印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):102   −−以下 指導案本文−−                第三学年 国語科学習指導案                       児 童 三年二組 男十七名 女十六名 計三十三名                       指導者      武 田  佳 生 子 一、単元名 場面の様子に気をつけて    教材名「ちいちゃんのかげおくり」 二、単元について    この作品は、空襲によって一人残されたちいちゃんが、家族を思いながらかげおくりをする悲しい姿を通して   「家族の絆の尊さ」を描いた作品である。    ちいちゃんは、父の出征の前日に、家族と一緒に「かげおくり」をする。両親にとっては万感のこもる記念写真   であった「かげおくり」も、ちいちゃんたち兄弟には大きな喜びを与えてくれる遊びとの出会いであった。しかし、   戦争はちいちゃんから愛する家族を奪い、ついにはちいちゃんの命までも奪ってしまう。消え入ろうとする命のと   もし火の中でちいちゃんが見たものは、強い心の絆で結ばれた「家族一緒のかげおくり」であった。    この物語の中では、「みんなでかげおくり」から「ちいちゃんのかげおくり」に変わっていく様子が対照的にし   かも淡々と描かれている。ゆえに、ちいちゃんの心情を読み取るときは、強い思いが込められているその言動に着   目するとともに、まわりのでき事や人物の様子を表す語句を大事に扱っていきたい。また、戦争を時代背景とする   作品は子供たちにとって初めてなので、難語句の補足をしながら進めていきたい。そして、家族の愛情や思いを読   み取らせることにより、さらに、平和の大切さへと深めていきたい。 三、学習指導目標  (一)関心・意欲・態度    ・場面の移り変わりに気をつけながら、ちいちゃんの気持ちを想像しようとする。  (二)表現    ・場面の様子を想像しながら、ちいちゃんの心情や様子について話題に合わせて自分の考えを話すことができる。  (三)理解    ・場面の様子を想像しながら、ちいちゃんの言動に着目してその心情を読み取ることができる。  (四)言語事項    ・主述関係や文末表現・ダッシュなどについて分かる。 四、音声言語指導 (一)児童の実態    児童はこれまでに「つり橋わたれ」や「三年とうげ」を通して、登場人物の心情や情景を読み取る学習をしてき   た。話す活動では、友達の話を受けて、「同じです」「つけたします」を使った発表の仕方に取り組み、全体での   読みを深めてきた。その結果、話す人に注目しなかったり、進んで話そうとしなかった子供たちも、最近では意欲   的に活動する姿が見られるようになってきている。これは、学習方法の理解やスピーチで取り組んでいる自由発言   の成果と思われる。    しかし、学び合いにおいては、話題に合わせて自分の考えを言える子は十名。話題からはずれることはあるが、   自分の考えを最後まで言える子は十五名。話すことに自信がなく苦手な子は八名と、発表力に大きな差が見られる。   また、中には、話の内容が自分の興味を示すものでない時は、進んで話し合いに参加できないでいる子の姿も見ら   れ、全体での練り合いは、なかなか成立できないでいる。 (二)教材の特性    この作品は、場面の移り変わりがはっきりしていて随所に巧みな表現が多く見られる。過去形の文末表現の中に   用いられる現在形の表現は、緊迫感や臨場感を生み、読者の視点をちいちゃんの視点と重ね合わせる効果を生み出   している。さらに、体言止めやダッシュの使用など、想像をかきたてる表現方法が見られる。これらに目を向ける   ことで、ちいちゃんの心情や様子を読み取らせたい。したがって、話題をふくらませ、その話題に合わせて、話し   合いを進めるのに適した教材である。 (三)音声言語活動   ア 聞く・話す活動      まわりのでき事を表す言葉や会話文に着目させながら、ちいちゃんのどのような気持ちや様子を表している     のか話し合わせたい。話題に合わせて話すためには、相手の話を自分の考えと比べながら聞かせ考えを発表す     る時は「同じ」や「つけたし」などを使った表現ができるようにしたい。   イ 聞く・話す活動と「楽しさ」との関わり    ・ちいちゃんの気持ちや様子について考えたことを自分なりに表現する楽しさを味わわせたい。     (自分を表す楽しさ)    ・友達の発表を聞き合うことにより、自分が思いつかなかったことを知る喜びを味わわせたい。     (新しいことを知る楽しさ) 五、学習指導計画(十二時間) +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |階|間| | | | | | | 学 習 活 動 | 指 導 内 容 | 評 価 | |段|時| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |す| |・全文を通読し、初発の感想をま|・全文を通読し感想を書く。+−−−+|・感想を発表するこ| |お|3| とめ、学習計画を立てる。 |・感想を発表する。 |読 || とができたか。 | |と| | |・粗筋をとらえ、学習課題を|音 || | |み| | | 決める。 +−−−+| | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |・仲むつまじくかげおくりをする|・出征の前の日の「かげおく+−−−+|・かげおくりをする| | |1| 家族の様子や気持ちを読み取 | り」を思う 親と子の姿を| || 家族の気持ちが分| | | | る。 | 対比的にとらえる。 | う || かったか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−| ++−−−−−−−−−+ | | |・かげおくりができなくなった様|・悪化する戦況を読み取る。| ||・かげおくりができ| |る|1| 子とちいちゃんの気持ちを読み| | 合 || なくなった様子と| | | | 取る。 | | || 気持ちを読み取る| | | | | | || ことができたか。| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−| し |+−−−−−−−−−+ | | |・お母さんとはぐれてしまったち|・空襲の中を逃げまどい、独| ||・独りぼっちになっ| |め|1| いちゃんの様子と気持ちを読み| りぼっちに なってしまっ| || てしまったちいち| | | | 取る。 | たちいちゃんの姿を読み取| 話 || ゃんの気持ちが分| | | | | る。 | || かったか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−| て |+−−−−−−−−−+ | | |・ぼう空ごうでお母さんを待ち続|・ぼう空ごうの中の情景を想| ||・母や兄の帰りを信| |か|1| けるちいちゃんの様子と気持ち| 像しながら 母や兄の帰り| せ || じて待ち続けるち| | |時| を読み取る。 | を信じ、待ち続けるちいち| || いちゃんの気持ち| | |本| | ゃんの姿を読み取る。 | わ || が分かったか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−| |+−−−−−−−−−+ | | |・独りぼっちでかげおくりをし、|・独りぼっちでかげおくりを| 合 ||・独りぼっちでかげ| |ふ| | 空に迎えられたちいちゃんの様| するちいちゃんの姿、家族| || おくりをし、家族| | |1| 子と気持ちを読み取る。 | と再会するちいちゃん の| に || と再会したちいち| | | | | 姿を読み取る。 | || ゃんの気持ちが分| | | | | | 題 || かったか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−| |+−−−−−−−−−+ | | |・平和になったちいちゃんの町に|・現在の公園の様子と比べな| 話 ||・平和と平和のもた| | |1| ついて読み取る。 | がら、平和について感想を| || らすものについて| | | | | 持つ。 +−−−+| 感想がもてたか。| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |る| |・学習のまとめとして、音読の工|・全文を読み返して、題につ+−−−+|・学習を通して「家| |め|3| 夫や感想をまとめて発表しあ | いて話し合う。 | 表|| 族の絆の尊さ」と| |と| | う。 |・ちいちゃんへ手紙を書く。|読 発|| 平和に触れた感想| |ま| | |・手紙を発表し合う。 | 想|| が持てたか。 | | | | | |音 感|| | | | | | +−−−+| | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ 六、本時の指導 (一)目標    ◎防空壕の中の様子やちいちゃんの言動から、母と兄の帰りをひたすら待ち続けるちいちゃんの不安     な気持ちや寂しさを読み取ることができる。    ○ちいちゃんの心情や様子について、相手の考えと自分の考えを比べながら話すことができる。 (二)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |階| |間| ●・・音声言語活動 | | | | 学 習 活 動(主発問) | | 教師の関わり | 評 価 | |段| |時| □・・主たる音声言語活動| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |一、前時の学習を想起する。 | |○お母さんとはぐれて、独りぼっちになっ| | |す| | | たちいちゃんの気持ちを想起する。 | | | |二、学習課題を確認する。 | |○本時の学習課題を確認する。 | | |お|+−−−−−−−−−−−−−+| | | | | || ぼう空ごうの中でねむるち||8|○家にもどるちいちゃんと、防空壕の中の| | |と||いちゃんの気持ちを考えよ || | ちいちゃんの気持ちを学習していく場面| | | ||う。 || | であることを押さえる。 | | |み|+−−−−−−−−−−−−−+| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | |三、学習場面を音読する。 | |○はっきりとした発音でゆっくりと読ませ| | | | | | 場面をしっかりとらえさせる。 | | | |四、家にもどるちいちゃんの気持| |○母と兄の帰りを信じているちいちゃんの|・母と兄の帰りを| |る| ちを話し合う。 | | 気持ちを読み取らせる。 | 信じているちい| | | | | | ちゃんの気持ち| | | | | | がわかったか。| | |五、防空壕の中でねむるちいちゃ| |○視写の部分を話し合いひとり学びさせ | | | | んの気持ちを一人学びする。| | る。 | | |め| | |○こわかれかかった 暗いぼう空ごう | | | | ・一人で待つちいちゃんの気持| |○「きっと帰ってくるよ。」 | | | | ちを書き込みしましょう。 |0| | | | |六、ちいちゃんの気持ちを発表し|3|+−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・友達の話を受け| | | 合う。 | ||●ちいちゃんの気持ちを、相手と自分|| て、似ていると| |か| ・防空壕の中で、ちいちゃんは| || の考えを比べながら話すことができ|| ころや違うとこ| | | どんな気持ちだったでしょ | || る。 || ろに気づき、ち| | | う。 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+| いちゃんの寂し| | | | |○防空壕の様子から、たった一人で待つ寂| さや不安な気持| | | | | しさや不安な気持ちを読み取らせる。 | ちを話すことが| |ふ| | | | できたか。 | | | | |○ちいちゃんの言葉から、母と兄の帰りを| | | | | | 願い、それを信じて待ち続けるちいちゃ| | | | | | んの気持ちを読み取らせる。 | | | | | |○時間の経過に触れることにより、ちいち| | | | | | ゃんの不安やさみしさを想像させたい。| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |る|七、本時の学習のまとめをする。| | | | | | ・防空壕の中でねむるちいちゃ| |○防空壕の中でねむるちいちゃんの寂しさ| | |め| んの気持ちを考えながら音読| | や不安な気持ちを想像しながら音読させ| | | | しましょう。 |7| たい。 | | |と| | | | | | | | |○本時の学習について自己評価させる。 | | |ま|八、次時の予告をする。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+