印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):90   −−以下 指導案本文−−   第四学年 国語科学習指導案 児 童 四年二組 男子十四名 女子十七名 計三十一名 指導者 内 田   留 美 子 一、単元名 詩を読もう 教材名 「かぼちゃのつるが」 二、単元について   本単元は、詩的表現の特質を理解するとともに、情景や様子を思い浮かべたり作者の気持ちを考え  たりしながら、イメージ豊かに音読することを主な指導事項としている。詩的表現の特質とは、作者  によって選び抜かれた言葉と作者の気持ちを的確に表現するための形(リズム)である。   本教材の詩的表現の特質は、題の付け方と句点が一切付いていないこと、繰り返しの表現が多いこ  とにある。題が「かぼちゃのつる」ではなく、「かぼちゃのつるが」となっており、その後に何か続  いていくという感じがある。すなわち、動きが感じられる。また、句点が一切なく全体が一つのセン  テンスで成り立っている。「かぼちゃのつる」が一本につながっている様子がそのことによって表さ  れている。同じ言葉の繰り返しからは、「かぼちゃのつる」の力強い生命力が伝わってくる。   これらの詩的特質を理解するとともに言葉に着目し情景や様子を思い浮かべることによって、「か  ぼちゃのつる」が休むことなくぐんぐん伸びていくたくましい生命力をイメージ豊かに音読させてい  きたい。音読することによって、作品のこころに深くふれ、詩を読む楽しさも味わわせたい。 三、学習指導目標   (一)関心・意欲・態度 ・詩的表現の特質に触れ、詩を読む楽しさを味わおうとする。   (二)表現 ・情景や様子があらわれるように工夫して音読することができる。     (三)理解 ・詩的表現の特質をとらえ、情景や様子を思い浮かべたり作者の気持ちを話し合うことによっ      てイメージを広げることができる。   (四)言語事項     ・目的に応じた適切な音量や速さで話すことができる。 四、音声言語指導 (一)児童の実態 スピーチでは、自分の身の回りの様子から取材したことや日ごろ考えていることや感じているこ   とを交流しあっている。児童は、一人一人のスピーチを心で受け止め、話者の考えや体験を自分と   比べ感想を交流しあうことで、「みんな違う環境で育ち、違う体験をし、違う感じ方をする」とい   うことを実感してきた。したがって、人前で自分の意見を言うのが恥ずかしかったり、自分の意見   に対して反対されることをいやがったりしてなかなか発表できない子供たちも進んで発表できるよ   うになってきた。また、音読においては、自分なりの音読表現を工夫し多様な音読表現を楽しむ子   供が増えてきた。このことは、七月に実施した「聞く・話す」の意識調査でも、みんなと話し合い   の勉強をしたり、スピーチしたり、音読したりするのが楽しいと感じている子供は二十九名いると   いう子供たちの反応にも表れている。 また、「春の歌」の学習では、一時間の中に読み取りと音読活動を入れた学習をした。しかし、   読み取りに時間がかかり十分に音読ができず、詩を読む楽しさを味わうまでには至らなかった。そ   こで、「屋久島の杉の木」では、前時に読み取ったことを工夫して音読表現する活動を取り入れた。   その結果、自分独自の音読表現を楽しんだり、自分と違う友達の音読表現を聞き合うことで詩のイ   メージが広がったりする子供が増えてきている。    情景や様子が表れるように音読の工夫ができる子供が十名、音読の工夫を考えることができても   そのとおり音読表現できない子供が十八名、情景や様子が表れるための音読の工夫を考えることが   できない子供が三名いる。 (二)教材の特性    本教材は、題の付け方が印象的である。「かぼちゃのつる」ではなく、「が」を添えることによ って視点が「かぼちゃのつる」一点に絞られてくる。そして、その視点が根元から次第に上に上が   っていく。「はいあがり」「葉をひろげ」のたたみかけるような繰り返しは、「かぼちゃのつる」   がたくましく伸びていく力強い生命力を感じとることができる。また、視点が、竹・屋根・空と直   線的な視点の移動でとらえていて、「かぼちゃのつる」が上に向かってぐんぐん伸びていく様子を   イメージできる。自分の読み取ったイメージをすぐに音読して表現したくなる作品である。    したがって、情景や様子を思い浮かべながらイメージ豊かに音読し、詩を読む楽しさを味わうの   に適している。 (三)音声言語活動   ア 聞く・話す活動     本時では、「間の取り方」「声の強弱」「読む速さ」に気をつけながら一人一人の感じ方の違    いが音読で表現できるように工夫させたい。その工夫の根拠となるのが、前時で学習する詩的表    現の特質や繰り返しの表現から感じる力強い生命力である。音読記号をつけて音読の工夫ができ    ていても、そのとおり表現できない子供のために十分な音読練習の時間を取り、自分の音読表現    の工夫が発表できるようにさせたい。     また、話し合いでは、自分の音読表現と友達の音読表現をくらべながら聞き、よさを自分の音    読に取り入れたり、自分と違う詩のイメージに気づかせたりしたい。   イ 聞く・話す活動と「楽しさ」との関わり    ・自分が感じ取ったかぼちゃのつるの力強い生命力を工夫して自分なりに表現する楽しさを味わ     わせたい。                           (自分を表す楽しさ)    ・友達の音読を聞き、そのよさがわかり、それに意見感想を持たせたい。 (聞き合う楽しさ)    ・友達の音読のよさを自分の音読に取り入れ、更に自分の音読表現がよくなったことを感じ取ら     せたい。                (自分の考えを深めることのできる楽しさ) 五、学習指導計画(三時間) +++−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− | 時   学 習 活 動 | 指  導  内  容 | 評 価 +++−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− す |○「かぼちゃのつるが」を音読、 ○かぼちゃのつるが伸びていく動きか|○かぼちゃのつるの お1 全文視写し、かぼちゃのつる| らかぼちゃのつるの強い生命力を読| 強い生命力を読み と | が伸びていく様子を味わう。| み取る。 | 取ることができた み | |・かぼちゃのつるの動きを想像させる。 か。 +++−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− る |○かぼちゃのつるの強い生命力|○かぼちゃのつるの強い生命力が表れ|○かぼちゃのつるの め1  が表れるように音読の工夫を| るようにかぼちゃのつるの様子を想| 強い生命力が表れ か時  する。 | 像し、音読の工夫をする。 | ように音読の工夫 ふ本 | | ができたか。 +++−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− |||○いろいろな詩を視写したり音|○好きな詩を選び、視写したり、音読|○いろいろな詩に親 | 1 読したりして詩に親しむ。 | の工夫をしたり、暗唱したりする。 | しむことができた ||| | | か。 +++−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−− 六、本時の指導 (一)目標    ◎読み取った内容が音読に表れるように、間の取り方や声の強弱・読む速さを工夫し、音読する     ことができる。    ○かぼちゃのつるが伸びていく力強い生命力をイメージ豊かに読み取ることができる。   (二)展開                                     ++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−− 段   学 習 活 動(・主発問) 時  教 師 の 関 わ り | 評  価 ++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−− ||一、前時の学習を想起する。 ||○前時に学習したかぼちゃのつるの生| す ・「かぼちゃのつるが」は、かぼち|| 命力を音読させることによって想起| || ゃのつるのどんな様子を表してい|| せる。 | お  ましたか。 || | ||二、本時のめあてを確認し、見通し 5 ○どのように音読を工夫したらよいか| と を持つ。 || の読みの視点を持たせる。 | || +−−−−−−−−−−−−−−+| | || |かぼちゃのつるが伸びていく力||・「間の取り方」「声の強弱」「読む| み 強い様子が伝わるように音読の工|| 速さ」から一つか二つ選んで工夫さ| || 夫をしよう。 || せたい。 | || +−−−−−−−−−−−−−−+| | || ||・特に工夫したい言葉を選ばせたい。| ++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−− ||三、かぼちゃのつるが伸びていく力||○かぼちゃのつるが伸びていく力強い| || 強い様子が伝わるように音読を工|| 様子を音読でどう表現するか工夫し| || 夫しよう。 || たいところに音読記号を書かせる。| || ||・微音読しながら音読記号をつけ、試| || || 行錯誤させたい。 | る ||・自分の考えた音読記号で音読練習を| || || する時間をとりたい。 | || ||+−−−−−−−−−−−−−−−−+ ||四、工夫したところを話し合う。 ||●工夫したわけを話し合わせ、音読表|○自分の考えと ||・どう読みたいと考えましたか。 |||現させる。 | 比べながら聞 || ||・「かぼちゃのつる」の力強い生命力| き、かぼちゃ || |||を伝えるためにどんな工夫をしたの| のつるの力強 め |||かをはっきりさせ、音読表現させた| い生命力を意 || |||い。 | 欲的に発表で || ||・自分と違う友達の音読の工夫を聞く| きたか。 || |||ことで友達の音読のよさを感じ取ら| || 5 |せたい。 | || 3 ・話し合うなかで自分の音読の工夫が| か |||変わったところを発表させ、話し合| || |||いで考えが深まったことを確認させ| || |||たい。 | || ||+−−−−−−−−−−−−−−−−+ ||五、音読の工夫がうまく表現できる||●工夫したことを生かしながら、かぼ|○間の取り方・ || ように練習する。 || ちゃのつるが伸びていく力強い様子| 声の強弱・読 ||・工夫したことが表現できるように|| が表れるように練習する。 | む速さを工夫 ふ  練習しよう。 ||・学び合ったことを生かしながら、間| しながらかぼ || || の取り方・声の強弱・読む速さを工| ちゃのつるが || || 夫して音読する。 | のびていく様 || ||・お互いに工夫したことを聞き合い、| 子が表れるよ || || 評価し合う。 | うに音読でき || || | たか。 ++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−− ||六、本時の学習のまとめをする。 ||○工夫したことを生かしながら、音読| る ・かぼちゃのつるの様子がわかるよ|| させる。 | め うに音読しよう。(指名音読) 5 ・音読をとおして、本時の学習のまと| と || めとしたい。 | ま 七、本時の学習について自己評価 ||○ノートに感想を書き、自己評価させ| || する。 || る。 | ++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−