印刷用紙:B4横 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):104   −−以下 指導案本文−−   第 五 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案 日 時 平成八年九月二十七日(金)   児童数 男 一名 女 五名 計 六名   指導者 菅原 しのぶ 一、単元名 七.みんなで考えよう(説明文) 二、教材名 「一秒が一年をこわす」 伊藤 和明 「わたしたちの生きる地球」 三、単元について (一)教材について 本単元に関わる第五学年の理解の指導事項の一つに、「文章の主題や要旨を考えながら内容を読み取ること」   がある。この事項を受けて、本単元では「段落の要点や段落相互の関係に注意して読み、文章全体を通して筆者   が述べようとしている要旨をとらえることによって、環境問題について関心を持つことができること」を主な目   標としている。    本単元は、「一秒が一年をこわす」と「わたしたちの生きる地球」の二教材で構成されている。「一秒が一年   をこわす」は、全部で十五の形式段落からなり、大きく三つに分けられる。形式段落1.〜8.では、科学技術の発   達と地球環境の悪化について述べ、形式段落9.〜11では、人類の誕生と進化に伴って環境破壊が進み、人類の未   来までもがあやうくなっていることを述べている。形式段落12〜15では、地球の歴史を一年にたとえながら、環   境問題を引き起こした人類のおごりや筆者の訴えが述べられ、文章全体がしめくくられている。    環境問題は、児童にとっては身近で目にふれやすい問題であり、筆者の地球環境に対する考えを読み取った上   で、筆者の考えに対してのそれぞれの子どもの感動・意見を持たせることができる。 「わたしたちの生きる地球」では、第一教材での感想をふまえて、<資料1 ホタルの住む水辺><資料2 小   学生新聞の記事の一部>の二つの資料を読み、感想を深める。さらに、地球環境に関する資料を身の回りから   ら集めて、調べたり考えたりする。これらの三つのものから得た知識・情報・自分の考えをもとにして、わたし   たちの住む地球について、みんなで話し合ったり、自分の考えを文章に表したりすることを目指している。 (二)児童について これまでに児童は、五年生の最初の説明文教材である「地図が見せる世界」「大陸は動く」で、筆者がどのよ   うに文章の構成や叙述の仕方について工夫しているか注意して読み、要旨をとらえる学習をしてきた。要旨につ   いては、意味段落ごとの要点を書き出し、それをまとめてとらえさせた。意味段落ごとの要点をまとめたり、要   旨をまとめたりすることは、教師の援助をかなり必要とし、時間がかかる児童が多かったが、中心文をもとにし   て、つなぎあわせることによりなんとかまとめることができた。また、二教材とも「問題提示−実証−まとめ」   という基本的な構成になっていることもあり、文末表現に気をつけさせることにより、筆者の表現の工夫につい   ても気づくことができた。  本単元では、前の説明文の学習を生かし、要旨をとらえ文章全体から筆者の考えを読み取り、自分の意見を持   つことができるようさせたい。そのためには、筆者が読者に訴えようとしている中心となる考えをとらえること   が大切となるが「一秒が一年をこわす」という題に着目させ、「一秒」「一年」が何をたとえているか、考えさ   せる活動を取り入れていきたい。    一人学びについては、文章表現や文末表現に気をつけて意味段落ごとに要点をまとめる作業を行ってきた。要   点のまとめ方には、自分なりに短い言葉でまとめられる子、教科書の抜き書きの子、と差があるが、「書く」こ   とはあまり抵抗を示さずに作業を進められるようになってきている。 (三)指導について この単元の学習を進めるにあたっては、知識や情報を収集して、環境問題に関心を持ち、環境問題に対して、   自分の考えを明確にしていくことが大切である。そのために、環境について書かれた資料を新聞・雑誌・他教科   の教科書や資料から集め、まとめさせるようにしたい。段落ごとに読み深める学習については、ワークシートを   使用し、説明されている内容を自分で読み取らせ、それを話し合いで確かめ、深め、筆者の主張やそれに対する   自分の考えをまとめさせていきたい。また本単元には、接続語が多く使われていること、根拠となる数字を挙げ   て説得力を持たせているという、表現上の工夫がある。この筆者の工夫について気づかせ作文の学習にいかして   いきたい。  本時の指導では、便利な生活が地球環境に及ぼす影響について、「例えば」「また」「さらに」「そのうえ」   という接続語を手がかりに四つの事例に分けてワークシートにまとめさせていく。そして、この一人学びで読み   取ったことを、話し合いの中で確かめ深めていく中で、四つの事例がそれぞれに関連し合い、人類の未来までも   が危うくなっていることに気づかせたい。 四、単元の目標 ◎環境問題について興味・関心を持ち、「一秒が一年をこわす」を進んで読んだり調べたりしようとする。 (関心・意欲・態度) ◎「一秒が一年をこわす」で説明されている内容を、段落の要点や段落相互の関係に注意して読み、文章全体を通 して、筆者が述べようとしている要旨をとらえることができる。             (理解 ウエク)  ○「わたしたちの生きる地球」を読んだり、身の回りから資料を集めたりして、わたしたちの住む地球について関   心を深め、自分の考えを明確にして話し合い、自分の考えが明確に表れるように構成を考えて書くことができる (表現 イオカクコ  理解 アウキ)  ○文と文、段落と段落の連接関係を考えて指示語や接続語を適切に使うことができる。    (言語 カアイ) 五、指導計画(十四時間扱い) 第一次 「一秒が一年をこわす」の全文を読み通し、学習計画を立てる。             二時間    ・全文を読み、難語句を確かめ、感想を書く。                      1.     ・学習課題を作り、学習計画を立てる。                         1.  第二次 段落ごとに読み深める。                    六時間     ・科学技術の発達について読み取る。      1.    ・便利な生活が地球環境にどんな影響を及ぼしているかを読み取る。   1.本時    ・地球の誕生と生命誕生、人類の活動について読み取る。   1.    ・人類の活動が地球環境を壊し、未来を危うくしていることを読み取る。   1.    ・題名と内容を結び付けながら読み、筆者の意図をとらえる。               1. ・要旨をまとめ、自分の考えを書く。           1. 第三次 環境問題について、調べたことや自分の考えを生かして作文を書く。 五時間      ・教材文を読み、どのようなことを訴えているのか話し合う。  1.     ・環境問題について調べ、まとめ方や構成を考える。    1.    ・「わたしたちの生きる地球」をテーマに作文を書く。                  2. ・発表会をし、地球環境についての考えを深める。 1. 第四次 単元のまとめをする。 一時間 ・評価とまとめをする。 1. 六、本時の指導 (一)目  標  便利な生活が、地球環境にどんな影響を及ぼしているかを読み取ることができる。   活動目標  便利な生活が地球環境に及ぼす影響について、ワークシートにまとめることができる。     活動の目安 A−問題点とそれがおよぼす影響について、自分なりの言葉で短くまとめることができる。          B−教師の援助を得ながら、まとめることができる。   C−教師の援助を得ながら、抜き書きできる。  (二)展  開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段| 学 習 活 動 ・ 主 な 発 問 | 援 助 ・ 評 価 (※) | |階| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 一、前時の学習内容を想起する。 | | | | 一秒が一年をこわす 伊藤 和明 | | | |学習課題 便利な生活を送ることが、地球環境にどんな |                     | | |     えいきょうをおよぼしているのだろうか。 | 便利な生活 | | |                          |   | | |                          | [例えば] 森林の開発 | | |                          |         山くずれ、洪水 | | |                |         土地があれ果てる | | |                        |        不毛のさばく | | |                          | [また] 資げん・ ひがたの開発 | | |                          |      野生生物がほろびる | | |                           |          エネルギーの消費 | | |                          |    自然が貧しくなる | | |           | [さらに] 廃棄物の増加 | | |                          |      水、空気のよごれ | | |                          | 健康をそこなう | | | | [そのうえ] 石油石炭の消費 | | |                          |       二酸化炭素の増加 | | |                          |         地球の温暖化 | | | 活動を続けていけば | | | | ・人類が生きていけるかどうか | | | | ・地球が重い病気 | | | | ・人類自身に大きなわざわい | | | | 感想 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 八、教材分析表 「一秒が一年をこわす」 +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 意味段落  |  段 落 の 要 点   | 意味段落 の 要点    |  語句 ・ 表現等    | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |科学技術の発展|1.2.人類は優れた知恵と| 人類が優れた知恵と技術を|・しりめ ・発展 | |と地球環境の悪| 技術で発展し、便利な生活|もっていたので、今日の繁栄|・自動化 ・居ながらにして| |化 | を送ることができるように|がある。          |・資げん ・エネルギー | |       | なった。        | しかし、さまざまの大きな|・環境 | |       |3.〜7.しかし、便利な生|問題を抱えてしまった。   |・えいきょう ・およぼす | |一       | 活を送るために、森林破壊|  |・あれはてる | |       | と砂漠化、野生生物の減少|             |・不毛 ・ひがた ・開発 | |       | 、大気汚染と水質汚染、地|             |・野生  ・ほろびる | |       | 球温暖化などの問題がおこ|             |・廃棄物 ・二酸化炭素 | | | った。 | | | |       |8.便利さと引きかえに、人|             |・吸収 ・環境 ・永遠  | |       | 類自身に大きなわざわいが|  |・あやぶまれる ・わざわい| |       | およぼうとしている。 | | | |地球の誕生と |9.今から四十六億年ぐらい| 地球が誕生してから四十六|・太陽系 ・惑星 | |人類の誕生   | 前に地球が誕生した。  |億年、様々な生命が誕生し、| | |       |10さまざまな生命が誕生し|最後に人類が誕生した。その|・進化 ・わがもの顔 | |二       | 最後に人類が誕生した。 |人類が地球の環境をこわそう| | | |11人類が便利な生活と引き|としている。        |・ふんだん ・あやうい | |       | かえに地球環境をこわして| | | |人類のおごりと| きている。 | | | |そのしっぺ返し|12.13.地球の歴史を一|             |・おごりたかぶる | |       | 年にたとえると人類の歴史| 地球の歴史を一とえると、|・しっぺ返し | |       | はわずか七時間ほどである|人類の歴史はわずか七時間。| | |三       |14しかも、環境問題を起こ|しかも、環境問題を起こして| | | | すようになったのは地球の|から一秒しかたっていない。| | | | 一年に対して一秒にしかす| その一秒の活動のために、| | |       | ぎない。    |人類は地球に対して取り返し| | |       |15たった一秒の活動が、地|のつかないことをしようとし| | |       | 球に対して取り返しのつか|ている。 | | |       | ないことをしようとしてい| | | | | る。 | | | 九、個への指導の構想 +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 本 時 の 目 標 |便利な生活が、地球環境にどんな影響を及ぼしているかを読み取ることができる。 | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 学 習  課 題 |便利な生活を送ることが、地球環境にどんなえいきょうをおよぼしているのだろうか。| +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 一 人 学 び |便利な生活が地球環境におよぼす影響についてワークシートにまとめる。 | +−−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 到  達  目  標 | 援 助 の 手 だ て | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |    |便利な生活によって起こる問題点とそれらが及ぼ|・自分の力だけでどんどん進むように励ます。| |   A  |す影響について、自分なりの言葉で短くまとめる|・早く終わったら、筆者の主張について考えさ| |     |ことができる。             | せる。 | |     |便利な生活によって起こる問題点とそれらが及ぼ|・4.段落から問題点と影響について教師と確| |   B  |す影響を教師の援助によって読み取り、まとめる| 認し、同様に後の段落についてもまとめさせ| |     |ことができる。               | る。                  | |    | |・できるだけ短くまとめるように励ます。 | | |せる。                   |・多少長くなってもよいこととし、教科書の叙| |     |                      | 述にそって書かせる。 | |    |便利な生活によって起こる問題点とそれらが及ぼ|・書き出せずにいる時は、4.段落の問題点と| |   C  |す影響を教師の援助によって教科書から捜し、抜| 影響についてヒントを与えながらサイドライ| |  |き書きすることができる。 | ンを引かせ、それからワークシートに記入さ| | | | せる。 | | | |・5.〜7.段落についても、同様にサイドラ| |     |                      | インを引かせ抜き書きさせる。 | 一 秒 が 一 年 を こ わ す 2.  名前 ( ) ◎ 学習課題 ◎ 便利な生活を送るために、どんな問題が起こり、そ れが地球環境にどんなえいきょうをおよぼしているのでし ょうか。4.〜7.段落から読み取り、まとめましょう。 接続語 (つなぎ言葉) 問 題 点 え い き ょ う → → → → ◎ 感想