方・感じ方を抑えておく。 | | か | | | | |2、本時の課題を把握する。 | | | む | | | | |  ジャックじいさんがハリネズミといっしょに行こうと思 | | | ったのはどうしてだろうか。 | | 5 | | | +----+----------------------------------+----------------------------+ | 見 |3、本時の学習場面を読む。 | | | | (P85L13〜P89L2) |・指名読み | | 通 | ※ ジャックじいさんがいっしょに |・会話文に着目させる。 | | |  行こうと思ったわけがわかる部分 | | | す |  を見つけながら読もう。 | | | | | | | |4、読み取りのための語句を考える。 | | | | ※ ハリネズミと出会って、ジャッ |・気持ちの変化を抑える。 | | |  クじいさんの気持ちはどのように | 低い桟にもたれている | | |  変わったか。 | 「まあまあだね。」 | | | | 「わしもつきあうよ。」 | | | ※ ジャックじいさんがいっしょに |・ハリネズミの会話 | | |  行こうと思ったわけがわかる部分 | 「このとおり、ぴんぴん〜 | | |  はどこだろう。 | 「ちょっと、あっちの〜 | | | | ジャックじいさんの会話 | | | | 「なんか変わったこと〜  | | | ※ ジャックじいさんが人間のする |・人間の生活に対する考え | | |  ことに対してどう考えているかが | 「あのランプは、黄色い〜 | |10|  わかる部分はどこだろう。 |  「あんなにすばらしい〜 | +----+----------------------------------+----------------------------+ | 広 |5、学習課題について自分の意見を持 | | | | つ。 |・ノートへの書き出し | | げ | ※ ジャックじいさんがいっしょに |・机間指導 | | |  行こうと思ったわけを考えよう。 | | | 深 | | | | |6、考えを出し合う。 |・根拠を明らかにして発表させ | | め | ※ 考えたことを発表しよう。 | る。 | | | | | | る | | | | | | | | | | | | |7、発表したことをもとに話し合う。 | | | | ※ たいくつしていたからというだ |・麦が伸びるのを見ることがす | | |  けで行こうと思ったのか。 | ばらしいことだと思っている | | | | ことに気づかせる。 | | | ※ どんなものをいいものだと思っ |・月に対する考えをわからせる | |23|  ているのか。 | | +----+----------------------------------+----------------------------+ | ま |8、課題についてのまとめをする。 |・板書をもとに本時のまとめを | | と | | 書かせる。 | | め |  | | | る |9、本時の学習の自己評価をする。 |・自己の変容を含め、感想を書 | | | | かせる。 | | 7 |10、次時の予告をする。 |  | +----+----------------------------------+----------------------------+ 7、評価 ・ ノウサギのジャックじいさんがハリネズミと一緒に行こうと思ったわけを 考え、話し合いに参加することができたか。 ・ ハリネズミとノウサギのジャックじいさんの会話から、麦畑見物に対して の思いや人間のすることに対する考え方を読み取ることができたか。 8、板書計画