印刷用紙:A4縦 1ページの行数:60 1行の文字数(半角で):88   −−以下 指導案本文−−   −−−物語的文章教材−−−         第2学年  国語科学習指導案    日 時 平成8年7月3日(水)3校時    児童数 男20名 女16名 計36名    指導者 2年2組 川崎 真里子 1.単 元 名   ようすや気持ちを考えて読もう 2.教 材 名   スイミー 3.指導にあたって  1 単元について      第2学年の理解における目標は、「事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の順序や   場面の移り変わりなどに注意しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、   易しい読み物を進んで読もうとする意欲を高める」である。このことをうけ、本単元では、  「それぞれの場面の中で、だれがどのように話しているかを読み取り、気持ちがよく表れる    ように音読して話を楽しむこと」と「スイミーの心情が、その行動や周りの情景とともにど   のように揺れ動いていくのかを読み取り、おもしろかったことや感動したことをまとめるこ   と」を主目標にしている。    本教材は、主人公が明確でありその行動も把握しやすい。これまで児童は敬体の文章に慣   れ親しんできたが、この作品では常態の文章を経験する。この常態の文章は、簡潔で歯切れ   よく、いかにもすばしっこいスイミーのイメージが浮かび上がってくる。また、体言止め、   喩・倒置法が随所に取り入れられ、場面を生き生きと描きだしている。これらの表現法を    作品の中で発見し、抜き出して視写するなどの活動を通して十分に味わわせたい。  2 児童について    児童はこれまでに、「ふきのとう」の学習において、詩的な表現や会話文から登場人物や   場面の様子をイメージ豊かに読み進める学習をしてきており、物語を読むことのおもしろさ   を体得してきている。しかし、話の筋のおもしろさには興味をひかれるが、文や言葉に着目   して様子や気持ちを読み取る力は不十分である。音読では、言葉のつながりに気をつけ、続   けて読むところと区切って読むところを区別して読む力がついてきているが、登場人物の心   情を考えて表現豊かに読むまでにはいたっていない。書くことについては、これまでの学習   において、場面の移り変わりや様子、登場人物の人柄、その時々の気持ちなどを的確にとら   える力を育てるために、中心文を視写し登場人物の様子や気持ちを書き込ませたりして、主   題にせまろうとしてきた。ほとんどの児童は、喜んで書こうとし自分なりの言葉で書くこと   ができるが、中には間違った解釈をしていたり、読み取りが浅くて書けない児童もいて個人   差が大きい。話し合いでは、自分の考えを発表することだけに終始していた1年生のころに   比べ、他の子の発表を聞いてつなげて発表することができるようになってきた。しかし、積   極的に発表しようとする子の影で、内向的な児童は恥ずかしさからかなかなか発言できず、   よく発表する児童が固定化されつつあるのが実態である。 3 指導について    指導にあたっては、スイミーや他の登場人物の様子や気持ちを見つけサイドラインを引か   せたり、中心文を視写させ様子や気持ちを書き込ませたいと考えている。また、比喩表現・  倒置法の効果的な使い方に気づかせ、挿絵を使って補足したり、動作化を取り入れたりしな  がらイメージをしっかりとらえさせたい。さらに、すぐれた表現を意図的に声に出して読ま  せたり、話し手と受け手を明確にした上で役割読みをさせたりするような音読活動も取り入  れながら作品全体に浸らせたい。    学び合いの場における話し合いでは、第一に友だちの発表をよく聞くこと。第二に、自分   の考えはみんなに聞こえる声で語尾まではっきり話すことを目標としたい。2年生の今の実   態としては、子どもたちだけで読みを交流し合うことはまだ難しいので、全体に投げかけた   り問いかけたりしながら個々の読みをかかわらせ、そのよさを全体に広げていくようにする   考えを交流する前には、自分の読みを視写文に書き込みをしたり音読してみたりする自己活   動が必要である。その上で児童一人一人の力に合わせた学び合い活動へと発展していくよう   な発言の仕方を教え取り組ませていきたい。 4.単元の目標 〈関心・意欲・態度〉    場面ごとのスイミーの様子や気持ちの変化を読み取ろうとする。  〈表現の能力〉‥‥‥ア、オ、キ    それぞれの場面で感じたことや気づいたことを書く事が出来るとともに、場面の登場人物   の気持ちが表れるように音読することができる。  〈理解の能力〉‥‥‥ウ、エ、オ、カ    スイミーの心情が、その行動や周りの情景とともに、どのように揺れ動いていくのかを読   み取ることができる。  〈言語事項〉‥‥‥‥ア、エ、オ    気持ちや色などを表す形容詞の役割に気づき、語彙を増やすことができる。 5.指導計画(15時間扱い) +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 学 習 内 容 | 学 び 合 い の 場 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |一|・全文を通読し、物語のあらすじをつかみ|・第一次感想を出し合い、自分の感想をも| |次| 好きな場面の絵を描き、初発の感想を書| とに共通課題について話し合う。 | |2| く。 2| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |二|・場面分けをし、学習課題を作り、学習計| | |次| 画(ノート作り)を立てる。 2| | |4|・新出漢字、難語句などを学習する。 2| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・兄弟と楽しく暮らすスイミーの様子を読|・スイミーと兄弟たちの楽しい様子につい| | | み取る。 1| て話し合う。 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・ひとりぼっちになってしまったスイミー|・ひとりぼっちで逃げているときのスイミ| | | の気持ちを読み取る。 (本時1)| ーの気持ちを話し合う。 | |三+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・だんだん元気を取り戻していくスイミー|・どうしてスイミーは元気を取り戻したの| | | の様子を読み取る。 1| か話し合う。 | |次+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・自分の仲間に似た小さな魚に出会ったと|・仲間を見つけたとき、スイミーはどんな| | | きのスイミーの気持ちを読み取る。 1| ことを思ったのかを話し合う。 | |6+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・うんと考えたスイミーの苦労を読み取る|・スイミーどんなことを考えたのかを話し| | | とめる。 1| 合う。 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・ぼくが目になろうと言ったときのスイミ|・スイミーが教えたことと、それを練習す| | | ーの気持ちを読み取る。 1| るみんなの様子を話し合う。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・場面ごとのスイミーの気持ちを考えなが| | |四| ら音読し、日記形式で続き話を書くこと| | |次| ができる。 2| | |3|・学習のまとめをし、「スイミー」の感想|・第1次感想との比較から、自分の考えの| | | を書く。 1| 深まりを確かめる。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6.本時の指導  1 本時の目標 〈関心・意欲・態度〉    スイミーの気持ちを、スイミーの様子や行動から読み取ろうととする。  〈表現の能力〉‥‥‥ア、オ、キ    スイミーの様子や行動からそのときの気持ちを想像して、書いたり話したりすることがで   きる。  〈理解の能力〉‥‥‥ウ、エ、オ、カ    書き込みや学び合いをもとに、場面ごとのスイミーの気持ちを読み取ることができる。  〈言語事項〉‥‥‥‥ア、エ、オ    比喩表現・倒置法の効果的な使い方がわかる。  2 本時の展開 +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |主な学習活動|教師の働きかけと期待する児童の反応|支援の内容と主な評価項目 | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |前| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |時|学習課題|スイミーたちの楽しいようすを考えよう。| | |の| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |学|まとめ さあみんな今日も一日元気に遊ぼうね。平和でいいなあ。いつまでもここ| |習| で兄弟たちとくらしたいなあ。 | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |1前時の学習|○スイミーは、だれとどのように暮ら|・前時の楽しく暮らしていた| | | の想起 | していたのでしょう。 | 様子を想起することにより| |つ| | ・小さな魚の兄弟たちと楽しく暮ら| 本時の学習課題への関心を| | | | していた。 | 高めるようにする。 | |か| | | | | |2本時の学習|○今日の学習課題は何ですか。 | | |む| 課題の確認| +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | | | スイミーがひとりでにげているときの気もちを考えよう。| | | | ◇一斉読 | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |3学習の見通|○課題を解決するために、どんなこと|・読み取りの視点を明らかに| |見| し | に気をつけて読めばいいですか。 | し、課題に着目させる。 | | | | ・スイミーの気持ちがよくわかると| | |通| | ころ | | | | |○スイミーの気持ちがよくわかる文は| | |す| | どこでしょう。 | | | | | ・こわかった。さびしかった。とて| | | | | もかなしかった。 | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |4学習場面の|○スイミーの気持ちやまぐろの様子に|・読み取りの視点にそって、| | | 音読 | 気をつけて読みましょう。 | おそろしいまぐろの様子や| | | | ・はっきりした発音や音声で音読す| ひとりぼっちになったスイ| | | ◇一斉読 | る。 | ミーの気持ちに気をつけな| | | | | がら音読させるようにする| | | | | | |ふ|5ある日の出|○スイミーたちのところにつっこんで|・まぐろの絵を黒板に提示し| | | 来事の読み| きたのは、どんなまぐろですか。| つっこんできたまぐろの様| | | 取り | ・おそろしいまぐろ | 子を具体的にイメージでき| | | | ・おなかをすかせたまぐろ | るようにする。 | |か| ◇サイドラ|○まぐろのおそろしい様子は、どの文|★まぐろの様子のわかる文に| | | イン | や言葉でからわかりますか。 | サイドラインを引くことが| | | ◇話し合い| ・すごいはやさ | できたか。 | | | | ・ミサイルみたい |・一つ一つの言葉のイメージ| |め| | ・つっこんできた | は、話し合いで深める。| | | | ・一口で、いっぴきのこらずのみこ| | | | | んだ | | | | ◇動作化 |○すごい速さでつっこんできたまぐろ|・黒板に提示したまぐろや赤| |る| | を表現してみましょう。 | い魚たちを使って、まぐろ| | | | | がつっこんできた様子を表| | | | | 現させる。 | | | | | | | | |○どうして、スイミーだけにげること|・ここまでおさえてきたまぐ| | | | ができたのでしょう。 | の様子をふまえ、いかにス| | | | ・泳ぐのがだれよりも速かったから| イミーが速いのかを感じ取| | | | ・まぐろよりも速かったから | らせるようにする。 | | | | | | | |6ひとりぼっ|○ひとりでにげたスイミーの様子や気| | | | っちになっ| 持ちのわかるところを視写しましょ| | | | てしまった| う。 | | | | スイミーの|+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | 気持ちの読|| スイミーはおよいだ、くらい海|| | | | み取り ||のそこを。くらかった。さびしか|| | | | ◇視写 ||った。とてもかなしかった。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | |○スイミーがひとりでおよいでいた海|・倒置法の表現に気づかせ、| | | | の様子はどうだったでしょう。 | スイミーに気持ちをより効| | | | ・暗い | 果的に表していることに気| | | | ・仲間がだれもいない | づかせる。 | |ふ| ◇書き込み|○大事な言葉に、なぜスイミーがそう|・三つの気持ちは、それぞれ| | | | いう気持ちになったのか書き込みを| 違った気持ちであることを| | | | しましょう。 | おさえた上で書き込ませる| |か| | ・まぐろがおそってくるかもしれな| ようにする。 | | | | い |★スイミーの気持ちを想像し| | | | ・ひとりぼっちになってしまった | 書き込めたか。 | |め| | ・兄弟がみんな死んでしまった | | | | ◇話し合い|○書き込んだことを発表しましょう。|★書き込んだことをもとに自| | | | | 分の考えを話すことができ| |る| | | たか。 | | | | | | | |7課題に対す|○ひとりでにげているときのスイミー|★スイミーの気持ちを想像し| | | るまとめ| は、どんなことを言ったのだろう。| 自分なりの言葉で書くこと| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| ができたか。 | | | || ぼくはひとりぼっちになってし|| | | | ||まった。さびしいよ。もういちど|| | | | ||きょうだいたちに会いたい。たす|| | | | ||けてあげたかった。もうあえない|| | | | ||なんてかなしいよ。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |ま|8学習場面の|○今日学習したところを気持ちをこめ|・音読により、そのときどき| |と| 音読 | て読みましょう。 | の登場人物の様子や気持ち| |め| ◇一斉読 | | を感じ取らせたい。 | |る|9次時の学習|○次の時間は、スイミーが元気を取り|・次時の学習への意欲化を図| | | 内容の確認| 戻していく場面を勉強します。 | る。 | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | |次| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |時|学習課題|スイミーはどのようにして元気をとりもどしたのだろう。| | |の| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |学|まとめ 海ってこんなに素晴らしいものがたくさんあったのか。かなしいことをわ| |習| すれていたよ。兄弟たちにも見せてあげたかったな。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+     《子どもたちの様子》 +−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+ | | | | | 写真 | | 写真 | | | | | +−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+     《ノートから》 +−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+ | | | | | 資料 | | 資料 | | | | | +−−−−−−−−+ +−−−−−−−−+     《板書事項》 +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 資料 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 7. 授業の記録(一人学びから学び合いの場面を中心に) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  |T スイミーは、今、海のそこをどんな気持|T なぜさみしかったのでしょう。 | | ちで泳いでいるでしょう。 |C なかまがいないからです。 | |C こわかった、さびしかった、とてもかな|C 赤い魚たちとはぐれたからです。 | | しかったです。 |C 一人ぼっちだからです。 | |T この三つの気持ちは、みんな同じ気持ち|C だれもいないからです。 | | ですか。 |T 一番強い気持ちの、どうしてとても悲し| |C 一つ一つちがう。 | かったのでしょう。 | |T この中で一番強い気持ちはどれだろう。|C 赤い魚たちをまぐろが一口でのみこんだ| |C とてもかなしかったです。 | からです。 | |T なぜそう思いましたか。 |C なかまがまぐろに食べられたから、とて| |C 「とても」がついているからです。 | もかなしい気持ちになったと思います。| |T 今日は、この文に書き込みをしてもらい|C 最初は一匹だったけど、今度は集団でく| | ます。スイミーは、何がこわかったのか。| るかもしれないからです。 | | どうしてさびしかったのか。どうしてとて|C 小さな赤い魚たちが一匹残らずのみこま| | もかなしかったのか。そのわけを書いて下| れてしまったからです。 | | さい。 |C 一人だったからです。 | | −−−書き込み−−− |C 仲間たちが食べられたからです。 | |T 何がこわかったのでしょうか。 |T それでは、スイミーの気持ちをまとめて| |C くらいからです。 | みましょう。 | |C だれもいなくなったからです。 | −−−−(以下省略)−−−− | |C こわいまぐろがまた来るかもしれないと| | | 思っているからです。 | | |C みんながいないとこわいからです。 | | |C くらい海のそこを泳いでいたからです。| | |C くらいところだからです。 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 8.考 察  ○ 前時想起について    つかむ段階での前時想起についての意味が指導案の中に位置づけられている。内容理解で   はなくて、文章構成の中身に関わる内容で前時想起がなされている。スイミーでは、前時の   スイミーの気持ちが想起されている。あくまでもその教材でねらっていく場面の想起をしな   がら本時の授業に入ることが大切である。  ○ 一人学びの活動場面と学び合いの時間保障について    個々の児童にどれくらいの時間を保障して一人学びを行わせるかについては、学習範囲や   内容、ねらいによって異なってくるが、いたずらに読み取りの時間を長びかせる必要はない   自力解決で読み取りの力が不足している子どもに対しては、むしろお互いの意見交流の場面   から、自分の考えを見いだせるという学び合い場面の有効性を生かすべきである。    一人学びの活動は、自分の考えを全て書き込むことを目的とするのではなく、自分の考え   の基礎を書きとどめることにより、その後の学び合いによって考えを修正、発展させ、自分   の考えを豊かにさせる目的をもつ。一人学びで自分の意見や考えをもつことのできなかった   子どもたちも、自分なりの考えをこの場でもつことにより、学習に対する参加意識を感じる   ことになる。本時の授業で精査の段階に多少時間を取りすぎたが、与えられた一人学びの時   間の中で子どもたちはよく読み取り、自分の読みが学び合いに生かされていた。  ○ 学び合いの視点のずれの取り扱いについて    子どもにはじをかかせないということが基本である。しかし、文章ですぐ決着がつくよう   な問題やそこが本時の学習で練り合いたい場面であれば、意図的に取り上げる必要があるで   あろう指導者は、常に読み取りの視点がどこに向けられているのかを意識して、児童の活動   を見守る必要がある。  ○ 子どもの側にたつ授業    子どもが活動した内容を、常に指導者は認めていかないと子どもは意欲を失ってしまう。   そのことを今日の授業の中では常に意識しながら取り上げて行っている。評価をする言葉が   非常に多い。どの子の発表に対しても教師が寄り添いながら子どもの活動や考えを認めてい   る。また、そのための具体的な学習活動とそれに対する手だてがとられていた。