印刷用紙:B4縦 1ページの行数:57 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−                                            第 六 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案                                   日 時 平成八年十月二日(水) 二校時                                   対 象 六年二組 男十七名 女十五名 計三十二名                                   指導者 藤 谷 真 理 一、単元名 十二歳の記録     教材名「今、わたしは、わたしたちは」 二、単元について (一)教材について     第六学年の表現における目標は、「目的や意図に応じた表現をするために、全体を通して適切に話したり、組立ての効果    を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、適切で効果的な表現をしようとする態度を育てる」ことで    ある。文章表現では、「組立ての効果を考えて文章を書く」ことが指導の重点となる。第五学年までの「主題や要旨が明確    に表れるように全体の構成を考えて文章を書く」学習の発展として、第六学年では、目的や意図に応じて組立ての効果を考    えさせることになる。本単元では、「一年間の出来事を振り返ったり、今の自分を見つめたり、将来のことを想像したりし    ながら、要旨のはっきりした文章を書くことができる」ことを主目標としている。     第六学年の作文学習では、「今年の作文計画」で、一年間の作文計画を立てて書くことの見通しを持ち、「生活を見直し    て」では、身近にある諸問題に目を向け、調査、整理し、要旨のはっきりした意見文を書くという学習をしてきた。さらに    「さまざまな表現に目を向けて(小教材)」では、これまでに書いた作文を違う形に書き直し、目的や相手に応じて表現す    る学習を、「みんなで考えよう−わたしたちの生きる今」では、人や自然、社会に目を向け自分の考えを文章に書き、考え    を深めるという学習をしてきた。本単元での一年間の出来事を振り返って要旨のはっきりした文章を書く学習が、この後の    「卒業を前にして」での一年間の出来事から心に残る思い出をシナリオに書き上演するという学習へとつながっていく。     本教材「今、わたしは、わたしたちは」は、今現在の自分、クラス等についての記録を残そうという課題提示、どんな形    で残すかという参考例、個人の記録である「松野君の作文」及びクラスの記録である「文とイラストでつづる一組の一年」    「未来のぼくやわたし」で構成されている。実際の卒業文集作成作業と重ねて学習できる内容となっている。卒業文集は小    学校在学中の印象を書き残す記念の性格と、自分の将来を語り、次の一歩を踏み出すバネの役割を持つものである。六年生    になって半年たち、小学校卒業もそろそろカウントダウンに入る時期に自分が十二歳であることを自覚し、自分の生活ぶり    や周りの人々との係わり方、自然や社会に対する考え方などを振り返ることは意義のあることである。子供たちは、教材文    から読み手に分かりやすい文の構成やテーマに沿った原稿作りの内容や表現方法を学び、さらにそれを生かして創意工夫し    た学習を展開していくことができる。自分たちの記録を残すという目標を持ち、目的に応じた表現の工夫に意欲的に取り組    める教材であると考える。 (二)子供の実態について     五月上旬に実施したアンケート結果によると、学級の子供は、国語の勉強は好きであるが作文はあまり好まないといった    傾向を持っていた。それは、作文や日記に、表記上の誤り、ひらがな文、不明確な主題、語彙の不足といった多くの課題が    見られたことから、自分の思いを十分に伝えられる作文技能が身に付いていないことが原因と思われた。また、「学び合    い」においては友達の作文を読んでみたい、しかし自分の作文は読んでほしくないという子がほとんどであり、いかに作    文を読まれることへの抵抗を少なくするかが大きな課題となっていた。学習訓練の面でも、自分の考えを大きな声ではっき    りと話せる子が少なく、指導の重点となっていた。     そこで、授業においては、まず、教材文で主題設定の仕方、文章構成、表現方法などを学び、それを自分の作文に生かす    ような流れを組み、ねらいを絞って書かせるようにしてきた。「学び合い」では、一人一人が自分の考えを話すことが学び    合いを深めるということを子供たちに意識させると共に、話し方の指導をしてきた。また、友達のよさを見つける視点を中    心に学び合い活動を行ってきた。家庭学習や他教科の学習でも、文を書く活動を取り入れるようにし、内容や表現のよいも    のを紹介するなどして意欲付けを図ってきた。     これらの取り組みを通して、家庭学習に、学んだ表現の仕方を取り入れて日記を書いてくるなど、書くことへの意欲を持    つ子や、どうすればもっと自分の作文がよくなるか友達の考えを聞いてみたいと積極的な姿勢を示す子も見られるように    なってきている。 (三)指導にあたって     本教材は、卒業を意識し始める子供たちにとって、身近にとらえて学習できるものと考える。自分たちの卒業文集を作成    する作業と重ね合わせて、学習を進めていく。今の自分を見つめ、「今わたしたちは何をしているか」「どんな思い出にひ    たっているか」「どんな将来を描いているか」など主題を明確にし、主題を意識して書かせるようにしていきたい。「松野    君の作文」からは、自分の考えや思いを効果的に表現している部分を見つけ、推敲の際の観点とし、表現の工夫に目を向け    させていきたい。     個人の記録では、「心に残った言葉」をモチーフにして今の自分を見つめる作文を書くこととする。題材を見つけるため    に、前もって心に残った言葉を記録させておきそこから見つけられるようにしたい。クラスの記録については、教材文を参    考に、テーマに合った効果的な表現方法を子供たちに考えさせていきたい。     これらの文集を作成する活動を通して、表現することの楽しさを味わえるようにしていきたいと考える。 三、単元の目標   〇関心・意欲・態度 ・一年間の出来事を振り返ったり、今の自分を見つめたり、将来のことを想像したりしながら文章の種類や目的に応じた      文章を意欲的に書こうとする。   〇表現     ・書こうとする文章の種類や目的に応じて、要旨のはっきりした文章を書くことができる。     ・書いた文章を読み返して、効果的な叙述になるように文章を練ることができる。   〇言語事項     ・書こうとする文章の種類や目的に応じた構成の文章を書くことができる。 四、学習指導計画( 時間扱い)  本時…5時間目