印刷用紙:B4縦 1ページの行数:58 1行の文字数(半角で):112   −−以下 指導案本文−−   第四学年 国語科学習指導案                             日 時  平成八年 十月二日(水)   一校時                             対 象  四年四組 男十五名 女十七名 計三十二名                             指導者  小林 美紀子 一 単元名   書きたいことを整理して    教材名   「ふっくら飛んだパラシュート」 二 単元について  (一)教材について  第四学年の表現における目標は、「表現する内容の中心点が分かるように、筋道を立てて話したり、段落相互の関係などを 考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、内容を整理しながら表現しようとする態度を育てる」である。 第四学年の指導の重要事項は、表現、理解とも「中心点」である。中心点をとらえたり、表現したりする能力はお互い関連し 合って伸長していかなければならないが、表現分野では、一番書きたいことを表すために、「どんな材料をどのような順序で 組み立てていけばよいか」という、発想→構成までのそれぞれの段階での指導が特に必要である。またそれによって、中心点 に向けての意識を深めさせ、第五学年の「主題や要旨のはっきりした表現」へとつなげていく。本単元では、文章に書く内容 を取捨選択すること、構成を考えて文章を書くこと、つまり自分が書きたいと思うことを整理して書くことが主なねらいであ る。  これまでに子供たちは、「せいそう工場の見学」で、箇条書きでメモする技法を、また直前の作文小教材「グループ新聞作 り」で、日常の中から幅広く取材し、限られた字数の範囲内で記述するための要約の技法を学習してきた。この学年で、純粋 に生活文を書く学習はこの単元だけであるが、自分の生活を振り返り、そこに喜びや悲しみや驚きなどを再発見しながら、生 活を見つめ直したり、さらに高めようとしたりすることは常に大事であり、本単元の学習が創造的発想の第五単元「四年一組 物語」での取材や、これからの生活意見文・生活感想文を書く活動につながっていくのである。  本教材「ふっくら飛んだパラシュート」は、横山さんの作文を例に挙げ、メモをもとに全体の組み立てを考えてから作文を 書くことの一方法を示している。横山さんの作文は、日曜日に父親と一緒にパラシュート作りをした経験を綴ったもので、い つもは忙しい父親と一緒に遊ぶことができたという喜びを中心にして書いている。この教材を通して、子供たちはよく見つめ れば生活の中に様々な新鮮な経験があり、あらゆるところに書く価値のある題材があることに気づき、意欲的に取材の目を広 げるであろう。物事を細かく見、深く感じ、考える中で、そこに揺れ動く心の変化に敏感な感性を身につけさせていきたいと 考える。  (二)子供の実態について  作文に対する抵抗感を取り除くためには、まず、書くことを好きにさせることであると考え、書くことを意図的、計画的に 組み入れてきた。また、どんな作品であろうとも、それを文章で表現したことに対する努力を認めるような評価も心掛けてき た。その結果、子供たちは、書くことは大変だとは言っても、決して書くことを嫌がらなくなった。もともと何事にも積極的 に取り組み、その経験なり感想なりを身近な人に伝えたい衝動にかられやすい、自己表現が盛んな子供たちであり、書こうと する意欲や思いは大変強い。  「一人学び」では、見通しで話し合われた観点に沿って、黙々と作業を進める子供が多い。しかし、観点にのみ集中するた めか、既習事項を十分に生かしきれない作品も多々ある。中でも表記上の誤りが目立つので、評価カードや推敲の時間を使っ て指導しているところである。  「学び合い」では、観点に沿っての話し合いができるようになってきた。まだまだ活発な話し合いとは言えないが、友達の よい表現を見つけよう、自分の作品に生かそうと、どの子も一生懸命活動している。  (三)指導にあたって  子供の大部分は、平常日々の生活はそんなに変化のあるものではなく、ごく平凡な毎日の繰り返しであると言っても過言で はない。その平凡な生活の中から作文の題材を取り出させるために、取材メモを使用し、漠然と毎日を過ごすのではなく、作 文の題材を見つけるという意識を明確に持たせていきたい。  また、メモ作りの段階を、構成までの段階と、構成を終えた後での中心を膨らませるための段階に分け、「整理して書く」 というめあてが子供たちにとらえやすいように指導をしていきたい。 「一人学び」では、どの子供も書き方が分かり、作業を進められるように、見通しの段階で、観点を確実につかませていきた い。そのため、教材文の読み取りの際に、取材・選材・構成の観点や手順、記述の際の表現の工夫を大切に扱い、理解させて いきたい。書き進めない子供に対しては、対話やメモ用紙を使って、より具体的なアドバイスをしていきたい。 「学び合い」では、観点に沿っての話し合いができるように、もう一度課題を振り返らせ、観点を確認させていきたいまた、 自分の意見は必ず根拠をもって発言するように、また、自分の考えと比較しながら人の意見を聞くような支援をしていきたい 。また、終始、作品発表会的な時間にならないように、時には「更に良い作品にするための工夫」についても考えさせ、支援 発問を通し、意見を発表させていきたい。 三 単元の目標  〇関心・意欲・態度 ・日常生活の中から材料を選び作文に書くことに興味を持ち、進んで書きたいことを整理して書こうとする。  〇表現 ・身の回りから集めた書きたいと思う材料を整理し、組み立てを考えて、中心のはっきりした生活文を書くことができ    る。   ・書こうとする対象を良く観察し、読み手に分かるように客観的に書き表すことができる。  〇理解   ・教材文をもとにして、取材や選材の工夫について理解することができる。  〇言語事項   ・構成メモに従って、段落の整った文章を書くことができる。   ・指示語・接続語を適切に使うことができる。 四 学習指導計画( 時間扱い)           本時・・・8時間目 学 習 活 動    教 師 の 支 援 第一次 1単元の全体像を把握する。                      2取材メモや日記などから、最近のできごとの中で楽しかったこと・心に残った                       ことについて話し合う。                      3                      4教材文を元にして、取材や選材、記述の工夫について考える。                      5                       ・「楽しかったこと」「心に残ったこと」についての作文を書き、発表会をす                       ることを知らせ、意欲付けを図る。                      ・取材メモや日記などから、最近の出来事の中で楽しかったこと・心に残った                        ことなどについて話し合わせることにより、題材見つけの視点が一人一人に                        理解できるようにする。                       ・書き出しの工夫、直接的な言葉を使わずに感じたことを表現している工夫に                        気づかせる。                       ・組み立てメモの中で使われなかったものは何かを明らかにすることができよ                        うにする。                       ・自分が一番伝えたいことは何なのかを考えながら選材していくことの大切さ                        に気づくことができるようにする。 第二次      6題材を決めて材料を集め、組み立てメモを作る。                     7組み立てメモを元にして選材し、書く順序を決め、構成メモを作る。                      8構成メモの「中」の部分から一番書きたいものについてメモを作る。(本時)                  ・どんなことが題材になるのか、カードには何をどのように書けばいいのかが                        理解できるようにする。                       ・材料がたくさん集まるほど楽しい作文が書けることを知らせ、とりあえず思                        い付くままにメモを作るように支援する。                       ・自分が一番伝えたいことは何なのかを考えながら選材や構成ができるように                        する。                       ・「見たこと」「思ったこと」「話したこと」などの視点を与え、中心を膨ら                        ませることができるようにする。 第三次 9構成メモに沿って記述する。作文を読み返して、推敲する。清書する。                      ・いくつかの書き出しの文例を示し、自分なりの工夫を考えるように支援する                        。                       ・詳しく書こうとしたこと以外は簡単にまとめて、「中心」に対する意識が持                        てるようにする。                       ・会話文や表情、周りの様子など生き生きと書き表すように支援する。                       ・書き終えた児童同士読みあい、表現の良さを学び、自分の作品に生かすこと                        ができるようにする。                       ・段落のつながりはいいか、自分の伝えたいことが分かりやすく書かれている                        か、もっと工夫できる表現はないかを中心に推敲できるようにする。      第四次     友達の作文を読み合い、表現の工夫を学び感想を発表しあう。                       ・友達の作品を読み合わせることで、友達の作文の良さに気づかせていく。                      ・作品を仕上げた満足感を味わわせ、次の作文への意欲化を図る。 五、本時の指導 (一)ねらい ・構成メモの「中」の部分から一番書きたいことについて、メモを膨らませることができる。 (二)展 開