小学校 国語科学習指導案

日 時 平成8年9月9日〜10月4日
場 所 北上市立口内小学校 第6学年
授業者 八重樫 浩二(長期研修生)
児童数 男子12名,女子12名,計24名

1 単元名・教材名 『みんなで考えよう』「国境をこえる文化」「わたしたちの生きる今」

2 単元について

(1) 教材について

 本単元は,理解活動のための教材「国境をこえる文化」と,活動示唆の文章と2つの資料から成る「わたしたちの生きる今」と題した教材とで構成されている。
 小学校6学年における説明的文章の学習の目標は,文章の叙述に即して,事象を客観的に述べているところと,書き手の感想,意見を述べているところの関係をおさえながら文章の要旨を読み取ることである。本教材「国境をこえる文化」では,第4単元『自然を見つめて』において,各段落相互の関係を読み取りながら筆者の考えをとらえる学習を受けて,さらに書き手のものの見方,考え方,感じ方等について,自分の考えをはっきりさせながら理解することをねらいとしている。
 また,「わたしたちの生きる今」では,2つの資料「人間の尊厳ー共通性とちがい」「友達とは」やその他さまざまな資料を通して,現代社会の抱える大きな課題である国際化,国際理解の在り方を理解するとともに,それは身近な友達とのつながり合いに関係すること,そして,それを自らの問題としてとらえ表現することをめざしている。
 教材「国境をこえる文化」の筆者は,さまざまな事例を挙げながら現代の子供の文化の国際化を述べ,さらに,それが人とつながり合うための真の国際理解へと発展することを求めている。その内容は,児童の知識をいっそう豊かにし,考え方を広めたり深めたりさせてくれるものである。そして,この教材を読むことによって,児童に,単に「知る」だけでなく,自分の日常生活の態度や習慣を改めなくてはならないと反省したり,世の中にもっと貢献できるためにどうしたらよいかを考えたりする能力を培うことができると考える。筆者の考えと自分の生活や考えとを比べ,自分なりの考えをもてるようにさせ,話し合いや作文等の表現活動につなげていくことのできる教材である。

(2) 児童について

 児童は今までに,説明的文章の学習をとおして,要旨を読み取ることや筆者の考えを読み取ることを経験してきている。しかし,文章の内容と自分の生活や意見とを比べながら考えを深める学習は,あまり経験していない。また,話し合いにおいては,自分の考えを発表するものの,その根拠が不明確であったり,相手の話に関連させながら話すことがうまくできないでいたりすることがみられる。これは,話題に対する自分の考えを十分もたせないままに話し合いに入ったり,相手の話をしっかりと聞いていないために自分の考えとの関連をとらえられなかったりしたためと思われる。そこで,授業では,児童に「聞く・話す」ことについて目標をもたせ,機会をとらえて指導することが大切であると思われる。

(3) 指導にあたって

 本単元の指導にあたっては,教材「国境をこえる文化」で筆者のものの見方や考え方に対する自分の考え方をはっきりさせて読む力を身に付けさせたい。そのために,次のような順序で学習を展開したい。まず,事実と感想,意見をよく見分け,区別する学習をとおして,意見や感想の表現方法を身に付けさせる。次に,事例について自力でまとめさせ筆者の意見との関連を理解させる。そして,筆者の意見と自分の生活や考え方とを比較し,自分なりの考えをもつようにさせる。この段階でグループや全体で話し合い,意見交換を行う。その際,メモ作り活動を取り入れ,友達の考えを聞き取り自分の考えを深めたり,友達の発言につなげて話したりすることができるようにさせ,対話能力を育てる。
 また,「わたしたちの生きる今」では,前教材での学習をもとに,資料を読み,感想をまとめながら,テーマに沿って意見交換を行わせ,多くの考えに触れさせることにより,今まで知らなかったことにも気づかせて自分の考えを深めさせ,表現する方法を身に付けさせる。ここでは,グループによる話し合いと1対1の対話を行わせることにより,相手と自分との共通点や相違点等に気づかせるとともに,対話によって友達を理解することも体験させたい。 

3 単元目標

(1) 関心・意欲・態度

・事実と感想,意見を読み分けながら,文化についての筆者の意見を読み取ろうとする。
・筆者のものの見方や考え方に対する自分の考え方をはっきりさせて読み,さらに自分の考えを深めていこうとする。

(2) 表現

・話題について自分の考えを深め,目的や相手に応じて話すことができる。
・文や文章の組み立ての効果を考えたり,文章全体の流れを考えたりして要旨をまとめることができる。

(3) 理解

・事例の話の内容や筆者の考え,意見や感想を読み分けながら文章の要旨を正確に読み取ることができる。
・筆者のものの見方や考え方に対する自分の考え方をはっきりさせながら読み取ることができる。

(4) 言語事項

・指示語や接続語のはたらきを理解することができる。
・新出漢字や読みかえの漢字の読み書きができる。

4 単元指導計画(11時間)

第一次 単元目標の把握----------------------------1時間
第二次 「国境をこえる文化」の読み取り-----------------6時間
第三次 考えを深める「わたしたちの生きる今」------------4時間
学習指導目標 主な学習活動
・ 「テレビゲームは,良いか悪いか」の2つのグループに分かれて討論会をし,テレビゲームについての自分の意見をもつ。
・ 「テレビゲームは,良いか悪いか」というテーマで,2つのグループに分かれて討論会を行う。
・ 「聞く・話す」学習のめあてをもつ。
・ 「国境をこえる文化」を読み,要旨を推定することができる。 ・ 新出漢字の読み、難語句等の意味を調べる。
・ 題を読み,全文を通読する。
・ 意味段落に分ける
・ 要旨を推定して書く。
・ 読みの課題と学習方法について考え,学習計画を立てることができる。
・ 全文を概観し,意味段落の内容や感想をもとに学習計画を立て,学習のめあてをもつ。
・ 事実を述べているところと,意見を述べているところの関係をおさえながら,筆者の考えを読み取り,自分の考えを深めることができる。 ・ 事実と意見を見分ける練習をする。
・ 意味段落1から筆者の意見をみつけ,その根拠となる事例をとらえる。
・ メディアについて理解する。
・ 筆者の挙げた事例についての感想の交換をする。
・ 「メディアの時代」について考えをまとめる。
・ 意味段落2で述べている筆者の意見をみつける。
・ 「バベルのとう」の事例の意味を考え筆者の意見の根拠を明らかにする。
・ 「メディアのめぐみ」について意見交換をする。
・ メディアのもたらす負の効果とその理由を読み取る。
・ 筆者の考えに自分の生活を重ねて考える。
・ 文末表現に気を付けながら,筆者の読者である子供たちへの願いを読み取る。
・ 「国境をこえる文化」の要旨を書くことができる。
・ 学習を振り返り,テレビゲームとのつき合い方について自分の考えを深めることができる。
・ 読み取ってきた意味段落の要点をもとに要旨を書く。
・ 「テレビゲームは,良いか悪いか」について意見交換の話し合いを行う。
・ テーマ「友達とのつき合い方」について学習のめあてや見通しをもつことができる。
・ 資料を読み学習のめあてをつかむ。
・ 学習の見通しをもつ。
・ 「人とちがうということ」についてグループで意見交換を行う。
・ 友達との共通点や相違点を見つけるための対話の話題を決め,話すことを考えることができる。
・ 友達理解の方法を話し合う。
・ 話の話題を決める。
・ 対話の内容を考えて書く。
10 ・ 友達と対話をし,共通点や相違点をみつけることができる。 ・ 対話の要点を理解する。
・ 対話のイメージをつかむ。
・ メモを使いながら1対1の対話をする。
・ 友達との共通点や相違点についてまとめる。
11 ・ 「友達とのつき合い方」について自分の考えをまとめ,意見文を書くことができる。 ・ 「友達とのつき合い方」について意見文を書く。
・ 書いた意見文を互いに読み合う。
・ 読んだ感想を交換し合う。

5 本時の指導

(1) 「国境をこえる文化」の読み取り(第二次 第4時)

ア 目標

・意味段落2について,事例の意味をとらえ,筆者の考えを読み取ることができる。

イ 展開


学習内容・学習活動 指導上の留意点


1 前時の学習を想起する。 ・ 意味段落1で,筆者の意見の書かれた文を確認する。
2 学習課題を理解する。 『「メディアの時代」とよばれる・・・手にしたように思われる。』
事例の意味を考え,筆者の考えを読み取ろう。


3 学習範囲を音読する。 ・ 「思い上がり」「仲たがい」の意味を確認する。
4 事例について読み取る。 ・ 学習プリントにしたがって,自分でまとめさせる。
5 筆者の考えを読み取る。 ・ 「尊い」という言葉の意味と事例を結び付けて読み取らせる。
6 「メディアのめぐみ」について学級全体で意見交換をする。 ・ メディアの種類を想起させる。
・ 司会は教師が行う。
・ 意見作りのプリントを参考にして意見を書かせる。
[意見作りのプリント]
@メディア名
Aメディアの良いところ,便利なところ
B理由(具体的事例や経験を入れて)
メモ作り
・話題に対する自分の考えを書く。
・友達の意見をメモし,共感する点,気づかなかった点,よく分からない点をメモする。
・前の発言につなげて話すために,メモを利用する。
・ 話し合いのまとめをする。 ・ 文章の中の「子供たち」を自分のこととして受け取らせる。

7 学習のまとめをする。
・ 「聞く・話す」ことの自己評価をする。
 
8 次時の学習内容を確かめる。 ・ 次時の予告をする。