印刷用紙:A4縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):104   −−以下 指導案本文−−                 第6学年 国語科学習指導案                                日 時 平成8年9月6日(金) 5校時                                学 級 6年2組 男21名 女17名 計38名                                授業者 柳元 昌美 1 単元名    表現の細部に注意して  (理解−物語文)     「海のいのち」 (東京書籍 6年上) 2 単元について   1 教材について    第6学年の目標は、「文章の叙述に即して、細かい点まで注意しながら内容を正確に読み取る。」「すぐれた   描写や叙述を味わいながら読む。」である。これを受けて、本単元では表現の細部に注意して読み、主題につい   て自分の考えをまとめることをねらいとしている。    この時期の子ども達は、周囲の人間との関わりの中での「自分」という存在を考え始める時期であり、また社   会や自然に対する認識が大きく変化する時期でもある。この作品に登場する様々な人物やその人々との交流を通   して成長していく主人公の姿は、美しく広大な場面設定と併せてさわやかな読後感を味わわせてくれる。自己を   見つめ始める時期にある子ども達にとって、興味を抱きながら読み進められる作品であろう。    「海のいのち」について、そしてこの物語に一貫して流れているテ−マ「人間と自然との共存」について、ど   の子もそれぞれにその意味について考えることができるであろう。    成長した太一の生き方や与吉じいさの「千匹に一匹でいい」という言葉は、自分の欲望のために千匹の魚をす   べて捕りつくそうとするような、人間の利益のみで自然を自由に操ろうとする現代社会のあり方そのもへの警告   なのかもしれない。   2 児童について    子ども達は、「まぼろしの町」で場面展開と人物の心情変化を学習してきた。また「桃花片」において、人物   のものの見方や考え方の変化に注意して物語を読み味わい、自分の考えを文章化する学習をしてきている。子ど   も達のほとんどは、登場人物の心情を想像したり読み取ったりすることが好きである。しかし、そのことについ   て自分の考えを書き込んだりすることについては、苦手意識を持つ子どもも少なくない。    話し合い活動においては、グル−プ学習を取り入れたりハンドサインを用いることで自分の考えを出しやすく   なり、自分から発表しようとする子どもが増えてきている。また、ハンドサインを出すには相手の意見に対する   自分の考えを持たなければならず、その力も次第に身に付いてきてはいるが、まだ不十分な段階である。    物語教材の学習の仕方についてはだいぶ慣れてきている子ども達であり、初発の感想から個人課題を作ったり   書く活動や音読を通して読み深めていく力は少しずつ身に付いてきている。しかし、子どもによってその力の差   が大きく、書く活動については単に語句の意味や類義語による置き換えに終始する子も少なくない。音読の力に   も差があり、読み取った心情や情景を聞き手に伝わるように工夫して表現読みができる子はまだ少ない。  3 指導について    本単元の主目標は、「主題を自分なりにとらえる」である。よって、学習の流れも「主題の仮設」→「検証」   →「主題の再考察」となってくる。そこで、初発の感想を書くときに併せて主題についても考えることを支援   する。次いで、「深める」の段階で、表現に即して読解活動を行なっていく。ここでは「海」の含まれる会話文   が物語の重要な位置を占めていることに着目させて読み進めていきたい。また、物語は主人公「太一」の成長を   軸に展開されてはいるが、太一を取り巻く様々な人物の考え方や会話がすべて「海のいのち」という題名や主題   に密接していることから、各場面でそれぞれ焦点を当てて読み取るようにしていきたい。いずれの読み取りの場   合も、予想や仮説をもとにした読み取りができるようにしていきたい。    話し合いを深める段階では、ハンドサインなどを用いながら相手の考えに対する自分の意見を持って話し合い   活動に参加できるようにしたい。また、自分の考えはどの叙述を根拠としているものなのかなどを明確にして発   表させることで、話し合いを深まりあるものにしていくとともに、話し合いの形態は、できるだけ児童の力で進   める主体的な活動となるようにしていきたい。 3 単元の目標   表現の細部に注意して読み、主題について自分の考えをまとめる。 4 単元の観点別評価目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |国語への関心・意欲・態度| 表現の能力    | 理解の能力    |言語についての知識・理解・技能 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |ア)それぞれの課題につい|ア)主題について自分が最|ア)物語全体の構成や展開|ア)比喩表現に気をつけ| | て自分で考えたり、話し| も強く感じたことを書く| の仕方を理解することが| て読むことができる。| | 合ったりしようとする。| ことができる。 | できる。 | | | | |イ)表現の細部に注意して|イ)進出漢字の読み書き| |イ)「海のいのち」の学習| | 読み、登場人物の考え方| ができる。 | | をもとに、新たな読書意| | や場面の様子を読み取る| | | 欲を持とうとする。 | | ことができる。 | | | | |ウ)自分が最も強く感じた| | | | | ことを中心に、主題をと| | | | | らえることができる。 | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5 指導計画(14時間扱い) +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段 階| 目 標 | 評 価 計 画 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |1. 全文を通読し、初発の感想を書くことができる。 |○感じたことや思ったことをノ−トに| | | | | 書こうとしたか。(関ア) | |第|つ|2. 全体の構成をつかみ場面分けをし、難語句について意味調|○物語全体の構造を大まかにつかみ、| |一|か| べをすることができる。 | 場面分けすることができたか。(理ア) |次|む|3。 初発の感想をもとに学習課題について話し合い、学習計画|○場面の展開をもとに、学習計画が立| | | | を立てることができる。 | てられたか。(理ア) | | | |4. 主題と、それぞれの場面について自分なりの予想を立てる|○自分なりの予想を考えようとしたか| | | | ことができる。 | (関ア)| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |5. 太一の父に対する憧れと、父の海に対する考えを読み取る|○父の海に対する思いを読み取ること| | | | ことができる。 | ができたか。(理イ) | | | |6. 与吉じいさのもとへ弟子入りした太一の気持ちと、与吉じ|○与吉じいさと太一の海に対する考え| | |ふ| いさの海に対する考えを読み取ることができる。 | 方を読み取ることができたか。(理イ) |第|か|7. 与吉じいさが死んだときの太一の気持ちと、太一の海に対|○与吉じいさ、太一、母の海に対する| |二|め| する考えを読み取る。 | 考え方をつかむことができたか。 | | | | | (理イ) | |次|る|8. 瀬に潜り続ける太一の気持ちと、巨大なクエの様子を読み|○巨大なクエを追う太一の気持ちと、| | | | 取ることができる。 | クエの様子を読み取ることができた| | | | | か。(理イ、言ア) | | | |9. クエに対する太一の心情の変化をとらえ、クエを殺さなか|○太一の気持ちの変化を読み取ること| | | | った太一の気持ちを読み取ることができる。(本時) | ができたか。(理イ) | | | |10. その後の太一の生き方から、太一の海に対する考えを読み|○父や与吉じいさと比較しながら、太| | | | 取ることができる。 | 一の海に対する考え方を読み取るこ| | | | | とができたか。(理イ) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |11. 作品の主題について考え、題名と絡めて自分なりに考えた|○「海のいのち」の意味を考え、自分| | | | ことを書くことができる。 | なりに主題を考えることができたか| |第|、| | (表ア、理ウ) | |三|ま|12. 感想をまとめながら、海のいのちの新聞を作ることができ|○作品や主題に対する自分の考えや感| |次|と| る。 | 想をまとめ、意欲的に新聞を作るこ| | |め| | とができたか。(表ア) | | | |13. 自然と人間の関係についての本を読んだ読書体験を発表す|○次への読書の意欲を持つことができ| | | | ることができる。 | たか。(関イ) | | | |14. 漢字・語句の練習をし、まとめのテストをする。 |○進出漢字の読み書きができたか。 | | | | | (言イ) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6 本時の指導   1 目 標     太一の考え方の変容をとらえ、クエを「海のいのち」と思うことでクエを殺さずに済んだ太一の心情を読み    取ることができる。   2 本時教材のよさ    ・クエとの出会いの場面において、必死に動く太一と、まったく動かないクエとが対照的に描かれていること     で、太一のクエに対する気持ちの迷いや葛藤をとらえやすいであろう。    ・「もりを突き出す」→「もう一度戻って」→「泣きそうに」→「ほほえみ」と、文章が進むにつれて太一の     考えが変化しており、理解しやすくなっている。    ・「泣きそうになりながら」「ふっとほほえみ」などから、太一の心の葛藤や変化を表情を想像することによ     り理解することができる。    ・「おとう、ここにおられたのですか。」の太一の言葉は、子ども達によって様々な解釈の仕方があると思わ     れる。一見抽象的に思われる表現ではあるが、子ども達の想像力を掻き立て、「自分なりの考えを持つ」こ     との面白さを味わうことができるものと考える。   3 本時指導の工夫    本時は、太一にとって長年の夢であった父のかたきのクエに出会い、いったんは殺そうとするものの悩んだ末   に「海のいのち」であると悟り、殺さないことにより父を超える本物の一人前の漁師に成長する場面である。    達観したとも言うべき境地に達した太一の心情をとらえることは、この物語の主題に迫っていくことにつなが   っていく。そのためにも、クエに対する太一の気持ちを追い、共感的に理解していくことが学習の中心となる。     @ 課題に対する予想立て      「つかむ」において課題に対する予想を一人一人にしっかり持たせることで、課題解決への意欲を図りた     い。また、課題解決の視点となるような個人の課題も取り上げながら、一人ひとりのよさを生かす様にして     いきたい。      読み取る段階ではサイドラインを引いたり書き込みをする活動を取り入れ、太一の心情に対して個々の考     えをしっかり持ちながら読み取れるようにしたい。     A 児童主体の話し合い活動      深める段階で、子ども同士で互いに発表し合う形式を取り入れて練り上げていきたい。      そのために、個々の課題や予想を座席表などで把握しておくとともに、ハンドサインや話し合いのル−ル     を取り入れてそれぞれの考えを明確にしながら話し合いを構成していきたい。      また、自分の発表がどの文章やどの部分を根拠にしているものかを明確にして発言できるように支援して     いきたい。   4 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段階 学 習 内 容 ・ 活 動 |子 ど も の よ さ を 生 か す 工 夫(○:評価)| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |1 全時学習の想起 |・長年の夢であるクエにとうとう出会ったことを想| | | | | 起し、クエの様子を思い出す。 |挿し絵| |つ|2 本時の学習課題を把握する | | | |か| +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | | |む| |クエを殺さなかった太一の気持ちを考えよう。| |紙板書| | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | |・予想を取り上げて課題意識が持てるようにする。| | |5| |・個人課題も取り上げ、読取りの視点として生かせ| | |分| | るようにする。 | | | | |○課題に対する予想を持つことができたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |3 課題解決の見通しを持つ |・太一の気持ちやクエの様子がわかる場所にサイド| | |見| 1 見通しを持つ | ライン引くこと、また、クエに対する太一の心が| | |通| | 大きく変化した場所を確認してから音読に入る。| | |す| | | | | | 2 学習場面の音読 |・指名読み(P47L12〜P50L4) | | | | |○適切な音量、速さ、会話文や地の文の変化、気持| | |5| | ちの描かれているところに注意して読むことがで| | |分| | きたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |読|4 各自が読み取る | | | |み| 1太一とクエの様子から、太一の迷いや葛|・太一の様子とクエの様子、太一の気持ちのわかる| | |取| 藤を読み取る。 | ところにサイドラインを引き、書き込みをする。| | |る| |・クエを殺すことをやめた太一の様子がわかる場所| | | | 2クエを殺すことをやめた太一の気持ちを| を書き抜き、自分の考えを書き込む。 | | |10| 読み取る。 |・書き込めない子には、太一の気持ちの変化したこ| | |分| | とがわかる言葉を探すよう助言を行なう。 | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |5 発表し合い、深め合う | | | | | 1クエを前にして、葛藤する太一の気持ち|・太一の様子とクエの様子を対比的に扱うことで、| | | | について話し合う。 | 太一の気持ちが読み取れるようにしたい。 | | | | |・前時に学習したクエの様子も想起させたい。 |紙板書| | | |・「おだやか」という言葉から、クエの様子が読み| | |深| | 取れるようにしたい。 | | |め| |・「泣きそうに」という言葉から、どうしてもクエ| | |合| | を殺すことができない太一の気持ちに深く浸れる| | |う| | ようにしたい。 | | | | |・「一人前の漁師にはなれない」から、太一の目指| | | | | していた漁師について想起し、太一の葛藤を読み| | | | | 取っていきたい。 | | | | |・1は2の主題に迫る読み取りの重要な手掛かりと| | | | | なるため、全員で内容を確認してから2の話し合| | | | | いに移りたい。 | | | | 3クエを殺すことをやめた太一の気持ちに|・子ども同士の話し合いを進めていくが、必要に応| | | | ついて話し合う。 | じて教師の支援発問等を加え、話し合いを深めて| | | | | いきたい。 | | |20| |・自分の考えの根拠がどの表現からでているのかを| | |分| | 明確にして発表できるようにしたい。 | | | | |・会話文と「海のいのち」については様々な考えが| | | | | 出ることが予想されるが、どれも否定的に扱わず| | | | | そのよさを見出し、全体の中で認め合えるように| | | | | したい。 | | | |6 課題についてまとめる |・2の話し合いをもとにしながら、クエを殺さなか| | | | | った太一の気持ちについて書けるようにしたい。| | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | クエを海のいのちと思い、殺さないことがほんとうの一人前の漁師であると気付| | | | | |いた太一。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |○太一の心の変化をとらえ、クエを殺さなかった太| | | | | 一の心情をまとめることができたか。 | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | |7 学習場面の音読をする |○読み取ったことを生かして音読することができた| | |振| | か。 | | |り| | | | |返|8 本時の学習を振り返る | | | |る| ・自己評価をする |・本時で分かったこと、感想、友達のよさを見つけ| | | | | たことなどを振り返ることができるようにする。| | |5| | | | |分| ・次時の予告をする | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 評 価|葛藤の末にクエを殺すことをやめた太一の気持ちを読み取ることができる。| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+     A:自然と人間との共存の大切さに関わる観点で、太一の気持ちを書くことができる。     B:葛藤の末にクエを殺すことをやめた太一の気持ちを書くことができる。     C:太一の気持ちにサイドラインを引くことができる。 【板書計画】 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |題+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |課|クエを殺さなかった太一の気持ちを考えよう。| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 想 ・クエを父だと思った。 | | | 予 ・殺してはいけない存在だと思った。| | | ・海のいのちだと思った。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1クエに対する太一の迷い | |太一の様子 クエの様子 | |・もりを突き出す ⇔・動こうとはしない。 | |・もう一度もどって ⇔・まったく動こうとはせず太一を見ていた | | ・おだやかな目 | | | | ↓ | | この大魚は自分に殺されたがっているのではないか? | | この魚をとらなければ、ほんとうの一人前の漁師には〜と太一は | |泣きそうになりながら思う。 | | ・父を破ったクエを倒して父を越えたい、一人前になりたい| | い ↓ | | 迷{・どうしても殺すことができない | | | | | |2殺すことをやめた太一 | | | 「おとう、ここにおられたのですか。・・・」 | | | 殺さないで済んだ−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 海のいのち | | ・自然そのもの | | ・海の象徴 | | ・殺すことのできない存在 | | ・人間の憎しみなども包み込んでしまうほどの大きさ、穏や| | かさ | |め+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |と|クエを海のいのちだと思い、殺さないことがほんとうの一人前|| |ま|の漁師であると気付いた太一。 || | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 文章構造図 +−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |段 落 | 内 容 面 | 主な技能 | 教材のよさ  | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |一 |○海を愛し、父に憧れる少年の太一 |○父に憧れる太一の気|・父の仕事ぶりや| |面|太 | ・父もその父も、その先ずっと顔も・・・住んでいた海に、| 持ちと、父の海に対| 会話から、父の| |場|の | 太一もまた住んでいた。 | する思いを読み取る| 海に対する考え| |の|頃死| ・「ぼくは漁師になる。・・・・・海に出るんだ。」 | ことができる。 | 方を読み取りや| |一|のの|○村一番のもぐり漁師である父の死 | | すい。 | | |年父| ・「海のめぐみだからなあ。」 | |・冒頭の文章で物| | |少と| ・水中でこと切れていた | | 語の場面設定が| | | | ・光る緑色の目をしたクエ | | 端的に行なわれ| | | | | | ており、イメ−| | | | | | ジを膨らませや| | | | | | すい。 | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |子 |○与吉じいさの「つえの代わり」として漁を学ぶ太一 |○弟子入りした太一の|・与吉じいさの仕| |面|弟 | ・中学校を卒業する年の夏 | 気持ちと、与吉じい| 事ぶりや会話か| |場|へ一| ・「ぼくをつえの代わりに使ってくれ。」 | さの海に対する考え| ら、海に対する| |の|さ太| ・無理やり | 方を読み取ることが| 考え方を読み取| |二|いる|○海に生きる意味を教える与吉じいさ | できる。 | りやすい。 | | |じす| ・太一の父が死んだ瀬に、毎日一本づりに行っている漁師 | | | | |吉り| ・「千びきに一ぴきでいいんだ。・・・この海で生きていけ| | | | |与入| るよ。」 | | | | | | ・タイを二十ぴきとると、もう道具をかたづけて。 | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |と |○村一番の漁師になった太一 |○与吉じいさの死を受|・与吉じいさの死| | |死 | ・弟子になって何年もたった | けとめられるように| が間接的な表現| |面|の | ・「自分では気づかないだろうが、おまえは村一番の漁師だ| なった太一の成長し| を巧みに使いな| |場|さ長| よ。太一、ここはおまえの海だ。」 | た姿と、太一の海に| がら描写されて| |の|い成|○与吉じいさの死 | 対する考え方を読み| いる。 | |三|じの| ・「海に帰りましたか。・・・おかげさまでぼくも海で生き| 取ることができる。| | | |吉一| られます。」 | |・与吉じいさや母| | |与太| ・今の太一は自然な気持ちで |・母の、海や太一に対| の言葉から、太| | | | ・与吉じいさも海に帰っていったのだ。 | する思いと、父の瀬| 一のたくましく| | | | | に対する太一の思い| 成長した姿を想| | | | ・「おまえの心の中が見えるようで。」 | を読み取ることがで| 像することがで| | | | ・とうとう父の海にやってきたのだ。 | きる。 | きる。 | | | | | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |一 |○クエと出会う太一 |○巨大なクエの様子を|・多彩な比喩表現| | |太 | ・追い求めているうちに、ふいに夢は実現するものだ。 | 比喩表現に注意しな| から、クエの姿| | |う | ・青い宝石の目 | がら読み取ることが| を想像すること| |面|会 | ・ひとみは黒いしんじゅのよう | できる。 | ができる。 | |場|出 | ・刃物のような歯 | |・太一とクエの動| |の|と | ・岩そのものが魚のよう |○クエに出会ってから| きが対比的に表| |四|エ | ・自分の追い求めてきた | 別れるまでの太一の| 現されており、| | |ク |○クエを「海のいのち」と悟り、父を越える漁師になった太一| 心の変化や葛藤を読| 互いの心情を読| | |」 | ・鼻づらに向かってもりをつき出す | み取ることができる| み取ることがで| | |主 | ・クエは動こうとはしない | | きる。 | | |の | ・瀬の主はまったく動こうとはしない | | | | |瀬 | ・おだやかな目 | |・太一の気持ちが| | |「 | ・自分に殺されたがっているのだ | | 文章に沿って変| | | | ・ほんとうの一人前の漁師・・・泣きそうになりながら思う| | 化していく様子| | | | ・ふっとほほえみ | | がはっきりと描| | | | ・「おとう、ここにおられたのですか。」 | | 写されている。| | | | ・瀬の主を殺さないで済んだのだ。 | | | | | | ・この海のいのちだと思えた。 | | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |後 |○村一番の漁師として「海のいのち」と生き続ける太一 |○村一番の漁師であり|・太一の生き方や| |面|の | ・村一番の漁師であり続けた | 続けた太一の海に対| 海に対する考え| |場|そ | ・千びきに一ぴきしかとらないのだから、海のいのちは全く| する考え方を読み取| 方が、短い文章| |の|の | 変わらない | ることができる。 | の中にはっきり| |五|一 | ・生がいだれにも話さなかった | | と描写されてい| | |太 | | | る。 | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+