印刷用紙:B4縦 1ページの行数:66 1行の文字数(半角で):112   −−以下 指導案本文−−              第二学年 国語科学習指導案                             日 時  平成八年十月二日(水) 二校時                             対 象  二年二組 男二十一名 女十九名 計四十名                             指導者  下 島 野  公 子 一、単元名 気持ちを考えて読もう   教材名 「お手紙」 二、単元について (一)教材について 第二学年の理解における目標は、「事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の順序や場面の様子の移り変 わりなどに注意しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、易しい読み物を進んで読もうと する意欲を高める。」ことである。第一学年の「粗筋をつかみながら話を聞いたり、書かれている事柄の大体を 理解しながら文章を読んだりする」学習を一歩進めて、第二学年では、一層確実に順序立てて内容を理解するこ とを目指している。本単元では、「場面の様子をとらえながら音読し、人物の気持ちの移り変わりや心の触れ合    いを読み取ることができる。」ことを主目標としている。 これまで「スイミー」では、主人公スイミーに焦点を当て、スイミーの行動や心の動きを場面の移り変わりに 即して読み取ることを、「王さま出かけましょう」では、ストーリーの面白さに目を向け、王様の行動や気持ち の移り変わりを場面の展開に即して読み取ることを、さらに「えいっ」では、父と子の気持ちや場面の様子を、 会話などに注意して順序立てて読み取り、作品の面白いところを見つける学習をしてきた。本単元の、場面の様 子をとらえ、人物の気持ちの移り変わりや心のふれ合いについて考えることが、「力太郎」での繰り返しによる    場面の変化やストーリー展開の面白さを、人物の行動・言葉を手掛かりに読み取る学習へと発展していく。 本教材は、来るあてのない手紙を待つがまくんと、悲しんでいる友達のために手紙を書き、届けようとするか えるくんの温かくもほほえましい心の通い合いを描いた作品である。教材文は五つの場面で構成されている。か えるくんとがまくんの行動が時間的な順序に沿って描かれ、場所の移動と気持ちの変化がはっきりしており、場 面の移り変わりがとらえやすい。また、会話を主として筋が展開しているので、会話を対比させることによって    人物の気持ちの違いや変化を想像することができる。単元のねらい達成に適した教材である。 (二)子供の実態について 学級の子供たちは、国語の学習を好み、活動に意欲的である。朝学習の音読や視写にも熱心に取り組み、成果    をあげている。 これまでに、「一人学び」として、サイドラインを引く、視写をする、吹き出しを書く、書き込みをするなど の活動を主に行ってきたが、学習の方法がわかり、叙述から想像をふくらませて読み取ることができるようにな ってきた。しかし、文章から離れた読みをする子供や文字を追うことに抵抗を持つ子供もいるので、このような    子供には、重要な語句や文に注目させたり、対話しながら活動を進めさせたりしている。 「学び合い」では、男子が発言に積極的である。話し合いが一部の子供のもので終わらないように、自分の考    えを進んで発表すること、友達の考えを良く聞くことを重点に指導しているところである。 (三)指導にあたって 本教材は、がまくんとかえるくんの会話を中心に展開している。会話には、それぞれの人柄が表れており、会    話文を対比させたり読み方を考えさせたりすることで、二人の気持ちの違い、移り変わりを読み取らせたい。 また、「お手紙」という単元だからこそ、ぜひ、「手紙」という表現活動を生かした学習活動を工夫したい。    手紙という伝達の手段を知らせ、自分の言葉で自分の思いを伝える喜びを味わわせたい。 子供たちにとってかえるくんやがまくんはどこにでもいそうな身近な人物として親しみがもてるであろう。共 感的に作品を読み進めながら、人物の気持ちの移り変わり、心の触れ合いをとらえさせ、悲しんでいる友達を思 い、さりげない優しさで喜ばせようとする素朴な人間愛の中に見られる善意と、ほのぼのとした温かい友情、と    いう主題に気付かせていきたい。 三、単元の目標   ○関心・意欲・態度     ・かえるんとがまくんの間に通いあう思いやりの心とほのぼのとした友情の温かさを感じ取ろうとする。   ○表  現              ・がまくんになったつもりでかえるくんに手紙を書き、発表することができる。   ○理  解     ・場面の様子をとらえながら音読し、人物の気持ちの移り変わりや心の触れ合いを読み取ることができる。    ○言語事項     ・かぎの使い方を理解し、主述、修飾・被修飾の関係に注意して読み書きできる。 四、学習指導計画(  時間扱い)  本時…9時間目 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 段階 | 学  習  活  動  | 教  師  の  支  援 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |第一次|1 全文を読み、簡単な初発の感想を書く。 |・挿絵から内容を想像させ、興味を持たせるようにする| | |  新出漢字の筆順と意味、使い方を理解する。 |・挿絵を手がかりにあら筋をとらえられるようにする。| | |2 あら筋をつかみ、場面分けをする。 |・初発の感想をもとに課題を決められるようにする。 | |    |3 感想を発表し、場面ごとに学習課題をもつ。  |・誰の会話文かを理解させ、役割読みができるようにす| |   |4 かえるくんの会話とがまくんの会話を確かめ、全| る。         | |   |  文を音読する。        | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |第二次|5 手紙をもらったことのないがまくんの悲しみと、|・がまくんが悲しいわけを説明している会話文を手がか| | | それを聞いて心を痛めるかえるくんの悲しい気持| りに、かえるくんの心情を想像できるようにする。 | |   |  ちを読み取る。           |・かえるくんの行動が書かれている地の文の表現に注意| |   |6 大急ぎで家に帰って手紙を書くかえるくんの気持| し、その心情を読み取れるようにする。 | | | ちと張り切っているかたつむりくんの様子を読み|・がまくんを励ますかえるくんの言葉や、手紙を心待ち| | |  取る。        | にする行動と、それに対するがまくんの反応から二人| |   |7 手紙を心待ちにしているかえるくんと、あきらめ| の心情の相違点に気付くことができるようにする。 | |   |  と悲しみを強くしていくがまくんの気持ちを読み|・落ち込んでいるがまくんに手紙を書くことにより、よ| |   |  取る。          | り深く心の触れ合いをとらえることができるようにす| |   |8 悲観的になっているがまくんに励ましの手紙を書| る。 | |   |  く。          |・読み方の工夫や役割読みをすることで、二人の心情や| |   |9 手紙を待っている二人のとても幸せな気持ちを読| 心の触れ合いをとらえることができるようにする。 | |  | み取る。(本時) |・四日間の二人の会話について想像を広げ、喜びに満ち| | | 四日間待ち、手紙をもらって喜んでいるがまくん| た二人の心を読み取ることができるようにする。 | | | の満ち足りた気持ちを読み取る。 |・手紙を書く活動を通して、書く楽しさと手紙をもらう| | | がまくんになったつもりで、かえるくんに返事を| 喜びを味わうことができるようにする。 | |   |  書く。       | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |第三次|10 心に残ったところを中心に感想を書く。     |・感想文を読み合い、読みを深められるようにする。 | |   |  音読発表会をする。          |・四人一組のグループで役割読みをするとともに、読み| |   |  アーノルド=ローベルのほかの作品を読み、本の| の工夫について話し合えるよう にする。  | | |   紹介をする。       |・アーノルド=ローベルのほかの作品を読み、本を楽し| |   |               | んで読もうとするきっかけとする。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 五、本時の指導 (一)ねらい ・手紙を待つ喜びやかえるくんの優しさと友情を感じ幸せながまくんの気持ちと、がまくんに共感し幸せになるかえるく んの気持ちを読み取ることができる。 (二)展開