印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):118   −−以下 指導案本文−−                第二学年  国語科学習指導案                                  児童  二年二組 男十八名 女十二名 計三十名                                  指導者    菊    池    容    子 一、単元名 気もちを考えて読もう     教材名  「お手紙」                    二、単元について   教材「お手紙」はかえるくんとがまくんの心のふれあいがほのぼのと伝わってくる作品である。がまくんが来るあてのな  い手紙を待つ心は、友達を求める心であり、人とのふれあいを望んでいる心である。そのがまくんをなんとか喜ばせてあげ  たいと内緒で手紙を書くかえるくん。この手紙によって、がまくんはすぐそばにいるかけがえのない親友の存在に喜びを得  ることができる。かえるくんも、がまくんの悲しみ、喜びを共に分かち合うことで満ち足りた気持ちになる。また、四日間  もかけて、手紙を一生懸命運ぶかたつむりくんの姿をとおして、更に友情の温かさを感じることができる作品である。   この作品は五つの場面で構成されている。一、がまくんの悲しみと、一緒に心を痛めるかえるくん、二、大急ぎで家に帰  って手紙を書くかえるくんと手紙を託されて張り切っているかたつむりくん、三、がまくんを励ますかえるくん、四、かえ  るくんから手紙のことを聞いて感激するがまくん。五、手紙が届いて幸せな気持ちになるがまくんとかえるくん、である。  長い作品であるが、温かい友情に満ちた展開は児童の心を最後まで引き付けるであろう。 三、学習指導目標 (一)関心・意欲・態度     かえるくんとがまくんの間に通い合う思いやりと友情の温かさを感じ取り、楽しんで作品を読もうとする。 (二)表現     場面の様子や人物の気持ちを想像しながら音読をすることができる。     相手の話を受けて自分から進んで話すことができる。     がまくんになったつもりでお手紙を書き、発表することができる。             (三)理解     場面の様子を想像しながら、人物の気持ちの移り変わりや、心のふれあいを読み取ることができる。      相手の話を最後まで正しく聞き取ることができる。           (四)言語事項     かぎの使い方を理解し、主述、修飾、被修飾の関係に注意すると同時にいろいろな言葉に興味をもつことができる。 四、音声言語指導 (一)児童の実態                                              二年生になり、「ふきのとう」や「スイミー」の学習を通して、場面の様子や登場人物の気持ちを想像して音読したり、  自分が考えたことを発表したりしてきた。これらの学習を通して、話すときにはみんなに聞こえる声で話そうとする意識が  徐々に高まってきた。しかし、いまだ小さな声でしか発表できない児童が数名おり、自分から話す意欲に結びつかないでい  る実態も見逃せない。逆に、話す意欲があっても語彙が乏しく、みんなに分かりやすい話し方ができない児童も数名いる。   また、話の内容がよく分からない時に質問したり、聞き返すことができる児童は数名いる。しかし話を最後まで聞くこと  ができても、内容を正しく聞き取ることができない児童が半数程いる。分からないままでもじっと聞いていることが多く、  話の内容を正しく聞き取ろうとする意識は全体的にまだ低い。 (二)教材の特性   簡潔で分かりやすい文章表現のため、誰が何をしているのかがはっきりしている。また、がまくんとかえるくんのほのぼ  のとした会話文からもあらましがとらえやすい。更に、作者自身による挿絵が、場面ごとに効果的に配されている。かえる  くん、がまくん、かたつむりくん三人の登場人物の豊かな表情は、親しみをもって見ることができる。   このように簡潔な文章表現、会話文、挿絵から、あらましをとらえるのに適している作品である。      ア、聞く・話す活動   本時はあらましを把握し、初発の感想をもつことにつなげることをねらう。長い作品であるため、短時間で効果的にあら  ましをつか むために、お話リレーを取り入れる。挿絵を手がかりに、誰が何をしているのかを順番に話をつなげていくこ  とで、楽しみながらあらましをとらえさせたい。班ごとのお話リレーをする中で、友達の話を聞いて、自分の発表内容を広  げ、楽しんで話させたい。また、お話リレーを行うことで相手の話を正しく聞き取ることや、分からないことは聞き返すこ  とができるようにさせたい。  イ、聞く・話す活動と「楽しさ」との関わり   お話リレーを通して自分が話したことが位置づけられることで、自分なりに表現する楽しさをどの子にも味わわせたい。   (自分を認めてもらう楽しさ)   友達の話を聞き、自分の話の内容に生かして話す楽しさを味わわせたい。(聞き合う、話し合う楽しさ) 六、本時の学習指導(学習指導計画「みとおす」一時間目) (一)目標 ◎相手の話につなげてお話リレーをすることによってあらましをつかむことができる。       ○相手の話を最後まで聞いて、自分から進んで話すことができる。 (二)展開 +−+−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 |時| 教 師 の 関 わ り | 評 価 | +−+−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |一、題名について話| |○「お手紙」をもらった経験について話し合い、作品| | | | し合う。 | |に興味をもたせる。 | | |す|二、本時の学習のめ| |○本時は挿絵を手がかりにしてお話リレーをすること| | |お| あてをつかむ。|4|により登場人物が何をしてどうなったか、話の大体を| | | | +−−−−−−−+ | | | |と| 「お手紙」が、ど| |覚えることを知らせる。 | | |み| んなお話かをおぼ| |・最初は五人でお話リレーをするが、最後には一人で| | | | えよう。 | |リレーをすることを知らせ、意欲をもって学習に取り| | | | +−−−−−−−+ | | | | | | |組ませたい。 | | +−+−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |三、全文の範読を聞|7|●だれが、何をしているのかに気をつけさせながら範| | | | く。 | |読を聞かせたい。 | | | |四、挿絵から登場人| |○挿絵を数枚取り上げて黒板にならべ、だれが何をし| | | | 物とその行動を|0|ているのかを確かめることにより、スムーズにお話リ| | |る| 確かめる。 |1|レーに入らせたい。 | | | | ・この絵はだれが何をしていると | | | | ころでしょう。 | | | | | |五、お話リレーをす| |○五人班で挿絵をもとにお話リレーをする。 |○相手の話につな| |め| る。 | |●相手の話につなげて一枚の挿絵につき一文でも何文| げてお話リレー| | | ・班ごとにお話リレーをして、ど 0 でも話す。挿絵について自分から進んで話したり友達 ができたか。 | | んなお話かおぼえましょう。 1 の話を聞いたりすることで、あらましを把握させる。 (観察・発表) |か| | |・教科書をそばにおいて繰り返しリレーをすることで| | | | | |どの児童も話をつなげられるようにさせたい。 | | | |六、お話リレーを全| |○ほかの班の発表を聞いて、あらましをさらに広くと|○みんなのお話リ| |ふ| 体に発表する。|0|らえさせたい。 | レーを聞いて、| | | ・みんなの前でお話リレーを発表 1 ●話し方、聞き方の良かった点について感想を言わせ 良かったところ | | しましょう。 | |たい。また、内容面についての感想も聞き、次時の初| や感想を言えた| | | | |発の感想をもたせる活動へつなげたい。 | か。(発表) | +−+−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |七、学習のまとめを| |○一人でお話リレーをする。板書を見ながらでもあら|○一人であらまし| |る| する。 | |ましを一人で話せるようにさせたい。 | を言えたか。 | |め| | |○「楽しくお話リレーができたか。」「どんなお話か| (発表) | |と|・自己評価をする |4|がわかったか。」の二点について振り返りカードに記| | |ま| | |入させる。 | | | |八、次時の学習内容| |○あらましから、初発の感想を書くことを知らせる。| | | | を確かめる。 | | | | +−+−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+    五、学習指導計画(十五時間扱い) +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |段階 時 学 習 活 動 | 指 導 内 容 | 評 価 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |4|○全文を通読し、あらましをつかみ学習|○全文の範読を聞き、お話リレーをする+−−+|○話の大体をとらえ、| |す| | 計画をたてる。 | ことで、あらましを把握する。 | ||初発の感想を発表でき| |お|〓| |○初発の感想から学習のめあてを作り、| ||たか。 | |と|時| | 読みの見通しをもつ。 | || | |み|本| |○新出漢字、読み替え漢字が書ける。 +−−+| | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |○場面ごとに詳しく読む。 |○登場人物の言動に着目しながら、人物 |○二人が悲しい気分に| | | |1がまくんの悲しみとその姿を見て心を|の気持ちや心の動きを読み取る。 |なったわけを読み取る| | |1| 痛めるかえるくんの様子や気持ちを読|・会話文を手がかりにがまくんとかえる |ことができたか。 | | | | み取る。 |くんの悲しみを読み取る。 | | |る+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |2大急ぎで家に帰って手紙を書くかえる|○大急ぎで家に帰ってからのかえるくん |○がまくんを喜ばせた| | | | くんとはりきっているかたつむりくん|の様子を読み取り、早くがまくんを喜 |い一心で手紙を書いた| | |1| の様子を読み取る。 |ばせたいというかえるくんの気持ちを想 |かえるくんの気持ちを| | | | |像する。 |考えることができたか| | | | |・かたつむりくんの様子を読み取る。 | | | | | | | | |め+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |3手紙がつくのを心待ちにしているかえ|○二人の会話を対比して読み、気持ちの |○がまくんとかえるく| | |1| るくんと悲観的になっているがまくん|違いを読み取り、音読する。 |んの気持ちの違いを読| | | | の気持ちを読み取る。 |・手紙がつくのを心待ちにしているかえ |み取ることができたか| | | | |るくんの気持ちを想像する。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |4あきらめの気持ちを強めるがまくんを|○二人の会話文を読み、気持ちが食い違 |○二人の気持ちの違い| | |1| なんとか励まそうとするかえるくんの|っていることを読み取る。 |を読み取り、その気持| | | | 気持ちを読み取り、音読する。 |・かえるくんとがまくんの気持ちが表れ |ちが表れるように音読| |か| | |るように音読する。 |することができたか。| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |5かえるくんとがまくんが幸せな気持ち|○かえるくんからお手紙のことを聞いて |○かえるくんの心を知| | |1| になっていく様子を読み取る。 |感激するがまくんの気持ちを読み取る。 |って感動するがまくん| | | | | |の気持ちを読み取るこ| | | | |・二人が幸せな気持ちで手紙を待つ様子 |とができたか。 | | | | |を想像する。 | | |ふ+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |6四日間、幸せな気持ちで手紙を待ち続|○四日間幸せな気持ちで待ち続ける二人 |○お手紙を手にしたが| | |1| ける二人の様子や、お手紙を手にした|の姿を想像する。 |まくんの気持ちを想像| | | | がまくんの喜びを読み取る。 |・お手紙をもらったがまくんの満ちたり |することができたか。| | | | |た気持ちを感じ取る。 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |○場面の様子や人物の気持ちを考えてか|○これまでの学習をもとにがまくんにな |○がまくんになりきっ| | | | えるくんにお手紙を書く。 |って、かえるくんにお手紙を書く。 |てかえるくんにお手紙| | |1| | |を書くことができたか| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |○学習のまとめをする。 |○これまでの学習をもとに、話のつづき |○かえるくんとがまく| |る| |・かえるくんとがまくんになってぺープ|を考えて、好きな方法で発表会をする。 |んの会話を想像して発| | |3| サートや紙芝居などの発表会をする。| |表することができたか| |め| | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |と| |・アーノルド=ローベルのほかの作品を|○アーノルド=ローベルのほかの作品を |○ほかの作品に興味を| | |1| よみ、本の紹介をする。 |読み、友達におもしろかったことなどを |もって読むことができ| |ま| | |紹介する。 |たか。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+