印刷用紙:B4縦 1ページの行数:62 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−   第五学年  国語科学習指導案 日 時 平成八年十月二日(水)一校時 対 象 五年四組 男十八名 女十四名 計三十二名 指導者 川 合  真保子 一、単元名   調査したことを       教材名「みんなの読書生活」 二、単元について (一)教材について  第五学年の表現領域における目標は「主題や要旨のはっきりした表現をするため、意図や根拠を明らかにして話したり、 全体の構成を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、相手や場面の状況を考えて表現しようとする態度を育 てる」ことである。本単元では、「生活の中で気づいたことをもとにさまざまな角度から進んで調査し、要旨の整った文章を書く ことができる」という主目標を受け、調査をして分かったことを相手に伝える手段として、課題を明確にする話し合いを通して、 要旨のはっきりした文章を書く学習を進めていくことになる。  第五学年になって、上巻の作文小教材「記録に残そう」で、自分の行動や感想を記録に残すことの意味を学習し、毎日の 出来事の中から、印象深いこと、考えさせられたこと等を、日記などの記録として書き留めるようになってきた。また、上巻の作 文単元「毎日をより楽しく」での、自分の身の回りの事柄を、違った角度から見つめ直し、課題意識を持って主題のはっきりした 文章を書く学習は本単元に密接なかかわりを持つものである。なお、本単元でのグループ学習は、次の作文単元「バトンをわたす ように」での、リレー物語作りにも生かされる。  本教材は、生活の中から興味ある課題を見つけだし、グループでテーマ・調査方法を話し合って、調査した結果を分かり やすく知らせる具体的な手順を示している。教材の構成は、以下の通りである。   1 動機づけと課題への取り組み方   2 児童作品例   3 調査事例と発表までの取り組み方  子供は、社会科の学習などで資料活用の学習をしたり、長期休暇の間に自由研究をしたりといった経験はしているが、自 ら調査し、それを文章にまとめるという経験は多くはない。高学年になって、身の回りの事柄についての課題意識は、持ちつつあ るが主観的なものである。本教材は、学級内でアンケートなどの調査を行い、客観的な資料を集めて考察する活動をするので、子 供の思考を補足し、深めるものとして、適切な教材である。 (二)子供の実態について  五月及び七月に実施したアンケート結果では、子供の国語学習に対する好悪は、ほぼ半数に分かれている。五月の時点で 「作文学習が好き/好きな方」と答えた子供は、約三割であった。「文字を書き連ねること」への面倒臭さもあって、日常のノー トなどの記述も書き誤りが多く、子供は文章を書くことに対して抵抗があったようだ。その後、日記や他教科の授業でも自分の考 えを記述する機会を多くとり、称賛と励ましのコメントを与えることによって、意欲や量的には進歩が見られつつある。技能的な 向上も見られ、子供は書くことに自信をつけてきている。しかし、だらだらと同じことを何枚も書いたり、メモを使って構成を練 らせると文章を膨らませられなかったりと、学習したことが生かしきれていないので、更に指導が必要である。  授業では「国語学習の手順」に従って、学習計画を明示することにより、各自が見通しを持って取り組むようになってき た。単元作文は各段階の目標がはっきりしているので、各時間毎に達成感を得られるようである。「学び合い」の場面で友達の考 えから学ぶことが多いとする子供がアンケートでは八割以上であることからもわかるように、友達の意見を聞いて、自分の思考を 深めたり、補ったりと、作文学習においても「学び合い」を有効なものととらえているようだ。しかし、「友達の考えから学ぶこ とは多いが、自分の考えは発表したくない」「友達の作文は読みたいが、自分の作文は読まれたくない」と、やや引っ込み思案で ある。有効な「学び合い」の素地となる発表の仕方・聞き方には訓練の不充分な点もあるので、授業も含めて日常的に発表の練習 をして、意欲・技能の向上を図っている。 (三)指導に当たって  まず、題材の見つけ方であるが、子供たちにとって調査活動は興味のあることがらである。しかし、どのようなことを調 べるか分からないで悩む子供も出てくると思われる。そこで、自分を取り巻く学校生活や家庭生活に目を向けてみると題材は探せ ることに気付かせたい。「記録に残そう」以来継続している一言日記などに目を向けると、題材は身の回りのものから社会的なも のまで幅広く求めることができる。また、題材選びに際しては、限られた時間と活動範囲の中で取り組める題材や、内容の広がり のある題材が望ましいことを考慮に入れさせたい。  次に、調査の方法についてであるが、基本的なものとして資料・アンケート・インタビューが挙げられる。何の目的で調 査するのか課題意識を持つこと、文章構成を想定し、調査や取材活動が有効に展開していくようにすることを子供たちに確認し進 めていきたい。  最終的にグループごとの研究発表会を開くことになるので、グループでの「学び合い」をより大切にさせていきたい。そ のために、「一人学び」では仲間に相談したい部分を押さえておき、「学び合い」では作品を高める意識をもって話し合いに参加 させ、作文学習における有効な「学び合い」の場を形成したい。  なお、学習活動は、第三次までグループ単位が主になるため、掲示コーナーを活用し、グループ間の交流も図りたい。 三、単元の目標   ○関心・意欲・態度     C生活の中で気付いたことをもとに、さまざまな角度から進んで調査し、要旨の整った文章を書こうとする。   ○表現     C調査したことを、相手によく分かる文章にまとめることができる。   ○理解         C調査結果をまとめた文章から、調査方法や意見のまとめかたを理解することができる。   ○言語事項       C段落のつながりを考えて、接続語や指示語を適切に使うことができる。 四、学習指導計画(11時間扱い)           本時……5時間目     学  習  活  動      教  師  の  支  援 第 一  次 1 教材文を読み、学習のねらいを明確にし、学習の計画を立てる。                        2 児童作品例をもとに工夫した箇所を見つける。                          3 グループで話し合い、調査計画と調査準備をする。 セ学習活動の計画や児童作品例は模造紙に書き、掲示しておき、自分たちの活動のねらいと先の見通しをもった学習ができるよう にする。 セ資料・アンケート・インタビューといった調査方法を知らせ、それらを生かして活動できるようにする。 セ内容・ 接続語・文末表現・調査方法・資料などの観点を与え、工夫点を見つけることができるようにする。 セ掲示している児童作品例 にも書き込みをし、今後の学習活動にも生かすことができるようにする。 セいくつかの例示により、学校・家庭・地域・社会な ど広い観点からテーマを決めることができるようにする。 セ調査メモを用意し、テーマ・方法・予想などを明らかにして、調査 の準備ができるようにする。 第 二  次 4 調査する。                          5 調査結果について考察する。  (本時)                          6 発表資料を作る。                          7 構成表を作る。 セアンケートやインタビューの質問項目をチェックし、テーマに沿った調査が進められるようにする。 セ集計の仕方も工夫させ て、時間をかけず、合理的に進めることができるようにする。 セ調査結果から分かったこと・予想との比較など、考察の内容を 確認し、自分なりに考察させて、グループごとの話し合いも主体的に進められるようにする。 セカードを準備し、考察の内容を 簡単な文で表現できるようにする。 セ発表会を意識させて、見やすい資料を作れるようにする。 セカードを準備し、前書きと まとめを簡単な文で表現できるようにする。 セカードの並べ替えをさせ、分かりやすい作文構成の計画ができるようにする。      第 三 次      8 構成表にしたがって、作文を書く。                          9 書き上げた作文を読み合い、清書する。 セ児童作品例の工夫点も再確認させながら、構成表にしたがって、書き進めることができるようにする。 セうまく書き進められ ない部分を把握させ、学び合いで解決できるようにする。 セ漢字の使い方や、接続語・指示語・段落分けなど細かい部分にも気を つけさせ、丁寧に仕上げることができるようにする。    第 四 次      10 発表会を開く。 ・                          11 セ発表グループの分担を明確にさせ、表・グラフなど発表者の内容によって指し示すことができるようにする。 セ発表者に発表 原稿を工夫して読ませ、聞く人に分かりやすく伝えることができるようにする。 セ聞く側に発表者のよい点を「よかったよメッ セージ」にまとめるというめあてをもたせ、主体的に聞くことができるようにする。 五、本時の指導 (一)ねらい     調査結果を考察し、カードに簡単な文で表現できる。 (二)展 開