印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):98   −−以下 指導案本文−−     第六学年  国語科学習指導案                        児 童 六年一組 男十六名 女十七名 計三十三名                        指導者      上  島  協  一 一、単元名  理由を明らかにして話し合おう  教材名 「クラス討論会」 二、単元について   話し合うことの意義は、自分の意見が認められ生かされたり、友達の意見から学んだりして話し合い  に参加している者が高まり合うことにある。バズセッションやパネルディスカッションなど話し合いの  形式はいろいろあるが、本単元は、ある話題について二つの立場に分かれて、お互いが自分の意見を主  張し合いながら、相手を説得することを目的とした討論会をとりあげている。   意見の異なる相手を説得するためには、自分の考えを論理的に組み立て、具体的事例や客観的事実に  もとづいた根拠を挙げながら話していくことが必要である。また、相手の主張の正当性を正しく評価し  ながら、自分の主張に同調させることのできる論理を話し合いの場で考え、質問や反論をすることも大  切である。そのため、「話す・聞く」の技能が総合的に動員されることになる。このような話し方の学  習を通して、児童の論理的思考力が高まり、内容の構成を考えて計画的に話す力や話の内容を自分の考  えと比べながら聞く力が  育つものと考える。 三、学習指導目標 (一)関心・意欲・態度   ・討論会の準備を進んで行い、意欲的に討論会に参加しようとする。 (二)表現   ・相手を説得できるように、理由を明らかにして論理的に話すことができる。 (三)理解   ・事実と意見を聞き分け、自分の考えと比べながら聞くことができる。 (四)言語事項   ・言葉の抑揚、強弱などに注意して話すことができる。 四、音声言語指導 (一)児童の実態   児童は、これまで「班を代表して」ではグループで相談し意見や感想をまとめてから話したり、言葉  の抑揚や、強弱に気を付けて話したりすることを学習してきた。また、「悩みごと相談」では、大切な  ところを落とさずに目的をはっきりさせて聞く学習をしてきた。このような学習を通して、自分の考え  を理由付けをしながら話したり、話の内容の要点を落とさないように聞いたりしようとする意欲は育っ  てきている。   しかし、聞き手を意識して、接続語を使い理由・根拠を論理的に述べることや理由・根拠をいろいろ  な面から見つけ話すことは十分とは言えない。また、話し合いでは、話し方の構成が十分でないために  自分の意見をきちんと理解してもらえなかったり、相手の考えにどのように反論したらよいかよく分か  らない児童も多い。そのため、相手を説得する話し方まで至らず、話し合いが深まりに欠けてしまうこ  とがみられる。 (二)教材の特性   自分の考えを分かってもらい、相手を説得できる主張のしかたを考えさせるために、教師自作のテー  プを聞かせたい。二つのテープを比較することによって、「結論、理由・根拠、まとめ」のように内容  を構成し論理的に話すこと、「第一に、第二に、第三に」のように話す順番を明確にすること、「この  ように」という指示語を使い話をまとめることや「自分の体験、資料」を根拠として取りあげているこ  とが相手を説得できる主張のしかたになっていることに気付くことができる。 (三)音声言語指導  ア、聞く・話す活動   相手を説得できる話し方をするために、どのような聞き方をすればよいのかを考えさせ、理由・根拠  を聞き逃さないことや理由・根拠に対して積極的に質問や反論をすることが大切であることに気付かせ  たい。その際、感情的にならず相手の意見のよさを認めながら聞かせるようにしたい。   話す活動では、話し合いを活発にするために、討論会の話題は子供が興味を持って話し合えるような  身ぢかな話題を選んでいく。前時では討論会のしかたを理解し、実際に討論を試み自分たちの問題点を  持たせる。本時では、テープを聞きながら二つの主張を比較し相手を説得できる主張のしかたを考えさ  せる。これをもとに、ペアで発表メモを作り、主張の練習をさせたい。  イ、聞く・話す活動と「楽しさ」との関わり  ・意見の異なる相手を説得するために、自分の考えを論理的に組み立て、具体的事例や客観的事実にも   とづいた根拠を挙げながら話すこと。(自分を表す楽しさ)  ・自分の意見が生かされたり、友達の意見から学んだりして話し合うこと。(自分を認めてもらう楽し   さ、聞き合う楽しさ) 五、学習指導計画(五時間扱い) +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |段階 時 学 習 活 動 | 指 導 内 容 | 評 価 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |す| |〇討論会の意義や方法を理解|〇討論の意義や方法について理解|〇学習課題を作り、学習の| |お| | するとともに、討論を試み| する。 | 見通しが持てたか。 | |と|1| 課題を把握し学習計画を立|〇討論を試み、課題を把握し学習| | |み| | てる。 | 計画を立てる。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | |1|〇相手を説得できる主張のし|〇テープを聞き比べ、説得力のあ|〇説得力のある主張のしか| | | | かたを考える。 | る主張のしかたに気付く。 | たが分かり、話すことが | |時| |〇説得できる主張のしかたを考え、 できたか。 | |る|本| | 練習する。 | | |め+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |か| |〇相手を説得するための質問|〇相手の主張に対して、説得する|〇質問や反論のしかたが分| |ふ| | や反論のしかたを考える。| ためにどのような質問や反論を| かり、質問したり反論し | |1| | したらよいか考える。 | たりすることができたか。 | | | |〇質問や反論の練習をする。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |〇グループごとに討論会の準|〇資料で調べたり、インタビュー|〇討論会の準備ができたか。 | |1| 備をする。 | を取り入れたりしながら説得材| | |る| | | 料を集め、討論会の準備をする。 | |め+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |と| |〇討論会を開き、説得力のあ|〇両派の発表者は、ルールに従っ|〇相手を説得する話ができ| |ま| | る意見を述べ合う。 | て、相手を説得する。 | たか。 | | |1| |〇判定者は、どちらが説得力があ|〇判定者は正しく判定でき| | | | | ったかを正しく判定する。 | たか。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ 六、本時の指導      (一)目 標          ◎理由の説明や仮定を入れ説得力のある話し方ができる。       (二)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |段階 学 習 活 動(・主発問) |時| 教師の関わり | 評 価 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |一、本時の学習課題を確認する。 | |〇前時の学習を振り返り、本時の課| | |す|+−−−−−−−−−−−−−−−+| | 題を確認する。 | | |お|| 相手を説得できる話し方を考え||3| | | |と||よう。 || | | | |み|+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |二、相手を説得できる話し方を考え話| |〇資料を提示したあと、どちらに賛| | | | し合う。 | | 成かを決めさせ、理由をメモさせ| | | |・「A町で降ろすべきか、B町まで行| | る。 | | | | くべきか」という話題で代表の人に| |●説得力のある話し方をするために|〇説得力のある| | | 討論をしてもらいます。どちらに説|15| はどのような話し方をすればよい| 話し方をする | | 得力があるかに気を付けて聞いてく| | のか話し合わせる。 | ための条件を | | ださい。 | | | 見つけること | | | |〇まず相手に自分の主張を理解して| ができたか。 | | 説得力のある話し方 | | もらうために、理由を必ずつける| | |る|+−−−−−−−−−−−−−−−+| | ことが必要であることを気付かせ| | | ||条件1、必ず理由を言う。 || | たい。 | | |め|| 「なぜなら……だからだ」|| |〇具体的な例をあげて理由を説明す| | | ||条件2、例をあげて説明する。 || | ることが説得力につながることに| | |か|| 「例えば………である」 || | 気付かせたい。 | | | ||条件3、仮定をして言う。 || |〇「もし、…なら…になる」のよう| | |ふ|| 「もし、…なら…になる」|| | に相手の意見の欠点の例を出すこ| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | とが説得力につながることに気付| | | | | | かせたい。 | | | |三、「A町で降ろすべきか、B町まで| |+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 行くべきか」という話題で、二派に| |●条件1〜3を活用し、二派に分か| | | | 分かれて討論をする。 | ||れて討論をする。 |〇原則を活用し| | |・実際に討論してみましょう。 |17|+−−−−−−−−−−−−−−−+ ながら討論を | |・討論しての感想を発表しましょう。| |〇説得力のある話し方を見付けさせ| することがで | | | | 感想を出させたい。 | きたか。 | | | | | | | | |四、相手を説得できる話し方について|5|〇条件の大切さを確認するとともに| | | | まとめる。 | | 相手を説得しようとする熱意も大| | | | | | 切であることに気付かせたい。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |五、学習を振り返り、自己評価をする| |〇自己評価カードに記入させ、自己| | |る| | | 評価をさせる。 | | |め| |5| | | |と|六、次時の予告をする。 | |〇次時は、討論会の準備をすること| | |ま| | | を確認する。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+