印刷用紙:B4縦 1ページの行数:43 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−        第六学年国語科学習指導案         期 日  平成八年十月九日(水) 六校時                           児童数  男十八名 女十九名 計三十七名                           指導者  教  諭  佐 々 木 一 人 一 単元名  十二歳の記録  (教材名「今、わたしは、わたしたちは」光村六年下) 二 単元について   六年生の表現領域の目標は、「目的や意図に応じた表現をするため、全体を通して適切に話したり、組み  立ての効果を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、適切で効果的な表現をしようと  する態度を育てる。」である。そのためには、目的に応じて必要な事柄を集め、全体を見通し整理してから  書くようにすること、全体の構成を考え、目的に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること、文や文章  の組み立ての効果を考えたり、文章全体の流れを考えたりして書くこと、根拠となる事象や感想・意見など  とを区別して書き表すことが重点としてあげられる。          児童はこれまでに、上巻の作文単元「生活を見直して」で、身近にある諸問題に目を向け、生活意見文を  書くことを学んできた。これらの学習を通して、毎日の生活を見直すためにどんな話題について取り上げれ  ばよいか考えたり、取り上げた話題についてどんな資料を集めて、どのように整理すればよいか考えたり調  べたりすることができるようになってきている。また、要旨のはっきりした意見文を書くために話題提示に  始まる書き出し、調べてわかったこと、結びという文章構成も意識できるようになってきている。しかし、  調査して得た情報を取捨選択したり、整理することができないために、文章構成のはっきりした意見文を書  けない児童もいる。   本単元は、一年間の出来事を振り返ったり、今の自分を見つめたり、将来のことを想像したりしながら、  要旨のはっきりした文章を書くことをねらいとしている。時期的に「卒業文集」を作成する作業を重ねて設  定しているため、自分が十二歳であることを自覚し、自分の生活ぶり、周りの人々とのかかわりかた、自然  や社会に対する考え方などを振り返ることのできる有意義な作文単元である。本単元の構成は、二つのステ  ップからできている。一つは、クラスの記録の残し方について話し合って記録文集の構成を考え、読み手に  わかりやすい文章の構成にしている。もう一つは、テ−マに沿った文を書き、全体の構成を考えて一つの作  品にまとめあげている。   指導にあたっては、次の点に重点をおいて進めていきたい。  @書き上げた作品を小学校生活の印象を書き残す卒業文集として位置づけるために、児童が初めにとらえた   印象を大切にし、文集作りに対する興味関心を持続させ、作品完成への意欲を大切にする。  Aどんな記録文集を作り上げていくのか目的意識を持たせ、個人文集の形態でまとめさせる。  B文集をまとめる方法として、作文の形態だけではなく絵や漫画などいろいろな表現方法を工夫させる。  C特別活動や図工の時間を使うことにより、図工での作品を表紙にしたりして、手作りの個人文集を作り上   げるようにさせる。   D出来上がった作品は、作品展示の場を作り、友達がどのような作品を作ったか、読み合ったり感想を話し   合わせることにより相互評価をさせる。 三 指導目標   (一)価値目標…自分の心の成長を改めて見つめ直し、かかわりの深い人や事柄の恩恵などを考えて表現す          ることにより新しい自分を発見することができる。  (二)技能目標…主題をはっきりさせ、目的に応じて、文や文章の組み立てを効果的に考えたり、文章の全          体の流れを考えて書くことができる。  (三)言語目標…書こうとする文章の種類や目的に応じた構成の文章を書くことができる。 四 指導計画(十一時間扱い) +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |次|時| 指 導 の 流 れ | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |@|教材文を読み、どんな記録集を作ろうとしているのか話し合うことができる。 || | | | |(評価) 個人で書く内容と全体で書く内容とを分けて考えることができたか。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |一|1| ・教材文を読み、何を記録として残したいか考えさせる。 | | | | ・個人で書く内容と全体で書く内容を分けて考えさせる。 | | | | ・文集を作る目的や方法を話し合って決めさせる。生まれたときから今までの自分を振り返るこ| | | | とを目的とし、「自分史」を作らせる。 | | | | ・用紙の使い方やイラストを入れるなど工夫すると楽しい記録集になることに気づかせる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |@|自分の記録集として、どのような内容のものにしていくか考えることができる。 || | | | |(評価) 出来上がりの姿を想像して,書き方や書く内容を理解することができたか。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ・「自分史」は、生まれたときから六年生までをいくつかのまとまりに分けさせたい。 | | | | ○生まれたとき ○一歳から三歳 ○幼稚園・保育園 ○一年生 ○二年生 ○三年生 | | | | ○四年生 ○五年生 ○六年生 | | | | ・この中で「生まれたときのこと」は、学級で統一したテ−マとして設定する。残りの中から自| | | | 分が書きたいところを三つ選択させる。 | | | | ・個人の内容として次のような事柄から書く内容を考えさせる。 | | | | 私のベスト3(趣味)これからやってみたいこと 変わってきた自分 私の宝物 心に残る| | | | 言葉 | | | | ・題材を決め、題名と主題文を書かせる。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |A|「生まれたときのこと」について、取材したい事柄を決め、取材することができる。 || | | | |(評価) 「生まれたときのこと」について取材する事柄が分かり、取材活動ができたか。|| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ・「生まれたときのこと」について、取材したい事柄を決めワ−クシ−トに書かせる。 | | | | ・取材したいことが思い浮かばない児童は、個別に支援していく。 | |二|8| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |B|取材メモをもとに「生まれたときのこと」について簡単な構成メモを作ることができる。 || | | | |(評価) 取材メモをもとに「生まれたときのこと」について構成メモを作ることができた|| | | | | か。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ・はじめ、中、終わりの簡単な構成を行わせ、書きやすくするために順序を考えさせておく。 | | | | ・原稿用紙一枚ぐらいとし、段落数も三から五程度とし、はじめを一段落、中を一から三段落、| | | | おわりを一段落程度とさせる。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |C|構成メモをもとに「生まれたときのこと」について作文を書くことができる。 || | | | |(評価) 構成メモをもとに作文を書くことができたか。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | 本 時 | | | |D+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |E|残りの個人の取材したことについて書くことができる。 || | | |F|(評価) 構成や言葉の使い方に気をつけて書くことができたか。 || | | |G+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ・書き表すことの楽しさを味わえるように、児童の活動を認め、ほめていく。 | | | | ・読みやすくするために、イラストなども入れて楽しい個人のペ−ジにさせる。 | | | | ・みんなに読みやすいような字で書かせ、作品を読み返して推敲させる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |@|出来上がった作品に表紙をつけて記念文集として仕上げることができる。 || | | | |(評価) 自分の記録集としての作品をていねいに仕上げることができたか。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ・色画用紙を表紙として準備し、タイトルや絵を入れて仕上げさせる。 | |三|2| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |A|出来上がったものを発表することができる。 || | | | |(評価) 友達の作品のよさや自分の作品との違いに気づくことができたか。 || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ・学級や班の中で出来上がった作品を読み合い、これまでの活動の成果を認め合う場にさせる。| | | | ・筆順や漢字の読み替えに注意して語句の練習をさせる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 五 指導計画   (一)目標  構成メモをもとに「生まれたときのこと」について作文を書くことができる。   (二)展開 +−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+ |段| 学  習  活  動 |時| 指 導 上 の 留 意 点 | 評 価 | 資 料 | |階| |間| | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+ | |一 学習課題を確認する。|5|・一斉読みをし、課題をはっきり|・本時の見通しを|紙板書 | |入|+−−−−−−−−−−+| | と意識づける。 | もつことができ| | | ||構成メモをもとに作文|| |+−−−−−−−−−−−−−+| たか。 |単元計画表 | | ||を書こう。 || ||前時までの事柄を振り返って|| | | | |+−−−−−−−−−−+| ||構成メモを使って書くことを|| |自己評価 | |導| | ||確かめさせる。 || | カ−ド | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| | | +−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+ | |二 作文を書く手順と方法|7|・作文の長さではなく、自分の考|・作文を書く手順|教材文 | | | を話し合う。   | | えや思いを効果的に表現してい| と方法がわかっ|ゴ−ル文 | | | | | ることに着目させる。 | て、挙手できた| | | | | |・題名や終末の文を支えるために| か。 | | | | | | どんな例を使って自分の気持ち| | | |開| | | を表現していくか意識させる。| | | | | | |・ゴ−ル文を参考にしながら、自| | | | | | | 分の思いを表現していくように| | | | | | | 援助していきたい。 | | | | |三 作文を書く。 |6|・個人のテ−マを把握し、適切に|・作文を書き終え|構成メモ | | | |2| 助言ができるようにする。 | ることができた|作文用紙 | | | | | | か。 | | | | | |・つまずきのある児童については| | | | | | | 机間巡視によって援助していき| | | |展| | | たい 。 | | | | | | |・書き終えた児童には、作品を読| | | | | | | み返しをさせる。読み返しも終| | | | | | | わった児童は、班の中で書き終| | | | | | | えた児童と交換させ、読み返し| | | | | | | をさせる。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+ | |四 自己評価をする。 |6|+−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | ||学習カ−ドの記入によって、||・評価カ−ドに記|自己評価 | |末| | ||成就感や次の学習への意欲を|| 入することがで| カ−ド | | | | ||喚起させる。 || きたか。 | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | | |終|五 次時の学習の内容を知|1| | |単元計画表 | | | る。   | | | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−+  (三)評価      構成メモをもとに、「生まれたときのこと」について作文を書くことができたか。   板書計画 今、わたしは、わたしたちは  +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 構成メモをもとに作文を書こう。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+   ゴ−ル作文  +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+ |作文を書くために | +−−−−−−−−−+    @文の構成(はじめ・中・終わり)    A具体的な例       B常体       C文末表現   +−−−−−++−−−−−+ |〜ようだ。||〜そうだ。| +−−−−−++−−−−−+