印刷用紙:B4縦 1ページの行数:51 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−          第1学年国語科学習指導案              日 時  平成8年10月22日(火)  1校時              児 童  1年3組 男16名 女17名 計33名              指導者  和 田  英 1 単元名  二 どんな こと、かこうかな   (光村1年下)     教材名      「わたしが つくった カンンダー」  2 単元について    1年生の作文指導の目標は、「簡単な文章を書く力」を育てることにある。そ   のためには、次のような力を育てていかなければならない。   ・したことを思い出す力   ・正しい文で書く力   ・文と文をつなげて文章を書く力   ・したことの順序をたどって書く力   ・書いた文や文章を読み返し、間違いに気づく力   本単元の指導においては、「文と文をつなげて文章を書く力」を育てることに重   点を置く。    本教材には、自分の書きたいことを選んでカレンダーに書き、自分だけのカレ   ンダーを作るという活動内容が示されている。世界に一つしかない自分だけのカ   レンダーを作るということ、また実際に使うカレンダーを作るということが、子   供たちの目的意識を明確にし、作文学習への意欲を高めるものと思われる。続い   て教材には、カレンダーの作成例と児童の作文例があげられている。ここには、   印象に残った文章を視写した作品、「12月」から頭に浮かぶことを書いた作品、   最近の出来事で印象に残ったことを書いた作文例があり、どのようなことをどう   カレンダーに書いていったらいいか考える参考になる。また、児童の作文例の中   で様子を表す言葉(小さな、すぐに、いそいで、しろい、さむい)、会話文(    「たま、おいで。」「ベランダのはちうえがさむそうだね。」)、気持ちを表す   文(さむいふゆがやってきたんだなあ。)に着目させることによって、どのよう   な文をつなげて書いていけばいいかということに気づかせることもできる。    本単元は、1学期までの三文を書く学習、前作文単元「かいて くらべよう」   での三文程度の簡単な説明文を書く学習の後に位置づけられている。前単元まで   は、主に「したことを思い出す力」や「正しい文で書く力」を養ってきた。本単   元では、今まで養ってきた力を生かしながら、どのような文をつなげて書いてい   けばいいか考えながら四、五文程度(50字程度)の作文を書くことが主なねら   いとなる。本単元での学習が、三学期の作文単元での順序をたどって書く写生文、   生活文、創作文の学習に生かされていくことになる。 3 児童の実態    6月の作文単元「すきなもの、おしえて」では、自分の好きなものを、一文で   書く学習をした。また、7月の作文単元「せんせい、あのね」では自分が経験し   たことを二文程度の作文にすること、「はなが、さいたよ」では生活科で観察し   ているあさがおの様子を三文程度の作文にすることを学習してきている。    これまでの作文学習によって、自分がしたことの中から書くことを見つけ、自   力で二、三文程度の作文を書ける子供が多くなってきた。また、「〜が〜しまし   た。」という主述の整った文を書くことができる子供も多くなった。    しかし、経験したことの中から作文に書くことをなかなか見つけることができ   ない子供や、文字の習得が不十分で作文を書く時に個別指導を必要とする子供が   数名いる。また、様子を表す言葉や文、会話文、気持ちを表す文を入れながら文   と文とをつなげて三文以上の作文を書ける子供も数名いるが、まだ全員のものと   はなっていない。    本学級では、7月の中旬から、「あのねノート」を毎日続けている。その中の   記述を見ても、取材の範囲や使っている言葉、書く量等について個人差が大きく、   次にどのような文を書いていけばいいのかを学習し、自分の経験をより詳しく書   いていくことを指導していく必要がある。 4 指導にあたって    楽しく学習を進めながら、一人一人の子供たちが、「文と文とをつなげて書く   力」を伸ばすことができるように、次のような手だてを講じていく。  1 単元構成について    自分で使う11月のカレンダーと家族にプレゼントする11月のカレンダーの   2つを作るという単元構成とする。    自分のカレンダー作りでは、カレンダーに書く材料を自由に選ばせ、世界に一   つしかない自分だけのカレンダーを作るという活動を十分楽しませることができ   るように配慮したい。    家族にプレゼントするカレンダー作りでは、家族に伝えたいことを詳しく書く   ことを目的とする。教科書の作文例から作文を詳しくする観点(様子を表す言葉   や文、会話文、気持ちを表す文)に気づかせたり、参考資料・参考作文をもとに   してどのように文と文をつなげて書けばいいかをつかむ学習をしたりして、書く   ことや使いたい言葉を、子供たちが膨らませていけるように支援していく。    また、カレンダーの用紙や絵・作文の配置等を工夫させる時間、できたカレン   ダーの良さを認め合う時間を設定して、子供たちが楽しく意欲的に学習を進める   ことができるようにしたい。  2 題材について    自分のカレンダー作りでは、書く材料を限定せず、教科書で習った文章の視写、   「11月」から頭に浮かぶこと、最近の出来事で印象に残ったこと等、カレンダ   ーに書きたいことを自由に選ばせるようにする。    家族にプレゼントするカレンダー作りでは、うれしかったことや楽しかったこ   と、がんばっていること等題材を選ぶ観点を示し、今家族に一番伝えたいことを   選ぶことができるように配慮したい。その際、友達同士で題材の交流をしたり、   最近あったことを思い出すことができるような資料を提示したりして、全員が目   標を達成するのに適した題材を選ぶことができるように支援する。  3 参考資料・参考作文について    自分のカレンダー作りでは、教科書のカレンダーの作成例を活用する。この作   成例をきっかけにして、国語の時間に学習したことを思い起こしたり、「11月」   から頭に浮かぶことや11月に予定していることを交流したりしていきたい。    家族にプレゼントするカレンダー作りでは、子供たちが選んだ題材を考慮して、   参考資料や参考作文を用意する。どんな観点で文と文とをつなげて書けばいいか   を、端的につかめるような絵や作文を提示したい。  4 評価について    各時間の「学ぶ」段階で、できるだけ具体的で自己評価することができるめあ   てを示し、それについて「まとめる」段階で自己評価活動を行わせる。    また、できたカレンダーを掲示したり、発表し合ったりして、友達の作品の良   さに気づかせ、その良さを全体で認め合っていきたい。 5 指導目標  1 関心・意欲・態度   ・自分の書きたいことを選び、進んで文章に書き表そうとする。  2 技能目標   ・作文を詳しくするにはどのようなことを書けばいいかを知り、文と文をつな    げて、50字程度の文章を書くことができる。   ・書いた文章を読み返して、漢字、句読点、かぎの付け方等の誤りを正すこと    ができる。  3 言語事項   ・学習した漢字を文の中で使うことができる。   ・句読点を打つことができる。 6 指導計画(全8時間) +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段階| 学 習 内 容 |時 間| +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |つ学|◎作成例を読み、自分のカレンダー作りへの意欲を持つ。<作文1> | |か | 1 自分のカレンダー作りの目的をつかみ、カレンダーの作り| | |むぶ| 方や書く材料について学ぶ。 |1 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |つ |◎自分のカレンダーを作る。 | | |く | 1 カレンダーに書くことを選び、自分のカレンダーに作文や| | |る | 絵を入れる。 |1 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |つ学|◎家族へプレゼントするカレンダー作りへの意欲を持つ。<作文2> | |か | 1 家族へプレゼントするカレンダー作りの目的をつかみ、作| | |むぶ| 文例から作文を詳しくする観点を学ぶ。 |2 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |つ |◎家族へプレゼントするカレンダーを作る。 | | | | 1 何について書くかを決め、その場面の絵を書く。 |1 | |く | 2 家族に伝えたいことを作文に書く。 |1(本時) | | 3 自分の書いた作文を読み返して間違いを正し、カレンダー| | |る | を完成する。 |1 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | | |ま |◎カレンダーの発表会をする。 | | |と | 1 カレンダーに書いた作文を発表し、良い所を見付け合う。|1 | |め | | | |る | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ 7 本時の指導  1 目標   ・自分が選んだことを、進んで文章に書き表そうとする。   ・様子を表す文、会話文、気持ちを表す文のいずれかを入れて、文と文とをつ    なげて50字程度の文章を書くことができる。  2 指導にあたって    本時は、教科書の作文例から学んだ作文を詳しくする観点(様子を表す文、会   話文、気持ちを表す文を入れて書く)についての学習を深め、子供たちがその観   点を生かして作文を書くことができるように、次のような工夫をする。    「学ぶ」の段階では、まず、一枚の絵とその絵のことを簡単に書いた参考作文   Aを提示して、分からないことやもっと知りたいことを出し合い、様子を表す文、   会話文、気持ちを表す文をつなげていく。そのようにして完成した作文(参考作   文B)をもとに、作文を詳しくする3つの観点を確認し、自分の作文に取り入れ   たい文を考え、「自分のめあて」をもたせたい。    「まとめる」の段階では、「自分のめあて」に沿って、作文を読み返させ、挙   手による自己評価を行う。  3 展開 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 前 時 の 学 習 内 容 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |◎家族にプレゼントするカレンダーに、何について書くかを決め、その場面の絵| | を書く。 | | ・家族に今一番知らせたいことを選ぶ。 | ・決めた題材で、一番印象に残っている場面を絵にかく。 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | |段階 学 習 活 動 教師の働きかけと予想される児童の反応 教 師 の 支 援・評 価 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |つ|1 何について|○今日、何のことを書くの|・家族にプレゼントするカレ| | | 書くか発表す| か発表してください。 | ンダーに書くのに、とても |か| る。 | ・休み時間のこと | いい題材を選んだことをほ | | | ・体育の時間のこと | め、書きたいという意欲を |む| | ・生活の時間のこと… | 高める。 | | |2 本時の学習|+−−−−−−−−−−−+・みんなの伝えたいことが、| | | 課題をつかむ。|おうちのひとがよんでわ| ちゃんと伝わるように詳し |5| ||かるように、くわしくか| く書けば、すばらしいカレ |分| ||こう。 | ンダーになることを話し、 | | |+−−−−−−−−−−−+ 本時の学習への意欲を高め | | | | る。 | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |3 絵や参考作|○わからないことやもっと|・子供たちが選んだ題材を考| | | 文をもとに、| 知りたいことは、ありま| 慮して、絵とその絵のこと | | どのような文| せんか。 | を簡単に書いた参考作文A | | をつなげれば| ・だれとやりましたか。| を提示して、分からないこ |学| くわしくなる| ・何と言いましたか。 | とや知りたいことを出し合 | | か考える。 | ・どう思いましたか。…| い、参考作文Aに文をつな | | | | げていき、どのような文を | | | | つなげていけばいいかつか | | | | めるようにする。 | | | |○できた作文を読んでみま|・できた作文(参考作文B)| |ぶ| | しょう。 | を読み、様子を表す文、会 | | | | 話文、気持ちを表す文をつ | | | | なげれば、詳しい作文にな | | | | ることを確認する。 | |15|4 「自分のめ|○自分の作文に使いたい文|・挙手による確認を行い、 | |分| あて」をも| を考えましょう。 | 「自分のめあて」を自覚で | | つ。 | | きるようにする。 | +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |5 学んだこと|○おうちの人が良く分かる|・机間巡視では、まず、文字| |つ| 生かして、作| ように、詳しく書きまし| の習得が不十分で教師の個 | | 文を書く。 | ょう。 | 別指導が必要な子供への指 | | | | 導を行う。 | |く| | |・書き上げた子供には、次の| | | | | 作業を指示する。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−+ | | | ||進んで文章を書こうとして| |る| | ||いるか。 | | | | ||(関心・意欲・態度) −観察− | | | |+−−−−−−−−−−−−+ | | | ||様子を表す文、会話文、気| |17| | ||持ちを表す文のいずれかを| |分| | ||入れて、50字程度の文章| | | | ||を書くことができたか。 | | | | ||(技能) −作文− | | | | |+−−−−−−−−−−−−+ +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | |6 作文を読み|○書いた作文を声に出して|・自分の文章を読み返す習慣| |ま| 返し、「自分| 読んでみましょう。 | や自分の学習を振り返る習 |と| のめあて」に|○自分が使いたいと思った| 慣を養っていくために、自 |め| 沿って自己評| 文を使うことができた人| 己評価活動を行う。 | |る| 価をする。 | は手を挙げてください。|・何人かに作文を発表させ、| | | | | 良い所を認め合う。 | | | | | | | | | | | |8|7 次時の学習|○明日は、今日書いた作文|・今日の学習への取り組み方| |分| 内容を知る。| で間違っている所はない| や作文の書き方で上手にな | | | か確かめて、カレンダー| った所等をほめ、次時への | | | を完成させましょう。 | 意欲を高めるようにする。 +−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 次 時 の 学 習 内 容 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |◎自分の書いた作文を読み返して間違いを正し、カレンダーを完成する。 | | ・漢字、句読点、かぎの使い方等についての間違いを正す。 | | ・カレンダー用紙に絵と作文をはり、まわりを工夫する等して、カレンダーを | 完成する。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+