印刷用紙:A4縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−        第 2 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案 日 時 平成8年9月6日(金) 5校時                         学 級 2年1組 男16名 女15名 計31名 授業者 高 橋 徳 男 1.単元名 場面の様子を想像しながら (理解−物語文) 「雨の日のおさんぽ」(東京書籍 2年上) 2.単元について (1) 教材について      第2学年の理解の目標は、「事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の順序や場面の様子の移り変わり     などに注意しながら文章を読んだりすることができるようにする。」である。本単元では、主人公の気持ちや 行動を順序よく読み取り、場面の様子を想像しながら読むことをねらいとしている。      この教材は、主人公の「ぼく」が雨の日のお散歩が大好きなおばあちゃんと犬のルーカスといっしょに散歩     にでかけ、いろいろな発見をするお話である。秋の雨を思い、「ぼく」とおばあちゃん、そして、ルーカスと     の散歩の様子を読み進めていくと、雨も楽しいものに変わっていく。また、ルーカスへの温かい思い、おばあ ちゃんと「ぼく」との心の交流を軸に、行動を順序よく読み取るのに適した作品である。      水たまりに落ちたてんとう虫、雨に濡れても平気な小鳥の羽の秘密、ダムのようになった排水溝、一つ一つ     の叙述を具体的に想像することができ、歩いていくにつれて変わる場面の様子は、話の筋の展開を順序よく読 み取るためにも適している。 (2) 児童について      子ども達は、物語教材「いちごつみ」では、場面の様子や登場人物の気持ちを想像する学習をしてきた。ほ     とんどの子ども達は、場面の様子を思い浮かべながら、会話文を手がかりに登場人物の気持ちを想像できるよ うになってきている。反面、気持ちを想像して書くことが苦手な子どもも5名ほどいる。      初発の感想を見ると文章全体を見通した感想を書ける子は、7名と少ない。課題作りでは、初発の感想をも     とに取り組んでいるが、3分の2ぐらいの子どもは自分の課題を持てるようになってきた。課題に対する予想 は、ほとんどの子どもが書くことができるが、5名ほど予想を立てれない子どももいる。      話し合いを深めるために、リレー発言やハンドサインを用いて学習を進めているが、リレー発言になると一     部の子どもは、はりきって発表するが、半分ぐらいの子どもたちは、発表できないでいることが多く、話し合 いを深める学習形態には十分に至っていない。 (3) 指導について      この教材では、主人公「ぼく」の「雨の日って、やっぱりいいな。」という気持ちを具体的に読み取ってい     くことが学習の中心になる。そこで、「ぼく」が雨の日の散歩で出会った出来事の順序に整理しながら、した と、見たもの、起こったこことを文章から見つけ出しながら読み進めるようにしていきたい。、      気持ちを書いたり、様子を読み取る事が苦手な子どもがいるので、散歩の様子、出来事については、学習プ     リントを用いて、整理しながらまとめるようにしたい。また、本時の場面では、「ぼく」になったつもりで、     こんな雨の日にと思っているパパに雨の日の楽しさを話してあげようという形で考えることによって、子ども 達も意欲をもって散歩の様子を思い出しながら考えるようにしていきたい。     話し合いを深める段階では、友達の考えを聞いたり、自分の考えを発表したりする中で、自分の考えを明確     にするためにハンドサインを用いたり、リレー発言を用いながら話し合い活動を行っていきたい。さらに、深     めるために、理由づけて発表できるようにするとともに、叙述に着目しながら読み取りを深めるようにしてい きたい。      課題作りは、各自の課題を作り、それをグループで話し合ったり、みんなで話し合ったりしながら学習課題     を設定していきたい。また、予想を立てることによって、子供たちの考えを押さえながら指導に生かしていき たい。 3.単元の目標 主人公の気持ちや行動を順序よく読み取り、場面の様子を想像する。 4.単元の観点別評価目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |国語への関心・意欲・態度| 表現の能力 | 理解の能力 言語についての知識・理解・技能 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |ア.散歩しているときの様|ア.散歩にいったときのこ|ア.行動や出来事を時間的|ア.時間を表す言葉に気| | 子を想像しながら、楽し| とを、順序に気を付けて| な順序にしたがって読み| を付けて読むことがで| | く音読しようとする。 | 書くことができる。 | 取り、「ぼく」の気持ち| きる。 | |イ.それぞれの課題につい| | を想像することができる|イ.進出漢字の読み書き| | て自分で考えたり、話し| |イ.「雨の日って、やっぱ| ができる。 | | 合ったりしようとする。| | りいいな。」という「ぼ| | |ウ.友達の作文のよいとこ| | く」の気持ちを想像する| | | ろを見つけようとする。| | ことができる。 | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5.指導計画 (14時間扱い) +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段 階| 目 標 | 評 価 計 画 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |第|つ|1.題名やさし絵から内容を想像し、全文を読んで初発|○全文を読んでおもしろかったことを中心に| | | | の感想を書くことができる。 | 感想を書くことができたか。 (理ア) | |一|か|2.さし絵をもとに場面分けをすることができる。 |○場面分けをし、小見出しを付けようとする| | | | | (関ア) | |次|む|3.感想をもとに学習課題を考え、予想を立てながら学|○学習課題を考えたり、友達と話し合ったり| | | | 習計画を立てることができる。 | しようとする。 (関イ) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |4.おばあちゃんの人柄や雨の日のお散歩の様子、プレ|○おばあちゃんの人柄やプレゼントをもらっ| |第|ふ| ゼントされたときの気持ちを読み取ることができる| たときの気持ちを読み取ることができたか| | | | | (理ア) | | | |5.てんとう虫や小鳥との出会いや排水溝の様子を読み|○てんとう虫や小鳥との出会いや排水溝の様| |二|か| 取ることができる。 | 子を読み取ることができたか。(理ア) | | | |6.森の中の様子やおばあちゃんとの楽しい散歩の様子|○森の中の様子や散歩の様子を読み取ること| | | |7.を読み取ることができる。(2時間) | ができたか。 (理ア) | |次|め|8.家に帰ってからの様子を順序に気を付けながら読み|○家に帰ってからの様子を順序に気を付けて| | | | 取ることができる。 | 読み取ることができたか。 (理ア) | | | |9.「雨の日って、やっぱりいいな。」と言ったときの|○「雨の日って、やっぱりいいな。」と言っ| | |る| 「ぼく」の気持ちを読み取ることができる。 | た「ぼく」の気持ちを読み取ることができ| | | | (本時) | たか。 (理イ) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |第|ま|10.音読発表会をすることができる。 |○音読のめあてを決め、工夫して音読しよう| |三|と| | とする。 (関ア) | |次|め|11.文、語句、漢字の練習をしたり、まとめのテストを|○新出漢字の読み書きができる。(言アイ)| | |る| したりすることができる。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |第|ふ|12.「手引き」を参考にしながら、自分が散歩にいった|○自分の散歩を思い出し作文を書くことがで| | |か| ときのことを作文に書くことができる。 | きる。 (表ア) | |四|め|13.友達と作文を交換して読み合い、作文のよいところ|○友達の作文を読み合い、良いところを見つ| | |る| を認め合うことができる。 | けようとする。 (関ウ) | |次| |14.「雨の日のおさんぽ」からイメージした本をさがし|○「雨の日のおさんぽ」からイメージした本| | | | て友達に紹介することができる。 | を見つけ紹介しようとする。 (関ア) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6.本時の指導 (1) 目 標      「雨の日って、やっぱりいいな。」と言った「ぼく」の雨の日がますます好きになった気持ちを読み取るこ とができる。 (2) 本時教材のよさ      ・ママとパパは、「こんな雨の日にさんぽにいくなんて。」と主人公の「ぼく」の考えと対象的に表現され ていて、それぞれの気持ちの違いに着目しながら読み取ることができる。 ・さし絵を見ると、主人公が家に帰ってからしたことが読み取りやすい。      ・主人公の「雨の日って、やっぱりいいな。」という言葉から、雨の日の散歩の様子に共感できて、その理 由を思い出しやすい。 (3) 本時指導の工夫      本時は、雨の中の散歩の様子を思い出しながら、「雨の日って、やっぱりいいな。」と思う「ぼく」の気持 ちを読み取ることが学習の中心になる。 +−−−−−−−−−−−−−+ @|主人公になりきって話す活動| +−−−−−−−−−−−−−+       雨の日が楽しい理由には、二つ書かれている。一つは、雨の中の散歩である。もう一つは、おじいちゃん      に本を読んでもらえるからである。本時では、一つ目の雨の散歩の楽しさを読み取ることが中心になる。そ      こで、雨の日の散歩の楽しさを単なる出来事を思い出させるのではなく、「こんな日に散歩にいくなんて」      と言うパパに「ぼく」になったつもりで話してあげる形を取ることにより、子供たちが意欲的に取り組める      ようにしたい。文を書くことが苦手な子もいるので、学習プリントには、絵で表してもいいことにし、さし 絵をもとにしながら、散歩の出来事を思い出すことができるようにしたい。 +−−−−−−−−−−−−−−−−+ A|学習プリントを用いた話し合い活動| +−−−−−−−−−−−−−−−−+       深める段階では、子ども達が主人公「ぼく」になって、パパに雨の日の散歩の楽しさを教えてあげる文を      学習プリントに書いたことを発表し、その学習プリントを黒板に張りながら友達の考えに付け加えたり、自 分の考えを発表たりしながら考えを深め合うようにする。       単なる散歩の出来事を思い出すだけでなく、その時の楽しい気持ちを思い出しながら考えを深めるように したい。 (4) 展 開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段階|学 習 内 容 ・ 活 動 |子 ど も の よ さ を 生 か す 工 夫(○評価)|備 考| +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | つ |1.前時の学習を想起する |・雨の中の散歩から帰ってきた二人に、パパとママは何と言っ| | | | | たか思い出す。 | | | か |2.本時の学習課題を把握する | |さし絵| | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | む | |「雨の日って、やっぱりいいな。」というのはどんなことかかんがえよう。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |・課題に対する予想を持つ。 | | | | |・個人の学習課題にも触れ、いっしょに解決していくことを確| | | | | 認する。 | | |(5分) | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |3.課題解決の見通しを持つ |・「雨の日って、やっぱりいいな。」という理由には、二つあ| | | 見 | 1見通しを持つ | ることを押さえる。 | | | | | おさんぽするのも楽しい | | | 通 | | 本も読んでもらえる。 | | | | |・「雨の日はいいな」と思うぼくが、「こんな雨の日に」と思| | | す | | っているパパに雨の日のさんぽの楽しさを教えてあげること| | |(5分) | を確認し意欲を持つ。 | | | | |・雨の日の散歩全文から見つけることを確認する。 | | | | 2学習場面の音読 |・指名読み(P65L5〜P67L11) | | | | |・会話文に気を付け、みんなに聞こえるように音読する。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | 読 |4.各自が読み取る | | | | み | 〓雨の散歩が楽しいことを見つ|・「こんな雨の日に散歩にいくなんて。」と言っているパパに|学習プ| | 取 | ける。 | 雨の散歩が楽しいことを教えてあげようという目的を持ち、|リント| | る | | 「ぼく」になったつもりで学習プリントに書く。 | | | | |・見つけられない子については、散歩しているときのさし絵か| | | | | ら、出来事を思い出しながら書くことがきるようにしたい。| | | 15分 |○雨の日の散歩で楽しいことを見つけて書くことができたか。| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | 深 |5.発表し合い、深め合う |・ぼくになったつもりで、パパに雨の日の散歩の楽しさを話し| | | | 〓雨の日の散歩の楽しかったこ| てあげようということで、学習プリントに書いたことを発表| | | め | とを発表する。 | し合う。 | | | | |・友達の考えを聞いて、ハンドサインを用いて自分の考えを比| | | 合 | | べたり、付け足したりしながら読み取りを深めるようにする| | | | |○雨の日の散歩で楽しかった出来事を発表することができたか| | | う |6.課題についてまとめる | | | | | |・子どもが発表した学習プリントを黒板に張って、雨の日の散| | | | | 歩の楽しさと本を読んでもらう楽しさについて教師が中心に| | | | | なって、課題についてまとめる。 | | | | +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |雨の日のさんぽでは、てんとう虫を見つけたり、小鳥を見つけたりいろいろなこ| | | | | |とがあって楽しいよ。あと、おじいちゃんが本を読んでくれるし、雨の日ってや| | | | | |っぱりいいな。 | | | | 15分 +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | 振 |7.学習場面の音読をする |・登場人物の気持ちを考えながら、会話文に気を付けて音読す| | | | ・指名読み | る。 | | | り | | | | | |8.本時の学習を振り返る | | | | 返 | ・授業の感想を発表する。 |・予想や雨の日の散歩について感想を発表する。 | | | | ・次時の予告をする。 | | | | る | | | | |(5分) | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (5)評 価 |「雨の日って、やっぱりいいな。」と思う「ぼく」の気持ちを読み取ることができる。| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ A−「ぼく」になったつもりでさんぽの楽しかった様子を書くことができる。 B−さんぽの出来事を思いだしパパに教える文を書くことができる。 C−雨の日の散歩が楽しいことを発表できる。