印刷用紙:B5縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−             山田南小学校第3学年 国語科学習指導案                   日 時 平成8年9月10日(火) 5校時                   児 童 3年1組(男14名 女15名 計29名)                   指導者 市 村 康 之 1 単元名       書きたいことを分かりやすく 2 教材名       説明書を作ろう 3 単元について  (1)教材について 第3学年の表現の目標は,「表現する内容の要点が分かるように,区切りを     考えて話したり,事柄ごとにまとまりのある簡単な構成の文章を書いたりする     ことができるようにするとともに,分かりやすく表現しようとする態度を育て     る。」ということである。  この単元は,自分が得意なものについて説明書を書き,相手に分かるように     順序立てて書くことがねらいである。生活文とは異なり,感情表現や描写は交     えない「説明書」を書くことがこの教材の大きな特色である。  運動や遊びなどの中には,友達が得意で自分は不得意だというものがいくつ     かある。と同時に,その逆もありうる。「説明文を書く」という切り込み方で     なく,友達に自分の得意なもの,自分の知っているものを説明するという題材     により,説明的な文体にも慣れ,学習に対する興味を喚起できると思われる。  教材文では,「一輪車に乗れる」ようになることについて書かれている。読     み手に分かりやすく伝えるための主な工夫として,@前書きの部分に,目次を     入れるA一日ごとに分け,小見出しをつけるB分かりにくいところには,絵を     入れるなどが挙げられる。また,この教材は,全て横書きで書かれており,横     書き文の書き方を理解することができる。  何のために書くかという目的意識をもち,説明的な文体に慣れさせる説明文     として,適切な教材である。  (2)児童について 児童はこれまでに作文単元「書きたいことの中心をくわしく」で,自分の体     験したことについて,書きたいことの中心を明確にし,その中心部分を膨らま     すことにより,読み手に自分の伝えたいことをより分かりやすく伝えられるこ     とを学習してきた。記述の段階では,伝えたいと思うことを膨らませずに,な     かなか書き進められない児童が3名いた。しかし,自分が一番書きたいと思う     ことを題材として選んで書いたので意欲的に学習できた子が多かった。  日記においては,したことの羅列になってしまう子が多かったが,「書きた     いことの中心をくわしく」の学習後では,徐々に読み手を意識して詳しく書こ     うとする子が増えてきた。また,文章を書くことに対して抵抗感をもつ子が少     なくなってきており,行事が終わった後には,子どもから「作文を書きたい。     」という声も聞こえるようになってきている。  作文実態調査では,20分間で平均230字の文章を書くことが出来ていた。     しかし,少ない子で30字,多い子で500字と個人差がある。そのため記述     の段階では,作業速度に個人差があると考えられるので,題材選定の段階から,     取材意識を十分にもたせるようにさせたい。  (3)指導にあたって 題材決定の段階では,友達の発表を聞き合えるようにし,その中で自分の経     験を思い起こさせ題材を決めるようにさせる。その際,ただ単に題材を決める     だけではなく,取材意識をもたせたい。また,題材決定に時間のかかる児童が     いると思われるので,日常の生活の中でも振り返れるよう働きかけていく。  構成の時間は特に設けていないが,項目(目次)を立てることが構成を考え     ることになる。その際,教材文や教師の提示した例を参考にしながら項目の立     て方を理解させ,記述へと生かせるようにさせたい。  記述の段階では,横書き文の書き方を理解させ,書き慣れるようにさせたい。     また,生活文のように感情表現や描写を加えるのではなく,読んだ人が分かる     ように自分なりに試行錯誤した経験を思い起こさせながら,客観的に書かせて     いきたい。  推敲の段階では,誤字,脱字,主述の不適切な文などの間違いを正し清書さ     せる。その後,「名人,博士発表会」を開き,どの子も自分の書いた作品を発     表できる場を設定することにより,書く目的を明確にし,単元を通して意欲的     に学習できるようにさせたい。 4 単元の目標   <関心・意欲・態度> 学習したことや遊んだことの中から書く材料を積極的に選び,説明書を書こう     とする。   <表現> 説明しようとする事柄をよく観察したり,思い起こしたりして,読み手によく     分かるように,工夫しながら説明書を書くことができる。   <理解> 教材文を参考にして,説明書の書き方を理解することができる。   <言語事項> 横書きの表記法を知り,横書きで文章を書くことができる。 5 指導計画(14時間)   第一次(2時間) ○説明書をもとに,実行したり作ったりした経験を話し合い,説明書の特徴に      気付く。                         (1)     ・説明書を使った経験を話し合う。     ・説明書を見て気がついたことをまとめる。 ○できること発表会を開き,題材選定の目を広げる。       (1)     ・自分の得意なことやできることを発表し合う。   第二次(9時間) ○自分の得意なことやできることの中から,題材を選定する。   (1)     ・得意なこと,できることの中から,クラスのみんなに教えた      いものを選ぶ。     ・各自の選定した題材を発表する。    ○教材文をもとに説明書の書き方を理解する。          (2)     ・教材文を読んで説明書の書き方を理解する。     ・教材文を読んで,説明書を書くための工夫や配慮を知る。    ○目次を立てる。                       (1)     ・目次の立て方を考える。                 <本時>     ・目次を立てる。    ○目次の順に説明を書く。                   (2)     ・教材文を参考に説明の書き方を考える。     ・常体で,できるだけ一文が短くなるように説明を書く。    ○説明の絵図をできるだけ読み手に分かるように描く。      (1)     ・部位の細部,強調する点を明確にする。     ・全体の様子が分かるように説明の絵図を描く。    ○書いた文を読み返しながら,ちょっと一言を付け加える。    (1)     ・書いた文を読み返し,誤字,脱字,主述の不適切な文などを正す。     ・読み手に役立つことを考えて「ちょっとひと言」を付け加える。    ○推敲し,清書する。                     (1)     ・誤字,脱字,主述の不適切な文などを正しながら清書する。   第三次(3時間)    ○発表会を開き,工夫して書かれている点を見つける。      (2)     ・書いた説明書を発表する。     ・工夫して書かれている点を見つけ発表し合う。    ○説明書をもとに実際にやってみる。              (1)     ・友達の説明書の中から自分の挑戦してみたいものを選び,実際にやって      みる。     ・やってみての感想を発表し合う。 6 本時の指導  (1)本時の仮説      教材文や教師の参考例をもとにすることにより,項目(目次)の立て方     を理解し,意欲的に説明書の構成を考えることができるのではないか。  (2)目標     <関心・意欲・態度>       自分の経験を思い出しながら,説明書の項目を立てようとする。     <表現>       読み手に分かりやすく書けるように説明の項目を立て,説明書の構成      を考えることができる。     <理解>       読み手に分かりやすく説明するための項目の立て方を理解することが      できる。  (3)展開 +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 前時の学習内容 |「馬場さんの説明書で工夫していることをみつけよう。」と| | |いう学習課題により,教材文の標題,目次,説明部分の工夫| | |点を見つけ,説明書の書き方を理解した。      | +−+−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 | 主発問と指示・予想される反応 |支援と評価の工夫| +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |1 学習内容をつかむ|◎みんなが決めた題材をもとに、|・前時までに決め| | |          | 今日はどんな勉強をしますか。| た児童の題材を| |つ|          | ・説明書を書く | 一覧表にし、誰| | |          | ・題を考える        | が何について書| |か| | ・目次を書く        | こうとしている| | | | +−−−−−−−−−−−+ | かが分かるよう| |む|2 学習課題をつかむ| |読む人にできそうだと思| | 掲示しておく。| | | | |わせる目次を考えよう。| | | |3| | +−−−−−−−−−−−+ | | |分| |               | | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |見|3 項目(目次)の立|◎馬場さんの作文では分かりやす|・教材の目次の立| | | て方を考える。 | くするためにどんな工夫をして| て方の工夫をつ| |通| | いますか。        | かませるために| | | | ・短く書いている | 教師が考えた悪| |す| | ・できるまでのことを細かく | い例の目次を提| | | | 書いている。 | 示し、比較しな| | | | ・できることから書いている。| がら考えられる| |7| | ・読む人に呼びかけるように書| ようにする。 | |分| | いている。 | (評価B)| +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |ふ|4 説明書の項目を |●説明書の目次を考えて、カード| | | | 書く。   | に書きましょう。 | | |か| | ◇何を書けばよいか分からない|・教師が考えたい| | | | | くつかの例を提| |め| | | 示し、参考にさ| | | | | せる。 | |る| | | | | | | ◇目次を細かい段階に分けるこ|・教師が質問する| | | | とができない。 | 形で個別指導す| | | | | る。 | | | | | | | | | ◇書きおえている   。 |・指示カードをも| | | | | よに項目の順番| | | | | 内容を見直し、| | | | | 目次部分を清書| | | | | させる。 | | | | |・終わった子どう| |27| | | しで交換し、読| |分| | | みあわせる。 | | | | | (評価@)| +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |ま|5 学習のまとめを |●書いた目次を発表しましょう。|・実際にできるよ| | | する。 | | うになるかどう| |と| | | かを考えさせな| | | | | がら聞くように| |め| | | させる。 | | | | | | |る| |●今日の学習を振り返って、カー| | | | | ドに書きましょう。 | | | | | | | |8|6 次時の学習内容を|●次の時間は、目次をもとに、説| (評価A)| |分| 確認する。 | 明書を書きます。 | | +−+−−−−−−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |次時の学習内容 |「短い文で説明の文を書こう」という学習課題により、考え| | |た項目に従って、読み手に分かるように説明書の記述部分を| | |書く。 | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (◎主発問  ●指示  ・予想される反応  ◇支援対象児)  (4)評価     @自分の経験を思い出しながら,説明の項目を立てようとしたか。                               (観察・自己評価)     A読み手に分かりやすく書けるように,説明の項目を立て,説明書の構成      を考えることができたか。             (観察・作文)     B読み手に分かりやすく説明するための項目の立て方を理解することがで      きたか。                     (観察・挙手)