印刷用紙:B4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−   第2学年国語科学習指導案                 日 時  平成8年10月22日(火)1校時                 児 童  2年2組男14名女18名計32名                指導者  高 橋  省 一 1 単元名 七 みんなに教えてあげたいな(光村2年上)     教材名      「とびばことび」 2 単元について   2年生の作文指導の目標は、「事柄の順序がはっきりした文章を書く力」を育  てることにある。そのためには、次のような力を育てていかなければならない。   ・したことを順々に思い出す力   ・書く順序を整理する力   ・文と文との続き方に注意して書く力   ・順序を示す言葉を使って、順序を整えて書く力   ・書いた文章を読み返し、読み手に分かるように直す力   本単元の指導においては、「順序を示す言葉を使って、順序を整えて書く力」  を育てることに重点を置く。   本単元では、遊びや他教科の学習の中で、自分が知っていることや工夫したこ  とをお互いに教え合うために、紹介する文章を書く学習を行う。紹介するという  活動は誰もが楽しいことである。しかも、自分の体験をもとに紹介する文章を書  くということは、「教える」という目的意識を明確にし、作文学習への意欲を高  めるものと思われる。教材文には、体育の時間にしたとびばことびの遊びをクラ  スの友達に紹介している作文例が2つ挙げられている。この2つの作文例はとも  に、書き出し(自分が考えた名前の紹介や、名前をつけたわけの説明)、とび方  の説明(順序を示す言葉を使っての分かりやすい説明)、結び(読み手への呼び  かけや思ったこと)という3部構成になっている。どちらも短く端的な文章であ  り、しかも、動きが具体的で分かりやすい説明の仕方になっている。この作文例  の順序を示す言葉の使い方や説明の順序、様子を詳しくする文に着目し、自分の  作文に生かすことにより、「順序を示す言葉を使って、順序を整えて書く力」を  高めることができると考える。   前単元「じゅんじゅんに思い出して書こう」では、「したことを順々に思い出  す力」や「順序を示す言葉を使って、順序を整えて書く力」を養うことに重点を  置いて指導した。ここでは、時間的順序にしたがってしたことを思い出し、順序  を整えて書くという学習を行っている。本単元でも、「順序を示す言葉を使って、  順序を整えて書く力」を養うことに重点を置く。しかし、自分でしたことの順序  を思い出し、読み手によく分かる文章になるように順序を整えて書く学習となり、  前単元で扱った「順序」よりは、少し高度な内容となる。そして、本単元での学  習が3学期の生活文を書く学習へと発展的に生かされていくことになる。 3 児童の実態   子供たちは、前単元「順々に思い出して書こう」で、したことなどを絵や短い  文 でメモを作り、順序を整えてから作文を書く学習をしてきた。この学習によ  り、したことを順々に思い出して作文を書くことができる子供が多くなってきた。  また、「さいしょに、つぎに、そして」などの順序を示す言葉を使って、順序を  整えて作文を書くことができる子供も多くなった。しかし、経験したことの中か  ら作文に書きたいことをなかなか見つけることができない子や、順序を示す言葉  を使って作文を書いたとしても、単にしたことの羅列で終わってしまい、一番書  きたいことがぼやけたり、ないようがふくらまない作文になったりする子供も多  い。中には、思い起こしが細かくなり、順序を示す言葉の繰り返しで、長くまと  まりのない文章になってしまう子供もいる。そこで、読み手にはっきりと自分が  した ことを伝える文章にするために、順序を示す言葉の適切な使い方をはっき  りと分からせるとともに、長い文章よりも会話や比喩、擬態語や擬音語等、様子  を詳しくする文を使って様子がよく分かる文章を書くことができるように指導し  ていく必要がある。 4 指導にあたって   子供たち一人一人が、楽しく学習を進めながら、読み手に分かりやすく、順序  よく紹介する文章を書くことができるように、次のような指導の手だてを講じて  いく。  (1) 単元構成について   本単元では、作文を2回書かせるという単元構成とする。作文を書く場面を多  く与えることによって、書く力や意欲が高まると考えるからである。   1回目の作文では、教科書の作文例から紹介する文章の書き方を学び、体育で  とびばこをしたことについての紹介する作文を書く。自分が紹介したいことが読  み手によく伝わるようにするためには、書くために必要な事柄をたくさん集め、  順序を整理して書くことが大切である。文末表現も「~~しました」と書くよりも、  「~~します」という説明的表現を使って書くようにさせたい。   2回目の作文では、1回目の作文で学んだことを生かしながら、一番みんなに  紹介したいことを見つけ、子供一人一人のアイディアを盛り込みながら、紹介す  る作文を書かせたい。   以上のように、1単元1作文ではなく、書く機会を多く与えることにより、書  く喜びを通して、意欲的に表現する子供を育てたい。  (2) 題材について   1回目の作文では、とびばことびの共通体験により自分が発見・発明したとび  方を友達に教えてあげる作文を書く。題材の見つからない子には、作文例で学ん  だことや友達の題材を参考にしながら作文を書かせる。2回目の作文では、とび  ばこ野他に、鉄棒やマット、なわとびなどの学習の中から題材を自由に見つけさ  せ、自分が一番紹介したいことを選ばせたい。題材の見つけられない子には、い  くつかの例を示し、個別指導をしながら友達に紹介したい題材を見つけさせ、意  欲的に書くことができるように支援していく。  (3) 参考資料・参考作文について   1回目の作文では、主に教科書の作文例を使い、順序を示す言葉の適切な使い  方を中心に学び取らせる。2回目の作文では、子供たちが選んだ題材を考慮して  参考資料や参考作文を用意する。ここでは、「はじめ、なか、おわり」の構成で  作成された組み立てメモの例や、様子を詳しくする言葉や文について学び取らせ  るために参考作文を作成し、提示していく。  (4 )評価について   各時間の「学ぶ」の段階で、できるだけ具体的で子供たちが自己評価すること  ができるめあてを示し、「まとめる」の段階で自己評価活動を行わせ、次時の学  習へ意欲をつなげたい。また、できた作文を読み合ったり、発表したりする相互  評価活動も行わせ、友達の作品のよさに気づかせ、全体で認め合っていきたい。 5 指導目標  (1)関心・意欲・態度   ・教えてあげたいことを意欲的に文章に書こうとする。  (2)技能目標   ・教えてあげたいことが読み手によく分かるように、順序を整理して文章を書    くことができる。   ・書いた文章を読み返して、表記や間違いを直し、読み手に分かる文章にする    ことができる。  (3)言語事項   ・指示語や順序を示す言葉の役割と使い方に気づき、文章の中に使うことがで    きる。   ・句点を打ちながら文章を書き、また、読点の打ち方に注意することができる。 6 指導計画(全10時間) +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |段階|学 習 内 容 |時間| +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |つ | 学習のめあてをつかみ、書こうとする意欲をもつ。 | | |か |(1)教材文を読んで学習のめあてをつかみ、教えてあげたいことを |1 | |む | 考える。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | |◎教科書の作文例を読み、自分のしたことを紹介する文章の書き方| | |学 | を学ぶ。 | | | |(1)教科書の作文例から、順序を示す言葉の適切な使い方を学び取 |1 | |ぶ | る。 | 1 | | |(2)書く内容や様子を詳しくする文の書き方を学ぶ。   | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | |◎とびばこを使ってしてみたことを紹介する作文を書く。<作文1>| | |つ |(1)自分のしてみたことの順序を思い出し、組み立てメモをつくる。|1 | | |(2)順序を示す言葉を適切に使って、自分のしたことを紹介する作 | | | | 文を書く。 | 1 | |く |◎自分の紹介したいことが読み手によく分かるように作文を書く。| | | | <作文2 >| | | |(1)自分の紹介したいことを決め、発表し合う。  | 1 | |る |(2)作文をどんな順序で書くか考え、組み立てメモを作る。  | 1 | | |(3)組み立てメモを見ながら、紹介する作文を書く。  | 1 | | |(4)書いた文章を読み返して、読み手によく分かる文章に直す。  | 1 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ |ま |◎発表会をして、学習のまとめと評価をする。 | | |と |(1)発表会をしてよいところを認め合う。   | 1 | |め | | | |る | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ 7 本時の指導  (1) 目標   ・紹介したいことが読み手によく伝わるように、進んで組み立てメモをつくろ    うとする。  ・順序を考えて組み立てメモをつくることができる。  (2) 指導にあたって  本時は、1回目の作文の経験を生かして、紹介したいことが読み手によく伝わ  るために、事柄の順序を考えて組み立てメモをつくることについての学習を深め  る。そのために、次のような工夫をする。   「学ぶ」の段階では、子供たちが共通体験をして知っている(説明することが  できる)題材を扱った三枚の絵を提示して、その絵に必要な事柄を考えながら、  共同で組み立てメモをつくる活動を行う。その時、説明に必要と思われる事柄を  短冊に書いて黒板の隅に貼っておく。子供たちは、その短冊の中から必要な事柄  を絵と照応させながら並べる。また、そのほかに必要な事柄を思い出し、順序を  考えて組み立てメモをつくらせたい。この活動を通して、自分のしたことを詳し  く思い出し、順序を考えて組み立てメモをつくるめあてとして、「つくる」の段  階へ進みたい。   「まとめる」の段階では、順序を考えて組み立てメモをつくることができたか、  したことを詳しく思い出すことができたかという観点で、自己評価活動を行う。  (3) 展開 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |前 時 の 学 習 内 容 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |◎自分の紹介したいことを決め、発表し合う。 | | ・自分の紹介したいことに名前をつけ、絵を描く。 | | ・自分の紹介したいことを発表し合う。 | | | ++−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |段階|学 習 活 動| 教師の働きかけと予想される児童の反応|教 師 の支 援・評 価 ++−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |つ|1 自分が紹介   ○みんなに紹介することを ・みんなに紹介するのに、お | | | しようとする | 発表しましょう。  | もしろそうな題材を選んだ | | | ことを発表す | ・とびばこの~~のこと  | ことをほめ、書きたいとい | | | る。  | ・てつぼうの~~のこと | う意欲を高める。   | | |  | ・マット運動の~~のこ |   | |か| | と   |  | | 2 本時の学習 ○読む人によく伝わるよう ・自分のしたことを詳しく思  | | | 課題をつかむ に、組み立てメモをつくり | い出すことにより、自分の  | | |   |ましょう。 | 紹介したいことが読み手に  | |む| |+−−−−−−−−−−+  よく伝わることをつかませ  | | |  ||自分がしたことを思い| るとともに、必要な事柄を  | | |  ||出して、組み立てメモ| 整理するために組み立てメ  | |5| | をつくろう。 |  モとつくることをとらえさ  | |分| |+−−−−−−−−−−+  せる。   | ++−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 3 参考資料を |○黒板の絵を見て、組み立|・子供が「こうもりおり」を | | | もとに、組み | てメモをみんなでつくっ | している三枚の絵と、説明 | |学| 立てメモのつ| てみましょう。 | するために必要な事柄が書 | | | くり方を学ぶ|○これらのカードをどんな| かれてある短冊を用意す  | | | | 順序で並べますか。  | る。  | | | | ・はじめの絵に「手をか |    | | | | ける」  |・三枚の絵と短冊を照応し  | | | | ・真ん中の絵に「ぶらぶ | て、順序を整理しながら組 | | | | らする」  | み立てメモをつくらせる。 | | | | ・最後の絵に「おりる」 |    | | | ○メモにどんなことをつけ ・分かりやすい説明のため | | | | 足せばもっと詳しくなり | に、短冊で示されている事 | | | | ますか。  | 柄にさらに必要な事柄はな | | | |  | いか考えさせる。  | |ぶ|4 「自分のめ|○組み立てメモを書くと |・読み手によく伝わる作文に | | |あて」をもつ。| き、どんなことに気をつ | するための組み立てメモの | | |  | けますか。 | つくり方(必要な事柄を順 | | |  | ・したことを詳しく思い| 序を考えて組み立てメモに | | |  | 出して組み立てメモに| 書く、詳しく思い出して組 | | |  | 書く | み立てメモに書く)につい | | |  | ・順序を考えて組み立て| てまとめ、子供一人一人が | |17| | メモをつくる   | 組み立てメモをつくる際の | |分| |   | めあてとして自覚させた  | | |  | | い。   | ++−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 5 書く順序を ○紹介したいことがよく分 ・作業のなかなか進まない子 | |つ| 考えて、組み| かるように順序を考えて| に対しては、黒板の組み立 | | | 立てメモをつ| 組み立てメモをつくりま| てメモに注目させ、書き方 | | | くる。 | しょう。 | を思い出させる。また、書 | | | |   | く事柄を見つけることがで | | | |   | きないでいる子に対して  | |く| |  | は、個別的に質問をして必 | | | |  | 要な事柄を見つけさせるよ | | | |  | うに支援する。  | | | |  |+−−−−−−−−−−−+ | | |  ||進んで組み立てメモをつ| |る| |  ||くっているか。 | | |   | |(関心・意欲・態度)―観察―| | |   | |+−−−−−−−−−−−+ | |   | |+−−−−−−−−−−−+ | |   | | 順序を考えながら組み立 | | |   | | てメモをつくることがで | |20| |   ||きたか。 | |分| |  ||(技能)―組み立てメモ― | | |   | |+−−−−−−−−−−−+ ++−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 6 学習のまと ○自分のつくった組み立て ・順序を考えて組み立てメモ | |ま| めとして、自| メモを読み返して、「め| をつくることができたか、 | | | 己評価をす | あてカード」に書きまし| 自分のしたことを詳しく思 | |と| る。 | ょう。 | い出すことができたかとい | | | |  | う観点で自己評価を行う。 | |め|7 次時の学習|○明日は、今日つくった組|・本時の学習への取り組み方 | | | 内容を知る。| み立てメモを見ながら、| や順序を考えて上手に組み | |る| | みんなに紹介する作文を| 立てメモをつくったことな  | |3| | 書きます。 | どを讃え、次時への意欲を | |分| |  | 高めるようにしたい。  | ++−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |次 時 の 学 習 内 容 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |◎組み立てメモを見ながら、自分のしたことを紹介する作文を書く。 | | ・順序を示す言葉を適切に使って、自分のしたことを紹介する作文を書く。| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+