印刷用紙:B5縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−           山田南小学校第2学年 国語科学習指導案                  日 時 平成8年9月10日(火) 5校時                  児 童 2年1組(男14名 女18名 計32名)                  指導者 渡 辺 一 彦 1 単元名      みんなに教えてあげたいな 2 教材名      とびばことび 3 単元について  (1)教材について  第2学年の表現の目標は「事柄の順序がはっきりするように,整理して話し たり,語や文の続き方に注意して文章を書いたりすることができるようにする とともに,正しく表現しようとする態度を育てる。」ということである。  本単元では,生活経験や行動が広がり,話題も豊かになるこの時期に,遊び や学習の中で工夫したことや知っていることを友達に伝えようとし,そのため によく分かるように順序を考えて文章を書くことをねらいとしている。  本教材は,体育の時間,跳び箱からの下り方の体験をもとにした「ヘリコプ タ−おり」と「うさぎおり」の2つの例文をあげている。  構成を見ると,どちらの例文も「書き出し」「跳び下り方の説明」「結び」 の順で書かれている。はじめの部分になる「書き出し」では技の名前やつけた わけを書いている。中の部分になる「跳び下り方の説明」では,やり方の順序 を書き,終わりの部分「結び」では思ったことや呼びかけの文を書いている。 「初め」「中」「終わり」という前作文単元「たのしかったこと」で学習した 基本的な構成を使っている。また,「中」の部分では順序を表す言葉を使って 読み手によく分かる作文が書けるようにしている。  (2)児童について  児童は,生活範囲が広がってきて意欲的な行動が目立ってきている。教科で は「国語が大好き」と答える子が多い。「文を書くのが好き」と答える子もい る反面,作文となるとしり込みする子も少なくない。週2,3日の日記では, 自分が経験したことや出来事を書くことができる。また,自分の想いを書ける ようになってきた。  2年生が興味や関心を持って意欲的に作文を書くためには,物事を見つめる 目を育て,取材する力をつけていくことが大切である。そこで,前作文単元の 「たのしかったこと」では学校のまわりを探検させ,見つけたこと,聞こえた こと,触ったことなど,五感を意識するように働きかけてきた。また,時間の 順序をしっかりおさえて書くことを学習してきた。その結果,進んでたくさん のことを書こうとする子や,五感を意識する子,時間の順序にしたがって書こ うとする子がでてきた。  ほとんどの子は文として書けるが,主述の関係はまだあいまいであったり, 不明瞭な文を書く子もいる。表記面から見ると,助詞「は,へ,を」を間違え たり,「」を使えなかったりする子もいるが,意識して正しく使おうという気 持ちが出てきている。  (3)指導にあたって  本単元の指導を通して,児童一人一人が自分の体験を積極的に文章に表現し ようとする態度や能力を育てていきたい。そこで,何のために,だれに教える 文を書くのかという,書く目的と相手意識をしっかり持たせ文章を書けるよう にしていく。  取材の段階では,児童一人一人が興味や関心を持って,意欲的に取り組める ような体験を仕組んでいく。生活科の「サラダパ−ティ−」を題材にして,2 組に自分だけのサラダの作り方を教えることを意識させ,取材するようにさせ たい。構成の段階では,自分が紹介しようとすることを,どんな順序で書くの かをよく考えさせたい。文章全体を大きく3つに分け「中」に順序を表す言葉 を入れながら,構成表を作るようにさせたい。  記述の段階では,教えたいことを思い起こす場をつくり,話し合いの中から ,作り方の順序を確かめる。相手意識を明確にするために,読み手に呼びかける ように書いていくようにする。読み手がわかるように伝えるためには,行動や 気持ちなどを書くとよいことを思い出させ,「」を使ったり説明的表現で書い たりさせる。  推敲の段階では,文章を読み返し,間違いを正そうとする態度を育てたい。 また,隣同士で作文を交換しあい,友達のよさを認める気持ちを育てていきた い。 4 単元の目標   <関心・意欲・態度> 自分の経験した出来事を読み手に伝えたいという意欲を持ち,教えたいことを 分かりやすく書こうとする。   <表現> 教えたいことを順序よく書き表すことができる。   <理解> 読み手に伝えるためには順序を表す言葉を使い,文末には説明的表現で書くこ とが分かる。   <言語事項> 書いた文章を読み返し,言葉や表記の間違いを直すことができる。 5 指導計画(8時間)   第一次 (3時間) ○教材文を読み,学習のめあてをつかむ。−−−−−−−−−−−−−(1)     ・教えてあげたいことを書く学習であることを知る。     ・相手意識や目的意識を明確にする。 ○教材文の組み立てや文の続き方についてつかむ。−−−−−−−−−(1)     ・教材文のいいところを見つける。     ・紹介するための書き方と順序をワ−クシ−トにまとめる。 ○教材文を参考に,自分がやった「おりかた」を書いてみる。−−−−(1)     ・書き方を教材文で調べる。     ・自分なりの「おりかた」を教材文のように書いてみる。     ・発表する。   第二次 (3時間) ○教えてあげたいことについて取材する。−−−−−−−−−−−−−(1)     ・サラダの名前を決める。     ・サラダ作りのメモを書く。 ○構成表を作る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(1)     ・サラダの名前をつけたわけを書く。     ・どんな順序で書くか考え,構成表を作る。 ○構成表をもとに作文を書く。−−−−−−−−−−−−−−−−−−(1)     ・サラダの作り方をよく思い出して,順序に気をつけて書く。  <本時>   第三次 (2時間) ○書いた文を読み直し,推敲する。−−−−−−−−−−−−−−−−(1)     ・付け加えたり間違いを直したりする。 ○自分の書いた作文を発表する。−−−−−−−−−−−−−−−−−(1)     ・2組を招待して発表会をする。 6 本時の指導  (1)本時の仮説  教えたいことや順序を表す言葉の大切さを確かめることにより,意欲的に書 くことができるのではないか。  (2)目標     <関心・意欲・態度>  教えたい事柄を相手に伝わるように書こうとする。     <表現>  教えたい事柄が分かるように順序を考えて書くことができる。     <言語事項>  順序を表す言葉を使うことができる。   (3)展開 +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |「サラダ作りの順序を考えながら,構成表を作ってみよう」| | 前時の学習内容 |を課題として,教えたい事柄の順序を考えたり,名前をつけ| | |たわけを考えたりして構成表を作った。 | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | 学習活動 | 主発問と指示・予想される反応 | 支援と評価の工夫 | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |1 相手意識を持|◎サラダの作り方を、誰に教えるの|・教える目的と誰に教| |つ| つ。 | ですか。 | えたいのかをしっか| | | | ・2組のみんなです。 | り意識させる。 | |か| | | | | |2 学習課題をつ|+−−−−−−−−−−−−−−+| | |む| かむ。 || 自分だけのサラダの作り方を||・自分だけのサラダの| |3| ||2組のみんなに教えよう。 || 作り方を題材とする| |分| |+−−−−−−−−−−−−−−+| | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |3 教えたい事柄|◎どんなサラダの名前を考えたか発|・子供の側にたって共| | | を確かめる。| 表しましょう。 | 感的に理解する。 | | | | ・ミニトマトサラダ。 |・どのようなことを教| |見| | ・ス−パ−サラダ。 | えたいかを確かめ,| | | | ・シ−チキンサラダ。 | 励ます。 | | | | | (評価@) | |通|4 教材文で書き|◎しんや君やさほさんは,作文を書| | | | 方を確かめる| く時,どんなことに気をつけてい| | | | | たでしょう。 | | |す| | ・順序を表す言葉を使う。 |・順序を表す言葉を確| | | | | 認する。 | | | | ・ていねいな言葉で書く。 |・文末表現に着目させ| | | | | る。 | |10| | ・名前をつけたわけを書く。 |・書き出しに着目させ| |分| | | る。 | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |5 作文を書く。|●自分だけのサラダの作り方を書き|・書き出しは,一斉に| | | | ましょう。 | 書く。 | | | | | | |ふ| | | | | | |◇順序を思い出せなくて,書けない|・構成表を見ながら問| | | | でいる。 | いかけ,思い起こさ| |か| | | せるようにする。 | | | | | | |め| |◇話し言葉や様子など具体的事例を|・板書や掲示を参考に| | | | 書けないでいる。 | 書きたかったことを| |る| | | 思い出させるように| | | | | する。 | | | | |・様子や気持ちも書く| | | | | ように聞き出す。 | | | | | | | | |◇書き終える。 |・読み直しをさせるよ| | | | | うにする。 | | | | |・推敲の練習をさせる| | | | | ようにする。 | |17| | | | |分| | | (評価AB)| +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |6 作文を発表す|◎友達の作文のよいところは,どこ|・観点と比較して確認| |ま| る。 | ですか。 | をさせる。 | | | | | | |と| | | | | |7 自己評価をす|●今日は,自分の教えたいことを書|・自己評価カ−ドに記| |め| る。 | くことができましたか。 | 入させ,意欲化を図| | | | | る。 | |る| | | (評価@) | | | | | | | |8 次時の学習内|●次の時間は,清書します。 |・ていねいに清書する| |15| 容を知る。 | | ことを知らせる。 | |分| | | | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |「書いた作文を見なおしながら正しく書きなおそう」を課題| | 次時の学習内容 |として,順序通り書かれているか,言葉の使い方が間違って| | |いないかを確かめながら推敲する。 | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+               (◎主発問 ●指示 ・予想される反応 ◇支援対象児) (4)評価    @教えたい事柄を相手に伝わるように書こうとしていたか。                          (発表・作文・自己評価)    A教えたい事柄を順序よく書くことができたか。(作文)    B順序を表す言葉を使うことができたか。   (作文)