印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−            第3学年国語科学習指導案                                  平成8年9月9日(月)                                  男11名 女12名 計23名                                  指導者 千 葉 勝 士 1.単元名  「へらない稲束」( 李 錦玉 )] 2.単元について  1教材について    この教材は、民話で二人の兄弟が仲良く互いに助け合っていく兄弟愛を描いている。   物語の中で豊作になり兄(弟)へ運ぶ場面があるが、決して米が余っているわけではない。この米   を相手にわからないように運ぶところが物語の山場である。    物語は大きく4つの場面に分けられている。   一の場面・・・少年時代のチョルとトルが仲よく青年へと成長。父の死後これからも仲良くやって          いこうと約束する。   二の場面・・・父の死後、兄は弟のことが気にかかり、又、弟は兄のことが気にかかり、互いに稲          をこっそり贈る。   三の場面・・・稲がへっていることに首をかしげる二人   四の場面・・・お互いに稲を贈っていたことが分かり、二人は共にうれしい気持ちになる。    愛は相手を思う気持ちである。自分のことよりも相手に何かしてあげたいと思うことであり、愛   の理屈は以外と簡単である。人類共通の愛の世界に児童といっしょにひたってみたいものである。    本教材では、チョルとトルの二人が分かれたあとの様子、家について、家族とのやり取り、次の   日のこと等、色々な話を児童が考えると思うので、続き話を紙芝居にしたり絵本にしたりして、活   動を広げていきたい。又、外国にも優れた多数の民話がありそれを紹介することにより児童が民話   に興味を持つようにしたい。  2児童について    これまで児童は「水玉」「ニコラスどこに行ってたの?」を通して絵や文章や言葉を手がかりに   場面の様子や気持ちを読み取る学習をしてきた。その中で、課題解決につながる言葉を見つけてサ   イドラインを引いたり、言葉の持つ意味を考えて気持ちを読み深めたりすることに取り組んできて   いる。    事前テストの結果をみると、語句の意味については半分程度理解している状況である。新出漢字   については、半数程度は読める。一人学びについては、大切な言葉にサイドラインを引くことので   きる児童が8割程度いるが、その言葉から気持ちを読み深めていくことは不十分である。    児童は、読書意欲もあり、よく図書館へ行って本を借りている。この意欲を人物の行動や気持ち   を考え語句に注目した読みへと発展させたい。また、読み取りにあたっては、文中の主語、述語、   修飾、被修飾の関係に注意させ読み取る技能を育てたい。  3指導について    本単元の指導にあたっては、単元全体を「つかむ」「ふかめる」「ひろめる」の3つの段階に分   けて学習を展開する。   「つかむ」段階では、おもしろかったこと、わからなかったこと、心に残っていること等を中心に   初発の感想を書かせて、場面毎の学習課題をつくる。又、場面毎のあらすじを書かせる。意味のわ   からない言葉を国語辞典で調べ、読み取りに生かせるようにしたい。又、ノートに学習計画をまと   め、あらすじや課題を常に確認しながら、見通しを持って学習に取り組めるようにしていく。   「ふかめる」段階では、手がかりになる言葉(文)を見つけて、サイドラインを引いたり抜き書き   をしたりしながら読み深める学習に取り組ませ読み取ったことを発表し合いながら主人公の兄と弟   の心の通い合い−互いを思い合う気持ちを読み取らせていきたい。   「ひろめる」段階では、場面ごとに読み取ったことを整理しながら、主題について考えを出し合い   まとめる。発展として、紙芝居、ペープサート、絵本作りをし、民話のおもしろさを表現活動を通  て味わわせていきたい。 3.単元の目標(観点別目標一覧表は別添)   登場人物の気持ちや場面の様子を豊かに想像しながら読み、民話の面白さを味わう。 4.教材分析表(別添) 5.指導計画(10時間) 1第1次 ・全文を通読し初発の感想を書く。−−−−−−−−−−−−−−−1 (つかむ) ・学習課題を作り、学習計画を立てる。−−−−−−−−−−−−−1  2第2次   ・少年時代のチョルとトルの様子を読み取り、成人して父さんの死後 (ふかめる) も、仲良く生きていこうとする二人の気持ちを読み取る。−−−−1本時 ・互いに相手を思いやる二人の気持ちを読み取る。−−−−−−−−1 ・稲がへらない理由がわかったときの二人の気持ちを読み取る。−−1 ・もと来た道を帰っていく二人の気持ちを考える。−−−−−−−−1 3第3次 ・物語の続き話を想像して書く。−−−−−−−−−−−−−−−−1 (ひろめる)・続き話の発表会をする。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・外国の民話を読み興味を持った作品の感想を書く−−−−−−−−1 6.本時の指導  1目標    少年時代のチョルとトルの様子と、成人して父さんの死後も仲良く生きていこうとする二人の   気持ちを取る。  2一人学びの構想  〈一人学びの見通しのもたせ方〉   「つかむ」段階では、場面のあらましを確認する。静かな青い山のふもとに貧しいお百姓が住んで  いたという昔話独特の書き出しを味わわせる。挿絵をてがかりにしながら「ふもと」から草原や自由  に走れる原っぱを連想させる。次に、本時の課題をふまえながら、チョルとトルは、小さいころから  大変なかよしであること、成人して、父親の死後も一層仲良く生きていこうとする二人の気持ちを読  み取るためにどんな一人学びしていくかをつかませる。方法としては、サイドライン、抜き書きをと  りいれる。  〈一人学びの場における支援の方法〉   はじめに学習範囲を読む。その後各自で読みながら少年時代の二人の兄弟の行動や様子を表してい  る文から「〜のもいっしょ」の繰り返しに注目させ、二人が仲良く過ごしていたことをつかませる。  その後、青年になった二人が父親の死にあう場面での二人の気持ちについて一人学びさせる。二人の  気持ちを読み取ることができる言葉、文にサイドラインを引き、その言葉、文を手がかりに読み取る  ことになる。そこで、本時では、A・Bの2つのタイプに分け、それぞれ支援を行う。 タイプ分けの観点 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 気持ちがわかる文や言葉に | | A タ イ プ | B タ イ プ | 気づき、サイドラインを引 +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ ことができる。 | タ|気持ちがわかる文や言|気持ちがわかる文や言| | イ|葉に気づき、サイドラ|葉に気づいてサイドラ| |基プ|インを引くことにつま|インを引くことができ| | 分|づきが見られる子 |る子 | |凖け| | | | の| | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | 支|・範囲を示し、繰り返|・抜き書きをする。 | | 援| し読んでみることで|・言葉を手がかりにし| | の| 手がかりになる言葉| ながら、父に対する| | 内| に気づく。 | 二人の気持ちを考え| | 容| | る。 | |方と|・助言 | | |法 | |・助言 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+  3展開 +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−− | | 学 習 活 動 |・留意点 | | 学習過程 +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+○支援の方法 | | | 主な教師の働きかけ | 期待する児童の反応 |◎評価の内容と方法| +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | |1.前時の想起 |1(一)の場面のあらす|・チョルとトルは小さい|・本時の学習への意| | | | じを想い起こしてみま| ときから、大のなかよ| 欲づけをしたい | | | | しょう。 | しだった場面 | | | | | |・父さんが死んだ場面 | | | |2.学習課題の |2今日の課題を読みまし| |・課題をはっきりつ| |つ| 確認 | ょう。 |・一斉読み | かませたい | | | | | | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | |か| ||少年時代のチョルとトルの様子と大きくなって|| | | | ||からの二人の気持ちを読み取ろう。 || | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | |む| | | | | | | | | | | | |3.課題解決の |3どんなことに気をつけ| | | | | 見通し | て読んでいけばよいで|・少年時代の二人の様子|・課題解決の内容に| | | | しょう。 |・大きくなってからの二| ついて確かめて何| | | | | 人の様子、行動 | に気をつけて読み| | | | | | 深めればよいかし| |(| | どんな方法で一人学び|・てがかりになる言葉に| っかり押さえる。| |7| | をしますか。 | サイドラインを引きま| | |分| | | す。 | | |)| | |・抜き書きをします。 |◎課題解決の見通し| | | | |・どんな気持ちだったか| を持つことができ| | | | | を考えます。 | たか。(観察) | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |4(一)の場面の音読を|・指名読み(5名) | | | | | しましょう。 | | | | | | (P60L23〜P62L4)| | | | | | | | | | | |5二人が育ったのは、ど|・しずかな青い山のふも|・「ふもと」「まず| |ふ| | んなところですか。 | と | しい」について考| | | | |・まずしいおひゃくしょ| えさせる。 | | | | | うの家 | | | | | | | | |か| | | | | | |4.内容の読み取|6二人は、どんな兄弟で|・たいへんななかよし | | | | り | したか。 | | | | | | それは、どんなことか|・ねるのもいっしょ | | |め| | らわかりますか |・おきるのもいっしょ | | | | | |・小川で水あそび | | | | | |・山で木のぼり | | | | | |・いたずらしてげんこつ| | |る| | | もらって、泣くのもい| | | | | | っしょ | | | | | | | | | |7重い病気でねついてし|・父さんの手をしっかり| | | | | まった父さんのまくら| とにぎって | | | | | もとで、二人はどんな|・「おらたち、いつまで| | | | | 気持ちだったでしょう| もなかよくするよ。」| | | | | か。気持ちがわかる言| | | | | | 葉にサイドラインを引| | | | | | いて考えましょう。 | | | | | | (一人学び)| | | |(| | | | | | | |8発表しあいましょう。|・父さんがいなくても、| | |30| | | ずっと、けんかなんか| | |分| | | しないよ。 | | | | | |・いつまでもなかよくす| | |)| | | るよ。 | | | | | |・かならず、やくそくを| | | | | | まもるよ。 | | | | | |・ぜったい、けんかをし| | | | | | ないよ。 | | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | |5.課題のまとめ|9二人の気持ちをまとめ| | | | | | ましょう | | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | |ひ| ||二人は、いつでもいっしょにいてたいそうなか|| | | | ||よしだった。大人になって、いつまでもずっと|| | |ろ| ||なかよくしようと決心していた。 || | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | |め| | | | | | |6.まとめ読み |10学習した場面を読みま|・指名読み | | |る| | しょう。 | | | | | | | | | |(|7.自己評価 |11今日の学習を振り返っ| | | | | | てみましょう。 | | | |8| | | | | |分|8.次時予告 |12次の時間はどんな場面|・チョルとトルがおたが| | | | | を学習するのですか。| いに稲束をおくりあっ| | |)| | | た場面 | | | | | | | | +−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ 4評価   少年時代の二人の様子と父さんの死後もなかよくしていこうとする二人の気持ちを読み取ること   ができたか。   〈板書計画〉 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−+ま 「 父 家 泣木水おね 弟 兄 まし +−−−+ | || |と お 父 さ の く登あきる +−+−+ ずず |を大少| | || |め ら さ 重ん 中 のりびるの |ト|チ| しか |読き年| | || | 目 た ん い も のも |ル| | いな |みく時| | || | を ち の 病 | も | |ル| お青 |取な代| | || | つ な 手 気 +−−− +−+−+ ひい |ろユの| | || | む かい を 笑 い ョ山 |うてチ| | || | り−よつ−し い ユ 友人 くの | かン| | || | ま くま ユ 声 し だ里 しふ | らル| | || | し すで か ラ ちは ラも | のと| | || | た るも り | もな うと | 二ト| | || | よ と た いれ | 人ル| | || | 」 に い なた | のの| | || | ぎ なへ い | 気様| | || | ユ かん | 持子| | || | て よな | ちと| | |+−−+ し +−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+