印刷用紙:A4 1ページの行数:70 1行の文字数(半角文字で):80 −− 以下 指導案 本文 −−     第 6 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案                    日 時 平成7年9月8日金 5校時                    児 童 6年2組 男子13名女子13名計26名                    指導者 菊池 知宣  1.単元名 人間どうしの心の結びつきを(光村6年上)  2.教材名 花と手品師  3.教材について    1.学年発達段階から見た指導事項      第6学年の理解領域における重点目標は「目的に応じて効率的に話を聞いた     り,目的や文章の種類などに応じて正確な読み方で文章を読んだりすることが     できるようにする」ことである。この目標を達成するためには,事象と感想,     意見の関係を考えながら,話の内容を正確に聞き取る力や,目的や文章の種類     や形態などに応じて内容を正確に読み取る力,文章の叙述に即して,細かい点     にまで注意しながら内容を正確に読み取る力などを培っていく必要がある。      本単元では,「文章の叙述に即して,細かい点にまで注意しながら内容を正     確に読み取ること」を主なねらいとする。        2.教材観      本教材は,手品師であるおじさんとぼくとの心の交流を描いた作品である。     本当の手品師になりたいという夢をもつおじさんからおくられたひと粒の小さ     な黒い種を育て,咲かせたことで,ぼくはおじさんの夢を体験し,心の結び付     きを一層強めていくのである。      物語は3つの場面で構成されている。      1.手品師のおじさんの話を聞いて,おじさんに引かれていくぼく      2.おくり物の一粒の小さな黒い種を育てるぼく      3.本当の手品師の姿を見て,おじさんに共感していくぼく      3つの場面構成は,この作品においてきわめて効果的に機能しており,「ぼ     く」と「おじさん」との心温まる交流が,クライマックスにおいて幻想的な美     しい世界として象徴的に表現されている。その象徴性は,物語の構成の巧みさ     効果的な会話や倒置法などを用いての優れた表現によって自然に理解されるよ     うに仕組まれてあり,6年生の児童がイメージ豊かに読み取るのに適した教材     である。         3.児童観      本単元は,上巻・第二単元「短歌と俳句」での,情景を読み取り,その情感     を味わう学習,上巻・第五単元「石うすの歌」での,心情の変化を読み取り,     主題を考える学習を受けている。また,内容上も表現上も,できるだけ児童の     抵抗がないような,楽しく読める作品である。さらには,想像の世界の中で,     「本当の手品師」という言葉の意味を考えることで,人間の生き方について考     えを深めることができる単元である。      話し合い活動については,活発に発言しようという雰囲気にはまだなっては     いないが,何かのきっかけを欲しがっている児童が多く見られるようになって     きた。発言の仕方については,友達の意見に関連づけて言える児童が少ない。    4.指導観      指導にあたっては,「ぼく」の想像の世界の楽しさを,「ぼく」と同化しな     がら読み味わう楽しい学習になるようにしたい。      話し合い活動では,自分が読み取ったことの根拠を明らかにして発表できる     ようにさせたい。そのために,その都度発表の仕方を指導していきたい。      自己活動の手立てとしては,「ぼく」の気持ちがわかる部分をみんなで確認     したり視写させたりして焦点化してから考えさせるようにして,自分なりの意     見がもてるようにしていきたい。  4.指導目標    1.関心意欲態度目標      積極的に話し合いに参加し,自分の考えを深めようとする。    2.理解目標      会話文に注意して人物の性格や考え方を読み,「ぼく」と「おじさん」の心     の交流を読み味わうことができる。    3.表現目標      「花と手品師」を読んだ感想や考えたことを発表しあったり文章に書いたり     して,自分の感想や考えを深めることができる。    4.言語目標      慣用句や漢字の熟語について辞書で調べ,理解と関心を深めることができる。  5.指導計画 (9時間扱い) +---+---------------------------------+---------------------------------+ | |      学 習 内 容 |   話 し 合 い の 内 容 | +---+---------------------------------+---------------------------------+ | | ・題名,作者について話し合った後 | | | 一| 全文を読んで初発の感想をまとめる | | | 次|            | | | | ・新出漢字や語句を調べる。 | | | |   | | | 3.| ・初発の感想をもとに,学習課題を | ・感想を整理して,これからの学習 | | | 設定し,学習計画を立てる。 | の仕方,見通し,順序などを話し合 | | |                  | う。 | | | |          | +---+---------------------------------+---------------------------------+ | | | | | 二| ・一の場面を読んで,小包が届いた | ・おじさんの仕事やおじさんとぼく | | 次| ことや,ぼくとおじさんのふれ合い | はどのようにしてふれ合ったのかを | | | の様子,おじさんの生き方などを読 | 話し合う。            | | | み取る。             |                  | | 4.| | | | | ・二の場面を読んで,今までとは違 | ・種を大事に育て開花するまでの様 | | | ったおじさんからのおくり物の内容 | 子と,ぼくが大事に育てているとき | | | を読み取り,ぼくの気持ちを考える | の気持ちを話し合う。 | | | …(本時) | | | | | | | | ・ファンタジー世界の中で,本当の | ・本当の手品とは何かについて話し | | | 手品師となったおじさんとぼくの共 | 合う。        | | | 感を読み取る。          |     | | |                  | ・なぜ,ぼくは本当の手品師の姿を | | |                  | 見ることができたのかを話し合う。 | | |                  | | | |                  | | +---+---------------------------------+---------------------------------+ | | | | | 三| ・主題と題名とのかかわりについて | ・主題と題名とのかかわりについて | | 次| 話し合い,主題をとらえた感想文を | 話し合う。 | | 2.| 書く。    |      | |  |                  |                  | | | ・倒置表現について学習し,新出漢 | | | | 字や語句の練習をする。 | | | | |   | | | | | | | | | +---+---------------------------------+---------------------------------+  6.本 時                                     1.ねらい                    関心意欲態度                  ぼくが種を大事に育てているときの気持ちについて自分なりの意見を持ち,     話し合いに参加することができる。     理 解       ぼくが種を大事に育て開花するまでの様子を読み取ることができる。    2.展 開 +--+---------------------------------+---------------------------------+ |段階|     学 習 内 容 |   指 導 上 の 留 意 点 | +--+---------------------------------+---------------------------------+ |つ| 1.前時の学習内容を想起する。 | | |か| | | |む| 2.本時の課題を把握する。 | ・課題をノートに書かせる。 | | | | | | |  ぼくが種を大事に育てたのは | | |3| どうしてだろうか | | +--+---------------------------------+---------------------------------+ | | | | |見| 3.本時の学習場面を読む。 | ・黙読で読ませる。 | |通|  (P93L2〜P96L12) | | |す|  ※ぼくが種を大事に育てている様 | ・サイドラインを引かせる。 | | | 子が表れているところを見つけなが | | | | ら黙読しましょう。 | | |12| | | | | 4.種を大事に育ててい開花するま | | | | での様子を読み取る。       | | | |   | | | |  ※種の時の様子。 | ・たっぷり水をかけてやりました。 | | | | | | |  ※芽をだしたときの様子。 | ・よく気をつけてやりました。 | | |           |                  | | |  ※つぼみがでてきたときの様子。 | ・見のがしておくはずはない。 | | | | ・一日に三回も四回もみにいきまし | | |         | た。 等 | +--+---------------------------------+---------------------------------+ |広| | | |げ| 5.ぼくが種を大事に育ててい | | |深| る理由を考える。  | | |め| | | |る| ※どうしてぼくは種を大事に育 | ・楽しみだから | | | てているのでしょうか。  | ・待ち通しいから    | | | ※自分の考えを発表して下さい | ・花が咲くまで時間がかかるな | |25| | ・人間だけの力では花は咲かな | | | | いのだ。  | | | | | | | ※発表されたものを整理しまし | ・ぼくの真剣さに着目できるよ | | | ょう。 | うな整理をする。 | +--+---------------------------------+---------------------------------+ | | | | |ま| 6.課題についてまとめをし,自分 | | |と| の考えの変容を振り返る。 | | |め|  ※ぼくが種を大事に育てていると | ・ノートに書かせる。 | | | きの気持ちをまとめましょう。 | | | | |  花は,人間の力だけでは,咲 | |5| | かすことはできない。だれが, | | | | 美しい花を咲かすのかしりたい | | | | から。 | | | 7.感想をノートにまとめる。 | | | | | ・感想をノートに書かせる。 | | | 8.次時の予告をする。 | | +--+---------------------------------+---------------------------------+  7.評 価    ・ぼくが種を大事に育てているときの気持ちについて自分なりの意見を持ち,    話し合いに参加することができたか。                  ・ぼくが種を大事に育て開花するまでの様子を読み取ることができたか。      ・意欲的に話し合いに参加することができたか。  9.板書計画