印刷用紙:A4横 1ページの行数:51 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−                    第1学年国語科学習指導案                                  日 時 平成8年9月6日(金)5校時                                  学 級 1年2組 男14名 女16名 計30名                                  授業者 及 川  久 子 1.単元名     場面の様子や登場人物の行動を考えながら (理解−物語文)           「おおきな  かぶ」(東京書籍 1年上) 2.単元について  (1) 教材について   第1学年の理解の目標は、「粗筋をつかみながら話を聞いたり、書かれている事柄の大体を理解しながら文章を読ん  だりすることができるようにする。」である。本単元では、場面の様子や人物の行動を考えながら文章を読み、話のお  もしろさを味わうことをねらいとしている。この教材は、おじいさんのまいたかぶの種が、おじいさんの願い通りあま  くて大きなかぶになるが、大きすぎて一人では抜けず、次々と応援者が来るが、なかなか抜けない。最後に小さなねず  みが加わってやっと抜けたというおもしろいロシア民話である。おじいさん一人の力では、どうしても抜けない大きな  かぶが、次々に応援者が加わってついに抜ける。みんなで協力して働くことの尊さを描いた作品である。また、応援者  が大きな者から小さな者へ順に移っていくことを考え合わせると、小さな力の役割が見事に浮かび上がってくる。そこ  から、どんな小さな力でも大切であるということを感じ取ることのできる作品である。表現上の特色として、同じ文型  の繰り返しで文章が構成されている。また、「うんとこしょ、どっこいしょ。」というかけごえも繰り返し出てくる表  現である。ことばの持つおもしろさや、繰り返しによって生まれるおもしろさを感じ取りながら読む楽しさを味わうこ  とができる教材である。  (2) 児童について   児童は、前単元「てがみ」で、「お話のあらすじをつかみ、場面の様子を想像しながら読む」ことを学習してきた。  さし絵をもとにしてお話のあらすじをつかんだり、登場人物の行動をつかむことができるようになってきた。登場人物  の気持ちを想像して簡単な言葉で発表することはできるが、文章に書くにはまだ多く時間がかかる。今までも、動作化  を取り入れた授業をしたことはあるが、動作化によって読み取りを深めていくのは初めてである。動作化をするときに  恥ずかしがって取り組めない児童も数名見られたが、ほとんどの児童が喜んで取り組んでいる。本単元でも、更に意欲  的に動作化に取り組むことが予想される。音読は、ほとんどの児童が、毎日家庭学習で取り組んできている。声の大き  さに気をつけてすらすら読める児童が11名、すらすら読めるが声が小さい児童が12名、たどり読みの児童が7名いる。  グル−プによる学習では、話し合いの仕方が分からなかったり、誰か一人の意見に頼ってしまうことがあったが、本単  元ではそれぞれの役割がはっきりとわかるので、楽しく取り組むことができるだろうと思われる。  (3) 指導について   この教材では、かぶを抜く登場人物がどんどん増えてきて、かけ声をそろえてかぶを抜く様子を読み取るとともに、  その時の登場人物の気持ちを読み取ることが学習の中心になる。登場人物が増えた時に場面が変わることをとらえられ  るように、新しい登場人物に着目しながら話の筋をとらえていきたい。みんなで力を合わせてもなかなか抜けない様子  や、力を合わせてやっと抜けた様子を読み取るために、動作化をしながら読み取りを進めていく。実際にかけ声を出し  てみたり、体を動かすことによって登場人物の気持ちになりきることができるだろう。そして、その時の気持ちを吹き  出しを用いたワ−クシ−トに書くことにより、さらに読み取りを深めることができるようにする。深めあう段階では、  グル−プの中で役割を決め、動作化をしたり、その役柄になりきった言葉を自由に発表し合っていく。かぶが抜けた喜  びのみならず、お互いに励ましの言葉をかけあったり、お互いをたたえ合う言葉をかけあうことによって作品に浸るこ  とができるようにしたい。1年生の現在の発達段階においては、一人で読み取りをして、その読み取ったことをもとに  話し合いを深め合うことは難しい。したがって、読み取る段階と深め合う段階を分けずに、お互いに動作化を発表しな  がら授業を展開していくことにした。 3.単元の目標    場面の様子や登場人物の行動を考えながら読み取り、お話のおもしろさを楽しむ。 4.単元の観点別    評価目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |国語への関心・意欲・態度| 表現の能力 | 理解の能力 |言語についての知識・理解・技能 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ ア、物語について進んで話しア、登場人物の心情を想像しア、登場人物をもとに、場面ア、主語と述語の照応をきちん| | 合おうとする。 | ながら、動作化すること| の順序をとらえることが| と理解することができる。| | | ができる。 | できる。 | | イ、役割を決めて、進んで劇イ、登場人物に対して、簡単イ、登場人物の気持ちを想像イ、進出漢字の読み書きができ| | の練習に取り組もうとす| な手紙を書くことができ| することができる。 | る。 | | る。 | る。 | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ 5.指導計画 (11時間) +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 段階 | 目 標 | 評 価 計 画 | ++−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 第 つ 1、題名やさし絵から内容を想像することができる。 |○題名やさし絵から話の内容を想像し、進んで| 一 か| | 話し合おうとする。 (関ア) | 次 む 2、全文を読み、話の粗筋をつかみ、初発の感想を発表するこ ○登場人物をもとに場面分けをし、あらすじを| || | | つかむことができたか。 (理ア) | || 3、感想をもとに学習課題について考え、学習計画を立てるこ ○おもしろかったことを中心に、学習していき| || | とができる。 | たいことを話し合おうとする。 | ++−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ふ 4、おじいさんの表情や会話から、おじいさんが種をまいたと ○おじいさんの行動や気持ちを理解し、発表す| 第 | きの様子や気持ちを想像することができる。 | ることができたか。 (理イ) | | か 5、おばあさんやまごが次々と来てかぶを抜こうとする様子や ○みんなでかぶを抜こうとする様子を動作化で| 二 | 抜けなかったときの気持ちを想像することができる。 | きたか。 (表ア) | | め 6、犬やねこが加わってかぶを抜こうとする様子や抜けなかっ ○なかなか抜けないときのおじいさんの気持ち| 次 | たときの気持ちを読み取ることができる。 | を想像し、発表することができたか。(理イ)| | る 7、やっとかぶが抜けたときの様子と、おじいさんやみんなの ○やっとでかぶが抜けたときのおじいさんやみ| || | 喜びの気持ちを読み取ることができる。 | んなの気持ちを想像し、発表することができ| || | (本時) | たか。 (理イ) | ++−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 第ま 8、役割を決めて、グル−プで劇の練習をすることができる。 ○劇をすることを話し合い、進んで劇の練習に| || | | 取り組もうとする。 (関イ) | 三と 9、グル−プごとに劇を発表し合い、感想を発表することがで ○劇を見た感想を進んで話し合おうとする。 | || | きる。 | (関ア)| 次め 10、登場人物にあてて、手紙を書くことができる。 |○登場人物に手紙を書くことができたか。(表イ) || 11、文、語句、漢字の練習をし、学習のまとめをすることがで ○進出漢字の読み書きができたか。(言アイ)| || | きる。 | | ++−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6.本時の指導  (1) 目標      ねずみが加わって、やっとかぶが抜けたときの登場人物の喜びの気持ちを読み取ることができる。  (2) 本時教材のよさ・登場人物がどんどん増えてきても、なかなか抜けなかったかぶがやっとで抜ける場面で、子     ども達が一番興味を持って読み進める場面である。どんなに力を合わせても抜けなかったという場面の動作化か     ら、抜けたときの動作化をすることによって、「ぬけてよかった。」という気持ちを素直に感じ取ることができ     るだろう。また、動作化の楽しさをいっそう感じ取ることができる。      ・「うんとこしょ、どっこいしょ。」というかけ声を、動作化をしながらグル−プのみんなで大きな声で息を     合わせて読むことによって、みんなで力を合わせることを体感できる。      ・次々と登場人物が増えてもなかなか抜けなかったかぶが、ねずみという小さな力に弱い動物が加わって抜け     るという面白さとともに、小さな力でも、それが加わることによって大きな力になることを感じ取ることができ     る。どんな小さな力も、大切だということがわかる場面である。  (3) 本時指導の工夫      本時は、今までなかなか抜けなかったかぶが、やっと抜ける場面である。前時までの学習を想起しながら、登   場人物の順序をはっきりととらえ、おじいさんや他の登場人物の気持ちを想像することが学習の中心になる。 +−−−−−−−−−−+ @|動作化による読み取り| +−−−−−−−−−−+      おじいさんや他の登場人物の気持ちを想像するには、登場人物になりきることが大切である。そのために、み     んなで力を合わせてかぶを抜こうとするところから動作化を取り入れる。声を出し、力を合わせてかぶをひっぱ     ることによって、やっとでかぶが抜けたときの喜びを味わうことができるだろう。また、このときに登場人物の   順序に気をつけるために、絵で確認したり、お面を準備しておく。 +−−−−−−−−−−+ A|グループによる動作化| +−−−−−−−−−−+      かぶが抜けたときの喜びの声をたくさんひきだすために、グル−プで動作化をしたあとに、役柄になりきった     言葉を自由に話をする場面を設ける。かぶが抜けた喜びにたっぷりとひたって、たくさんの意見を導き出したい。  (4)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−− 段階| 学習内容・活動 | 子どものよさを生かす工夫 (○評価) 備 考| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ つ 1.前時学習内容の想起 ・ねこが加わってみんなで引っ張ってもかぶが抜けなかっ| | か | |たことを、前時のまとめを使いながら振り返る。 | | む 2.本時の学習内容を把握する | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | | | |かぶがぬけたとき、おじいさんやみんなは、なんといったでしょう。| | | (5分) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | 3.課題解決の見通しを持つ ・課題解決に迫るために学習しなければならない箇所を確| | 見 |(1)見通しを持つ |認する。 | | | | | @ねこがねずみをよんできたこと 絵 | 通 | | Aみんなでかぶをぬいたこと | | | | | Bやっとでかぶがぬけたこと | | す | ・動作化によって深め合うことを確認する。 学習プ| | | ○新しい登場人物がねずみであることをおさえ、かぶをぬリント| | | |こうとする登場人物の順序をおさえることができたか。| | (5分) (2)学習場面の音読 ・指名読み(P77L1〜P78L2) | | | | ・みんなに聞こえるように大きな声で読めるようにする。| | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ 読 4.発表しあい、深め合う | | | | |(1)大きなかぶをぬこうとする登場人物の様・「うんとこしょ、どっこいしょ。」のかけ声の大きさに| | み | 子を想像する |着目し、登場人物が増えたことを再確認する。 | | | | ・動作化 ・グル−プで声をそろえ、息をあわせて動作化をすること| | 取 | |によって、力を合わせてかぶをぬこうとする様子を想像| | | | |する。 | | る |(2)大きなかぶがぬけたときの登場人物の様・大きなかぶがぬけた様子を動作化しながら、登場人物の| | | | 子を想像する |喜びを感じ取り、となりの人と交代でおじいさんの言っ| | ・ | ・動作化 |た言葉とほかの登場人物が言った言葉を考える。 | | | | | | | 深 | ・吹き出しに書く ○かぶがぬけたとき、登場人物がなんと言ったか想像する学習プ| | | |ことができたか。 リント| め 5.課題についてまとめる | | | | | | | | 合 | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | | |おじいさん:「やっとぬけた。みんなのおかげだよ。」 | | | う | |みんな :「やったあ。みんなでがんばってよかった。」 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | 30分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | | | | | 振 6.学習場面の音読をする | | | り | ・一斉読み ○読み取ったことを生かして音読していたか。 | | 返 7.本時の学習を振り返る | | | る | ・授業の感想を発表する | | | | | ・次時の予告をする | | | (5分) | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (5)評価 |大きなかぶがやっとぬけたときの登場人物の気持ちを想像することができる。| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    A 大きなかぶがやっとぬけたときのおじいさんや他の登場人物の気持ちを想像し、吹き出しに書くことができる。    B 大きなかぶがやっとぬけたときのおじいさんや他の登場人物の気持ちを想像し、動作化することができる    C かぶをぬくときの登場人物の順序を正確に話すことができる。