印刷用紙:B4縦 1ページの行数:49 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−          第六学年  国語科学習指導案                             日 時 平成八年 十月二日(水)一校時                             対 象 六年三組 男十六名 女十五名 計三十一名                              指導者 畠 山  敏 一、単元名 成長の姿を  教材名 「海の命」 二、単元について (一)教材について    第六学年の理解における目標は、「目的に応じて効果的に話を聞いたり、目的や文章の種類などに応じて正確な読  み方で文章を読んだりすることができるようにするとともに、適切な読み物を選んで読む習慣をつける。」である。  六年生になり子供たちは、最初の教材「赤い実はじけた」で主人公の微妙な心の動きをとらえながら心の成長につい て考える学習をした。次に「石うすの歌」で主人公の心情と石うすの歌の変化とを合わせて読み、逆境を乗り越え人間  としてひたむきに生きることの大切さについて考える学習をした。また二学期になってからは「やまなし」で情景をイ メージ豊かに想像しながら読み味わってそれを朗読に生かす学習をした。本単元は、小学校で学習する最後の物語教材  であり、これまでの学習の集大成として、文学作品の主題に迫る読みを自らの力で行い、自らの成長をも見つめながら  深く広く読み味わわせることをねらっている。    本教材は、六つの場面で構成されている。それぞれの場面を貫いて描かれているものは、一人の少年、太一の父   親、祖父、またそのずっと先の祖先が生まれ育った生命の母なる海に寄せる熱い思いであり、父の死を乗り越え、父の ような漁師を目ざした太一の成長の姿である。また作品の底には、「人間は自然と共に生きていかなければならない」 という自然観と、「永遠性を象徴する自然界の命としての転生輪廻」の生命観が流れている。この壮大なテーマに、自 分たちと同じ年頃の少年の成長の姿を通して気付かせ考えさせることは、まさに小学校最後の物語文としての学習にふ さわしいと考える。 (二)子供の実態について    学級の子供たちは、国語の学習に意欲をもって取り組んでいる。学級掲示でノート紹介コーナーを設け、お互い   のよさを学び合う中で、「一人学び」におけるノート作りも充実してきた。そして、視写、書き込み、抜き書き、図式  化等、今まで身につけてきた方法をもとにそれぞれ創意工夫して自分なりのノート作りをすることに喜びを感じている  子供も増えてきた。    「学び合い」では、自分の考えを根拠を明らかにしながら話し、またお互いのよさに学んで自分自身をより高め    ていこうとする学習態度はでてきた。当初は三〓四人の小人数での話し合いはスムーズにできるものの、全体の中での  話し合いになると一部の子供だけの意見交流になる傾向が強かった。しかし最近は徐々にその話し合いの輪が広がり、  深まる場面も増えてきた。また、「学び合い」の最中も友達の発表を聞きながら自分の考えを修正したり膨らませたり  してノート作りができるようになってきた。課題としては、グループ間や全体の中での話し合いが焦点化され、その価  値に気付きながら、友達の考えを論破したり、納得のいくまで議論したりして、みんなで高まったという実感を味わえ  るようになることである。 (三)指導にあたって    この教材は「海の命」という題名に象徴されている主題について考える学習、すなわち「海の命」とは一体何を    表しているのかを考えることを大きな学習の柱として読み深めさせたい。「海の命」については子供たちは多様なとら  え方をするものと思われるが、それらの感じ方、考え方の違いを大切にして学び合いで深め、広められるような展開を  図りたい。    学習を進めていくにあたって、第一次の段階で「作品全体を包む言葉」としての大きなテーマと文章中に出てく    る「大切な文」、「光る言葉」をキーワードとして押さえ、見通すことによって、第二次、第三次で広い視野から細部  を見渡しながら、また逆に細部をつなげて一つの世界をつくり上げていくという両方向の読みの活動を結びつけていけ  るようにしてきたい。教師の支援としては、子供一人一人の作り上げるノートによく目を通し、学習活動を承認し(認  め励ますこと)、子供の意欲を喚起し、子供と教師の交流を図り、これを土台に活発な子供同士への交流へとつなげ、  学び合いの充実を図りたい。前単元までは、毎時間のノートに対して、朱書きのコメントを書いて返却していたが、今  回は最後の物語文でもあるので教師の赤ペンはあえて入れずにまとめさせたい。その代わり付箋紙へのコメントという  形で支援していきたい。また付箋紙は毎時間の「一人学び」の際も子供を励ましたり助言をしたりする際にも使用し、  効果的な「学び合い」へと導いていきたい。 三、単元の目標  ○関心・意欲・態度    ・ 主人公の心情の変化や成長していく様子を通して、大自然の中で生きる命の永遠性に気付き、主題     に迫ろうとする。            ○表  現 ・ 自分の考えを深めて主題や意図をはっきりさせて聞き手によく分かるような朗読ができる。  ○理  解 ・ 文章の叙述に即して、細かい点にまで注意しながらキーワードを探り、作品の主題を追究し、自分     自身の生き方について考えを深めることができる。  ○言語事項    ・ 優れた表現や叙述に着目してそれが表している世界をとらえ、語感や言葉の使い方についての関心     を広めることができる。 四、学習指導計画  (10時間扱い) 本時::7時間目 五、本時の指導