印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):102   −−以下 指導案本文−−             第三学年国語科学習指導案                      児 童  三年一組 男十七名 女十五名 計三十二名                      指導者      佐 々 木  則 子 一 単元名  わけを考えて話し合おう    教材名 「こんな題名がいいなあ」 二 単元について   本単元の主たる指導事項は、「相手の話の内容を受けて話題に合わせて話すこと」である。相手の話  の内容を受けるためには、相手の話のどこに着目して聞き、何について自分の考えを話していけばよい   かを子供自身がしっかりと認識していなければならない。   この単元では、相手の話の「理由」に焦点を当てて聞き取り、話題に合わせてお互いの考えを交流し  ていくものである。   話し合いとは、自分の思いを勝手に言い合うことではない。交わされる言葉によって、相手への理解  と結びつきが深まるものでなければならない。なぜそのような結論になったのか経過や理由をしっかり  と聞き、それに対する自分の考えを述べていく活動の繰り返しが話し合いである。   このような話し合いについては、日常の学習でも意識的に指導しているが、単元として取り立て指導  をするのは、はじめてである。そのため、まず自分の考えを述べるときの基本ともいえる「理由を付け  結論を話す」話し方を身につけさせる。その上でさらに、自分の考えと比べ、似ているところや違って  いるところに気付き、相手の考えのよさを積極的に見つけ出しながら、意見を一つにまとめていこうと  する話し合いの態度や仕方を体験的に学習させていく。 三 学習指導目標 (一)関心・意欲・態度   ・自分の意見を積極的に述べ、進んで話し合いに参加しようとする。 (二)表現   ・なぜそう考えたのかわけをはっきりさせて、話すことができる。   ・相手の考えと似ているところや違っているところに気付き、相手のよさを見つけ出しながら話題に    合わせて話し合うことができる。 (三)理解     ・相手の話を正確に聞き、分からないところは聞き返すことができる。 (四)言語事項     ・その場に応じた声の大きさで話すことができる。 四 音声言語活動 (一)児童の実態     これまで、国語の学習や日常のスピーチでは、話すことへの抵抗を少なくするために対話活動や    グループでの話し合い活動を体験してきた。また、ハンドサインを使いながら、友達の考えに付け    足したり似ている点を話したりすることにより、相手の話の内容を受けて話すことも学習してきて    いる。     その結果、自分の考えを進んで話そうとする意欲は大分育ってきている。話すことはお互いを知    ることになり、自分が思いつかなかったことを発見する楽しさにつながっていくことも意識し始め    ている。このことは、七月に実施した「聞く話す」の意識調査にも表れている。「はじめは話すこ    とが恥ずかしかったが、慣れるにつれて楽しくなった」とか「自分が分からなかったことが分かっ    て楽しい」という子供たちの反応からもうかがうことができる。     しかし、話し合いとなると、結論と理由を関連づけて話す力や相手の話の内容を意識し、話題に    合わせて話す力は十分身についていない。相手の考えと比べながら、話題に合わせて話すことので    きる子供は十名。理由をつけて話すことはできるが、相手の話題に合わせて話すことをあまり意識    していない子供が十七名。話そうという意欲が低く話したがらない子供が五名いる。 (二)教材の特性     話し合う話題としては、写真に題をつけることと、学級集会のチームに名前をつけることを取り    上げる。この話題は、読み取りの力などに左右されず、どの子供もそれぞれの考えを持ち、話し合    いに参加できるものである。したがって、子供たちは、理由に焦点を当てて聞き、それを受けて話    すことを意識し、話し合いの仕方や態度に重点を置いた学習ができると考えた。     望ましい話し方を考えさせる教材として、話し合いをしている場面のテープやビデオを使いたい。    これらは、教師が意図的に台本を作ったものである。そのため、子供たちは、理由がはっきりして    いなかったり、友達の話を受けていなかったりする話し方に気づき、相手の話の受け止め方や、話    題に合わせた話し方について考えていくことができる。また、作られた話し合い場面であるため、    気軽に悪い点を指摘し合えるという利点もある。 (三)音声言語活動   ア 聞く・話す活動      話し合いをさせるために、まず理由を加えて話すことを身につけさせたい。教材文では、結論     を述べてから理由を話すパターンが示されているが、あまり話型にこだわらず話させたい。そし     て、ゲーム形式の活動を通しながら、自然な会話の中で結論と理由を示す話し方を反復すること     により、習熟を図っていきたい。      その上にたって、相手の理由に着目し、自分の理由と比べながら一つの方向にまとめようとす     る話し合いを経験させたい。この際、理由を正確に聞き取ることが大切になってくる。心情的な     理由までも聞き取らせ相違点を認めながらも相手の考えのよさをみつけていこうとする共感的な     態度を基盤にした話し合いをさせていきたい。さらに、必要に応じて簡単なメモも取らせ、分か     らないところは聞き返そうとする態度も大切にしていきたい。そして、劇化を通し楽しく活動さ     せる中で、相手の話の受け止め方や話題に合わせた話し方を具体的に考えさせ、自分たちの話し     合いをつくりあげていくようにさせたい。 また、話し合いは、聞く・話す両面の力を必要とし、     子供にとって抵抗の大きい活動である。そのため、小グループでの話し合いを多く取り入れ、緊     張せず相手の話を受けた自然な話し方できるように学習を組んでいきたい。   イ 聞く・話す活動と「楽しさ」との関わり      ・自分の考えにわけをつけて話すことができた満足感を味わわせたい。(自分を表現する楽しさ)      ・自分が思いつかなかったことを知る楽しさを味わわせたい。(新しいことを知る楽しさ)      ・自分の考えに賛成意見などが出され、お互いの考えを交流する楽しさを味わわせたい。       (話し合う楽しさ) 四 学習指導計画(六時間) +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |時| 学 習 活 動 | 指 導 内 容 | 評 価 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |〇自分の考えにわけを付けて話|〇結論と理由を話すことの必要性を理|〇わけを話すことの大| | |1| すことの大切さを考える。 | 解する。 | 切さが分かったか。| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |〇みんなの前で、自分の考えに|〇結論に対する理由をきちんと考えて|〇理由を考えて、いろ| | |2| わけを付けて話す。 | 話す。 | いろな話し方で述べ| |る| | |〇よく聞き取れなかったり分からなか| ることができたか。| | | | | ったりしたところを聞き返す。 | | |め+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |〇意見をまとめようとする話し|〇相手の考えを受け、話題に合わせた|〇意見をまとめる話し| |か|1| 合いの仕方を考える。 | 話し合いの仕方を理解する。 | 合いの仕方が分かっ| | | | | | たか。 | |ふ+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |時|〇劇化を通し、話題に合わせた|〇相手の考えと似ているところや違っ|〇相手の考えと比べ話| | |本| 話し合いの仕方を考え、話し| ているところに気づき、話題に合わ| 題に合わせて話し合| | |1| 合う。 | せて話し合う。 | うことができたか。| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |る| |〇自分のチームに付ける名前を|〇相手の考えと比べ、話題に合わせて|〇話し合いをし、意見| |め|1| 話し合う。 | 話し合い、意見を一つにまとめる。| をまとめることがで| |と| | | | きたか。 | |ま| | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 四 本時の指導 (一)目標     自分のわけと相手のわけを比べ、相手の考えのよいところを見つけ出し、話題に合わせて話し合うこ     とができる。 (二)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |階| | | ●音声言語活動 | | | | 学 習 活 動(・主発問) |時|教師の関わり | 評 価 | |段| | | 主たる音声言語指導| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |す|一、前時の学習を想起し、本時の| |〇できるだけ短時間で行い、次の学習| | |お| 学習課題をつかむ。 | | 活動に入りたい。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−+|2| | | |と||一つの意見にまとめるための|| | | | |み||話し合いをしよう。 || | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |二、ビデオを見て、話し合いがま| |●話し合いのビデオを見せ、前時の学| | | | とまらないわけを考える。 | | 習内容をもとに、話し合いの仕方の| | | | ・なぜ話し合いがひとつにまと|7| 問題点に気づかせる。 | | | | まらないのでしょう。 | | | | | | | | | | | |三、意見がまとまるために、よい| |●意見が一つにまとまるような話し合| | | | 話し合いの仕方を考える。 | | いの様子を劇化させ、楽しく活動さ| | | | ・悪いところを直して、よい話| | せる中で意欲化を図っていきたい。| | | | し合いの劇を作りましょう。| |+−−−−−−−−−−−−−−−+|〇一つの方向にまとめ| | | | |●ビデオで見た話し合いの様子を台|| るために、相手の良| | | | ||本にして配布する。これをもとに|| いところを積極的に| |る| | ||グループごとに相談しながら悪い|| 見つけ、話題に合わ| | | |1||ところを直させ、話題に合わせた|| せて話し合おうとし| | | |1||話し合いの台本作りをさせる。 || ていたか。 | |め| | ||・友達の話題に合わせて話す。 || | | | | ||・友達の考えのよいところを見つ|| | | | | || けようとする。 || | |か| | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | |●台本ができたグループから、発表の| | | | | | 練習に入らせたい。 | | |ふ|四、作り上げた話し合いの劇を発| |●二つのグループで発表し合い、相互| | | | 表する。 | | 評価をさせる。その後、みんなの前| | | | |1| で代表のグループに発表させ、感想| | | | |1| を交流させたい。 | | | |五、学習したことを生かし、実際| |●自分の意見は、前もって準備させて|〇相手の考えと比べな| | | に話し合いを試みる。 | | おき、グループごとの話し合いがす| がら、話題に合わせ| | | ・自分たちのチームの名前を話| | ぐできるようにしたい。 | て話そうとしていた| | | し合ってみよう。 |8|●学習したことを意識させ、一つの方| か。 | | | | | 向にまとまっていくような話し合い| | | | | | をさせ、次時へつなげたい。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |る|六、学習を振り返り、本時のまと| |〇自分たちの話し合いを振り返り、よ| | |め| めをする。 | | かった点を発表し合うことで、本時| | |と| |6| のまとめとしたい。 | | |ま| | |〇本時の話し合いを振り返り、自己評| | | | | | 価させる。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+