印刷用紙:B4縦 1ページの行数:64 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−   第三学年 国語科学習指導案 日 時  平成八年十月二日(水) 二校時 対 象  三年二組 男十七名 女十八名 計三十五名 指導者  佐 々 木 ふ じ 、単元名  書きたいことをわかりやすく   教材名「説明書を作ろう」 、単元について (一)教材について 第三学年の表現における目標は、「表現する内容の要点が分かるように、区切りを考えて話したり、ことがらごとにまとま りのある簡単な構成の文章を書いたりすることができるようにするとともに、わかりやすく表現しようとする態度を育てる 。」ことである。文章表現では「事柄ごとにまとまりのある簡単な構成」が指導の重点である。また、「表現する内容の要 点が分かるように」表現できる能力と態度を育てるために、事柄ごとに整理してまとめたり、場面や時間的な順序に組み立 てたりして表現することや、相手意識を持って表現しようとする態度の指導が大切となる。更に、表現の内容の指導事項と して「書こうとするものをよく観察してから書くこと」があり、これは、自他の区別ができてくる第三学年から示されてい る。本単元では「説明しようとする事柄をよく観察したり思い起こしたりして、読み手によく分かるように工夫しながら説 明書を書くことができる」ことを主目標としている。 第三学年の作文基本単元は三つあるが、そのうち生活文が一単元、説明文がこの一単元、そして最終単元が創作となってい る。それぞれの文種が異なり、指導の重点もちがう。しかし、書こうとする目的を明確にし、中心をおさえて分かりやすく 書くという技能の習得をねらっていることは共通している。上巻の作文小教材に「本のおびを作る」がある。ここでは「読 み手が思わず読みたくなく様に文や絵を工夫して書く」ことをねらっている。本単元でも読み手意識を大切にして相手に分 かるように書くことが重要な学習要素である。また、本単元の次にある「虫のゆりかご」では、ゆりかごが出来上がる過程 が詳しく説明されている。説明文の読み取りをしながら、作文単元の学習を振り返り、文章の書き方について検証していき たい。 本教材「説明書を作ろう」は@学習課題、A事例の導入、B児童作品、C学習課題(再説)、D横書きの文の書き方という 構成になっている。Aの事例の導入では、説明書を書く上で、読み手に良く分かるように書くという観点から、三つの留意 点が示されている。また、Bの児童作品においては、一輪者に乗れるようになるまでの七行ほどを設定し、その一行ほどに ついて、練習の仕方や注意事項、励ましの言葉を添えて書いている。読み手に期待感や興味・関心を持たせるように、表題 や目次の書き方なども工夫されている。書くときには、「相手意識を持って、分かりやすく表現すること」が大切であり、 それらを学習するには適切な教材と考える。また、この教材はすべて横書きで書かれていて、全単元で唯一の横書きの学習 の場である。横書き文は、最近よく用いられる様式でもあるので、指導する良い機会ととらえる。 (二)子供の実態について 年度当初に行われた「国語アンケートの集計結果」では、作文を書く勉強が好き、または好きな方と答えた子供は二十七名 だsった。そして、七月中旬に行った「国語アンケートの集計結果」では、それが三十一名になり、学級のほとんどの子供 たちが作文を書くことを嫌がらなくなった。 四月から、国語学習を中心にしながら意図的に書く活動を多く取り入れてきた。その際、書く分量を問うことはあまりせず 、かけない子の抵抗・負担を取り除くよう努めてきた。その結果、書くことを得意としない子でも、とにかく書いてみよう という意欲を持つようになってきた。また、書いたものをみんなに紹介する機会を多く設けたり賞賛したりしながら、書い たことに対する成就感を味わわせるよう心がけてきた。これらが作文嫌いをなくしていく結果につながってきたと思われる 。しかしながら、今までにいくつかの単元作文を書いてきたが、作品の内容を見ると中心がはっきりせず、事柄の羅列で終 わったり、順序が前後している文章を書いたりする子も少なくない。そこで、読む相手を意識しながら書くという活動をさ せていきたい。「学び合い」では、友達の作文の良いところを見つける指導を中心にしてきたが、的を射ない内容のものが 多く、お互いの作品を高め合うまでにいたっていない。 (三)指導にあたって この教材の大きな特色は、「説明書」という文種である。「説明」とは、ある物事についてそれをよく知っているものが、 それがどういうものであるかを相手に分かるように順序立てて伝えることである。このことから、相手意識を高め、自分の 得意なことできることをより分かりやすく表現しようという態度を育てていきたい。そのためには、説明者が説明したいと いう意欲を持つ必要がある。説明書を持ち寄り、その内容を紹介しあったり、得意なことやできるようになったことの発表 をし合うことで、主体的に取り組む動機づけにしたい。 取材の段階では、生活文などを書くときと同様にメモの有効性を理解させた上で、完成までの過程を思い描き、自分でした ときのことをよく思い出してメモを作らせたい。それをもとにどのような手順で説明すればいいのか考え、事柄後とにまと まりのある構成表を作らせたい。 説明書を書く際は、常に読み手を意識して書かせる必要がある。読み手が正しく行動に移せるようにするために、教材文の 馬場さんの説明書に立ち返り、観点を確認しながら記述させたい。 横書き文については、「横書きのときに気をつけること」をおさえ横書きに慣れさせたい。 さらに、子供一人一人が主体的に課題追究に取り組むために「見通し」の段階で課題解決のための視点を明確にし、学習の 手順や方法をしっかり理解させた上で、「一人学び」にとりかかれるようにしたい。また、「一人学び」の段階で書き進め ないでいる子供には、適切な助言や援助をしたい。「学び合い」では、課題に関わる内容の焦点化をはかり、その観点に沿 って友達の作品の良さを見つけるとともに、悩んでいる子供にはアドバイスしあえる雰囲気作りもしながら、一人一人の学 習を深めさせたい。 、単元の目標 関心・意欲・態度 ・自分の得意なことやできるようになったことの中から題材を選び、分かりやすい説明書を意欲的に書こうとする。 表現 説明しようとする事柄をよく観察したり思い起こしたりして、読み手によく分かるように工夫しながら説明書を書くことが できる。 学習したことや遊んだことの中から書く材料を積極的に選び、説明書を書くことができる。 理解 ・説明書を書く上での留意点や、横書きの表記の仕方を理解することができる。 言語 教材文を参考にして、書こうとする事柄をメモにとり、そのメモをもとによく分かるように言葉を選んで文章を書くことが できる。 、学習指導計画(15時間扱い)       本時…11時間目 学習活動 教師の支援 次一第  学習のめあてを知り、説明書の特徴に気づく。        得意なことやできるようになったことの発表会を開き、説明書の題材を見つける。        自分の得意なこと、できることの中から説明書にしたい題材を選ぶ。            教材文をもとに、説明書の書き方を理解する。         自分が使った説明書を持ちより、その内容を紹介しあいながら、自分たちも説明書を書くことを知らせ、意欲付      けをはかる。      得意なことやできるようになったことを発表しあう中で、題材選定の目を広げることができるようにする。      題材選定の観点を与えたり、個々の作文の技能の実態を考慮したりしながら、無理のない選定ができるようにす      る。      説明書に書かれていることや順番・横書きの表記の仕方を理解できるようにする。 教材文がどのような構成メモ      からできたのかを考え、理解できるようにする。 次二第  表題を考え、第一段階のメモを作る。        第一段階のメモの下に第二段階のメモを付け加える。        取材したメモの構成を整える。      読み手に期待感を持たせるような表題にするために、ヒントを示して考えることができるようにする。      教材文の読み取りのときに用いた構成メモを思い起こし、考えることができるようにする。 完成までの過程を思      い起こし、どのような段階があるかを考え構成表を作ることができるようにする。 次三第 10 構成表をもとに、前書きの部分を記述する。     11 構成表をもとに、説明の部分を記述する。(本時)     12 構成表をもとに、説明の部分を完成させる。     13 説明書の読み合いをし、推敲する。     14 清書する。 教材文に立ち返って、書く観点を確認した上で記述できるようにする。 読み手に分かる表現と       いう観点から、お互いの説明書の良いところ、分かりにくいところを見つけ合うようにし、分かりづらいとこ       ろがあったら、質問させ、書き直し、書き加えできるようにする。 次四第 15 友達の説明書を読み、表現の工夫を学ぶ。       読み手に分かる表現という観点から、友達の作文の良さに気づくことができるようにする。 五、本時の指導  (一)ねらい   ・選定した題材にしたがって、読み手に分かるように説明書を書くことができる。  (二)展開